2009-10-14 12:24:05

大野耐一の教え

テーマ:今日の出来事
「標準は現場が作るもの」という大野耐一の教えがあります。この考えにはメアリーポッペンディーク女史も感銘を受けていました。(Agile2007 資料参照)

じゃあ、実際、できますか?
ここに挑戦しようと思います。

自分たちに既存のプロセスがあったのですが、その考え方だけでは十分ではないプロジェクトがありました。稼働中はある意味「いきあたりばったり」だったと思います。

しかしこのプロジェクトが終わって「あれはあれでいい部分があった」という気づきが出てきました。

ここまでは何度か経験しています。今度はここからが違います。

その気づきを「文書化」をしようと思っています。そして新しい「標準」にしようと。

文書化や標準化という言葉は、現場への新たな「枷」のように受け取られることも少なくありませんが、他者にどう思われようと、自分たちが今必要なのは「文書化と標準化だ」と思えるまで、気づきを掘り下げてきました。

文書化をする意味は「情報の共有」ではなく「外化」だと思っています。自分たちの気づきを文書にすることで、個々の内側に持っている暗黙的な知識を整理するところまでで十分なのです。

「その文書を見れば誰でもプロセスは再現可能である」なんて、ちょっと怪しいと思っています。それは料理を作るのに似ていて、料理本を読めばだれでもその料理が作れるかといえば、そうでもない。ある程度の経験を経た人の作るものと、料理が下手といわれる人の作ったものはどこか違うものです。

標準なんて、現場のメモ書き程度に考えればいい。チームが「これは何だっけ?」と指をさして確認しあえる程度で。

それがないと仕事ができない、というものではないけれど、毎日それをみんなで確認するための文書。この辺が今回の目指すところかな。

大野先生、こんな感じでいかがでしょうか?
2009-10-07 23:55:05

SPI Japan 2009 終わりました。

テーマ:今日の出来事
3日間に及ぶ「SPI Japan 2009」が終了しました。

最終日の本日午前、わたしの出番であるパネルがありました。

非常に用意が周到な内容で、パネリスト3名がそれぞれ3個ずつ30分程度の発表内容を用意しておいて、当日会場の挙手でどれかを発表します。そしてその内容に対する質疑応答を行う。
ポジショントークを含め、合計2時間という長いセッションでした。

登壇者としてはあっという間だったのですが、聴いていた方にはどうだったでしょうか?

わたしの発表で選ばれたのが「SEPGとチームの関わり方」ということで、3つ用意したテーマの中では圧倒的な数で選ばれました。内容は2006年のPMIフォーラムで発表したプロセス改善の事例のうち、SEPGとしてわたしがどう活動したか、という部分の抽出です。

どんなに準備をしたところで、質疑応答の内容で大きく動くのがパネルですから、ある意味本番一発勝負。
もう会場の雰囲気で押してしまおうという感じで、あまり構えずに登壇しました。

そんなに「ノリノリ」な演出はできませんでしたが、終わってから何人かの方に「よかったですよ!」とか「とても参考になりました」などのお言葉をいただけたので、まあ悪くはなかったのかと思いました。

2時間もの長い間、お付き合いいただいた皆様に感謝です。

プロセス改善を本業としなくなってしまった今の自分には、ちょっと遠い場所になってしまった気がするのですが、それでもプロセス改善ということや、SEPGという仕事はわたしに様々なものを与えてくれたものなので、少しずつにはなるでしょうが、これからも関わり続けていければと思っています。

みなさん、また来年、お会いしましょう。

オマケ
3つ用意した発表テーマのうち、日の目をみなかったスライドを公開しておきます。
リーダーを育てるオフコミュニケーション
http://www.slideshare.net/kussy/off-communication-for-leadership

2009-10-06 16:45:48

「やらされ感」はなくならない。

テーマ:今日の出来事
10月5日から7日まで、新潟の朱鷺メッセで開催されているSPI Japan 2009に来ています。今年は大変ありがたいことに、パネリストとしてお招きいただきました。

さて、今の会社に転職してからプロセス改善が本業ではなくなってしまったのですが、久しぶりにSPI関係の様々なお話を聞いていたら、少々虚しい思いに駆られてしまいました。

プロセス改善には「やらされ感」があり、それを払拭する取り組みが成功の秘訣
現場は問題を抱えているけれど、それを解決するための時間がない
マネージャや経営者の無理解

等々の言葉が多く聞かれました。

これらの言葉は、SEPGとして仕事をしてきた間じゅう対峙してきたものでした。そのときは「真っ只中」にいたので考えもしなかったのですが、昨日これらを聞いたら「まだこんな話題が出てくる状態なのか」という思いが強くなりました。

わたしが始めてSPIJapanに参加したのは2003年です。そのときは、同じような問題を抱えている人がこんなに多くいて、いろいろな取り組みをしているんだ、ということを聞けてとても新鮮な思いだったのですが、そのときと同じような言葉が事例の最初にいつもでてくる。もう6年という歳月が流れているのに、まだ現場は何も変わっていないのだろうか?わたしも含めて、プロセス改善に取り組んできた人たちは全く成果を出せていなかったのだろうか?

こんな思いを抱き、少々ナーバスになっていました。

そんなわたしの思いを、明日のパネルで司会進行役をされるパナソニックの水田さんにお話したら、以下のように返してくださいました。

現場が直面する様々な問題は、経営やそれを取り巻く環境が変化していって、それに組織が追随しようとしたときに起こる組織内の「ぶれ」であって、その「ぶれ」を組織が進もうとする方向に修正や調整をする行動が「改善」なんだと思う。

なるほど!と思いました。

「やらされ感」という言葉に象徴される、組織が変わっていこうとする方向に対して、個人のモチベーションやポテンシャルに差異が発生するのは、「組織の方向」によっていずれは生じることなので、常に改善すべき課題は発生する。

SPIJapanで同じような事例が何度も取り上げられるのは、改善を知識ベースで語れば同じモデルになりますが、それぞれの取り組み事例は常に「最新」であって、今、問題に直面している人たちのヒントとして共有できる場であればいいのですね。そう思いました。

わたしたちは仕事をする上で、常に課題が生まれてくるのと同時に、そこにいる「人」の心には「やらされ感」が沸いてくるものなのでしょう。それを個々のプロジェクトやチームの単位では消すことができても、恒久的に消すことはできない。逆にそのようなことが起きなくなった組織というのは、変化がなくなった証拠なのかもしれません。

プロセス改善で大切だといわれる「継続的改善」とは、常に変化する組織の微調整作業であり、終わることのない「運用」なのだと、あらためて思いました。

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