5月13日(木) 入院4日目 午前 ムンテラその1. | 32歳医者夫婦のガン漂流

5月13日(木) 入院4日目 午前 ムンテラその1.

朝、神経内科の医師から、ムンテラがあると。電話あり、K病院へ向かう。


ムンテラ。

今の状態は、脳炎か脳症。


1、ヘルペス性脳炎。すぐに治療開始するべきだが、ヘルペスの可能性は低そう。抗ヘルペス薬(アシクロビル)は、投与開始している。


2、非ヘルペス性脳炎。うつ、失見当が生じ、精神症状が前面に出ている。この経過からは非ヘルペス性脳炎が疑われる。髄液反応が51と軽度上昇。炎症があるのは確か。もし、非ヘルペス性脳炎なら、発熱、けいれんが出てくる。グルタメートR抗体が出現してくると言う、自己免疫的病態で、静岡の病院で、特殊エッセイにて検出する。


今後予測されるのは、けいれんの出現、辺縁系の自律神経症状が出て、呼吸が危うくなる。この疾患は、全脳炎ではなく、辺縁系脳炎と考えられる。


ここで同意していただきたいこと、

a、気管切開を必要なときはする。

b、全身管理上、ドルミカムにより、意識レベルを落とす。

c、パルス療法をする。(その場合、ヘルペスを否定する必要がある。)


3、もうひとつの可能性として、傍腫瘍性辺縁系脳炎。のこともある。縦隔の異常影が気になり、これについて、精査必要である。


治療については、1、抗ウイルス薬、2、ステロイド、3、腫瘍の処理が必要である。


11時ごろ、K病院より、自分の職場へ。手術の予定がはいっていたが、K病院より、縦隔に大きな腫瘍があり、外科にBiopsyしてもらうので、すぐ戻るよう電話があり、K病院に向かう。


自分の患者さんを他の先生にお願いして夫のことを優先してしまった。


医者としてはありえない事なのかもしれないが。