tobiのブログ

 フリーランスの編集者兼ライターです。
 主として日本語関係のことを書いています。


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 アップし忘れていたみたい。

 下記の仲間。 

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【16】 

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1945401266&owner_id=5019671 


2016年01月31日から 


 下記の続き。 

【〝お〟珍しくもございませんが、どうぞお子さま方へ〈1〉】 
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12123472760.html

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1949953674&owner_id=5019671 


【「お」の使い方が、文法的に正しいのか、理由とともに教えてください。】 

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9165333.html 


 そもそものテーマは『できる大人のモノの言い方大全』という本にあったタイトルの例文。 

 質問者が補足で質問を修正した。 

==============引用開始 

4人の方からのご回答を頂いたおかげで、疑問点が整理できましたので質問を修正します。 

1そもそも本件の「お」は尊敬語か謙譲語か美化語か。 

2尊敬語の場合 

尊敬の対象に関する事物や状態に対して使うのが本来の用法だが、本件は自分側の事物の状態に利用。としても相手方に及ぶ場合は(下記3参照)可能(適切)か。 

3謙譲語の場合 

自分側の事物や動作に「お」「ご」をつけても、それが他人に及ぶものであれば、適切な謙譲用法(明鏡国語辞典)だが(例:ご挨拶申し上げる)、形容詞につける場合も該当するのか。 

4美化語の場合 

4-1 

「過剰に付けると幼稚・慇懃無礼・冗長に感じられたり、自分側に尊敬の「お」を使っていると受け取られたりする場合もある」(明鏡国語辞典)とあるが、これに該当して、不適切ではないか。 

4-2 

「珍しい」に「お」をつけるのは、慣用に馴染まず不適切ではないか。 

(例:◯おきれい、×お醜い) 

補足日時:2016/01/30 18:57 


上記補足の通り、皆様のおかげで当初曖昧だった質問を修正できましたので、もう少しだけおつきあいください。 

最初こそ 

・相手に差し上げるものとはいえ、自分が上げるものについて「お」を使うのって、自分を持ち上げているようにも受け取られない?使い方としてそもそもあってる?あってるとしても適切? 

・「珍しい」に「お」を使うのって珍しいなあ(でも、なくはないしなあ) 

・「お珍しくもございませんが」って、くどすぎない? 

という感覚的な疑問だったのですが、調べ直すと、「お」の用法って結構難しいものなんだなーとしみじみしています。これを機にきちんとした日本語を勉強したいのでよろしくお願いします。 

補足日時:2016/01/30 19:08 

==============引用終了 


 考え直してみると、非常に微妙でむずかしい。 

 修正された質問に関して順に書いてみる。 

【大前提1)】 

 こういう話題で「文法的に正しい」か否かと考えてもあまり意味がない。形容詞に「お」がついているだけなので、文法的には「間違い」のわけがない。考えなければならないのは、慣例的に「お珍しい」と言うか否か。 

【大前提2)】 

 敬語の分類は、2つに大別できる。 

●3分類(辞書や教科書はこちららしい) 

●5分類(「敬語の指針」や菊地本はこちら) 

 微妙な話をするときは5分類が便利なのだが、質問者は3分類で考えているようなので、3分類で考える。5分類だと違ってくるところは補足する。 

 3分類と5分類の概略はWikipediaがわかりやすい。ほかの部分は信用できない部分もあるが。 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%AC%E8%AA%9E 

【大前提3)】 

 接頭語の「お/ご」は「謙譲語」「尊敬語」「丁寧語」になりうるが、『敬語再入門』(菊地康人)に指摘があるように、すべて「丁寧語」(より正確には「美化語」)と考えるほうがよいのかもしれない。動詞につく「お/ご~する」の類いは別。 


【1】そもそも本件の「お」は尊敬語か謙譲語か美化語か。 

 尊敬語はナシ。 

 例文の場合、「お珍しく」は自分の側のものについている。これが話し相手の服を指して「お珍しい服を……」なら、尊敬語(すでに書いたように「丁寧語」と考えたほうがよいのかもしれないが、とりあえず尊敬語にしておく)。 


【3】謙譲語の場合 自分側の事物や動作に「お」「ご」をつけても、それが他人に及ぶものであれば、適切な謙譲用法(明鏡国語辞典)だが(例:ご挨拶申し上げる)、形容詞につける場合も該当するのか。 

 該当しない理由は考えにくい。 

 ただ、実際に謙譲語用法があるかと言うと、きわめて少ない。「お恥ずかしい」くらいしか思いつかない。ほかに何があるだろう。 

 相手の様態などに対して「お忙しそうで」「お優しそうな」などと使えば尊敬語だろう。 


【4】美化語の場合 

「美化語」は3分類にはない。3分類では「丁寧語」。これが5分類だと「美化語」と「丁寧語」に分かれる。 

 以下、3分類なので、「丁寧語」を原則にする。 


【4-1】「過剰に付けると幼稚・慇懃無礼・冗長に感じられたり、自分側に尊敬の「お」を使っていると受け取られたりする場合もある」(明鏡国語辞典)とあるが、これに該当して、不適切ではないか。 

 過剰か否かは非常に微妙で個人差が大きい。 

 たとえば、『敬語再入門』には下記の記述がある。 

==============引用開始 

このように、各語がそれぞれ敬語になり、それをつなげただけのものは、二重敬語と呼ぶべきものではありません。実際、「お読みになっていらっしゃる」は正しい敬語です。「お嬢様はお手紙をお書きになっていらっしゃる」も、四つの別の敬語をつなげただけで、四重敬語などとは言いません。この文も、多少くどくはありますが、問題のない敬語で、言葉の丁寧な人なら、この程度の敬語は使います。(P.148) 

==============引用終了 

 個人的には↑の例は重程度の過剰敬語だと思う。でも「問題のない敬語」とのこと。こうなるとウカツに「過剰敬語」などとは言えない。 

 詳しくは下記をご参照ください。 

【よくある誤用35──敬語編5 二重敬語〈2〉 ご挨拶に伺わせていただきます ご挨拶にお伺いさせていただきます】 

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n133591 


【4-2】「珍しい」に「お」をつけるのは、慣用に馴染まず不適切ではないか。(例:◯おきれい、×お醜い) 

『敬語再入門』のP.125には〈究極的には習慣の問題で、どういう語になら着くという明瞭なルールはないので、慣れない人には難しいところです。また、個人差もあります〉とある。 

 同書には資料として「ご」がつく語の詳細なリストもあるが、「お」のつく言葉はキリがないので扱っていない。 

〈1〉でリンクを張った下記は、不十分とはいえ貴重な資料だろう。 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2738.html 


 これにも「珍しい」はナシ。 

 こうなると、主観で書くしかなくなる(泣)。 

 ポイントは、「珍しい」を肯定的に考えているか、否定的に考えているか。 

 基本的に否定的な言葉には「お/ご」はつきにくい。「お醜い」がヘンなのはそのせいだろう。まあ、「オバカ」のような例外もあるが、これにしても「オバカ」だと否定のニュアンスは弱い。↑の「お恥ずかしい」は例外だろう(詳細は後述)。 

 相手側に属する物事を肯定的に「珍しい」ととらえているなら、「お」をつけてもいいかもしれない。個人的にはつけないけど。 

 例文の場合「珍しくもない」と否定的に使っている。これに「お」をつけるのは相当ヘン。たとえば「お上品なお味」は過剰気味ではあるがアリ。これが否定威的な場合は「上品とは言えないお味」と1つめの「お」は落ちる。なんなら2つ目の「お」も外していい。 


 以下は蛇足。 

 回答中に出てきた例を見る。 

●お珍しい 

 上に書いたとおり、肯定的に使うなら「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」になりうる。個人的には強い異和感があるけど。「お珍しくない」だと異和感がさらに強くなる。 

●お恥ずかしい 

 否定的な言葉だが、「お」がつく珍しい例。「謙譲語」の印象があるが、次の場合はどうだろう。 

「○○さんがあんなにお恥ずかしいお姿をお見せになるとは……」 

 これだと尊敬語だろう。 

「お恥ずかしい事態になっている会社もあるようですね」 

 これだと第三者のことを言っているので「丁寧語」になるはず。と言うより、「お恥ずかしい」は敬語から外れた慣用句では。 

●お懐かしい 

「お珍しい」と同様。 

●お安い/お高い 

 肯定的に使うなら「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」になりうる。否定的にだと「謙譲語」限定かな。「それはお安い(お得な)お買い物ですこと」なら尊敬語。「これはお安いもの(安物)ですから……」なら謙譲語。 

「あの店はなんでもお安い」なら「丁寧語」だろう。 


 ↑で見た「丁寧語」は、すべて「美化語」だろう。 

『敬語再入門』のなかで、「美化語」ではない狭義の「丁寧語」の例としてあげられているのは、下記の2例だけ。 

「お暑いですね」「お寒うございます」   

〈聞手のいるときに限って使い、必ず「です」や「ございます」を伴う〉とのこと。となると、故・岸朝子が「今日も寒うございました」「あの店はなんでもお安うございます」と日記に書くのはヘンなのだろうか。

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