2009-12-25 12:54:15

SEPGの「作りすぎ」

テーマ:今日の出来事
弊社では、Excelを使ってバックログ管理と同時にバーンダウンチャートを出すようにしています。

なんかアジャイルのプラクティスに、どっか反してるように思えるでしょ?
ところが、面倒なんですけど、毎日残ログ一覧とバーンダウンチャートは印刷して、壁に貼っているのです。

全リクエストの進行状況は、リクエストを処理するプロセス毎に星取表を作って、1プロセスが終わる度にドットシールを貼っています。

というのが弊社の「かんばん」実践状況なのですが、このうち残ログ一覧とバーンダウンチャートを更新するのがわたしの仕事になっています。

年明けから次フェーズを迎えるプロジェクトのために、Excel表を更新していたのですが、それに伴って表の使い勝手をあれこれと直してみたのです。

今まではその日の進捗であるデータを2、3か所入力していたのですが、1か所入れれば関連するシートのデータがすべて更新されるようにしました。

しかし、途中で気づきました。あまりにシート間に関連をつけると、後の変更に融通が効かなくなる。
これはプログラム間の結合度と同じことのように感じます。

前職でSEPGをやっていたときも、同じような仕事をしました。しかし、そのときはどこまでも自動化による便利さを追求して、マクロを作りまくっていました。

なぜ、こんなふうに意識が違うのだろうか?

正直なところ、SEPGとしての自分の仕事を誇示するため、というか自分の仕事への正義感なんじゃないかと思います。それは悪いことではないのですが、やはり「本当に必要なこと、十分な程度」ということについて、実際にそれらのツールを使う現場の目線に立ててなかったのではないかと思います。

自分の仕事を遂行することで、現場に良くなってもらいたい。それは意識として正しいことと思います。この一文で大切なことは「自分の仕事」じゃなくて「現場に良くなってもらう」なんですね。
つまり、SEPGが気付かぬうちに「金メッキ」を施してしまうということも、改善の推進を阻害する一因になっているのではないでしょうか。

使い勝手のよいツールとはなにか。何度か考えてきたことですが、まだまだ気付かされることが多いテーマです。
2009-12-24 00:13:28

Weinberg Conferenceを開催しました。

テーマ:今日の出来事
G.M.Weinbergをご存知でしょうか?

わたしは大概のソフトウェアエンジニアなら知っていて、1冊は彼の著作を読んでいるものだと思っていたですが、そうでもないんですね。わたしより年長の方でも知らないという方もいました。

ワインバーグはコンピュータがビジネスとして用いられるようになった黎明期から、エンジニアとして、その後コンサルタントとして第一線で活躍してきた人です。
ソフトウェア開発において最も重要なことは「人」である、ということを早くから論じていて、その著書は多くの人に愛されています。

今、彼は癌のため闘病中です。その彼を少しでも励ますことはできないだろうか。そんな思いからこのカンファレンスを開催することになりました。

《まったりと、濃厚なイベント》
参加者は最終的に10名と、ごく少人数となりました。
実のところ、予想よりは少なくなってしまったのですが、結果としてはこの少人数がよかったと感じています。
参加者全員が、5分は発表の形でワインバーグの著作に対する思いを語り、またセッション中にもいろいろな意見を出しても、進行には支障なく、その上コンテンツの内容をより濃くしてくれるものとなりました。

最近は参加人数が多めのイベントに多く出ているので、このような濃厚なディスカッションができる人数というのも悪くないな、と思いました。

セッションの内容ですが、諸事情により当初予定していたものとはかなり違うものとなってしまいました。それもまた善しといえる“まったり”した雰囲気で、カンファレンスは進みました。

用意していて、きちんとできたのは平鍋さんによるワインバーグのインタビュー紹介ぐらいで。内容は平鍋さんのブログをご参照ください。

参加者のみなさんは、それぞれワインバーグへの思いがとても強く、暑く、濃い方ばかりでした。たぶん最も薄いのが主催者側のわたしたちだったかもしれません。べーっだ!

特に印象に残ったのは、某有名検索企業G社でプログラマをされているまだ27歳という若い方。学生の頃にワインバーグに出会い、傾倒。彼の考え方がいつも自分の仕事を成功に引っ張ってくれる、と言っていたことです。
わたしの知る限り、ワインバーグの本が好きだという方は「つらいときにワインバーグの言葉に励まされた」という、つまり“痛い”経験をした人がほとんどなのですが、そうではなく成功のための行動指針として存在しているといのが、単純に「すごいっ!」と思いました。彼にはぜひ将来ワインバーグを大いに語る著書を執筆していただきたい。


カンファレンスでわたしがやったことといえば、現在この本を翻訳中の伊豆原弓さんからのメッセージを代読したぐらいでしょうか。
Perfect Software: And Other Illusions About Tes.../Gerald M. Weinberg

¥1,840
Amazon.co.jp

新しい著作が読める。とても楽しみです。


《ワインバーグとわたし》
わたしがワインバーグの著作と出会ったのは、プログラマの仕事を始める前の学生のときでした。学校は情報処理系の学科だったので、図書館には数多くのコンピュータサイエンスやソフトウェア工学の本が所蔵してあります。その中にワインバーグの本もありました。
なんとなく読んでみようと思ったのですが、正直難しくて読めませんでした。いつかはこの本を読めるようなエンジニアになりたい。そう思ったものです。

たぶん、この辺の本だと思います。
ワインバーグのシステム思考法 ソフトウェア文化を創る〈1〉/G.M.ワインバーグ

¥3,360
Amazon.co.jp

その後、この本を読み、初めてワインバーグの言葉に、ダイレクトに感銘を受けました。
ライト、ついてますか―問題発見の人間学/ドナルド・C・ゴース

¥2,100
Amazon.co.jp

そしてわたしがワインバーグに助けられたのは、プロセス改善の推進担当者をしていたときです。
現場やその上司に、カイゼンを受け入れてもらえずに対立してしまうようなとき、何が自分の言葉に足りなかったのかを教えてくれました。

それは、この本の「粒のあるイチゴジャムならどこまで塗っても薄くならない」という言葉です。

相手に印象づけられる言葉、つまり説得力のある言葉がない。そこから「相手に伝わる」ということはどういうことなのか?それを常に問い続けていたら、いつか対立は少しずつ解消できるようになりました。

コンサルタントの道具箱/ジェラルド・M・ワインバーグ

¥2,310
Amazon.co.jp

その他にも、改善推進担当者として心がけるとよいと思われる知恵が満載の本です。ぜひご一読を。





このカンファレンスの模様は、短いビデオにしてワインバーグへ届けることになっています。動画は平鍋さんに公開していただいているので、ここにも貼り付けておきます。


ワインバーグ氏が回復されることを、心からお祈りして…。

I wish your Merry Christmas.

2009-12-17 19:10:57

KPTの問題点

テーマ:今日の出来事
ふりかえりツールとしてKPTは広く使われるようになりました。わたしもKPTを使ったワークショップを前川さんとSPES2007で やったこともありました。

KPTの良さは「次にやること」を挙げていくことだと、自分では思っています。プロセス改善のモデルのPDCAにおけるActionに相当することのプラクティスとしてはとても有効です。

しかし、今日社内で議論した中でKPTにもまだ弱点がある、という話が出てきました。

KPTによって新たなチャレンジとしてのプラクティスを挙げても、実際にはフェードアウトしてしまったりすることがある。それはなぜだろうか?

次にやることを考えるときに「なぜそれをやらなければいけないのか」ということが、KPTの上には書かれないということが1つの要因になっているのではないでしょうか。

KeepやProblemで挙がる、チームで起こったことやそれに対するメンバーの感情。そこからTryを導いているのですが、そこに「なぜ」があるはずなのに、KPTにはそれを書くスペースが用意されていないのです。

おそらく、KPTを効果的に活用している現場では、この「なぜ」もどこかに記入するという、独自の方法を使っているのかもしれません。紹介されているプラクティスはあくまでモデルであって、それを自分たちの使いやすいように、より効果的に工夫することが必要です。

弊社でもそうで、いろいろTryを挙げていっても、どうもそれが効果的に見えないケースが多い。そこにはメンバーが「本質を理解する」という部分がない、もしくはそのようなディスカッションは含まれていても、見える形で残さないと印象に残らないのかもしれません。

そこで、まだ名前は考えてないのですが、NewKPTが提案されました。


How to make a smiling face ~笑顔の作り方~
この利用方法は以下の通りです。プロジェクト終了時のふりかえりを例にしたいと思います。

1)プロジェクトの活動を通して、自分が感じたことを「自分の感情」エリアに挙げる。これは良いことも悪いことも一緒に。
2)プロジェクトの中で起きた事実を挙げる。例えば「仕様の誤理解で手戻りが発生した」とか「見積よりも思ったより早くタスクが終了した」など。
3)先に挙げた感情や事実について「何がそうさせたか?」を挙げます。すべての事実にはその原因があり、それを探ることで、本当の解決策を考える手助けをします。

簡単に手順を説明しましたが、これを挙げていくうちにも新しいアイデアが出てきました。
ここの「何がそうさせたか?」という問いは、トヨタ式で使われる「なぜなぜ分析」にとても近いものです。なので、この項目も3段階ぐらいやってみてはどうか、というアイデア。

また、従来のKPTを踏襲すると、やはり「次にどうするか」を挙げると思います。しかし弊社はそこをチームのふりかえりでやらなくていいのではないか、という結論になりました。

その理由は「自分で考えるエンジニアを育てたい」という会社の方針によります。

エンジニアにとって大切なことは、自ら考えチャレンジすること。そこに自らの工夫を持ち込むこと。
その場を提供するために、あえて結論を出すことルールにせず、各自で考えてもらうことをルールにします。

もちろん、やり方を決めようということがチームの決定であれば問題ありません。それはふりかえりを自分たちのルールで実施するという「エンジニアの工夫」であると解釈します。


ふりかえりのツールはKPTに限らず、まだまだあります。前回の記事でも紹介したこの本に、様々な方法とその効果が紹介されています。

アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き/Esther Derby
¥2,520
Amazon.co.jp
これらを参考にして、自分たちの状況や目的に適ったふりかえり方法を模索することをお勧めします。楽しいですよ。

あたらしいこの方法に名前がついたら、またご紹介しますね。

2009-12-15 16:36:15

「TDD読書会+北陸エンジニアグループ2009ふりかえり」に参加してきました。

テーマ:今日の出来事
しかしまー。twitterってすごいツールになってきましたね。

「12日に金沢へ行きます!」の、わたしのつぶやきがどうしたことか「TDD読書会+北陸エンジニアグループ2009ふりかえり」へお呼ばれするきっかけになりました。

場所は金沢市の郊外にある、金沢大学キャンパスの施設で「角間の里」というところです。

http://www.adm.kanazawa-u.ac.jp/ad_chiiki/kakusato/kaku-top.html

どうですか?とても素敵なところでしょう。
$How to make a smiling face ~笑顔の作り方~

前半のTDD勉強会はKentBeckの書籍である「テスト駆動開発入門」を参考に、数人の方がデモをしたりしながらTDDについて勉強されていたようです。

テスト駆動開発入門/ケント ベック

¥3,150
Amazon.co.jp


このセッションでは、わたしはまだ会場に到着していなかったので、他の方のブログをご参考ください。

http://d.hatena.ne.jp/shozzy/20091215/1260857308
http://prepro.wordpress.com/2009/12/14/tdd%E8%AA%AD%E6%9B%B8%E4%BC%9A3%E5%8C%97%E9%99%B8%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%972009%E6%8C%AF%E3%82%8A%E8%BF%94%E3%82%8A%E4%BC%9A%E3%81%AB%E8%A1%8C/
http://d.hatena.ne.jp/masayan_kazu/20091213
http://d.hatena.ne.jp/yuuitiro/20091212
http://d.hatena.ne.jp/shozzy/20091213/1260694997
http://d.hatena.ne.jp/katzchang/20091213/p1
http://blog.livedoor.jp/mitukiii/archives/929612.html
http://d.hatena.ne.jp/indication/20091212
http://blog.air-life.net/2009/12/hokuriku-engineer-group-retrospective.html


後半のふりかえりでは、僭越ながらファシリテータを務めさせていただきました。
というか、わたしTDDについてはまったくわからないし、北陸エンジニアグループのみなさんともほとんど初対面だったので、これぐらいしかお手伝いできなかったのですがね。

なのに、なんで金沢まで行って勉強会に参加したの?

なんて野暮なことは聞かないでください。わたしなんだから仕方ないですよ、はい。

ふりかえりはタイムラインを使って行いました。
わたしを呼んでくださった@katzchangさんも、「アジャイルレトロスペクティブス」を参考にしてタイムラインをやろうと思っていたとか。要求も合致していたのでわたしもこの本に従って。

アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き/Esther Derby

¥2,520
Amazon.co.jp

6、7人で1チームになり、全部で3チームのふりかえりになりました。
中には初参加の方もいらっしゃったようですが、全体としてとても盛り上がっている状況が続きました。時間を区切っても、再三延長を望まれていたのがその証拠かと思います。

タイムラインを拝見して驚いたのは、実にたくさんのイベントを開催されていたこと。こういう場をみなさんが渇望しているのかな、ということをタイムラインから感じました。

それがどのような理由であるかは、みなさんからお聞きするチャンスをもてませんでしたが、北陸のみなさんの実に旺盛な学習意欲はよくわかりました。
そのあたりの理由や、みなさんの勉強会へのモチベーションなどはできれば懇親会でじっくりお聞きしたかったのですが、残念なことにご一緒できませんでしたので、次の機会に。

$How to make a smiling face ~笑顔の作り方~

みなさんの勉強会に対する思いが強いので、ふりかえりのファシリテータといっても大したことはできませんでした。逆にわたしがみなさんのエネルギーを感じて、また何かできることを探したいな、というモチベーションを頂戴しました。

そしてモチベーションだけじゃなく、名物の「とり野菜みそ」まで頂戴しました。

まつや とり野菜みそケース売りとり野菜みそ6袋&ピリ辛とり野菜みそ6袋

¥2,898
楽天
※モバイル非対応

スタッフの@katzchangさんはじめ、北陸エンジニアグループのみなさん、ありがとうございました。
短い時間でしたがとても有意義でした。よかったら、また呼んでください。今度は懇親会にも参加させてください。

本物の“懇親会女王”クオリティを、お見せしますよ!

Amebaおすすめキーワード

    アメーバに会員登録して、ブログをつくろう! powered by Ameba (アメーバ)|ブログを中心とした登録無料サイト