お立ち寄りいただきありがとうございます。復活の主婦作家ブログ

小説書いたり社会への愚痴を書いたりブログネタだったりします。皮肉とか揶揄とか大好きの閲覧注意ブログ笑


  ◆小山紗都子の最新刊

  チェレンコフブルーの月
 (著者サイン本、プレゼントいたします。メッセージでご連絡をラブラブ

  


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放射能事故で結婚も出産もあきらめた主人公。大資産家でありながら一人暮らしの老婦人。 その財産を狙って屋敷に出入りする介護ヘルパーの青年にひかれていく主人公ですが、彼に は腹黒い目的と衝撃的な過去が・・・。

  ブーケ1既刊書も著者サイン本受付中ブーケ1
 2009年            2011年6月
 日本地域社会研究所    日本地域社会研究所      
        
あなたの街に赤信号を必ず守る   20年前に山へ行ったかつての
青年がいたら、それはきっと彼か   恋人が、道路建設反対運動の
もしれない・・・。平凡は主婦に訪   ために大都会にやってきて・・・
れた、それは危険な恋の予感?   和光市を舞台にした社会派小説。
埼玉文芸賞佳作のデビュー作。   日本図書館協会選定図書。
 2011年11月        2012年11月  
 セルバ出版          セルバ出版
       

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幼いころ友達が殺されたのは   音楽を通じて励ましあった四人
私のせいだったのか? それ   の若者の愛と友情、希望と悲し
を知った恋人は・・・         をいつづった、教科書にも載せ
性的被害を独特の視点で描い  られそうと感想をいただいた作品。
た衝撃作品。             


            
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 暮らしにお金がかからない町だった。何せ家賃が安い。新婚時代に住んでいた通勤圏内にある当時の埼玉の相場の八割程の値段で、2DKのこぎれいなアパートが借りられた。一人暮らしの小夜子はワンルームで十分だったのだけれど、若者が集まる大都会と違い一人暮らしが基本的にありえない田舎の町で、ワンルームを見つけることはできなかったのだ。

 娯楽施設すら何もない退屈で空気のいい環境。先の茨城の田舎町にだって、小一時間も歩けば立派なショッピングセンターがあったものだ。この山中の町には、歩いて行ける場所にそれすらない。一時間に一本あるかないかの電車に乗れば、それなりににぎやかな場所にも行けるけれど、そこまでして、野暮ったい色合いの化繊の衣料品がハンガーにつられている、そんなショッピングセンターで時間をつぶしたいとも思わない。

 そうかといって、さすがに家族もいない中年女が、ジョギングだ散歩だと称して昼日中から町の中をうろうろしているのは目立つ。周囲の住民たちは、学齢期の子供でなければ商売をしているか仕事を持っているか子供の面倒を見ているか、のどれかばかりだ。怪しまれるのは厄介だし、そうかといっていろいろ勧奨されるのも迷惑だ。田舎住まいの面倒くさいところである。

 これまでの男たちのおかげで、仕事もせずにのんびりと暮らしていけるだけの貯金はあったけれど、そして、できればゆったりと優雅に日々を重ね、たまに温泉などにも出かけたいのだけれど、結局は駅前にしかない小さな食堂でアルバイト店員として雇われることになった。

 40歳を超えてはいたけれど、まだまだ悠々自適の年金暮らし、というわけにもいかない。

 あれこれ詮索される前に、店長には面談の段階で、子供はいないこと、最近夫に死なれたことを説明しておいた。同じバツイチでも、離婚と死別ではずいぶんと周囲に与える衝撃がちがう。死別であればこの女性は深い傷を負っているはずだ。しばらくはそっとしておいてあげようという、都合のいい配慮が相手に働くのである。

 この年齢になれば言い寄る男もいないだろうし、再婚(再々・・・?)を勧めるような無茶ぶりをする女性もいないだろう。

 週に五日。いつも変わらない表情を見せる川の流れを眺めながら、小夜子はバイト先の食堂と住まいを行き来した。誤って落ちても助かる程度の水量であり、そこにかかる橋は、転落してもケガですむような高さのものばかり。

 気が付くと橋の上から清流をじっと見つめ、安心と安全を確かめている自分がいる。そして、そんな彼女を、川に沿って立ち並ぶ家や商店から誰が見ているとも限らないという疑念。

 

(つづく)

 

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