渋井真帆さんの本は何冊か読んでいるが、これは比較的新しい本。

もっと自分らしく働きたい (PHP文庫)/渋井 真帆
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彼女のこれまでの本を、小説仕立てにしたもののようだ。

新卒で就職した大手企業を、「なんとなく合わないな」と思って結婚を機に辞めた。いい再就職先がすぐに決まるとおもいきや、全然どこにもひっかからず、近所の商店街のパン屋で自給850円の仕事を始めた。
これが本当に私のやりたいことなの?
すごく違う気がする。
じゃ、そんな仕事辞めれば? 専業主婦だっていいんじゃない?
いいえ、私は働きたいの。自己実現できる働き方で。

これが物語の始まりだ。

主人公の気持ちはすごくよくわかる。パン屋のバイトは嫌と言ったって、じゃ代わりに何がやりたいのかということを自分がわかってもいないのだ。だから試行錯誤するし、資格が大事なんじゃないかと思ったりする。

でも、問題の根本は実はそうじゃなかった ・・・
この本を、20年前の私が読んでいたら目から鱗クマノミが飛び出ていたと思う。自分が漠然と思っていることを、こんなに理路整然と書き記してくれている本はその当時なかったからだ。私の知っている限りでは。

だけど、この主人公だって自分が養う家族があったり、貧困に苦しんでいたなら「もっと自分らしく働きたい」なんて悠長なことは言っていられなかったはずだ。

なんでもいいから働け、働いているうちに見えてくるものもあるよ。

それでもこの本にインスピレーションを受けなかった人には、そう言いたいな。

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