tobiのブログ

 フリーランスの編集者兼ライターです。
 主として日本語関係のことを書いています。


テーマ:

 下記の仲間。 

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【16】 

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1945401266&owner_id=5019671 


 この数日、「二義性(両義性)のある言葉」について考えている。 

 前に書いたはずだが、下記くらいしか検索できない。 

1)【2つの意味にとれる言葉 教えて! goo】 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3153.html 

2)【「閉店」「閉園」「閉館」の二義性 日本語】 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2072.html 


 メンドーなので、新たに書いてしまう。どうせロクなことは書いてないんだし。 

 とりあえず、何も考えずに1)2)で拾った二義性のある言葉を並べる。随時追加する予定。 


1) ないものはない/ように+否定形/噓をつけ!/ふざけろ! 

2) 閉店/開店/退社 


■古典的なもの 

 いい加減/適当 


■ことわざの迷走 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1179.html 

犬も歩けば棒に当たる/情けは人ためならず(まだOK?)/隗より始めよ 


■比較的新しめ 

耳ざわり 

【最近知ったこと4 耳障り 耳触り 耳ざわりがいい】 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2361.html 

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1840904136&owner_id=5019671 



 こういうことを改めて考えはじめたきっかけは下記。 

【―若者ことば「ヤバイ」の意味変化―】 

http://osaka-kyoiku.ac.jp/_file/gakusei/kikaku/gakudayori/163/campuskotoba1.pdf 

 話がどんどん広がっていくので、たたき台としてとりあえず思いついたことを書いておく。 

 いろいろな要素が絡んでくるので、泥沼の予感(泣)。 

 うっかり断定できないようなことも、断定してしまう。いちいち「はず」とか「たぶん」とかをつけているとウットーしい。 


「ヤバい」は注目すべき側面が2つある気がする。 

1)言葉の使われ方が妙なことになっている例 

 これがまた増えている。 

   大丈夫/フツー/微妙etc.…… 

【「大丈夫ですか」考 日本語】 
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1553.html 
【微妙 ビミョー 普通 フツー 先生 センセー 改訂版 辞書】 
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3135.html 


2)修飾語(形容詞・副詞)のもつ肯定・否定のニュアンス 

 修飾語のなかには、肯定的な意味限定のものや否定的な意味限定のものがある。 


「ヤバい」は、両方の要素をもっている気がする。 

 ↑の論文のP.11の表を見ると、著者は2)を意図しているのだろう。著者は「マイナスの意味のもの」「プラスの意味のもの」「両義的なもの」としている。「肯定・否定」よりこちらのほうが字面がやわらかいので、以後は「プラス」「マイナス」と書くことにする。「両義」も「ニュートラル」のほうがいいかな。 

「修飾語(形容詞・副詞)」とひとくくりにしたが、傾向がちょっと異なる。 


・形容詞は、たいていどちらかに偏る。 

 たとえば、一般に「強い」はプラスで「弱い」はマイナス。 

「やさしい」はプラスで「むずかしい」はマイナス。 

「旨い」はプラスで「まずい」はマイナス。 

 むしろ「ニュートラルなもの」は少ないのでは。 

 いくつかおもしろい例があることはメモしておく。 

「長い」⇔「短い」、「かたい」⇔「やわらかい」などは、場合によってプラスマイナスが入れかわる(下ネタに走らないように)。 

「かわいい」はきわめて特殊。基本はプラスだが、近年はイチロー並みの守備範囲を誇り、「ぶさカワイイ」だの「きもカワイイ」だの訳のわからない例がある。 


・副詞は、「ニュートラルなもの」が多い。 

 無理矢理どちらかに傾けようとする意見も見聞するが、気をつけたほうがいい。詳しくは下記をご参照ください。 

【「もしかしたら」「たぶん」「きっと」──推量を表わす副詞の程度】 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1393.html 

==============引用開始 

 あるいは、肯定的なこと限定で使うもの(「幸いにも」とか)や否定的なこと限定で使うもの(「不幸にも」とか)もある。でも多くの副詞はそういう制約なしで使えるはず。数少ない制約に関しては辞書レベルに出ている。それ以上に制約をつけたり独自の意味やニュアンスをもたせたりするのは誤解の元だろう。 

==============引用終了 


 ここまでを踏まえたうえで、↑の論文のP.11の表を見る。 

 相当訳がわからないことになっている。そりゃ、近年の俗っぽい言葉づかいを無理に分類するとグチャグチャになるって。「オニ(鬼)」って(笑)。 

 おもしろいから、「両義的なもの」だけ抜粋しておく。 

  すごい/とても/たいへん/オニ(鬼)/えぐい/えぐっ/ 

  ありえない/ありえへん/ありえん/ほんまに?/本当?/ 

  まじ!/うそー!/キテる/いってる/いみじ 


「大変」が「マイナスの意味のもの」で「たいへん」が「両義的なもの」(ニュートラル)なのはなんで? 

 先に見たように、形容詞をいちいち「マイナスの意味のもの」「プラスの意味のもの」に分けてもキリがないし、さほど意味もない。仮にすべての形容詞をキッチリ分類できるんなら、それはそれで価値が大きいけど。 

 副詞に関しては特徴的な傾向がある。 

 もともとは、マイナスだったものが、ニュートラルにかわっていくことがある。 

 当方が知る古い例は「たいへん」。元々はマイナス限定だった。「親分てえへんだ」という有名なセリフ(?)からもわかるように、江戸時代から使われていた。意味は「一大事」のようなマイナス限定。現代では、単に「very」の意味で使われることが多い。 

 これは確証がないが、「非常に」も元々はマイナス限定だったのでは。 

 噂では、近年立場が危うくなりつつあるのが「あわや」。 

 これによく似た例で、元々は否定形を伴って使われた副詞というのもある。この話はあとに回す。 


 さて、「ヤバい」の前に「スゴい」について見ておく。 

「スゴい」は、元々はマイナス限定だったらしいが、いまではニュートラルに使われる。むしろプラスかもしれない。「スゴいヤツ」と言えばほめ言葉だろう。 

 副詞の「スゴく」はニュートラルで、こちらのほうが使用例がずっと多い。「スゴくおいしい」も「スゴくまずい」もフツーに使われる。 

「スゴい」と「スゴく」に関しては書きあきた。 

【すごい すごく すごい+用言】 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1356.html 


 まだ当分はマイナス限定と思われるのが「ヒドい」 

「ヒドくおいしい」はナシ。「ヒドく珍しい」あたりも……まだナシだろう。 


「ヤバい」も、本来はマイナス限定。これが近年、キムタク、出川哲朗などの影響もあって(笑)か、プラスでも使われる。その結果、ニュートラルなものになってしまった。 

「ヤバい」に関して詳しいことは↑の論文をどうぞ。このテの言葉にはできるだけ関知したくない。絶対マヌケなことを書く自信がある。 

 元々俗語っぽい響きがあるうえに、プラスで使うと若者言葉のニュアンスもあってすこぶる俗語っぽい。 

http://dictionary.goo.ne.jp/jn/222425/meaning/m0u/%E3%82%84%E3%81%B0/ 

※なぜかいつもコトバンクでは『大辞泉』がひけない(泣)。 

==============引用開始 

やば・い 

[形]《形容動詞「やば」の形容詞化》危険や不都合な状況が予測されるさま。あぶない。「―・い商売」「連絡だけでもしておかないと―・いぞ」 

[補説]若者の間では、「最高である」「すごくいい」の意にも使われる。「この料理―・いよ」 

出典: 

==============引用終了 


https://kotobank.jp/word/%E3%82%84%E3%81%B0%E3%81%84-400880#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 

==============引用開始 

大辞林 第三版の解説 

やばい 


( 形 ) 

〔「やば」の形容詞化。もと,盗人・香具師(やし)などの隠語〕 

①身に危険が迫るさま。あぶない。 「 - ・いぞ,逃げろ」 

②不都合が予想される。 「この成績では-・いな」 

③若者言葉で,すごい。自身の心情が,ひどく揺さぶられている様子についていう。 「この曲,-・いよ」 〔若者言葉では「格好良い」を意味する肯定的な文脈から,「困った」を意味する否定的文脈まで,広く感動詞的に用いられる〕 

==============引用終了 


 o( ̄ー ̄;)ゞううむ 

『大辞泉』の「若者の間では」って、「若者言葉」とどう違うんだろう。 

 こういう扱いを受けると、ほぼ正用だろうな。 

 個人的には……使えない(泣)。「ヤバい味」のかわりに「危険な味」「危ない味」「いけない味」あたりなら使う。 

 ひとつ特徴的なのは、若者言葉の「ヤバい」は、「ヤバい○○」の形では使われない気がすること。「この味(は)ヤバい」とは言っても「ヤバい味」とは言わないような。それを言うと「可愛い○○」もあんまりないかなー。やっぱわからん。 

  


 で、【元々は否定形を伴って使われた副詞】の話。 

 いまだに「否定形を伴って使う副詞」は多い。 

 一般的なものでは、「決して」「断じて」あたりだろうか。↑に〈絶対マヌケなことを書く自信がある〉と書いたが、これはあくまでもギャグです。マネしないように(言われなくてもしないって)。  

 最近読んだ本には「よもや」「おいそれと」が出ていた。 

 このように厳格?な規則があるのにひよった例としては「とても」が有名。「まったく」が過渡期で、「全然」がホニャララ期。こういったご時世なんで、ますますグチャグチャになっていくのだろう。 

【「全然」「まったく」「とても」知恵袋】 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1641.html 





【20151208追記】 
 昨日唐突に思いついた【元々は否定形を伴って使われた副詞】。 
「あまり」 
「さほど」 
「それほど」 
 これはいろいろありそう。



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