はてなマーク経済問題だけではないが、日本が今後どのような国造りをして行けば良いかは、この経済危機を乗り切る重要なテーマである。従来と同じように輸出で外貨を稼いでやって行くつもりでは、この危機はなかなか乗り切れないと思うのだ。

爆弾明治時代、日本はどっと押し寄せる海外の製品、商品で溺れそうになった。舶来品は、その時代の人々が憧れた品物でもあり、恐れた製品でもあった。舶来品をこれ以上、輸入していては、国力が衰える、と日本製の品質向上に国を上げて取り組んだものだ。

チョキそれが、本当に実現したのは、約百年後の大戦に敗れた後だった。戦後でも、日本の自動車などはアメリカでは『ブリキの固まり』と酷評されたのである。日本が自動車の輸入を自由化すれば、アメリカのビッグ3が来襲して日本の自動車メーカーを飲み込むだろう、と言われていた。

目だが、結果は大方の予想をくつがえし、現在では、そのビッグ3の存続さえ心配される状況になっている。国力というものは、百年単位で変化するものらしい。日本は、まだまだ、自動車も電気製品も精密機器も健在だ。だが、すでに曲がり角に差しかかっているのも確かである。

グー韓国、中国、インドなどアジアでは日本製品の品質に全速力で追いつこうとしている。人的コストが安いというのも、かつて、日本がアメリカにチャレンジした状況と同じだ。かれらに対して、日本が今後もリードし続けることができると考えるのは、あまり現実的ではない。アメリカは日本に対して『ブリキでできたクルマ』と言って技術の優位を誇っていた。奢れるもの久しからず、とはいえ、どうしても奢りが出てしまうのが強者の定めなのである。

しょぼん日本に今必要なのは、負けを覚悟する勇気だ。後続のランナーにやがて追い抜かれる運命にあると考えて国策を建てなければならない。これは、負けるから諦めろ、というのではなく、どんなに一所懸命にやっても、後続の国は前を走る国を十分に見習っているので、かなわなくなるものだということだ。日本もその道理に乗って今日まで駆け上ってきたのである。

そこで、日本は今後、輸出中心の経済から内需中心の経済へ、大きく転換して行かなければ、どこかで日本丸は座礁してしまうだろう。日本の産業経済の大きな方向転換をこの経済危機をヘアピンカーブだと思って成し遂げる。日本の政治家だけでなく、日本の指導者は、今後は『内需が世界一豊かな国を造る』という大目標を目指さなければならない。

パーそれが達成された時に、日本は初めてアメリカやヨーロッパの国々と肩を並べるたことになるのではないか。