「違和感」とは「違和を感じること」か「違和な感じ」か | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

 フリーランスの編集者兼ライターです。
 主として日本語関係のことを書いています。

 下記の仲間。 

日本語アレコレの索引(日々増殖中) 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-306.html 

 下記の仲間。 

日本語アレコレの索引(日々増殖中)【15】 

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1941799128&owner_id=5019671 


 テーマサイトは下記。 

【違和感という言葉】 

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9053267.html 

==============引用開始 

違和感という言葉は、実感等とは違い、感覚のみを意味していて、感じるという動作は 

意味しないと考えております。 

もし動作も意味するのであれば、「違和感を感じる」も「違和感する」等の言い方で 

済みそうなものですが、そんな言い方はしません。 

それなのに、動作を意味していると思っていらっしゃる方が多いように思われます。 

本当に動作を意味しているのでしょうか。 


受付中の質問の前提となる部分ですので、話が混線しないように、別に質問したいと思います。 

なお、こちらでは、違和感という言葉は感じるという動作を意味するのか、ということのみに 

していただきたいと思います。 


勝手を言って申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。 

==============引用終了 

 ちなみに、「受付中の質問」は下記。 

【違和感を感じる】 

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9045916.html 


 むずかしい。 

 もしかすると、「違和感を感じる」とつい言ってしまう理由がわかるような気がして、考えてた。 

 まず下記からひく。 


【期待感という言葉は必要ないのでは?】Yahoo!知恵袋 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3249.html 


==============引用開始 

●「○○感」の○○の品詞 

 そんなもの名詞に決まっている。(←オイ!) 

 問題は、名詞以外にどんな働きがあるか。 


・名詞&形容動詞 

「不安感」の「不安」は形容動詞でもある。「不安感」は「不安な感じ」と考えるのが素直だろう。 

 同様のものに「安心な感じ」「幸福な感じ」「満足な感じ」などがある。これはきわめて素直。 

「劣等感」「優越感」はややむずかしい概念なので、単純には言いかえられない気がする。 


・名詞&動詞 

「解放感」は「解放された感じ」。 

「開放感」は「開放されている感じ」。 

「絶望感」は「絶望する感じ」。 

 後ろの2つは「開放的な感じ」「絶望的な感じ」のほうが素直だろう。 

「疲労感」は「疲労した感じ」。 

「安定感」は「安定した感じ」より「安定している感じ」だろうか。 

「存在感」はむずかしい。「たしかに存在している感じ」くらいかな。 

「敗北感」は……「敗北した感じ」かな。 


・名詞だけ 

「一体感」は「一体の感じ」。 

「飢餓感」は「飢餓状態にある感じ」。 

「既視感」は「すでに見た(経験した)感じ」。「既視の感じ」にできるか否か。 

「残●感」は「●が残る感じ」。(←オイ!) 

「危機感」はむずかしい。おそらくイチバン近いのは「危機意識」。 

「責任感」もむずかしい。「責任意識」に近い気はする。 

「違和感」もむずかしい。「違和のある感じ」かな? 


「期待感」は名詞&動詞。「期待する感じ」。 

「希望感」がナシの理由は不明。 

 o( ̄ー ̄;)ゞううむ 

 パターンが多すぎる。この方向性は的外れだったか。 

==============引用終了 


 そもそも「○○感」を「○○を感じること」と考えることができるのはレアケースだろう。 

 本題の質問サイトに出てきたものを考える。 

【空腹感】→名詞&形容動詞 

「空腹な感じ」が素直。 

「空腹感がある」は「空腹な感じがある」だろう。「空腹を感じることがある」は不自然。 

「満腹感」→「満腹な感じ」など、「名詞&形容動詞」は同様。 

 Web辞書を確認すると、「空腹」「満腹」は形容動詞はない。ウーン。ということは「空腹な感じ」は誤用になるのか?(泣) 


【期待感】→名詞&動詞 

「期待できる感じ」かな? そもそも「期待感」という言葉は不要で、「期待」で事足りるという説も有力。 

「期待感を感じる」は「期待できる」で十分では。 

「期待感がある」「期待感がもてる」はちょっとひっかかる。 

「嫌悪感」「高揚感」あたりも「名詞&動詞」。 

 こちらは「嫌悪する」「嫌悪感がある」で違和感がない。 


【親近感】名詞だけ 

 こちらは分離しにくい。「親近感を感じる」は重言だろう。「親近感を覚えた」にしたい。 


 さて、【違和感】の場合は「名詞だけ」。 

 ここで配慮しなければならないのは、「違和感がある」は「以前からある場合」には使えても、「新たに生じた場合」には使えないこと。これは多くの「○○感」にあてはまる。  

【違和感を感じる 違和感を覚える 違和感が生じる 違和感を持つ 違和感がある】 

http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2748.html 

==============引用開始 

・違和感を{感じる/覚える}以外にどんな言い方があるか 

1)「○○感」が以前からある場合。 

 この場合は「違和感がある」(違和感があった)と言いかえるのが一番素直だろう。 

2)「○○感」が新たに生じた場合。 

 過去形(と書いておく)のほうが自然な感じがするので、そうしておく。 

 これが問題になる。この場合「違和感がある」が使えない。 

 下記あたりだろうか。 


  違和感が生じた 違和感をもった 違和感が芽生えた 

==============引用終了 


 本来は「違和」という言葉があるのだから分離可能。「違和感がある」「違和を{感じる/覚える}」などと使うのが素直だろう。「違和」という言葉をあまり使わないため、「違和を{感じる/覚える}」が使いにくい印象になっている。 

「責任感」と微妙に近いような遠いような。 

「責任感」を「責任を感じること」と考えるのはちょっと苦しい。 

「責任感がある」はアリだが、「責任を感じる」だとニュアンスがかなり違う。「責任感をもつ」「責任感が芽生える」あたりだろう。「責任感を感じる」は相当イヤ。 

 ほかの「名詞だけ」の場合も「○○を感じること」にはしにくい。 

「違和感」を言いかえるなら、「違和な感じ」が一番しっくりくる。しかし、「名詞&形容動詞」ではないので、それも苦しい。「空腹な感じ」と同様に治外法権扱いにしてもらえないだろうか。 

 ちなみに辞書も下記のようになっている。「違和な感じ」がダメなら「しっくりしない感じ」でいいか。 

https://kotobank.jp/word/%E9%81%95%E5%92%8C%E6%84%9F-436878#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 

==============引用開始 

デジタル大辞泉の解説 

いわ‐かん〔ヰワ‐〕【違和感】 

しっくりしない感じ。また、ちぐはぐに思われること。「初めて会う人なのに違和感もなくうちとける」 

==============引用終了