tobiのブログ

 フリーランスの編集者兼ライターです。
 主として日本語関係のことを書いています。


テーマ:

 下記の仲間。 

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【15】 

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1941799128&owner_id=5019671 


 直接的には下記の続き。 

【難い(がたい) 辛い(づらい) にくい 教えて!goo】辞書〈1〉 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2917.html 


 テーマサイトは下記。 

【日本語の正しい方はどちらですか】 

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9084452.html 

==============引用開始 

①トイレの水が流れづらい 

②トイレの水が流れにくい 

どちらが正しい日本語なのでしょうか。 

教えてください。 

==============引用終了 


 ほぼ同じような使い方をする「がたい」「づらい」「にくい」のうち、「がたい」に関してはあまり考えたくない。古くさいニュアンスがあるので、〈1〉で書いたように用法が限られる一種の慣用句と考えたほうがいい気がする。 

 問題は「づらい」「にくい」の違い。 

〈1〉では、違いがほとんどわからなかった。 

==============引用開始 

 まとめと補足。 

「がたい」は心理的に困難なこと。ただし、心理的なことでも、使える場合は限られる。しかも古くさい雰囲気があるので、ムヤミに使わないほうがいい。 

「づらい」と「にくい」は心理的なことでもそれ以外(物理的・技術的……etc.)でもほぼ同様に使える。↑の例文でも、すべて互換性がある。 

▽懐が深くてやり{づらい/にくい}相手 

▽このテーブルは低すぎて食べ{づらい/にくい} 

▽ペン先が固くて書き{づらい/にくい}万年筆 

▽運転し{づらい/にくい}道路 

※〈懐が深くてやりづらい相手〉は、厳密には例文として不適切だろう。相撲の話ならわかるが、一般には「懐が深い」はむしろ褒め言葉。やりづらい理由にはならないだろう。〈気が短くてやりづらい相手〉くらいすればいいのに。 

 対比表では「-」になっているものも、「にくい」を「づらい」にしてもさほどおかしくない気がする。「燃えづらい薪」はほんの少し不自然な気もするが、許容範囲だろう。 

==============引用終了 


 テーマサイトのNo.4までのコメントを読んで、ますます気持ちが暗くなる。 

 何が書いてあるのか理解できない(泣)。当方の理解力に大きな問題があるのでは……と不安になった。これはひょっとすると、触れてはいけないテーマなのかも。 


 過去の質問を検索する。 

https://oshiete.goo.ne.jp/search_goo/result/?MT=%E3%81%A5%E3%82%89%E3%81%84%E3%80%80%E3%81%AB%E3%81%8F%E3%81%84&code=utf8&c=626 


 やはり何がなんだか(泣)。 


 テーマサイトのNo.5のコメントを読んで冷静さを取り戻した。重要なので、全文をひく。 

==============引用開始 

「~づらい」と「~にくい」は、どちらも正しい言葉です。困難であることを示す意味も似ています。 

使い分けとしては、「~づらい」と「~にくい」を入れ替えてみて、違和感があるかどうかで判断できるでしょう。 

個人的には「~づらい」は心理的・主観的な要因を伴う場合に使うものと捉えています。 


何かのテレビ番組で「バスが遅れづらい」という表現が出てきて、おやっ?と思ったことがありました。 

バスの運行状況をきめ細かく把握して遅れが出ないように運行管理しているので「遅れにくい」という内容でした。 

このように「~にくい」が適切かと思われる場面で「~づらい」と言っているケースを最近何度か耳目にしました。 

「~づらい」に集約するような変化が起きているのか、ちょっと気になっています。 


  * * * 


参考1  

『記者ハンドブック 新聞用字用語集 12版』(共同通信社) 

・・にくい  (難い)→にくい〔接尾語〕 歩きにくい、言いにくい、書きにくい、話しにくい事柄 

・・づらい  聞きづらい、しづらい、頼みづらい、見づらい、やりづらい 


参考2 

『言葉に関する問答集 総集編』 (文化庁編) 

[問] 「分かりにくい」か「分かりづらい」か 

[答] 何かをしようとして困難を感じるとき、「…にくい」を用いるか、「…づらい」を用いるかと言う問題である。 

各種国語辞典を見ると、接尾語としての「にくい」は早くから見えるけれども、「づらい」の方は、遅く採録されている。両者の意味の差をはっきり示しているものは少なく、「それをすることができない、むずかしい、困難を覚える」などの語釈を与えていて、用例として「読みにくい本」「読みづらい本」などと出ていたりする。中に「づらい」の語釈に、「その動作が苦痛を伴ったり困難である意を表す」となっているものがあって、「にくい」と「づらい」の意味の違いを指名しているのではないかと思われる。 

たとえば、狭い歩道に電柱が立っていて車いすが通れないというときの新聞の見出しに、 

 通りにくい車イス 

 そこに民家の善意  電柱7本引っ込む  (毎日、平成元・10・2) 

とあったが、これなどはまさしく「通りにくい」であって「通りづらい」ではないであろう。これは、物理的に電柱がじゃまをしているだけであって、これを取り除きさえすればよいのであるから。もし、この通りの家に解放された窓があって、そこを通るとき、ともすれば中が見えてしまい、こちらが心理的に苦痛を伴う場合だったら、「通りづらい」に違いない。 

 「燃えにくい」とは言うが、「燃えづらい」とは言わないように、「づらい」の方は心理的な抵抗を感じるときに使われる傾きがある。 

<以下略> 


参考3 

『明鏡国語辞典 第2版』(大修館書店) 

にく・い 【難い】<語釈・用例は省略> 

 [語法] (1)「~づらい」は非意図的動作には使いにくいが、「~にくい」は意図的・非意図的のいずれの動きにも使う。「× 壊れづらい/○ 壊れにくい」 

    (2)「~づらい」は主観的な困難さをあらわす傾向があるが、「~にくい」は客観的な理由による困難さも表す。「(個人的な事情や気持ちから)入りづらい大学」「(個人的事情で、または倍率が高くて)入りにくい大学」 

つら・い 【辛い】<語釈・用例は省略> 

 [語法] 自然現象をあらわす動詞や非意図的な動詞には付きにくい。「× 雨が降りづらい」「× 冷えづらい冷蔵庫」 

==============引用終了 


 非常に多くの示唆を含むので、細かく見ていく。 

〈個人的には「~づらい」は心理的・主観的な要因を伴う場合に使うもの〉 

 という考え方には説得力を感じた。ただし、では「~にくい」は物理的・客観的な要因を伴う場合に使うのか、と短絡的に考えるのは危険だろう。 

「主観・客観」の話はだいたいホニャララになる。 

【”大きい犬”と ”大きな犬”とは、どのような使分けをすれば良い、のでしょうか?】 

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9075399.html 


 まず出てくる例文は「バスが遅れ{△づらい/にくい}」。 

 こうなる理由は、よくわからない。詳しくは後述。 

 以下、参考資料が3つ出てくる。やはりちゃんとした文献があれば、少しは前進できる。 


「参考1」は表記の問題。個別の記述を並べてみても、何も発見はないだろう。出てきた用例は基本的に両方OKだろう。 


「参考2」は『言葉に関する問答集 総集編』。 

〈中に「づらい」の語釈に、「その動作が苦痛を伴ったり困難である意を表す」となっているもの〉があるって、カッコでくくるなら、ちゃんと原典を示してもらえませんか、文化庁さん。 

 例文が2つ出てくる。 

「通り{△づらい/にくい}車イス」(〈心理的に苦痛を伴う場合だったら〉「づらい」) 

「燃え{△づらい/にくい}」(「づらい」は〈心理的な抵抗を感じるとき〉) 

  

「参考3」は『明鏡国語辞典 第2版』。 

「壊れ{× づらい/にくい}」(「~づらい」は非意図的動作には使いにくい) 

「(個人的な事情や気持ちから)入りづらい大学」 

「(個人的事情で、または倍率が高くて)入りにくい大学」 

「× 雨が降りづらい」(自然現象をあらわす動詞) 

「× 冷えづらい冷蔵庫」(非意図的な動詞には付きにくい) 


 下記は個人のブログだが、いいところをついている気がする。(←何様) 

【~がたい、~にくい、~つらい】 

http://meew.air-nifty.com/diary/2007/11/post_1314.html 

〈「~づらい」は心身的苦痛を感じる状態に用いる〉は、そんな気がする。 

〈「~にくい」は客観的状態を表わす〉はどうなんだろう。こう書いてしますと、〈「~づらい」は主観的状態を表わす〉ということになりかねない。それはちょっと違うと思う。 

『明鏡国語辞典 第2版』にあるとおり、「~にくい」はどちらに〝も〟使うのだろう。 

「~にくい」は意図的・非意図的のいずれの動きにも使う。 

「~にくい」は客観的な理由による困難さも表す。 


 役に立ちそうな例文を多少加工して、もう一度並べる。 

1)燃え{△づらい/にくい}薪 

2)バスが遅れ{△づらい/にくい} 

3)通り{△づらい/にくい}車イス(〈心理的に苦痛を伴う場合だったら〉「づらい」) 

4)燃え{△づらい/にくい}(「づらい」は〈心理的な抵抗を感じるとき〉) 

5)壊れ{△づらい/にくい}(「~づらい」は非意図的動作には使いにくい) 

6)×雨が降りづらい(自然現象をあらわす動詞) 

7)×冷えづらい冷蔵庫(非意図的な動詞には付きにくい) 


 6)7)は「にくい」が使えるのだろうか。 

 6)は「雨が降りにくい」は、論理的にはアリだけどなんかヘン。 

「陽があたりにくい」ならアリかもしれないが、通常は「陽があまりあたらない」「陽あたりがよくない」と言うのでは。 

 7)は「冷えにくい冷蔵庫」は、論理的にはアリなのだろうか。ちょっとヘンな気もする。 

「熱をもちにくい素材」「電気を通しにくい素材」あたりなら自然に感じるけど。 


 さて、1)~5)を確認する。 

 たいていの場合はどちらも使えるが、1)~5)のようなときは、「~づらい」は使いにくい。いつでも「使えない」ではないので、むずかしい(泣)。 

「~づらい」が使えるのは心理的な要因が絡むとき……という傾向がありそう。 

「~にくい」は一部の例外以外は使える。 

 むずかしいことはわからないが、個人的な方針は決まった。 

 基本的に「~にくい」を使っておけば間違いない。「~づらい」はよほど自信がもてるときでなければ使わない(笑)。 


 さて、本題に関して。 

①トイレの水が流れづらい 

②トイレの水が流れにくい 

 どちらも「間違い」ではないだろう。 

「流れにくい」なら、どこからも文句がつかない。 

「流れづらい」が自然か否かは微妙。 

 個人的にはOKだと思うが、論理的に考えると、△なのかもしれない。×なのかもしれない。関知したくない。 

「×冷えづらい冷蔵庫」の仲間なのか、「△壊れづらい冷蔵庫」の仲間なのか……言葉の神様に訊いてください。 


 これが「水を流し{づらい/にくい}」ならどうなるか。 

「流しづらい」は、論理的にはOK。なんらかの事情があって「心理的に困難なら」なのだろう。これもあまり関知したくない。 


「はがれ{づらい/にくい}壁紙」 

 非意図的だけど「~づらい」もOKだろう。 

「はがし{づらい/にくい}壁紙」 

 こっちは意図的だから問題なし? 心理的な問題ではなく、単に物理的な場合もあると思うけど。 


 あと、『言葉に関する問答集 総集編』にあるらしい〈接尾語としての「にくい」は早くから見えるけれども、「づらい」の方は、遅く採録されている〉という記述も気になるが、むずかしくなりそうなのでパスする。

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

kuroraccoさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。