• 30 Apr
    • 中年童貞と介護業界

      企画物のAV女優をインタビューした人気シリーズ「名前のない女たち」の著者中村さん。彼は一時期文筆業を離れ、介護の仕事をしたことがある。その時のことを、2017年2月に出版されたこの本ではこう回顧している。 名前のない女たち 貧困AV嬢の独白 Amazon 「文筆業はきっぱりと辞めてAV業界とは距離を置き、将来的に大きな需要が見込まれていた介護事務所をすぐに立ち上げた。しかし、そこはさらなる絶望が広がる地獄だった。(略) 中年童貞や低学歴、精神障がい、人格障がい、異常性欲者が群れていて、それまで最底辺と思っていたAV業界や裏ビデオ業界でも見たことのない、そこが抜け尽くした最底辺が広がっていた」へ・・・ そうなん? 日本の介護業界って・・・( ̄□ ̄;)私はスウェーデンでしか介護の仕事はしたことがないけど、ここではそんなことはないんだけど。中村さんは結局介護業界を去り、元の文筆業に戻った。上の作品は復帰後に書かれた本である。他にも、介護業界時代に見聞きしたことを元に、こんな本も書かれている。 ルポ 中年童貞 (幻冬舎新書) Amazon 中年童貞って、ひと昔前まではあんまりいなかったんじゃないかな。それは、親や親戚、近所の人が世話を焼いて、年頃の男女を見つけてはマッチングというか、お見合いをさせて結婚させていたから。でも「人は絶対結婚しなくてはいけない」という価値観が薄くなるにつれ、そんな世話を焼いてくれる年長の人もいなくなった。そして外見に魅力がなく性格にも難があり、その上低収入だったりする男性は(女性もだろうけど)恋愛を経験することなく年齢だけを重ねる。これは漫画にもなっている。笑っていいのかどうかわからないが、面白い。 漫画ルポ 中年童貞 (リイドカフェコミックス) Amazon スウェーデンの介護業界に、中村さんがここで述べているような悲惨な状況が起きていないのは、ひとえに外国人労働者がたくさん投入されているからだと思う。病院にしたって、医者から掃除の人まで、外国人の就業者なくしては絶対に成り立たない。もしスウェーデンに中年童貞っぽい人がいたら ・・・ 皆が皆とは言えないけれど、たぶん途上国にパートナーを求めると思う。世界に目を向ければ、外見も性格も二の次で生活のためにスウェーデン人と結婚するという人はたくさんいる。ほうらね、やっぱり安倍ちゃんは正しい。日本には外国からの移民が必要なんだよ。と言う日本人はいるかもしれないが、待ってほしい。そりゃあ、優秀な外国人労働者がたくさん日本に来てくれると助かりますよ。その人たちが介護業界にどんどん入ってくると、日本人の人格障がいを持つ人や異常性欲者を雇う必要はないに違いない。でも、そのうち外国人でも優秀で職歴があってまともな人ばかりが入ってくるわけではなくなる。同時に本国で学校に行ったこともないような人や(つまり日本で何の職にもありつけず、福祉で面倒見るしかないような人)、犯罪者も入って来るようになるわけだ。そして外国人労働者の母数が大きくなると同時に、このような望まれない外国系の数も多くなる。遂には、今ヨーロッパ各地で時々起こっているような暴動もありうる。その辺も覚悟しておいてくださいね。

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  • 27 Apr
    • 名前のない女たち

      何年か前、日本滞在中にふと手にしたこの本。 名前のない女たち ベストセレクション (宝島SUGOI文庫) Amazon AV女優へのインタビュー集だった。AV女優といっても、テレビのトーク番組に出て来るような名前をよく知られた人ばかりではない。(そういう有名女優は単体でDVD作品を出すことができるので単体女優というらしい)いつもその他大勢の扱いで名前も知られることがなく消えていく女優もいる。そういう女優は企画女優と呼ばれる。この本は後者の女優を紹介している。実は単体女優というのはAV女優の中でもほんの一部で、ほとんどはとても安い日当で、目も当てられないような卑猥なことをするだけの企画女優なのだそうだ。著者の中村さんは、企画AV女優のインタビュー集「名前のない女」シリーズを何冊も上梓している。上記はその中でも人気のあったインタビューを集めたベストセレクションだ。しかし正直、読んでいてあまり気分が良い内容ではなかった。私は関西空港から飛行機に乗るため、空港近くのホテルへと向かう電車の中でこの本読んだ。スポットライトの当たらない所で裸を晒す、名前のないAV女優たち。そのバックグラウンドは暗さに満ちていた。ホームレス一家に生まれ、近親相姦が日常だった女性とか、正気でスカトロに抵抗ないとか。私はこの本を持っていくと飛行機が落ちそうな禍々しさすら感じた。なので宿泊した空港間近のホテルへ置き去りにした。ホテルの部屋の、机の中の引き出しにそっと入れておいた。誰かこの部屋に泊まった人が、この本を見つけて読んでみようという気になるかもしれない、と思って。著者の中村さんは、「名前のない女たち」シリーズをこれで最後にしようと思っていたようだ。この業界に長く身を置いて、多くのAV女優たちを取材するうちに、色々な理由から疲労を感じるようになっていた。それは恐らく、私があの本に感じた禍々しさに似たものだったのだと思う。中村さんは、彼女らにできるだけニュートラルに接し、ありのままを文章で伝えようとしている。真摯であろうとしている。しかしそれだけに、取材対象から受けるネガティブオーラをまともに受け取ってしまったのではないかと思われた。そして、この本を最後に、彼は文筆業から身を退き、介護業界に転身した。ところが、それから5年後、中村さんは戻って来た。「名前のない女たち」シリーズの最新作が発表され、それがこれだ。 ↓ 名前のない女たち 貧困AV嬢の独白 Amazon 私が前回読んだ本はひょっとして、ベストセレクションということで、特に悲惨もしくは変態的なインタビューだけ集めていたのかもしれない。この最新作では18人の、それぞれ異なったタイプの企画女優たちが出てくる。一人一人が個性的で、バックグラウンドも異なる。国立大学卒や元日本代表のバレリーナもいれば、十代から学校に行かず売春をしていた人もいる。現在の生活も、都内に一軒家を構え、子供もいる何不自由ない主婦もいれば、どんなに値段を下げても買春客がつかない、廃人同様になった(著者の正直な印象を借りれば)「豚」もいる。驚きなのは、多くの、というかこの本に出てくるほとんどの女性が、「AV女優になってよかった。」と語っていることだ。この仕事があったから、私は精神的にも経済的にも救われた、と。前出の主婦は子供が手が離れたのでAV女優に復帰したし(そのため人気AV男優の夫とは離婚となったが)、「豚」の女性は人生最良の時としてAV女優時代を懐かしむ。かと思えば、中にはAV女優になりたくてもなれない女性、なったけど全く売れずに仕事がなく、かといって他の仕事もできなくて困っている女性も出てくる。ああ〜人生いろいろ と思わず歌いたくなってくるが、救いようのない暗さ一辺倒だった前回よりはずっと明るさを感じた今回の「名前のない女たち」だった。

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  • 22 Apr
    • スウェーデンの乞食考

      ちょっと更新が途絶えてしまいました。Påsk(イースター)が終わったというのに、相変わらず寒い今日この頃。でもサマータイムになったので、夜は午後8時ぐらいまで明るいのがうれしい。さて、その午後8時頃、駅から自宅まで数分のところを歩いていたら、すれ違ったスウェーデン人のお兄さん(推定年齢40代半ば)が、突然あれこれ話しかけて来た。あまり健康に見えないそのお兄さんは、寒い天候を嘆きながら、「スーパーでなんとかを買おうと思ったらさあ、ちょっとお金が足りなくてさ。あれは19クローネするんだがなあ」などと早口に話した。ああ、この人物乞いだったんだ ・・・ とわかった。このお兄さんみたいなタイプの人は昔からいた。しかしルーマニアからのジプシーがスウェーデンの乞食業界を席巻している今日この頃、彼のような人はビジネスチャンス?を失い、どんどん隅に追いやられている。以前にも何度も書いたことだが、東欧からの乞食はすでに、ストックホルムの街の風景として定着している。うちの駅に近いスーパーの前に座っている乞食には、紙袋いっぱいの空き缶をくれる固定客がいるようだ。(スウェーデンでは、空き缶を一本13円から26円ぐらいで換金できる)彼女らは皆、同じ子供たちの写真を持っていて、自分の席の前に飾っている。(皆、親戚なのかなぁ・・・ そんなはずはない)私は自分が病気になって初めて、高い税金のありがたさを知った。自分の払った税金のみならず、今働いたり買い物したりして税金を払っている人たちにも心から感謝している。(スウェーデンでは、日本の消費税に当たるmomsは25パーセント。ただし食料品や本などはもっと税率が低い)生活保護で暮らしている人たちも、もらう生活保護費から税金は払っているし、何かを買えばそこに消費税が発生する。しかし、あの東欧の乞食たちは、小銭をもらっても所得税を払っていない。食べ物は出来合いの弁当(グリルしたチキンやサラダなど)をスーパーで買って食べているようだが、それらの消費税が唯一の税金支払い。電車はいつもキセル。他人の払った税金にただ乗りするが、自分からは決して社会に何も寄与しない存在に疑問を感じる。しかも彼らには元締めがいて、街角の乞食は管理されている存在だという。あのお決まりの子供の写真も同じ文句の立て看板も、全て元締めから支給されているのだろう。乞食はただ貧しいだけのかわいそうな存在だ、と言う人もいるけれど、それは小銭や空き缶をあげることで解決できることはない。本心では皆、彼らに街角や駅からいなくなってほしいと思っている。そのためには、彼らに何もあげないことだと思う。スウェーデンでの乞食稼業が銭にならないとわかれば、このビジネスを止めるだろう。私は、スウェーデン人の物乞い兄さんのことを気の毒に思ったが、言われた通りの金額をあげるのもしゃくなので5クローナ玉をあげた。彼は丁寧に礼を言って去った。しばらく歩いて振り向くと、彼は他の人にも同じように話しかけていた。予定していたものが買えるほどの金額が集まったらいいね。最近ストックホルムの街中でよく見かけるストリートフードの屋台。私も買ってみました。ベジタリアン料理で少しお安く、約千円。そのうち消費税は120円。(食料品12パーセント)

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  • 14 Apr
    • 春の到来とイースター

      明日(日本では今日)から、イースターの四連休だ。昨日は元同僚と会い、半日も話し込んですごく元気が出たよ。おかげで今日はすごく気分がいい。久しぶりに思いのだけをぶちまけて喋りまくったからか、連休のせいなのか。残念ながら4月とは思えないほど寒くて、昼間なんか小さく雪が降っていた。それでも桜は咲き始めている。昨日市内で見つけた、ピンクの花びらが美しい桜。イースターに食するご馳走は、国によって違うそうだ。スウェーデンでは卵料理に、ニシン、鮭などの魚料理が定番だ。クリスマスや夏至祭と同じく、家族親戚が集まる機会がこういう祭日なのは、日本の盆正月と同じ。私は子供の父親と別れて久しいのに、こういう大きな年中行事には子供と一緒に元姑宅に集まるのが習慣になっている。そこには元夫とその兄弟、いとこの一家もやって来る。その上、私に新しい(内縁の)夫ができてからは、彼も参加している。彼は元夫の家族、特に元姑たち年配のご婦人方にすごく人気があるのだ。元夫に彼女がいた時は、その人も来ていた。それを日本人に話すと、「・・・変わっているねえ・・・」と呆れられるのだが、恐らくこちらでは一般的とは言えないまでもありえないことではないと思う。しかし元姑も80歳をとうに過ぎ、皆のためたくさんの食事を作るのは大変だ。彼女が食事作りの役目を降りるとすれば、代わりに集合先になり食事を作るのは、今のところ私以外にいそうにない。その時は私は喜んでその役目を引き受けるつもりだ。日本にいたときも、父が長男で祖父も一緒に暮らしていたので、親戚は我が家を中心に集まっていた。なのであまり抵抗なく受け入れることができる。私がここに一人、外国人として生きているのを知ると、特に病気になったときなどに頼れる人がいなくて大変なのではと多くの人が心配してくれる。でも、私にはここにも家族とか親戚と言える人がたくさんいる。とてもありがたいことだと思う。

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  • 12 Apr
  • 11 Apr
    • テロの後。

      今日病院に行き、中のレストランで昼食を取っていたら、正午12時前病院の広場に、スタッフたちがわらわらと集まって来るのが見えた。ガラス越しに彼らの写真を撮ってみた。そのうち通りがかりの人たちも足を止めて、12時きっかりになると黙祷を始めた。何なのかな ・・・先週金曜のテロの関連なのかな。    それから用事のため、ストックホルム市の中心部へ行った。あの暴走トラックが走った歩行者天国の大通りに、人々が今日も次々と献花していた。特に人が亡くなった場所に。「テロに宗教はない」「お互いを思いやろう」犯人はやはり、イスラム国の支持者だったようだ。居留ビザを更新できず、国外退去命令が出ていたらしいが、それでも退去せずスウェーデンに住み続けている外国人はたくさんいる。もちろん犯人もその一人。知り合いに聞いた話だが、犯人と同じ国から来た女性で、同じくビザ更新できなかった人がいる。しかしその子供達は普通に学校に通い続けているし、彼女は病院で出産もしていて、何の問題もなさそう。だったら居留ビザとか労働許可証とか何の意味があるのかなと思う。ちなみに彼女の仕事は「闇のマッサージ嬢」。税金は払っていないはず。ああ。

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  • 10 Apr
    • ストックホルムのテロ。

      日本のニュースでも流れたそうなので、皆さんご存知かもしれませんが、一昨日(7日金曜日)の午後3時前、ストックホルム市内でテロと思われる事件が起こりました。日本の朝日新聞の記事: http://www.asahi.com/articles/ASK4876RRK48UHBI02B.htmlこの事件が起こった時、私は現場から二百メートルぐらいのところにある会議場の中にいました。会議が長引いて、やっと終わったのがちょうど午後3時ごろ。ケーキを食べながら呑気に談笑をしているところに家族から電話があり、すぐ近くで起こった悲惨な大事件を知ったのでした。その時にはもう、安全のため会議場のあるホテルからは誰も出られなくなっていました。何しろ最初はトラックがデパートに突っ込んだということだけではなく、銃を持った輩が大通りを走り回って無差別に通行人を銃撃している、という噂まで出ていたのです。幸い、そのようなことは実際にはなかったそうですが。それから2時間少々経ってやっと、ホテルから出ることを許可されました。しかし地下鉄は不通、普段見ないほど多くの人々が街をぞろぞろと歩いていました。    犯人は39歳のウズベキスタン出身の男、それに共犯者もいて、イスラム国のシンパ・・・ と、事件の背景がどんどん明らかになっています。しかし、スウェーデンでテロはないだろうなと思っていた私 ・・・ だって、フランスとかではよくテロ関連の事件が起きているけれど、それは彼らは断固としてテロと戦う強行な態度を示しているからじゃないかなと思ってたの。その点、スウェーデンはわりと優柔不断であまい印象。ある女性政治家なんか、イスラム国から帰国した兵士に種々のお手当で手厚く迎えるなんて言ってるぐらいだから、この国がテロに狙われることってあまりないんじゃないか、と思ってた。でも、その考えは間違っていましたね。私こそ甘かったわ。  今日(日曜日)には、市の中心の広場に約二千人が集まり大集会が開かれました。残念ながら私は参加できずテレビで見ただけですが、テロに屈しない人々の思いと、11歳の少女やベルギーからの観光客を含む亡くなった四人の方への祈りが、平和への大きな力を生むのを感じました。    そういえば昨夜うちに遊びに来た人が、犯人とされる人物と同じメースタという町に住んでいて、犯人とは友達ではないけれどすれ違ったら挨拶する程度の知り合いだったと言っていた。わ! 世の中って狭い ・・・ って、そんなことで思いたくはないけれど、危険人物はけっこう身の回りに、全く普通の人の顔をして住んでいるものなのだなあ。しかしこれできっと、極右とされるスウェーデン民主党がまた支持者を増やすのだろうな ・・・ 今年2月に行われた新聞の調査で、もう既に一番人気の政党になっているというのに・・・http://www.metro.se/artikel/yougov-moderaterna-rasar-efter-sd-utspel-sämsta-siffran-någonsin恐ろしや、恐ろしや・・・。

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プロフィール

ケータイ作家さよこ☆スウェーデン在住

性別:
女性
自己紹介:
子供が生まれてから、十代の頃好きだった文筆を再開。 2000年 第72 回 コスモス文学新人賞 ...

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