先日娘の高校の初めての保護者会に行ってきた。進学校らしく、早々に進路のお話だ。


2年生になったら人文系と理数系にクラスが分かれるので、どちらにするかの希望を5月中に提出してもらうとのこと。ひとりの父親が質問。


まだ中間考査も行われていない段階で進路の希望を取るのは早すぎないか。夏休みに職業調査の課題があるというが、それよりも先に進路を決めるということか。人生を左右する問題だから、もう少しゆとりがほしい。


とかなんとか。


アイムアパーフェクトヒューマンナカタ、みたいに、首をひねってしまった私。


まず一つ。


このお父さんは、子供が高校受験の段階で、人文系が向いているのか理数系が向いているのかわからなかったのだろうか。早い段階で子供の希望を聞いて、それにかなったクラスを選択する、のは正しいやり方だと思うのだが。子供の希望よりテストの結果を優先する、ってこと?


次に。


人生を左右する問題というが、このお父さんは高校時代のクラス編成が、その後の人生にどれだけ影響したというのだろうか。大学出て今はおそうじおばさんやってる私には理解不能だ。高校入学後最初の中間考査の結果で人生を決める? ってそっちのほうがずっと不安なんですけど。


私の教え子はとても優秀だったので、学校の先生から東大の医学部を受験するように勧められた。けれどこのお子さんは小さいころから生き物が大の苦手だった。物理系では満点を取るのに、人の身体では30点しかとれないのだ。


「生き物が苦手なのに、医者になれるんでしょうか?」学校の先生には言えない悩みを、私に打ち明けてきた母親。その後どうなったか知らないのだが。


合格が危ういからと、受験勉強が本格化する前に志望校をあきらめた娘の同級生たち。部活部活で日ごろの成績が悪かったのに、偏差値60の志望校に合格し周囲を驚かせた娘(自慢じゃないけど誇り笑) 


無難な人生を歩むことしか考えられないのは、当事者である子供ではなく、彼らの苦難を見守る大人たちの方だ。愛情ではなく身勝手なのである。



娘が人文系を希望したのは将来を見据えてではなく、数学が苦手だからという消去法だ。英語の「スタデイ」は、「興味関心」が語源なのだ。