2009-10-20 21:09:53 テーマ:中国

シャングリラまでの道のり

まだ暗い中、バスは座席以上の人を詰め込み
稲城の街を抜け出した。


幸いにもぼくの席は窓側だったので
朝が目を覚ます様を見守ることが出来た。


いよいよ四川省から雲南省に入ることになる。

「雲の南」だなんて
素敵な名前を付けたものだ。


窓の外では、ごつごつした岩山が
次第に緑の衣装を纏いはじめた。

$Blowing My Mind


バスは山と谷の間を縫うように縁取られた
デコボコ道を乗り越え、唸りを上げる。

そしてぼくのオシリは悲鳴を上げる。

窓から顔をひょっこり出すと
暖かい空気が顔をなでていく。

後ろを振り返ると、後ろにも顔を出している男の子が居た。

なんだか嬉しい。


$Blowing My Mind


バスは何度かトイレ休憩をはさみながら
シャングリラまでの道をひた走る。

休憩所にいたおばさんたちに
笑顔と元気をもらいながら
ぼくはオシリの痺れと格闘する。

$Blowing My Mind



しばらく走ると
前方に人だかりが見えてきた。

どうやら、車がぬかるみにスタックしたらしい。

$Blowing My Mind



運転手はすぐにバスを止め
人だかりに向かって歩き出した。


野次馬根性が目を覚ました僕は
車に留まる人を掻き分け、バスを降りる。


道路わきでオシッコを開放し、
ぼくもスタックした車のところに向かう。

道はぬかるみ、僕の足をしつこく掴もうとする。

これじゃあ車も大変だ。


車はみごとにぬかるみにはまり、
エンジン音はむなしく音を立てる。

タイヤはギュルギュルとその場で空転。

この車が動かないと
ぼくらの車も通れない。


ぼくはカメラのレンズに蓋をし、
そこにいた人たちと一緒になって車を押す。


「んんんん」


それでも、車は
相変わらずその場で音を上げるだけだった。


ぼくは、近くを見回し
落ちていた木を拾い、
タイヤと泥の間にそれを突っ込んだ。


「もう一回いくぞ」


見知らぬ男たちとともに
同じ目的に向かって心をひとつにする。


高まるエンジン音とともに
車を必死になって押すと
眠っていた獅子が目を覚ましたかのように
車はぬかるみを抜け出した。

「よっしゃ~」


ぼくは一人日本語で歓声をあげ、
まわりでは中国語で歓声があがる。


ぼくにとって、
生きるということは
その場その場でぼくに出来ることを
精一杯やることだと思っている。

どこに居ようと、
誰と居ようと、
たまたまそこに居合わせた僕が
できることをやる。

やれることをやる。

車が泥沼を抜け出し
その後姿を見たとき、
バスを降りて、車を押して、板をはさんで
良かった。

僕がそうしたことで
車が動いたかどうかは分からない。

でも、僕にとって大事なのは、
感じたことを行動に移したということだ。

自分の前に何かが現れてきたとき
そこに飛び込めるようにすること。

怖がらないこと。

それが僕にとって大事なこと。


流れる景色を眺めながら
そんなことを考えていると、
バスはいよいよシャングリラの街に滑り込んだ。



つづく

コメント

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1 ■写真

本当にステキな写真が多いですね!
こまめに読ませてもらっています。

東京は冬に近づき、ハロウィンと紅葉の情報があふれています。

もっともっと写真撮って来て下さい。
僕の地元の女の子はアフリカまで一人で旅をし、その写真で個展を開いていました。

それが目的になるのは違うと思いますが、
自分が見た景色、人、環境、出会い。
すべて記録してきてください!

またコメント書きます。

体に気をつけて~~


最近緑色のウンコが出ました。
ジェットもノゾムも出たそうです。




2 ■Re:写真

>はじめちゃん


いつも読んでくれているみたいでありがとう。

まさに、写真が目的にならないように
いい時間を過ごしながら、それでもいい写真を持ち帰れるよう、がんばります。

これからもよろしくね。

ちなみに、緑のうんこ、
ノゾムもジェットも出たといわれると
心配になります(笑)

くれぐれもカラダを大切に!

Kuni

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