気になる映画とドラマノート

厳選名作映画とドラマを中心に、映画、テレビ番組について、思いついたこと、美麗な場面、ちょっと気になる場面に注目していきたいと思います。


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 ロンドンオリンピックで、内村航平さんの練達の演技を多くのマスコミは「内村さんの美しい演技は日本人の美質に通じる」と書いた。いやあ、それはないなあ、と思った。それなら、わたしたちは、シンクロナイズドスイミングのロシアなどの上位常連国の演技を美しいとは認めないのだろうか。多くの人は美しいと認めるだろう。他国はさほど美しくないが、日本人は美しい、なぜなら日本人の精神の美しさの表れだから・・・それはないだろう。

 内村航平本人が立派なので、国民が美しいはずがないでないの。

 そんな言い方が通るなら、中国卓球は中国人のものごとに集中する美点とかなんとか何でも云える。韓国の女子ハンドボール、バドミントン、アーチエリーも、韓国人は好きなように国民の美点と結びつけていいことになるぞ。

 なに、実際は当人がたいしたもので、国民はどの国も凡庸なのだ。

 ところで、東洋史家の宮脇淳子という人は他人の意見に耳を貸さないというか、ブレないということか、5年以上も前に、「チャングムの誓い」と「朱蒙」の時代考証」の間違いを鬼の首をとったように動画で主張して、韓流嫌いの人々の「理屈の支柱」となってもてはやされた経緯があるが、今回の韓国大統領の竹島上陸、日本批判からはじまった騒動を受けた週刊文春のインタビューに、当時と寸分たがわない同じ論法を繰り返している。

 題名は「韓国ドラマは歴史改竄だらけ」

 主旨は以下の通り。(全文は8月30日付週刊文春)

 1.「朱蒙」の内容はデタラメだらけ
 として、デタラメな内容を並べているが内容は書く必要がない。要するに史実と違うというのである。

 反論

 
宮脇淳子さんは、アメリカの西部劇、日本の時代劇(水戸黄門、大岡政談、坂本龍馬、徳川吉宗などの実在の宮本武蔵などの「実在の人物」をモデルにした映画、ドラマ)を見たことが無い人なのだろうか。これらの作品では、日本のものも、アメリカのものも、史実間違いが多数あり、美化もされていることは誰でも知っているはずだ。それとも、宮脇淳子さんがことさら、「韓国ドラマ」は改竄だらけということは、はて、もしや、日本のドラマやアメリカの西部劇に実在の人物が出ていれば、史実だと思っているのでしょうか。日本人やアメリカ人は韓国人よりも理性的だから、ドラマにも、嘘はないととでも?

 2.韓国人にとって歴史とは、事実ではなく、史観なのです。

 反論

 この主張は二重にまちがっています。

 日本の左翼は、「マルクス主義史観・唯物主義史観」をもち、右翼は「アジア解放史観」を持っています。そいて、国民の歴史というものは、国によってちがうのは避けられず、お互いに尊重すべきだ、というのが現在の歴史家の常識です。当人が事実と思いこんでいる間違い事実と事実の選択が歴史だという点では、どの国も史観を免れない。

 
 そして、とくに宮脇さんは、韓国ドラマをひきあいに出してこういう結論を言うのですから、韓国人が日本の大河ドラマの「龍馬伝」のフィクションの部分を指摘して、日本人は会うはずのない歴史人物が会う場面を平気で見ていると言われてしまいます。

 わたしは、韓国人が日本の「暴れん坊将軍」や「秀吉の太閤記」を引き合いに日本人は朝鮮侵略を反省していないと言ったら、バカだなあ、と思うのと、同じ様に宮脇さんの主張に賛成しません。個人的には朱蒙はさほど好きではないですけどね。

 3.最近では「歴史ドラマに嘘が多いので」大学入試に歴史の試験がだせなくなっているそうです。

 
反論
 そんなアホな話がありますか。

 それなら、日本の高校生は日本の時代劇が立派に史実だから歴史の試験の成績がよい、ということになりますね。

 
4.「朱蒙」の描き方は、立派な国と人が描かれているので、「あんなに立派な国と人なのに、なぜ日本なんかにやられたんだ」ということになる。

 反論
 これはある程度正しい。日本のマスコミと教育は戦後、ひたすら、日本の戦前を悪辣な軍人とだらしない政治家として描いてきましたから、ある意味で心理的には、アメリカがえらくて日本人はなさけない国人だという方向つけがなされてきたといえるでしょう。しかし、考えてみると、日本の風潮のように「卑下しすぎる」のもおかしいですが、宮脇さんのおかしさは、まるで日本や欧米が「真実」沿った記述をしていて、韓国はとくに「ウソだらけ」と言っていることです。これでは、いまの右翼も左翼も日本の現在の教科書やドラマが「真実を書いていて、大変よい」といわなければならなくなってしまいます。


 5.これを見れば韓国の歴史がわかるという謳い文句を信じてはいけません。

 反論
いや、まったく、その通り。
「このあとすぐ」
「視聴率ナンバーワン」
「全米が泣いた」
「全米歴代興行成績1位」
「大ヒット上映中」には、気をつけましょう。

 韓国の新聞記者テレビ記者文化人にも、とんでもないデマを言う人たちが見受けられますが、日本の韓国関係発言者では、右派ではこの宮脇淳子さん。左派では、カン・サンジュンさん、シン・スゴさんが悪質だと思います。


この際だから、文学・映画・ドラマの大原則を書いておきます。
1.あらゆる表現は、止めるのではなく、批判・批評によって、斬新敵に克服していく以外に近道はありません。

2.どの国も、作家は個人の生活史をもって、作家になるので、「時の体制に反抗する想念も、体制順応の想念も、言葉の綾や映像美至上で、愛国にまったく無関心ということもありえます。韓国人だから教育によってかならず、反日だと決め付けられないし、日本人の作家が日教組の言うとおりに必ず考えるわけもない。

3.もうひとつ、アメリカは、戦うために、日本研究をしました。が、日本のアメリカ研究ははるかに浅かった。仮に憎い相手でも、知ることは必要ですし、おかしさの程度を知らねばならない。

4.日本の文化を輸入を抑制しようとする韓国は墓穴をほっていますし、韓国映画やドラマをほめる人はほめるばかりで批判する場合もなければおかしいことです。作品というものは、完璧ではなく、次世代の人は批評を参考に無意識に自己のなかに批評眼をそだてながら作家になるのだから。

 また、「言論統制」というのは、スターリンの政策がもっとも有名で、スターリニズムといわれていますし、日本軍国主義時代は青年将校、や右翼は「私有財産廃止国家所有の上での天皇強権(親政と美化)」を目指していたことは有名です。宮脇氏のように、「商業ドラマ」排斥はじつは共産主義統制思想の親戚なのです。


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