Aさんは賃貸用に建てた木造平屋建ての建物を所有しています。
3年位前に建築関係の仕事をしているというB男に期間2年、賃料月額6万円、毎月末日にAさんの預金口座に振り込んで支払う約束で賃貸しました。
1年半位の間は約束どおり家賃が入金されていましたが、その後パッタリ入金がなくなりました。
不審に思ったAさんがB男宅へ行ってみたところ、見たことのない若い女性が出てきてC子と名乗り「Aと婚約していて近く結婚する予定だ。Aは出稼ぎに行っていて私が留守番をしている。近いうちに帰ってくると思うから、帰ってきたら早速家賃を払うように伝える」とのことでした。
Aさんは、その後隔週ごとにB男宅へ催促に行きましたが、C子が出てきていつも同じ返事でした。
C子に家賃を払うよう請求すると「私は借主ではない」と言って払ってくれませんでした。
Aさんは、裁判手続きでB男とC子を立ち退かせることにしました。
その準備として、AさんはB男とC子の住民票を請求しました。
C子は住民登録がしてなく正体不明の女でした。
B男は賃貸した建物の所在地に住民登録がしてあったので戸籍関係書類の交付を受けて身元を調べました。
その結果、B男には妻子があることがわかりました。
AさんがB男の妻と連絡を取ったところ、B男が3年くらい前に女ができて家出し行方不明になっていて、未だに戻ってこないと言うことでした。
C子の婚約の話は嘘で、愛人関係のようでした。
通常の手続きとしては、B男に対して内容証明で、滞納家賃の請求と、支払のないときは賃貸借を解除することの通知をするのですが、相手が行方不明ではこの手続きがとれません。
この場合は、簡易裁判所に意思表示の公示送達の申立手続きをしなければなりません。
大変な手数です。
そこでAさんは、これを省略できる手続きによることにし、B男に対しては滞納家賃の請求と支払がないことを条件とする建物明渡しの訴えを、C子に対しては建物の不法占有を理由とする建物明渡しの訴えを起しました。
B男に対する建物明渡しの判決の執行力は、愛人のC子には及ばないので、C子も被告として訴える必要がありました。
B男に対する訴訟書類は通常の郵便送達の手続きがとれないので公示送達の申立をしました。
C子は裁判所から呼出状が届くと驚いて、建物から逃げだしました。
B男は、呼出しを受けた日に出廷しなかったので、欠席判決がなされました。
Aさんは、B男に対する明渡の判決が確定するのを待って、執行官に建物明渡執行の申立をしました。
執行当日、B男は不在でした。
Aさんは執行官と共に屋内に入りB男の家財道具類を調べました。
執行官は、屋内にある物は全部無価物と判断し、Aさんに廃棄処分して差し支えないことを伝えました。
これで明け渡しの執行が終わりました。
Aさんは屋内に有った物を全部粗大ごみとして処分しました。
B男が戻ってきて屋内に入り込んだら、また同じ裁判手続きをしなければならないので、Aさんは入り口の鍵を変え、雨戸などは締め切って釘付けにしました。
この裁判手続きは、特殊な方法によっています。
詳しい説明は全部省略してあります。
詳細は下記へお尋ね下さい。
司法書士 工藤晃平 検索


