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大阪府内の老人ホーム。ベッドとテレビと小さなタンスだけの一人部屋で暮らす70歳代の節子さん(仮名)は最近、気が気ではないという。やっと見つけた「ついの住み家」から、追い出されはしないかと。

 4年前の入所時に「身元保証人」になってくれた知人が最近、亡くなった。想定していなかっただけに動揺した。「施設に伝える勇気はありません。でも、いずればれるのでは……」

 ◇

 節子さんは5年前、長年連れ添った夫を亡くした。子供はおらず、共働きだったので貯金はある。自宅を手放して気ままな生活を楽しもうと、目を付けていた施設を訪ねると、相手の顔が曇った。「身寄りの方はおられないんですか?」

 身元保証人が必要だという。血縁関係のある65歳以下の人が望ましい、とも。両親や兄弟はすでに亡く、おいとも10年以上連絡を取っていなかった節子さんは、ほかの施設を探した。たまたま「ご友人でも構いませんよ」と言ってくれたのが、今の老人ホームだ。

 かつての職場で同僚だった女性に数年ぶりに連絡を取り、「迷惑はかけない。名前だけでいいので」と頭を下げた。幸い、快く応じてくれた。申し訳なさから10万円を包んで渡し、それ以降も、お歳暮、お中元を欠かさず贈ってきた。

 もう、ほかに頼れる人は思い浮かばない。苦しい心と向き合っていると、怒りさえ湧いてくる。

 「なぜ、『身寄りはいません』が通らないのですか。誰にも迷惑をかけずに一人で生きていくことは、許されないのでしょうか」

 ◇

 身元保証を義務付ける法律はない。だが日本社会に根付いており、高齢者には大きな障壁だ。公益社団法人「成年後見センター・リーガルサポート」の2013年の調査では、入所時や入院時に求めている施設は、介護施設で91・3%、病院は95・9%に上る。

 その理由として▽入院費・利用料の支払い▽緊急時の連絡▽医療行為への同意▽遺体・遺品の引き取りや葬儀――などが挙げられる。「数十万円の損失をかぶるリスクもある。経済的に安定した子供さんがいる方がベストです」とは、ある施設の担当者の本音だ。

 生きにくさの中で、身元保証を請け負う民間団体に頼る人は少なくない。

 大阪府高槻市の老人ホームで暮らす光代さん(85)(仮名)は、NPO法人「いきいきつながる会」(大阪市)に会員登録している。今年2月に夫を病気で亡くし、身寄りがないことを心配した施設側から紹介されたのだという。

 同NPOは約100人の会員がおり、電話や訪問での見守り、死後の葬儀も請け負う。「スタッフが10人は必要で、どうしても人件費がかかる」と石川知巳理事長(39)。すべてのサービスをつければ初期費用は100万円を超え、病院などへの付き添いを頼めば、その都度数千円かかる。

 それでも光代さんは満足している。スタッフが月2、3回訪ねてくれることが心の支えだ。「本当の孫みたい。帰って行く時は見送りながら、泣いてしまうの」。そう笑い、目を潤ませた。

 同様の団体は全国で100を超える。法規制も監督省庁もなく、「実態は玉石混交」とも言われる。今春には業界大手「日本ライフ協会」(東京)が、多額の会費を集めたまま破綻した。

 ◇

 厚生労働省は今年3月、全国の自治体担当者を集めた会議で、身元保証人がいないことを理由に入所・入院を拒否するのは不当だとして改善を求めた。

 一方、行政が支援する動きも出てきた。東京都足立区では社会福祉協議会がその役割を担う。区が人件費を全額負担するため、利用者は現在の45人が限界だが、預託金は52万円から利用でき、民間よりも割安だ。

 担当課長のアルマルカウィ恵子さん(51)は言う。「『人に迷惑をかけたくない』『自分のことは自分でやりたい』と考えるのは、自然な感情です。それを支えるのが社会なのだと思います」

 

 

 ◆成年後見制度活用も

 老後の一人暮らしを支援するNPO法人「SSSネットワーク」(東京)の松原惇子代表理事は「施設や病院の説明をうのみにする必要はない」と力説する。入院時は「身寄りがない」の一点張りで貫き通せることも多い。介護施設の場合、通帳の残高を見せて支払い能力を示すだけで態度が軟化することもあるという。

 司法書士や弁護士などの第三者を成年後見人に付ける方法もある。「成年後見センター・リーガルサポート」の西川浩之専務理事は「財産を計画的に管理する後見人の役割は幅広く、施設や病院にとってもメリットは大きい。気軽に相談窓口に連絡してほしい」と話す。

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