tobiのブログ

 フリーランスの編集者兼ライターです。
 主として日本語関係のことを書いています。


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 下記の仲間。 

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【16】 

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1945401266&owner_id=5019671 


 テーマサイトは下記。 

【「彼女に恋する」と「彼女を愛する」】 

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9141652.html 

==============引用開始 

私が日本語を教えている外国人から質問され、うまく答えられなかったことについて教えて下さい。 


「彼女に恋する」 

「彼女を愛する」 


なぜ「恋する」は「~に」に接続して、「愛する」は「~を」に接続するのでしょうか? 


よろしくお願いします。 

==============引用終了 


 質問サイトの類いのシステムには疑問を感じる点が多い。 

 当方がよく見るのは「Yahoo!知恵袋」と「教えて! goo」だが、細かい部分を見るといろいろ疑問が湧いてくる。 

 大きな問題点のひとつ(最大の問題点かもしれない)は、質問者がBAを選ぶシステム。 

 適確な回答が出て、質問者も納得してBA(ベストアンサー)にするなら問題はない。でも、そういう幸福なケースばかりではない。ときどき笑ってしまうことがある。(←オイ!) 

 そもそも、回答者の意見が分かれてどちらにも一理あるように見えたら、どちらが正しいのか質問者に判断できるとは思えない。わからないから質問しているんだから(原則的にはね)。 

 じゃあどうすればいいのか。これはこれで難問。「Yahoo!知恵袋」のように投票にするのは一案で、数年前にはそれなりに機能していた。ところが現状は投票数が激減し、ホニャホニャホニャ。 


 で、テーマサイトに関して。 

 BAはNo.4ですか。本人がNo.7で修正しているんですけど。質問者のコメントは「自分の中では理解できました」。だからOKですか……それはいくらなんでも。 

「~に恋する」は一見自動詞に見える。一般的には「~を」という目的語をとらないから。 

 でも、No.2を見ると『日本国語大辞典』と『広辞苑』が他動詞にしている。だったら他動詞だろう。いったい質問者は「外国人」にどんな説明をしたのだろう。 


 そもそも、日本語の自動詞と他動詞は曖昧なところがある。大半の辞書が自他を明記していないのも、そのせいのような気がする。 

【自動詞と他動詞〈1〉~〈5〉】 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2936.html 

==============引用開始 

 下記を見つけた。もしかすると初級者向けとしてはこれがよいかも。 

【自動詞と他動詞】 

http://web.ydu.edu.tw/~uchiyama/1h93fy/jita.html 


 問題は〈なお、〈「を」+動詞〉の形でも、〈名詞+「を」〉の部分が場所を表わすものは他動詞ではない。〉の部分。「ない」は言いすぎでは。「ないことがある」くらいだろう。 

「グラウンドを走る」が自動詞で、「グラウンドを見る」が他動詞になる理由なんて簡単には説明できない。 


 例外としてあげられているもの。 

  駐車場を通る 

  電車をおりる 

  空を飛ぶ 

  グラウンドを走る 

  廊下を曲がる 

  部屋を出る 

  大学を卒業する 

  

 以下の例も自動詞なんだろうだな。 

  橋を渡る 

  街道を行く 

  日本を離れる 

  海を泳ぐ 

==============引用終了 


【〈名詞+「を」〉の部分が場所を表わすものは他動詞ではない】などと言い切ると、いろいろマズいのでは。 

「土地を○○」「会社を○○」などに入る動詞はすべて自動詞になってしまうのだろうか(泣)。 

「駐車場を売る」の「売る」は自動詞で、「本を売る」の「売る」は他動詞なんだろうか(大泣)。おそらく、○○が場所で、動詞が「移動」に関わる場合なんだろう。 

 このあたりのことはグチャグチャになりそうなので保留。これを【例外1】とする。 


 今回の本題は、「~に恋する」が自動詞か他動詞か。 

『日本国語大辞典』と『広辞苑』には逆らえないから、他動詞と考えるしかない。 

 驚いたのはNo.6のコメントにあった下記。 

>実は他動詞に「に」が必要だとする人があります。それは「甘える・ほえる・噛みつく・あこがれる」のような限られた動詞です。

 たしかに一理ある。ただ、この書き方だと実際はどうなのかは不明。これを【例外2】としておこう。 

〈ボールをミット<に>投げる。〉はちょっと違うだろう。 

 これも例外にしてしまうと、〈本を友人<に>貸す。〉あたりも例外になりそう。 

「~に恋する」は他動詞なんだろうが、あとのことはよくわからない。 

  

 当方が興味をもったのは「~を恋する」の形。 

 当方の語感にはないが、No.6で大量の例があげられているし、No.5を見ると、『明鏡国語辞典』には「隣の子 に/をー」という例文があるらしい。「~を恋する」なら問題なく他動詞だろう。「に」と「を」でどのようなニュアンスの違いがあるのかは関知したくない。 

 似たような表現を並べてみる。 

1)彼女に恋する 

2)彼女に恋をする 

3)彼女を恋する 

4)彼女を恋う 

5)彼女が好き 

6)彼女を好き 

7)彼女を愛する 


 先行質問サイトには「4)彼女を恋う」の話が出ていない。まぁ、現代ではほとんど見ない気がする。それを言っちゃうと、「3)彼女を恋する」だって個人的には使わないけどさ。 

 類似の表現がいろいろあるから、3)4)が使われなくなったって気がする。 

 1)~4)にどのようなニュアンスの違いがあるのか。当方には想像もできない(泣)。 

 ちなみに、5)6)だってほとんど同じだと思う。 

「可能(「巧拙を含む)」「好悪」「希望」に関しては、「が」が本線で「を」は許容だったと思うが、現代ではどちらもアリなんだろう。 

 5)と6)だと「が」を使っている5)のほうが気持ちが強い、って説も聞く。そういうことを頑強に主張する人もいる。なんでそんなことが言えるのかはわかりませーん。 


 ちょっと関連するヨタ話を。 

 世の中には「愛」は崇高なものってイメージがあるような気がする。男女の話ではなく「人類愛」とか「家族愛」ってことになると、そりゃ崇高だろうね。 

 男女の仲に限っても、なんでか知らないけど、 

  愛>恋 

  愛する>好き 

 って感じがある。 

「恋」は「下心」だけど、「愛」は「心」が中心に……そういうのは「通俗語源」の類いでしょ。 

 最近読んだ小説に「誰かに激しく恋した経験もなかった」というフレーズがあった(これだけで原本がわかったらスゴい)。 

「激しく」が入るとだいぶ感じがかわってくる。これだと 

「誰かを愛した経験もなかった」 

 と比べても遜色がないような。 

 まあ、こんなのは個人の主観の問題だからどんな解釈もできるのかもしれないが……。




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