LION/ライオン ~25年目のただいま | Every Little Step (新)

Every Little Step (新)

りおうさんの更なる進化を求めて。

LION/ライオン ~25年目のただいま (原題:LION)
2016年オーストラリア 日本公開2017年4月
監督ガース・デイビス
デヴ・パテル/二コール・キッドマン/ルーニー・マーラ/デヴィット・ヴェンハム
サニー・パワール/アビシェーク・バラト
画像
(C)2016 Long Way Home Holdings Pty Ltd and Screen Australia

【雑感その1】
とっても良かった!
見ようか悩んだけど見てよかった、ほんとに。
見れてよかったと心から思う。

この映画、実話です。
インドで迷子になった少年が養子としてオーストラリアに行き
成長して、グーグルアースで自分の家を探すというストーリー。
なので、ネタバレもクソもないんだけど
それでもラストは泣けちゃう。
もちろん映画用に多少の脚色はされているけど
これが実話だとはね。
実際は映画で描いている以上の事なんだろうと思うとやはりすごい。

2部構成になっていまして
主人公の幼少期のインドパートと
大人になった主人公の現代のオーストラリアパートです。
わしは特にインドパートがよかった!!!
何度でも見れそうなくらいよかった。
インド編は過去のこともあり、上でも書いたけど多少の脚色があると思うので
ハラハラ感もうまく盛り込んであり夢中になってみてました。
オーストラリア編は現代な事もあってなんというかリアルであんまり自分は馴染めなかった。
前半に比べると坦々としているしね。
あと、編集が悪いのか流れるような展開ではなかったように思う。
あまりにインド編に感情移入してしまったせいもあるけど。
でも全体的に非常に見やすくダラダラな部分はなかったです。

敢えてそうしているであろう
俯瞰的ショットが多く、インドの景色に思わず見入ってしまいました。
そしてその広大さにまるで自身も迷子になってしまいそうでした。


【あらすじ】
サルーは優しい兄と母と妹と貧しいながらもインドで暮らしていたが
ある時兄と離れ迷子になってしまう。
以来、家族と生き別れたままオーストラリアに養子に出される。
そして成人したサルーだがインドの家族のことを忘れたことはなかった。
そして友人の助言もあり、グーグルアースでおぼろげな記憶を辿り
インドの自分の生家を探しはじめる。


【キャスト】
サルー・ブライアリー役にデヴ・パテル。
デヴ・パテル見事でした。
こんなの見たことない!!
マリー・ゴールドホテルの、あのウザすぎるソニーとは思えない。
でもものすごくよかった!
サルーの人生を表現するのは大変だったろうと思いますが納得の演技で
わしはこのデヴ・パテルは大好きです。
アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされました。

サルーの恋人ルーシー役にルーニー・マーラ。
はっきりいって必要だったのか。
わしは彼女が好きではないので無意識に、はなからそういう目線で見てたんだと思う。
サルーを応援してるのか否定しているのか全くわかんないし
それで揺れ動いてる感が微塵も感じられなかった。
ただのセックス要員にしか見えなかった。

サルーの養母スー役に二コール・キッドマン。
もうちょっと出番多いのかなと思っていたんですが思いのほか少なかった。
難しい役どころだったと思います。
スーのセリフにすごく共感してしまった部分もありました。
この役でアカデミー賞助演助優勝にノミネートされました。

幼少期サルー役にサニー・パワール。
とにかくこの子が凄い。
めちゃくちゃかわいいし演技に引き込まれる。
彼だけでも見る価値大アリ。

サルーのお兄ちゃん(グドゥ)役にアビシェーク・バラト。
わしはこのおにいちゃんが大好きです。
今後万が一ハリウッドに進出するようなら全力で応援する!

サルーの養父ジョン役にデヴィット・ヴェンハムなどなど。


【雑感その2】
とにかくチビサルーが最高すぎた。
オーストラリアに行く時のTシャツのロゴが
ちゃんとタスマニアになってたり
髪型もきっちり綺麗にされてたり、すごくかわいかった。
2000人もの中から選ばれた普通の素人のインドの子らしいけど完璧でした。
彼の評判は映画を見る前から噂になっていましたが
見たら そのかわいさだけでなく声もかわいかったし
演技が凄かった。
あの表情は一体どうやってひきだされているんだろう。
何度か気になる表情があったけど
インドを離れる飛行機の中での表情や
オーストラリアについて養父母の車内でコアラの人形を抱きながら
なんともいえぬ表情をしてたり。
それらの表情をを見ながら、サルーは何を思うんだろうか。
とそればかり考えていました。
今思うとそのサルーの不安定さにわしは惹かれてたのかなとも思う。

インドでは今現在も年間約8万人の子らが行方不明になっているといいます。
実際映画でも誰も乗っていないはずの回送列車から
泣きながら子供が出てきても、みんなスルーだし
当然泣きながら一人で歩いていてもスルー。
そういう国なんだなと。
人買いとかにさらわれそうになったときは
早くオーストラリアに連れてってあげてぇぇぇ!と願った。
そんな中でこのサルーという人物は奇跡的にいいおうちに引き取られ
なおかつ、自分の生家をみつけ家族に再会することができた。
こんなことはまずないであろう。
実際はグーグルアースだけでなくフェイスブックもかなり多用したようです。
映画では色々都合があるんだろう省かれてましたが。

色んなレビューを見ていると
見ている人それぞれが養母スーに共感したとか、恋人のルーシーが
素晴らしかったなど
本当に見る人によって受けとめ方が違うんだなと思いました。
それだけいろんな見方があるんだろうなーと。
わしはやはりサルーのお兄ちゃん。
あの薄幸さがなんとも言えないし、弟を失ってどうなったのかが
ずっとずっと映画をみながら心の奥で気になっていました。
少なくとも映画としてのラストはわかっているのだから
見ている人の多くは お兄ちゃんどうなったの? ってことが最後の落としどころに
なっていたんじゃないかな。
そして、もうひとつ。
タイトル LION の意味。
本当に最後の最後にわかるこれらのこと。

エンドロールの始めに
実際のサルー少年の施設での書類の写真が出ます。
その写真を見たときに心を鷲掴みにされました。
ああ、本当にこれは事実なんだなと。
そしてエンドロールでは実際の彼らの映像も流れます。
というかサルー本人は映画のプロモーションで来日もしていますしね。
サルー本人を見ると
いかに育った環境が大事かがわかる。
しっかりとした家庭でちゃんとした教育を受けた方なのが一目でわかるというね。
余談ですが、上でも書いたタスマニアのロゴT、
実際のサルー少年も着ているんだよね。

でも
大好きなおにいちゃんの背中を追いかけてあのままインドで暮らしていても
きっと彼は幸せになっていたと思う。
だって大好きなおにいちゃんがそこにはいるのだから。
そしてサルーがこんな奇跡をおこすことができたのは、
きっとあの人が導いてくれたのだろうと思うりおうさんなのでした。

是非見て欲しい1本です。
もちろんDVDでも!
わしはDVD買うかどうかを検討します。

2017-⑧