2011-06-27

Range Rover Classic その3

テーマ:クルマ屋 奮闘中!
エアサス → コイルサス + 構造等変更検査 について

上の一連の画像は、1993-09製 レンジローバー LH40D
以前からエアサス車高調整機能、散発的に変調きたしてたのですが、走行約118,000kmで顕在化。
悪戯している犯人は、コントロールユニットかバルブブロックか・・・ エア漏れは無さそうでしたが、ベローズ ( ちょうちん )
には亀裂がかなり見受けられ、エアサスポンプの作動音も決して静かとは言えないレベルになってきており、満身創痍。。
これ年貢の納め時ちゃいますかぁ? どないしますぅ~? というわけで、コイルサスに変更してしまうことに決定!


緩衝装置の構造を変更する場合は、必ず構造等変更検査を通しておかねばなりません。
( エアサス~コイルサスという根本構造を変えた場合の話。 元々コイルサスの車のショックやコイル交換では不要。)
改造後、この通過儀礼を経ずにそのまま乗るのは違法です。 ひた隠しても次の車検で発覚し、大騒ぎに。。
「改造自動車等の届出は、原則として、改造自動車等の製作者または施工者とする。」と謳われていますので、
構造変更に纏わる申請一式は、本作業のオプション扱いというスタンスではなく、必須のセットとお考え下さい。

今回、多数の申請書類の冒頭、改造等の概要の目的欄の文言を、「トラブル頻出するエアサスの抜本塞源」としました。
これは他所様からの頂きものにあらず。 いかにもお役所に提出する書類の題目として言い得て妙だと思われませんか。
とはいうものの普段日常会話の中では、「そくげん」なんて単語は絶対使わないですよね~?(爆)



実作業面では、4輪駆動車専門雑誌「 CCV 」編集長 石川雄一氏からの全面サポートを賜りました。
エアサス電気系統の処置や、交換作業そのものは意外なほどあっさりしたもので、右前微調整しただけで無事完了。
最重要ポイントは、使用するコイルスプリングの選定でありましょう。
このケースでは、前述石川氏からディスカバリーLJ22Dの中古品一式を供給して頂きました。
中古品といえば聞こえは悪いかもですが・・・・・
取り付け後の「へたり」が既に済んでいることや、「登録識別情報等通知書」か「一時抹消登録証明書」という、
部品の出所を証するしっかりした書類の添付が出来る安心感! 審査をする側の感覚もきっと同じだと思います。
多少の汚れや錆浮きなどは、清掃・研磨・錆止めの薬剤処置後に黒色塗装。 これで十分甦るのです。
ベストチョイスが功を奏したか、構造変更申請後の新しい車検証は、元々と寸分違わぬ車高 179cm を記録!
検査場はレーザー式測定器による一発勝負なんですよ。 これは素晴らしい快挙であると密やかに自画自賛♪w

上の書類は、構造変更申請に要する提出物からの抜粋。
冒頭写真も同様で、各輪を真横・前側・後側からの12枚プラスアルファー要撮影。
特筆事項としましては・・・・・ 強度計算書作成のため、車両装着前にコイルスプリング諸元を採寸しておくこと。
申請を念頭に置かずこれを怠ると、自然長を測りたいがためにコイル脱着とか理不尽なことになるのでご用心。
あと、構変は登録地の運輸支局での持ち込み検査になります。
この車両は神戸ナンバーだったため、事前の書類審査は京都支局に提出し、合格を意味する「審査結果通知書」を
待つこと約十日。 そして予約した上で神戸支局へという流れになりました。 遠方の他府県だとちょっと厳しいですね。

最後にこの場をお借りして謝意を述べたいと思います。
正直な話、これら一連の作業・申請事務は疑問点数多く、独力では決して円滑に運ばなかったでありましょう。
ご支援下さいました皆様方、本当にありがとうございました。^^
♪
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2011-06-11

配管擦過傷

テーマ:カーエアコン
クーラーアルミ配管の興味深い損傷事例

 

 1996-07製 BCNR33 スカイラインGT-R V-SPEC / 原動機: 2.6L RB26DETT !!
 上の画像は、そのクーラーコンデンサー左上部側方の配管付根。 ザックリ逝ってます ^^;

 V字の傷はかなり深そうに見えますが、意外とガス入れた尻から全部抜けてしまうほどではなく。
 かといって、他社で誤認修理後三日ほどしかクーラー効かなかったという・・・ 絶妙な削れ具合?!
 過去記事 クーラー配管ピンホール の例もそうですが、単なる配管途中からのガス漏れは発見が難しかったりします。



 実はここ、ちょうどラジエターで隠れる場所。
 GT-RのVスペックという車種相応、華麗な青に染め上げられたオールアルミ製ラジエターが鎮座。
 ボルトオン装着可能を謳った車種適合品だそうですが、換装の際には細心の注意が必要でしょう。

 確かに車種適合というだけあって、アッパー・ロワホースは純正位置と寸分違わず。
 スペース的にも何も問題なく、ちゃんと納まってました。
 唯一難があったのは、ラジエターの側面部。
 導風用サイドシール材の役目を果たす、L型アルミ板がラジエターに溶接されていたのですが・・・
 上図、クーラーコンデンサーのアルミ配管とL型部分が僅かに接触していたのでした。

 これ、こじるほど当っているのに強引に取り付けてあった、とかじゃないんです。
 ほんの微かにキスする程度。 それでも、配管やホース類は、干渉すると必ず擦過傷を生じます!
 この例の場合、干渉する板材端部が面取りされておらず鋭利だったこと、配管がアルミ材だったこと、
 ラジエターやクーラーコンデンサーというのは一般的に遊びあるよう甘く固定されており、振動の影響受けやすいこと、
 などなど悪条件が重なったため、社外品ラジエター交換後、たった半年ほどで数ミリも削れてしまったわけですが。。
 もし端部面取りしてあり5年もっても結局は削れてとらぶるわけですから。 根本原因を絶つ=干渉させないことが肝要



 本例への修理対応策としましては、
 傷ついた配管部溶接修理&フレキ保護 + ラジエター側切削面取り ( クリアランス 2cm 干渉回避 )

 という最終目標掲げ、LLC一旦抜き取りラジエター脱着。 手直し後、冷却水濾過・再充填・エア抜き。
 クーラーコンデンサーも溶接のため脱着せねばならず、残存フロンガス回収・配管切り離し・Oリング交換。
 ガス抜いたなら・・・ 低圧高圧2個の虫バルブ交換推奨。 レシーバータンクも同時交換を強く推奨 ( ¥6,980+消 )
 更に、外れて単体になったクーラーコンデンサー・・・ 放熱塗装の絶好のチャンスなので、するしないのご選択肢が。。

 単に傷ついた配管を修理するという、ただそれだけのことなんですが。
 それでも、それに派生・波及していくことがあれこれあるもので、私流のスタイル=数項目のご提案を。
 ガスと一緒に漏れてしまうコンプレッサーオイルは補充必須!
 そういう却下不可の事柄を除き、ご提案に対するお客様のご決断には素直に従うのみでとやかく文句は言いません。
 とはいうものの調子伺いでお尋ねした時、あれこれ不採用し安く上げたケースほど、盛夏のクーラー効きは今一と。。
 この事例では、さすがGT-Rのお客さま。 ALL GOサイン頂戴し、北極化に成功しています。
 お喜びの声を聞けると、やはり嬉しいものですね♪ ^^

♪
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2011-06-09

チュービングベンダー

テーマ:工具等あれこれ
配管曲げ加工専用ツールについて

 上の画像は、チュービングベンダー 4in1 ( 3/16″1/4″5/16″3/8″= 4.78mm 6.35mm 7.94mm 9.53mm )
  工具のディスカウントショップ ストレート製、送料税込み実勢価格 約二千円也

 外寸およそ26センチ、小振りのハンドツールになります。
 半周ずつ溝幅の異なるアダプタ2個により、直径 4.5~10mm の比較的柔らかい配管に対応可能。
 具体的には、ブレーキパイプやフューエルパイプ、細いアルミ配管など。
 これらは手曲げでも容易に曲げることが出来ますが、それとは一線を画した美しいカーブに仕上がります。



 一部例外を除き、配管接続部というのは、フレアナット・フレアボルト・普通のボルトナットなどなど
 何らかのネジ山を利用して強制的に面圧をかけることにより、気密が保たれているのですが。
 これら固定ネジを緩め力を加えない自然な状態で、雌雄の配管センターが一致するよう配慮するのが上質な整備。

 前回記事、クラシックレンジローバーのレストアの際、
 ワンオフ品ブレーキパイプの最終微調整用にと購入してみましたが・・・ 値段分それだけで元とるくらい活躍しました!
 以来1年に1度ほど、クーラー高圧配管の修正などで稀に出番があるでしょうか。 あるとあったで嬉しい工具です♪

♪
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2011-06-03

Range Rover Classic その2

テーマ:職人気質
輸入車のブレーキパイプ製作について


 上の画像は、1993-09製 レンジローバー LH40D から取り外した後輪用並列ブレーキパイプ
 差し渡し3m、曲がりくねった2本の総延長距離は8mといったところでしょうか。 結構長いです。
  そうです。 前回記事と同一車両。 関東への転勤後、約2年半で再び神戸に戻ってこられ、ボロボロに腐食した
  テールゲートの対処を皮切りに、半年あけず次々難事が起こってしまい、毎回頼ってきて下さったのでした。

この事件の実際の日付は、2009年も押し迫った年の瀬。
突然ブレーキオイルが大量に漏れ出し走行不能に陥ったため、仕方なく神戸のディーラーに入庫されたのですが、ローバー純正の供給パーツは製造廃止で、約1ヶ月半も作業は頓挫。。

右図は、その不具合部分を拡大したもの。
ちょうどフロントタイヤの泥ハネを浴びるあたりになります。
但し、この時点ではまだ一度も弊社で点検整備を承ったことがなく、それまでの業者は下回り錆止めについて全く配慮しなかったのでしょうか、シャシブラックの痕跡皆無。  また、RV車本来の使われ方=海山へ度々行かれることも手伝って、ブレーキパイプのみならずフロア全面に甚大な塩害腐食が。

 「輸入車ブレーキパイプ製作」でぐぐると、約21万件もヒットします。
 特殊技能が要るわけでもないのですが、では簡単かというとさにあらず。 油圧ブレーキ系統は、
 単に脱着して僅かに当りが変わっただけでブレーキオイルの滲みが中々止まってくれなかったりと、
 ただでさえ神経すり減らす箇所。 整備後、万一のことがあれば人命に係わる のです。
 ましてやそちこち強烈に錆々となると、ディーラーに限らずどこの自動車屋も腰が引けて当然。。
  正直なところ、「廃車・代替」ということも検討されたと思います。 電話やメールで何度も色々ご相談を受けました。
  不動車を神戸から京都まで陸送する費用のことを考えると、地元で引受手が見つかるのが最善だったのですが、
  作業進展せぬまま年が明け、1月も過ぎ、これは私がお助けするほかなしと勇気奮ってお引き受けしたのでした。



 そして丸2年余りが経過。
 結論先に述べると、ブレーキ系統のレストア見事に大成功でした!
 少なくともこれぐらいのスパンで見なければ、真の成功とは呼べないのではないでしょうか。^^

 しかしだからこそ、そういう次元で一旦お引き受けして責任持つ以上は、中途半端なことは出来ません。
 錆の侵食が根本原因のケースにおいては、液漏れ区間のみの部分対応というのはNGで。
 すなわち、怪しい油圧系統は全て一掃しておく必要かあるのです。
 また、上の画像を注視して頂くと、数多くの樹脂製クランプが等間隔に配されているのが分りますでしょうか。
 これも非常に重要な役割がありまして。
 パイプ同士/パイプとボディーの固定が不十分で振動・干渉すると、擦過により金属製といえども穴があくのです。
 ところが十数年以上の時を経た樹脂製品は、驚くほどひどく脆弱化しており、触る前から既に折れていたり、
 脱着の際にドライヤーで暖めながら慎重に作業しても、それでも折れてしまったり。
 あるいは、交換したい気持ちがあっても、このようなマイナーパーツはメーカー純正品の国内在庫が無かったり。
 はたまた、固定ピン用のボディー側丸穴が、腐食によって広がりすぎていたりと、あれやこれやで非常に厄介。
 ですが手抜き厳禁! 国産車用の流用出来る品を模索するなどして、しかるべく処置しておかねばなりません。
 徹頭徹尾完璧を期さなければ!!


 ・・・・・ という職人気質で臨む時、放置するとどんどん増殖する錆ルンルンを見過ごすのはかなり苦痛ですね。

 この記事の例ではオーナー様ご同意のもと、「下地処理 ~ 薬剤処理 ~ アンダーコート仕上げ」 をも行っています。
 強烈な錆浮きに対しては色々試した結果、どつき専用ドライバーとハンマー + ワイヤブラシという地味仕事が
 結局最善であったり、薬剤で化学処理するのも一度塗りでは到底ダメで、時間置いては二度三度重ねる必要あったり、
 速やかにアンダーコート塗って仕上げてしまうと走行テスト後、ブレーキオイル滲みの有無がチェックしにくくなるので、
 順序だてを配慮したり、筆舌尽しがたい辛苦を舐めていますが、ここでは割愛。
 皆さんも、錆にはご用心あれ。 ナーバスになりすぎてもいけませんが。^^;

♪
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2011-06-01

Range Rover Classic

テーマ:スーパーヅガン
1970 ~ 1996 総生産台数 317,615台
レンジローバー初代モデルのことを クラシックレンジローバー と呼びます。

内装は、正真正銘のウッドパネル&本皮シート。
英国車特有の格調漂う高級車で、所有して運転する喜びは想像に難くありません。
今でも根強い人気があるのも納得ですが、いかんせん機能的あらゆる部分に手がかかりすぎる側面があり、
欧米では、レンジローバーを維持し続けることそれ自体、十分賞賛に値する・・・ などと言われています。。
時は今2011年。
製造終期のものでも車歴20年が迫ってくると、ご縁あるクラシックレンジの数もさすがに減ってきましたね。
ですがこの車両のことを私は生涯忘れないでしょう。
思うに紆余曲折あったクルマほど、想い出深くなるものなのかも知れません。




 上の画像は、クラシックレンジローバーのセンターパネル付近の様子

 この記事を書いている今からちょうど4年前、平成19年春の出来事。
 あるお得意様の御友人の車両が、クーラー全く効かないとのことで初入庫してきました。
 1993-09製 LH40D 、当時で既に走行93,800km、車歴13年以上が経っており・・・・・

 満身創痍のお年頃? 拝見するとエンジンルーム内での複数部位からのガス漏れの他に
 ラジエターからの冷却水漏れも見つかってしまったのです。
  しかもクーラーガスは旧フロンR12。 このようなケースへの対応は本当に難しいものですね。
  限られた予算の中で、何をどのように対処するかの選択肢は、必ず複数種類あって呻吟するのが常だからです。
  独自判断で無断暴走などというのは論外です。 お客さまに指揮権委ねるのが私流儀なのですが、その為には
  概算費用のみならず、各選択肢についての事後予想コメントを述べ、全て理解して頂く必要が。
  正直なところ、こうするには長文メールが数通要ります。 しかし手抜き厳禁の大切な事なのではないでしょうか。


 結果、室内側は全く触らずエンジンルーム側のあちこちに手を入れ、部品代合計28万円強!
  この金額にもかかわらず、クーラー全替えには程遠い部分対応。 それで様子見というご選択だったのですが
  幸い途中一度もガス補充することもなく、丸4年経った今でもエアコンは快調です♪



 ところで、この記事での画像。 どうしてこれなのかと申しますと・・・
 予定パーツ交換後、数時間ごとに反復真空引きしつつ一晩静置。 真空保持テスト無事合格で
 フロンガス充填+冷房能力測定。 お客様に結果良好との報告をして、ご来店当日を迎えました。

 JR京都駅までお迎えに上り事務所にご案内の後、向い第二工場からおクルマ移動させる途中、
 冷気出るようになったクーラーを体感してもらうべく 送風スイッチを動かすと、ペシッ?!
これには参りました。  クルマ屋人生の中で一二を争う最低最悪の痛恨事!
嫌な音がしてからというもの、スライドレバーの節度感がなく、何をやっても風が全く出なくなってしまったのでした。  聞けば前々からスイッチの調子が悪く、左右にチョコチョコ動かさないと風が出なかったそうな。  うん、確かになんとなくこの違和感には気付いていたんですが、なにもこの絶妙のタイミングで壊れるなんて。。  「スーパーヅガン」 と似た語感、四国・中国・近畿地方では、このようなことを 「まんが悪い」 といいます。 T_T

♪
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