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2008-10-29 22:35:28

「しらせ」解体決定 ネットオークションに出せ!

テーマ:防衛問題雑感

24日、政府は7月に退役した南極観測船「しらせ」の保存を断念し、解体処分すると決定しました。
http://sankei.jp.msn.com/science/science/081024/scn0810242338004-n1.htm


文科省と防衛省は、「しらせ」を後世に残すため引き受け先を募集していました。いくつか提案のあった中から、海上博物館として展示保存する方向で検討していたようですが、改修費や維持費がネックとなって売却条件が折り合わず、結局解体、スクラップということになったようです。
ただし、スクリュー、いかり、艦名看板など少なくとも17以上の部品は取り外し、海上自衛隊の佐世保資料館で一般展示することになるようです。


展示保存の方向で努力はしたので、致し方ないとは言えるのでしょう。
しかし、これでまた文化遺産がまた一つ消えることになってしまいます。
あまりにも、もったいない。


そこで、文科省と防衛省に提案があります。
17と言わず、なるべく多くの部品を取り外し、ネットオークションにかけて下さい。

国や有志企業での保存が無理なら、一部だけでもマニアの手で保存すべきです。「しらせ」にはそれだけの価値があると思いますし、マニアの手元にあれば、それなりに大切にしてもらえるはずです。


防衛省の会計処理上は、前例のないことになるため大変でしょう。しかし税務署が差し押さえた資産などはオークションにかけられた実績もあります。
決して無理ではないはずです。


是非やって下さい。
私も、1点くらいは買いたいと思います。


※ 今回の記事は、あちこちにリンクを貼っていただけると助かります。

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2008-10-27 21:50:04

原子力の日とアフガン自衛隊派遣

テーマ:海外派遣

昨日(10月26日)は、原子力の日でした。
文部科学省と資源エネルギー庁が、ポスターコンクールなんかもやっていました。
http://1026.go.jp/


このブログでは、軍事・防衛関係の話題を扱っているので、核兵器について書いても良いのですが、今回はエネルギー安全保障の観点から書いてみたいと思います。


ここ数週は下落傾向ですが、昨年あたりから続く原油高のおかげで、ここのところ石油以外のエネルギーには追い風吹いています。
原油高自体は喜べる話ではないのですが、エネルギー安保についての世論には、良い影響を与えていると思えます。


原子力についても、2酸化炭素を出さないこともあって、最近では「クリーンなエネルギー」とさえ言われています。
原発をなくすとまで言っていたドイツでも、考えを改めるようですし、核廃棄物の処理問題さえ解決すれば、「言うことなし」のようにも見えます。


しかし日本国内では、原油の確保が出来ないことと同様に、ウランの確保も出来ません。
現在、ウランの国内生産量はゼロであり、全量を輸入に頼っている状況です。
輸入元は、オーストラリアとカナダで全体の6割を占める状況です。
輸入元の偏りが激しいため、政府としては、カザフスタンとの関係強化を進め、同国も主要輸入元とすべく活動中です
ウラン資源の埋蔵量などは、次のサイトを参考にして下さい。
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2007energyhtml/html/1-2-1-6.html


カザフとの関係強化自体は、悪い話ではないのですが、ここでも政府の安全保障感覚はまだ少し問題があるように思えます。
主要輸入元を広げることは、リスクヘッジになります。ですが、それは安定的な供給を期待できる国であればこそです。
カザフといくら関係強化できようとも、輸送ルートに不安があるままでは、カザフに頼ることは問題があると言わざるを得ません。


ちょっと地図を見ていただければ分かりますが、カザフはユーラシア大陸の中央で、西と北はロシア、東は中国、南はアフガンなどの中央アジア諸国に囲まれています。
多少なりともまともそうなルートは、南西のカスピ海を経て、アゼルバイジャン、アルメニア、トルコに至るルートですが、このルートでもアゼルバイジャン、アルメニア間のナゴルノ・カラバフをめぐる紛争、トルコ西部のクルド問題などがあり、とてもまともなルートとは言えません。(土地も峻厳)


しかし、中国やロシアをあてにはできない以上、ないものは作るしかないでしょう。
アフガン(とパキスタン)が安定すれば、ウズベキスタン、タジキスタンなど多少の問題ですむ国経由でインド洋に続くルートが出来ます。


先日も書いたとおり、来年度予算の概算要求にCH-47を改修する費用も盛り込んであります。
なによりも、日本の国益のため、アフガンの安定化に努力するべきではないでしょうか。

2008-10-25 22:10:26

ひっそりと5回目

テーマ:イベント

10月19日、航空観閲式2008が航空自衛隊百里基地で行われました。
http://www.asagumo-news.com/news/200810/081023/08102301.html
http://ascii.jp/elem/000/000/182/182084/


観閲式のレポートは、上記リンクを含めいろいろなサイトで見られるので、行ってもいない私としては、観閲式のあり方について書いてみたいと思います。


タイトルに書いたとおり、航空観閲式は今年で5回目になります。
もともと観閲式は、3自衛隊の中央観閲式として朝霞駐屯地で行われていました。しかし海空も参加しているとは言え、中央観閲式が実態的には陸自の観閲式だったこと、及び同じ観閲を目的とした式典として海自が観艦式を行っていたことから、1996年からは3自衛隊が持ち回りで実施されることになりました。
そのため、航空観閲式としては今年で5回目ということになる訳です。(なお、小規模ながら陸海も参加しています)


タイトルにはひっそりと書きましたが、空自としては毎回非常な努力を傾けているため、やってる方々は必死です。
ただし、航空雑誌はでは取り上げるものの、陸の観閲式や海の観艦式と比べて、今ひとつ盛り上がりに欠け、一般メディアではそれほど目立っていないように思われます。

それはなぜでしょうか?

やはり、航空自衛隊の広報配慮が足りないと言うべきではないでしょうか。
一般公募は行っていない(観艦式はあるみたい)としても、陸海はアクセスも決して悪くありません。(朝霞と横須賀(発))
ところが航空観閲式は、空自内でも陸の孤島と呼ばれる百里です。(百里の方ゴメンなさい)アクセスさえ良ければ、航空機が飛べば基地外だって見られるわけですから、外柵沿いのギャラリーでも嬉しいはずです。


9・11以降は、警備上の配慮(周辺の人口密度が低い)もあるのでしょうが、首相の命を狙うにしても、もっとやり易い機会は幾らでもあるのですから、観閲式は開かれたモノにしても良いのではないでしょうか。


ただし、これについては反論があることも承知しています。

そもそも、観閲式なのですから、公開する必要なんて無いわけです。
「観閲」を辞書で引くと、「自衛隊などの長が、部隊を査閲すること」とあります。
朝雲の記事にもあるとおり、観閲官は麻生首相であり、観閲式とは、最高司令官である首相に部隊(が精強であること)を見て頂くためにやっているものなのです。


テレビはおろか、写真もろくに無い時代にあっては、最高指揮官による直接の査閲は、非常に重要でした。(百聞は一見にしかず)
しかし今や、首相が一言「○○部隊がどんな部隊か知りたい」と言えば、訓練風景などビデオを含めた詳細な情報を直ぐに見ることができます。
つまり、観閲式は純粋に「式典」になっているのです。


これからは、形は観閲であっても、主な目的は広報に切り替えても良いのではないでしょうか。
そして、そのためには航空観閲式の場所を入間に変更すべきだと思います。

まもなく11月3日に行われる入間基地の航空祭は、毎年イモ洗い状態になっていますが、航空観閲式を入間で実施し、予行を含めて公開すれば、見学者も分散され、良いことずくめではないでしょうか。(入間基地の勤務者を除く)

2008-10-23 23:12:55

海自空母に対する攻撃 (空母保有論議その6)

テーマ:空母保有

大分間が開いてしまいましたが、空母保有についての続きです。


残りの話題は、艦隊の自己防御能力ですが、想定脅威をはっきりさせないと議論が空論になってしまうため、今回は多少将来のことまで含めた艦隊に対する脅威について書きます。


日本が空母を保有する場合、想定される戦場で最も可能性の高いものは、尖閣や中台危機がらみの東シナ海における対中国戦です。

その際の空母に対する脅威は、やはり対艦ミサイルです。


先日の潜水艦騒ぎのおかげで、海自の対潜能力について、疑問が呈されることもありますが、こと対中国を考えた場合、ヘリを搭載した多数の護衛艦と世界最高水準にあると言われる通常動力型潜水艦を備えた艦隊が、空母に対する中国潜水艦の接近を許すとは到底思えません。


そんなわけで、以下では中国の対艦ミサイルの運用能力について、まとめてみました。


まず対艦ミサイル運用可能な水上戦闘艦を見てみると、小はミサイル艇から大は駆逐艦まで、総数136隻にも及びます。搭載される対艦ミサイルは、亜音速のYJ-83などの他、超音速の3M80MBEなども運用されています。
当然、これらの全てを東シナ海に集められるわけではありませんが、いざ日本と事を構えるとなれば、集中させてくることは当然でしょう。
この中で、他の方の論中ではあまり言及されていませんが、ミサイル艇にはもっと注意すべきです。沿岸防衛用と言われていますが、東シナ海であれば、十分に活動できます。

駆逐艦
・Luda級×10隻以上
  HY-2×6orYJ-83(C-803)×16
・Luhu級×2隻
  YJ-83(C-803)×16
・Luhai級×1隻
  YJ-83(C-803)×16
・Luyang級×2隻
  YJ-83(C-803)×16
・LuyangⅡ級×2隻
  YJ-62(C-602)×8
・Luzhou級×2隻(建造中?)
  YJ-83(C-803)×8
・ソブレメンヌイ級×4隻
  3M80Eor3M80MBE×8

フリゲート
・JianghuⅠ~Ⅱ級×19隻
  SY-1×4
・JianghuⅢ~V級×9隻
  YJ-8orYJ-81orYJ-83×8
・JiangweiⅠ級×4隻
  YJ-8×6
・JiangweiⅡ級×10隻
  YJ-83(C-803)×8
・Jiangkai級×3隻
  YJ-83(C-803)×8

ミサイル艇
・037-II型×24隻
  YJ-8×4
・520T型×6隻
  YJ-8×6
・022型×40隻(一部建造中)
  YJ-83×8


次に対艦ミサイルを運用すると思われる航空機を見てみます。

ただし、対艦ミサイルを運用可能な機種、機数はもっと多いものの、任務が別と思われる機体や退役している可能性が高いものは除外しました。
以下に上げた航空機は、全て海軍所属機です。防空任務が付与されていないこともあり、要時には戦略機動で集中されると見る方が妥当です。全てが投入されれば、亜音速ミサイルだけでも360発も撃てることになる他、Su-30MKK2が運用する超音速ミサイルも相当数になることが分かります。

爆撃機
・H-6×約30
  YJ-83×4

攻撃機
・JH-7×約60
  YJ-83×4
・Su-30MKK2×24機
  YJ-91×不明


艦艇、航空機とも、中国による戦力集中の問題だけでなく、日本側もミサイルが撃たれるまで座して見ているわけではないにせよ、これだけの戦力があるという点は、最も注視すべき点です。更に、これらは極めてハイペースで増加中です。
数的には、一部に留まりますが、迎撃が難しい超音速ミサイルにも留意しなければなりません。

また、ミサイル艇やJH-7は、ミサイルプラットフォームとしての能力(防御力など)が低く、脅威でなはいと見る向きもありますが、私はむしろ重要視しています。
確かに、艦隊中の空母を狙い撃ちすることは難しいでしょうが、衛星などで艦隊の位置が分かっていれば、搭載レーダーでの目標補足することなしにミサイルを発射すれば、YJ-83であれば十分な射程があることもあり、艦隊中のいずれかの艦艇にはミサイルを指向させられます。
人権意識がなく伝統的に人海戦術を採用する中国の場合、被害発生をためらわないということも重要です。022型ミサイル艇やH-6、JH-7などは、必ずしも帰還を考慮していない可能性もあります。


さらに、日本の空母保有を考えた場合、ここに現れていない最大の脅威があります。
それは、中国がTu-22M3バックファイアを輸入することです。
現在は、まだロシア側が輸出に難色を示しているようですが、日本が空母を保有するとなれば、ロシアもそのあたりは考慮するでしょう。そして、バックファイアの戦力化にはある程度時間がかかるとしても、日本が空母を戦力化するよりは早いと思われます。

2008-10-22 00:13:13

アフガンに自衛隊派遣

テーマ:海外派遣

10月19日付読売新聞は、アメリカが自衛隊のヘリコプターなどをアフガンに派遣することを打診していると報じています。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081018-OYT1T00700.htm


理由としては、道路整備が遅れており、輸送の中心となるヘリの数が不足しているとの事ですが、間違ってはいないものの、ウソのように思えます。
もちろん道路事情は悪いのでしょうが、タリバンの活動が活発になってきており、地上のコンボイは危険性が高いことが最大の理由ではないでしょうか。


ですが、空輸の比率を高めれば、今度はヘリが狙われるようになるでしょう。
実際、昨年(2007)のイラクでは、輸送に占める空輸の割合を高めたため、ヘリに対する攻撃が増えたとする情報があります。
08年3月号の軍事研究誌(元はJDW)では、イラクでの07年のアメリカ軍の飛行時間が05年のおよそ倍にあたる40万時間と見積もられており、敵との遭遇率も上がっていると書かれていました。
07年1月頃にバクダッド郊外でヘリが墜落し、12名が死亡した事故も、肩撃ち式のSAMによる攻撃だった可能性が高いとも報じられています。
http://www.kojii.net/news/news070126.html


ニュースは淡々と報じていますが、もし実施することになれば、C-130型機がイラクで行っている輸送任務以上に危険なものになるかもしれません。


また、この件については、報道よりもかなり以前から話がでているのでしょう。
21年度の概算要求に、多様な環境下での活動を可能とするためのヘリコプターエンジンの能力向上というものが盛り込まれていました。
(機種は明示されていませんが、「陸自輸送ヘリコプター」としてCH-47の写真が付けられています)
概算要求についての報道が出てきた時点で報じられていましたが、これは標高が高いアフガンでは、現在のエンジンでは出力不足になるからだと言われています。


現時点でこういった情報が流されることは、日本の世論がどう反応するかを見るための観測気球だと思います。
インド洋での給油や海賊対策以上に危険性が高いと思われるのですが、あまりにも簡単にスルーされているように感じます。
もちろん私は、概算要求資料でも書かれているとおり、「平和協力国家」の実現のために、積極的に実施すべきだと思っているのですが、この見事なスルーっぷりは、自衛官の生命に対する国民の無関心のように感じられてなりません。

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