今回は日本ではあまり知られていない、ノルウェイジアン・パフィン・ドッグという、実に不思議な犬種についてご紹介します。



黒狗の犬小舎-ぱふぃいぬ

いつもごとく、よく知られていることについてはウィキでささっと・・・

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%B0

パフィン・ドッグはとても不思議な犬です。


断崖絶壁の穴の中に巣を作る鳥、ツノメドリ(パフィン)をとるためだけに改良された犬種です。

改良にはめちゃくちゃ長い時間がかかっているので、ある専門家は冗談半分に氷河期から存在したのでは?というふうに生い立ちを紹介しています。


しかしながら、その生い立ちは全くと言っていいほど解明されていません。


北欧系スピッツから発展した、非常に古い犬と言うことだけはわかっています。


あまりにも普通のイエイヌと異なったポイントを持つので、別種のイヌ科動物としてみるべきではという話も持ち上がったぐらいの種類です。



黒狗の犬小舎-pafin
ちなみに、これがツノメドリです。

くちばしに沢山魚を挟めることで有名です。


食べ物や物資が乏しかった昔は、このツノメドリも非常に貴重で大切な存在でした。


とっても魅力的な鳥だけど、くちばし攻撃は強烈で人じゃ手が出せない・・・。


諾威人「じゃあ、ヒナを狩りましょうか。」



でも、そのヒナも断崖絶壁の穴の中に住んでいて、とても取れませんでした。

まさに、虎の子とはこのことでしょうか。



どうにかツノメドリのヒナを狩れないものか・・・。


そういう思いから、パフィン・ドッグの改良が始まりました。



もともとパフィン・ドッグはもっと大きい犬だったらしいのですが、ツノメドリ猟に適した体になるように改良されていきました。



さて、ようやく本題です。


コレがツノメドリのヒナをとるために、改良されてできた特別なポイントです。



その一 軽量化・小型化


ツノメドリの巣は、高い場所の狭い隙間にあります。


そのため、高い場所に上りやすいよう、落っこちても重症にならないように体重が軽くなりました。


又、狭い場所に入れるよう、サイズそのものも小型化しました。



その二 水泳がより上手に


ツノメドリの巣は、海の上にあります。これゆえに泳いでいく必要があり、必然的に泳ぎが上手い子が選択繁殖されました。断崖絶壁から落っこちても、泳げれば助かる可能性もあがります。



その三 耳を自分で折りたためる


他の犬にはできない特徴です。


パフィン・ドッグは立ち耳の犬なんですが、自分の力で耳を折って栓をし、水の浸入を防げるんです。

泳いだり潜水するときに、とても役立ちます。


黒狗の犬小舎-みみ



その四 脚が左右90度、自然に開ける


パフィン・ドッグは泳ぐだけでなく、なんとロッククライムをして狩り場へ向かいます。

岩を脚でつかんで登っていきやすいように、脚が写真のように90度、自然に開閉できます。


黒狗の犬小舎-あしまがる


無理やり開いているわけではありません。


たしか後ろ足もこんな風に開いたような気がします。

結構つよい力で岩にしがみつき、よじ登ることができます。


もちろん、これもパフィン・ドッグ以外にはできません。



その五 指が6本ある


パフィン・ドッグの足の指の数は全て、6本になっています。
黒狗の犬小舎-あし
一本多いですね。



黒狗の犬小舎-ゆび
こちら、おてての拡大です。


お分かりでしょうか?

親指が一本多いんです。


これもロッククライマーとして欠かせないポイントです。

岩に引っ掛けるクリップが多いほど、安定して登ることができます。


ちなみに、全部6本かどうかは分かりませんが、この点は本種だけのものではないと思われます。



その六 首が背中につく


人によってはショッキングに見えるかもしれませんが、

写真の主人は軽く手を添えているだけで、無理に押しているわけではありません。


本当は自分の力で、首を背中につけられるんです。



黒狗の犬小舎-くび
パフィン・ドッグの首は二重関節になっていて、

ひょいと首を背中につけれれます。


この特徴は2つの利点があります。


ひとつは、ロッククライム中に親鳥の襲撃を察知するためで、


もうひとつはより狭い場所に入っていきやすくするためです。


体が柔らかければ、くねらせて狭い隙間にも入れます。


これで狭い隙間もスイスイ入って、何往復もしないで沢山のツノメドリを取ることができます。






それらの特徴を駆使し、ツノメドリのヒナをとります。


ちなみに、ヒナは生け捕りされるので、実際のところ本種は猟犬ではなくレトリーバーの一種であったりします。


その証拠に基本的に従順で穏やかな性格で、攻撃性を持ちません。



とったツノメドリは肉を生や塩漬けで食べ、羽は羽枕の中身に、内臓や硬い部分は犬のおやつにと、余すことなく使われました。



しかし、現在ツノメドリは禁猟になり、パフィン・ドッグの仕事は失われてしまいました。


今はペットやショードッグとしてのみ飼育されています。



日本でも育てやすい上、物分りがよく攻撃性を持たないのでそのうち流行るんじゃないかと思っていたのですが、さっぱり輸入されていません。