コピーライター糸井重里氏から働く人へのメッセージを拝見しました。

優しく丁寧な文章に大切な大切な事がらが綴られています。

その意味や意義を考えつつ、じっくり確認してください。必読です。

 

現実の壁に向かって挑戦して未来に希望をつなぐ明日が見えなければ頑張れないと思う!  糸井重里から働く人へ ちゃんとメシ食って、風呂入って、寝てる人にはかなわない (1/3) AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版 https://t.co/coyzb28BUk  より出典しました。

 

糸井重里(いとい・しげさと)/1948年生まれ。71年コピーライターに。西武百貨店「おいしい生活。」などの広告で知られる。98年から毎日ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を更新し「ほぼ日手帳」は定番に。犬や猫と人が親しくなるアプリ「ドコノコ」をリリース (c)朝日新聞社

 

糸井重里から働く人へ ちゃんとメシ食って、風呂入って、寝てる人にはかなわない

この問題を自分から語るのは、すごく難しいですよね。二重性のあることばかりで、簡単には解決しないと思います。

 たとえ同じ経験をしても、ある人は「つらい」と言い、別の人は「楽しかった」と言うかもしれません。どうしても自分でやりたい、仕事をしたくて仕方ない、という経験のある人もいるでしょう。最後は、主観が問われるということになってしまうんだと思います。

 
それを否定せず、過剰な労働をなくすにはどうすればいいのか。

寝食を忘れて働いても健全な人に追い抜かれる

 法律は、より多くの人が幸せになる道を選びます。会社も「作ってくれた法律を守ります」「守らないと怒るよ」といって、キープする。できることは、永遠に次善の策で、時代を超えて成り立つ考え方は、次善の策を積み重ねていくほかないと思います。

 でも、ひとつだけ言いたいことがありますちゃんとメシ食って、ちゃんと風呂に入って、ちゃんと寝てる人には、かなわない、ってことです。

 ぼく自身散々無茶(むちゃ)もやってきたけど、40代になってから、そういう健全な人が目に入るようになりました。大人数で会議をすると、目立つタイプではないけれど穏やかで、話してみるとよく考えている人がいるんですよね。その人がチームにいるのは、皆がいてほしいからなんです。

 寝食を忘れ無理して働けば、瞬発力で花火を打ち上げるようなことは誰にでもできるかもしれません。でも、ものごとには波があって、ダメかもしれない時期も、いまだ、進め!という時期もあります
健全な人がその波を渡っていく。だんだんと、自分がそういう人に追い抜かれていくのを想像するようになるんです。寝ないで無理すれば、大抵お酒が絡んできます。無頼を気取って飲んだくれている人を、健全な人が追い抜いていくんです。

 

 

寝ないで力を発揮する人にはそう会いません。アスリートで活躍している人も、大体きちんと寝ているでしょう。ぼく自身が健全なペースでこられたら、もっとできたこともあったと思うんです。

 忙しいと盛んに表現する人で、自主的に忙しい人はあまりいないでしょう。仕事の下僕になっているんです。自分の考えを自分の裁量でできるようになるまでは、永遠に大変だと思います。若い時は権限がないし、劣悪な就労環境だからウチは例外だ、と言いたいケースも多いでしょう。

 
それでも覚えておいてほしい。

ちゃんとメシ食って、ちゃんと風呂入って、ちゃんと寝ること。そういう人にはかなわないよ

 
そう言ってくれる上司や先輩が近くにいたら、苦しい時期をどう切り抜けるかとか、家に帰ってひとまず寝ようとか、自分の働き方を見直す機会もあるかもしれません。いま仕事がしたくて仕方ない人にもそう伝えたいし、自分と家族を大切にしながら働いている人にも、「それは素晴らしいことだ」と言ってあげたいです

 簡単そうに聞こえて、実現するのは難しいんですよ。健康を維持しながら、人と信頼関係を築くのは、意外と信念がいることです。できないときもあるかもしれない。だから、おまじないのように持っておくんです

 

会社の目標は「虫歯ゼロ」 社内総虫歯数は一桁に

 ウチの会社では、プロジェクトを始めるときは、必ずこう言っています。

「健康第一、おもしろ第二」
「安全第一、おもしろ第二」


「頑張る」と言うと、笑われるんです。自分が壊れ物だという自覚は、みんなあるんじゃないかな。ウチみたいな小さな会社にも、産業医が来てくれて、毎年健康診断後には面談もありますし、ちょっとくたびれるとすぐ相談もできます

 6年前、全社をあげて「虫歯ゼロの会社」を目標にしたんです。歯の手入れは面倒くさい。痛いし嫌だしお金もかかる。歯が手入れされなくなったら、すべての健康が危ないというのが、ぼくの考えです。ぼく自身、大変な虫歯持ちで、歯に悩まされる半生を送ってきました。どれだけ自分をケアできていなかったのかと思います。

 はじめの年に見つかった社内総虫歯数は、35本。頑張って治療するのですが、毎年新入社員も来ますし、新たに発見される虫歯もあって、なかなかゼロにはならないんです。でも、3年後には一桁にはなりました。

 
こういうアプローチもあるマインドとボディーをケアする風土を、どうつくっていくか、っていうことなんだと思います。(構成・熊澤志保)

AERA 20161121日号

 

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