シンガポールでHirotsugu Kijimaさんのハブ機能の勉強会で、ドバイを絡めた私の自己紹介の場を頂まして、早速にも、
・ドバイ視察旅行が2件、
・人材系会社を運営される社長さんとの面会
・投資会社の方と海外病院案件での打ち合わせ(日本、ASEAN以外)が2件
と、まさにシンガポールが国際ハブ機能を持ち合せた場所であることが証明された状況になっています。

シンガポールにいて、ASEANだけではなく、GCC諸国、アフリカ、中国businessの打ち合わせができる、日本にいてはあり得ない状況です。
シンガポールは節税、タックスヘイブンの側面ばかりが取り上げられますが、businessや人材のハブ機能としての位置づけが明確になっています。
渡航する回数が増えそうな予感です。

さて、本日は、偶然にも日本の投資会社との間で、日本のヘルスケア事業の案件のお話し、アドバイザリーとしての依頼を受けたような案件でした。

それにしても、いくら規制業種で法律の壁があるとしても、日本の病院、医療法人は海外に出ていこうとしていないのか…

「混合診療と病院の株式会社化に動き出せない日本に、ヘルスケア産業の魅力はゼロである」と断言する大手総合商社もあるくらい、ヘルスケアをやるのであれば日本を絡めず、と言う動きが現実的な流れです。

一方で、確かに動きが弱いのは事実なのですが、それでも、潜在的にはメディカルツーリズムだけでなく、海外で何かすることができないのか、模索をしている医療法人も増えてきてはいるようです。

私の顧客は殆どが海外なのですが、国内の医療法人の方にも、分かりやすく何が提供できるか示さなければいけないと思っています。

その為には、ほとんど手つかずのWebサイトも手入れをしないといけないな、と感じているところです。

何も、私は日本のお客さんを受け付けていない訳ではありません。
海外進出が唯一の生命線、とは言わないですが、市場が急速に萎んでいく日本で海外に活路を求める行動は、本来はもっと推進されるべきです。
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度々登場する、学年最下位のうちの真ん中の愚息(中2→でも、一番可愛い)が、

「インターナショナルになれ、世界に通用する人間になれ、英語勉強しろ、って言うけれど、インターナショナルな人になったら、金儲けできるの??
日本語しかできないと貧乏になってしまうの??」

なかなか素直な感性。

普通は「インターナショナルな人間になれ」
と言われたら、
「はい」
と素直に受け入れてしまうそうだけど、決して捻くれた質問ではない。

だからこそ、彼のことは憎めないんですよね…
で、当たり障りのない返事しかできていなかったのですが、今回のセミナーに出て、いろいろな方と話をして気づかされました。

インターナショナルになるか、ドメスティックに生きるか、
これは生き方の軸としてとても大切だけれど、お金儲けできるかどうかとは全く関係ない。

インターナショナルな人でも貧乏暇なしの人もいれば、
ドメスティックでも金儲けできる人もいる。

だから、金儲けできるかどうかで、インターナショナルかドメスティックかを決めるのはとてもナンセンス。
インターナショナルにならない(なれない)事に恐怖心を必要以上に煽ることって論外な事です。

もちろん、インターナショナルな人になれば、チャンスが広がるのは事実ですし、ですから、そういった人は英語はがっつりやらないといけないです。

そうそう、ドバイもシンガポールも当たり前に、バイリンガルではなく、トリリンガルとやっていくわけですから、そこまで目指さないといけないですよね。

で、ドメスティックに生きることも、決めたとなれば、ドメスティックなりにどう生きていくのか、頭を使って生きていくことが求められてくる時代がすぐそこに来ていると思います。

これからの時代、ドメスティック間では、一部の稼げる人と、多くの稼げない人が鮮明になってくるでしょうから。
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日本という国は、本当に自国(民)を疲弊させているな、と思います。
もっと疲弊させないで、国益に適う政策を実行してほしいな、と実感させられるシンガポール出張でした。

消費税や法人税のこと?
確かにこういった事もありますが、今回はこと医療産業についてです。
私はこの分野の産業しか詳しくありませんが、推して知るべし、他の産業も似たようなものでしょう。

現在、安倍首相の成長戦略構想で、「医療機器の海外進出」が推し進められています。
日本に於いて医療機器の承認、認証については薬事法で定められており、報道などでも言われておりますが、日本の薬事審査は大変厳しく時間がかかる一方で、だからこそ承認をうけた製品の信頼性は非常に高いものとなっています。

ところが、日本企業が多額のコスト(お金、時間)をかけて日本の薬事認証を取ったとしても、海外ではほとんど価値が無く、海外進出に際してほとんど役に立たないのです。
ご存知の通り、アメリカ⇒FDA、EU⇒CEマーキングが、世界各国で医療機器を承認する際に通用する認証ツールとなっています。日本の薬事認証は、それらの認証(特にCEマーキング)と遜色のないものであるはずなのに、実際は世界で通用しない認証なのです。

これでは、欧米の医療機器メーカーがFDAやCEマーキングを取っておけば一緒に海外展開できる環境にありながら、日本の企業は日本の薬事審査を通して、更にFDAやCEマーキングと取らないといけない訳ですから、圧倒的に不利です。

日本の中小企業には、面白い製品、世界に通用する機器、持ち合わせています。
でも、FDAやCEマーキングまで取得する余裕は、時間的にも金銭的にもない企業もございます。
また、せっかく取得できたとしても、これらの認証は決して「売れる」ことを保証するものではありません。進出国を選定して、医療機関などを訪問するなど市場調査を行い、数ある代理店の中から適切な企業を選定し、そして営業を行っていく…

ここまで余裕のある企業は本当に限られてきてしまいます。
政府が、「成長戦略」と言って、その掛け声に合わせて出ていこうとしても、障壁の高さ、困難の多さにやる気はあるけれど疲弊してしまっている…そんな声が肌に感じました。
「FDAやCEマーキングの認証が無く進出できる国や方法はありますでしょうか?」
と聞いてくる企業の方の気持ちも理解できなくありません。

では、どうしたら良いのか?

政府が、諸外国に対して、日本の薬事審査の透明性、厳格性を英語でアピールし、それらの国で日本の薬事承認を医療機器を承認する際にはFDAやCEマーキングと同等の扱うように働きかけることです。
日本の薬事承認がそのまま使えるようになれば、FDA,CEマーキングの承認を待たずに、日本の医療機器が導入されるチャンスがきます。
これは大企業はもちろんですが、圧倒的に多い中小企業にとっても平等にその恩恵が受けられます。

ODAや政府支援などに絡ませて、この動きを目指しても良いでしょう。
新興国には、高額な日本の医療機器に興味を持っているところ、あるいは購入できる力をつけている国もありますし、逆に日本企業の中にも、敢えてMade in Japanで不要なスペックを取り除いた新興国向けの医療機器を製造・販売しているところもあります。

国が単に「海外はチャンスだ、新興国には需要がある。出ていけ。」と言っても、医療機器に関しては圧倒的な不利な状況にあり、単に精神論ではあっけなく討ち死にしてしまいます。

我が国の薬事審査の信用性に胸が張れるものであれば、これを世界のスタンダードとして認めさせる、その国の医療機器の承認方法として採用してもらう、そういった戦略を国が持って行動しなければ、成長戦略は低調戦略に終わってしまうように思います。

写真は、Asia Medical Fair 2014の様子です。
お世辞にも運営者の失敗なのか市場の問題なのか、お客さんの入りは低調。1日目でこれですから、残り2日が心配です。
でも、JETROブースはかなり賑わっていました。
お隣りの韓国ブースなどは、Arab Healthの時の様な一体感が無く、お客さんもまばら…

Arab Healthと言えば、今年はJETROブースの申し込みが多数で締切り抽選となったようです。
海外に向ける目は本当に拡がっているんですね。楽しみな事です。

今からホテル予約しなくては。
相当高いレートだと思います。

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負荷価値

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突然ですが、日曜日よりシンガポールに行きます。
かなり久しぶりです。(1年は開いていませんが…)
今回は病院関連のビジネスではなく、医療機器に関連するお仕事です。光栄にも「講演」する機会も頂きましたので、数日間の滞在ですが、楽しみにしております。

医療機器と言えば、日本の医療機器メーカーが海外での市場を広げたいと、ある意味「病院丸ごと輸出」よりずっと現実的で、かつ可能性が高いと思うのですが、現状はあまり進んでいません。多少の円安が進んでも、今後も医療(機器)分野の貿易赤字は増え続けてしまうでしょう。

以前にも書かせていただいたように、日本の医療機器メーカーの営業が本気で商売していない(物を売っていない)という側面もありますが、それと同じくらい深刻なのは、彼らが提供している付加価値の誤解です。

端的に言えば、彼らが提供している「付加価値」は、他国にとっては「負荷価値」になっている、ということです。

総じて、日本の医療機器メーカーの作る製品の技術や安全性は高く、多機能を備えており、高性能であり、プロフェッショナルが大いに興味を持つような製品です。
そういった製品への評価は国内だけでなく海外でも高いです。

でも、なかなか売れません。
端的に価格が高過ぎます。
そして多機能を備えたところで使いきれず、彼らはもっとシンプルで病院の収益や医療従事者の技能にあった製品が欲しいのです。
それが、世界から本当に求められている不可価値です。


ところで一昨日、アリの巣作りに遭遇し思わず見入ってしまい、世界で活躍する若い循環器科医とのベトナム料理レストランでのデートに、危うく遅れてしまうところでした。
この先生から、非常に面白い指摘をしていただいたのですが、

「海外のメーカーは80%のカテーテル治療医が治療可能となるデバイスを開発しようとする。日本のメーカーは、トップの技術を持った者が喜んで使ってくれる(高い評価を与える)デバイスを開発しようとする」

もちろん、最高峰の技術(「神の手」と言う言葉は嫌いなので使いません)を持つ医師たちに必要なデバイスは必要です。
彼らが持つ「治療技術」が無ければ更なる治療法の向上には繋がらないですし、こういった技術を極めていく、追及していくことは絶対に必要です。
高性能、多機能の医療機器が不要だと言っている訳ではありません。

ただ冷静に海外市場では、経済面、環境面、人材面から日本の医療機器のような、効果で多機能な医療機器は費用対効果の面からも普及が難しい。
結局、良かれと考えた「付加価値」が、購入行動を制限する「負荷価値」になっています。本当に海外に進出させたいのであれば、日本の製品をそのまま海外に輸出するようなことを考え直し、固執している負荷価値への固定観念を一度破壊して考える必要があると思います。
(もちろん、日本の高性能な医療機器を求めるところには喜んで販売するべき)

そして、「費用対効果」の面から言えば、病院経営が厳しく、潰れることが当たり前になりゆく日本だって、これまでの様ないい加減な償却計画で購入する訳にいかなくなり、「費用対効果の高い」医療機器やデバイスが普及していく可能性が高いでしょう。
企業の収益は非常に良いようですから、いっそのこと、高い技術力のある会社を購入するよりも、費用対効果の高い医療機器、医療デバイスに強い海外の会社を買収することも、これからの日本にとって良いことかもしれません。


1ドル105円を突破しましたかぁ。

泡沫である藤本商店は、現状円安は厳しいですね。
巣作りのアリさん、巣が完成したと見えて、今度は入口の上に葉っぱや小石などをせっせと集めています。
そう、相場など自分がどうにも出来ないことに一喜一憂するのではなく、アリさんのようにせっせと働けば良いだけですね。


「売ってやる」病

テーマ:
中国から戻ってきました。

東京、溶けちゃいそうですね。松本、蒸し風呂のようです。
上海、洛陽はかなり涼しかったです。冷夏まではいかないようですが、例年よりも涼しい印象でした。
この空気の流れが2,3日後には日本にも来るかもしれませんね。

さて、上海の最終日は、藤本商店と繋がりのある中国企業の関係者が一堂に集まってのミーティング。
まるで藤本商店が中心のようですが、実際はうちが一番泡沫。ただ私の訪問に合わせて、お互いのビジネスの進捗状況などを確認し合い、意見を出したり、助けられることがあれば、その場で対処する、そのような集まりです。

ここには、中国国営の建築会社や開発銀行の方も集まるので、ホント、私など場違いではないか、と思ってしまいます。グループ企業やコングロマリットとはちょっと違いますが、単なる取引先とは違う感覚。それなりに強く一緒に発展しようと集まっています。

ですから、私のところには、インフラ案件がきたり、アフリカのビジネスについての話も舞い込んで来たりするのです。

その場で、議題になった案件。

日本の水処理技術を導入したい中国企業が、日本のその技術を持っている会社に、技術(システム)を購入するための見積もりを請求したのだけど、請求書に書かれている意味が分からない、ということが相談されました。

拝見すると「見積書」ではなく、導入した事例を紹介したパワーポイントの資料の横に、「タンク(〇〇t)1個、(★★t)3個、100,000,000円」としか書いていませんでした。

他に日本の会社が出してきた見積もり書も1件ありましたが、これにはきちんと「〇〇〇〇浄化処理システム技術移転料 15,000,000円 内訳・・・」と記されていました。

中国側は、「正直前者の方に興味があるんだけど、問い合わせても進捗が遅いし、こんな見積もりも送ってくるし、よく見てみたら、製品資料には2003年って書いてあるんだよね。」

自分がコンサルしていたら、こんな会社絶対に扱いたくない。
10年以上前の資料を提出してきて、見積書も満足に書けず、しかも金額を日本円で書いてきている。(百歩譲ってもせめて米ドルか、日本円、中国元表記でしょう…)
技術は良いのかもしれないが、販売する能力が恐ろしく欠如している会社であることは間違いない。

でも、彼らはどうしても興味があるの言うので、うちの総経理がその場で会社に電話で問い合わせることにしました。

「〇〇社に依頼されて提出していただいた見積もりの件についてお電話させていただいたのですが、先方は御社の下水処理技術やシステムを購入したいと言っているのですが、パワーポイントの資料にはタンクが計4つで1億円と書いてありますが、御社は1億円でタンクを売るのですか?それとも技術を売るのですか?」

この質問に電話対応した70歳代の会長がブチ切れて、
「何?技術買いたいってうちの会社を買いたいって言うこと?」

「そうではありません。下水処理の技術やシステムです。それには微生物を利用したりしていると思うのですが、こういった処理技術を中国で展開したいので、技術移転などの費用がどのくらいかかるのか、見積もってもらいたかったのですが…」

「その会社、技術買いたいっていつも連絡してくるんだけど、技術買いたいなんて初めてのことだから、こっちは意味が分からないよ。技術移転先がどのくらいの下水を扱うかもわからないし。」

「あの、ご理解できなかったようですが、具体的に見積もりを出すために必要な情報を聞いていただけましたか?あるいは、この技術は処理料や場所などで違ってくるものなのでしょうか?」

「別に技術何て一つしかないよ。買いたいと言ってきたから資料と概算を出してあげただけ」

「で、この処理システムのタンクが4つで1億円が概算なんですね?」

「それは資料にあるプラント作った時にかかった総額。ここはタンク4つを使用したもの。これしか金額示せないよ、うちは」

「日本の別の会社は、きちんと内訳を示して移転料を出してきていますけれど…」

「あんた、他の会社がやってるからうちにもやれって言うのか?分かりにくい説明で見積もり要求してきたあなたたちが悪いんだろう?」

「ところで、技術を買いたいって初めて言われて意味が分からない、という事ですが、では、中国に販売する気はない、販売していただけない、という事ででしょうか?」

「いや、売り上げを伸ばしたいので、買ってくれるならお願いしたい」

「??????」

ごめんなさい、長くなりまして。
漫才の様な会話だったので、ほぼ再現して書かせていただいたのですが、端的に言うと
「中国側の言ってる意味が分からない」
「見積もりは出してやったんだ」
「きちんと状況を説明しない中国側が悪い」
「でも、売り上げ伸ばしたいので買ってほしい」

うちの総経理もヒートアップしていましたが、この会話は中国側には全て筒抜け。
もちろん総経理の他にも日本語ができる中国人もいて、
「日本人は、売ってやる、という態度を取る時がありますが、ここまで酷い会社は初めてでした。この会社、技術は素晴らしいと思いますが、売り上げは日本国内でもあまり上がっていません。」

資料によると、2012年の総売り上げ1800万円余り。
せっかくの機会を台無しにしてしまったといえるでしょう。

今回の件、中国企業に日本のせっかくの技術買われなくて良かった。
そう思われる方もいると思いますが、下水、汚水処理技術の開発は目覚ましく、あっという間に競争力の無いものになってしまいます。
そう言う技術は、ドイツ、シンガポール、アメリカ、イスラエルなどの企業が、喜んで中国に販売し、その資金で更なる技術開発や投資を行っています。

特に、水、空気(PM2.5)対策についての技術は中国はのどから手が出るほど欲しがっていますから、日本企業にとってもチャンスだと思うのですが…