不機嫌なハヤオ。 | インタラクリ

不機嫌なハヤオ。

こないだ、ジブリレイアウト展に行った時、図録の他に買った本。

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風の谷のナウシカ―宮崎駿水彩画集
なんとなく気になって、買ったのは、巻末に、ナウシカの原点になったというイメージボードが採録されていたから。このイメージボードは、その後、もののけ姫にいたる宮崎映画のほとんどの原イメージを含みこんでいて、興味深い。

今朝、パラパラ見ていて、面白かったのは、1枚1枚のカラー画に付けられたハヤオ師のコメント。。1つをのぞき、あと全てネガティブ発言。この絵は好きでない、この絵は描きたくなかった、この絵のようなポーズをナウシカは絶対にしない、、、などなど。


そんな中で、ものすごく好きな1枚、と言い切っていた絵が、この表紙に入ってる絵。武器や生活具など大荷物を背負って、赤子を抱えているナウシカ。ハヤオ師いわく、「この絵を描いた時に、ナウシカはいつまでも気持ちよく空を飛んでいるワケにはいかなくなり、地べたを這いつくばって生きなければならない日が、やがて来るんだろうな、と思った」と。


これは、「戦後」そのもの、ではないか。。ナウシカもまた、母・美子さんを映していたんだな、と思った。


他にも、虫つかいを率いるナウシカの絵や、巨神兵の肩にのるボロボロのナウシカの絵などに、つけたコメントで「それらの絵を描いた時は、まだストーリーがそうなるとは決まっていなかった」と、発言している。予感を絵で描いて、そこへ向かって物語を無意識から引きずり出してくる手法。これも、初期から一貫しているのだな、と、あらためて知った次第。


画集を見たら、ナウシカを全巻、読み返したくなった。