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2006-02-28 23:17:44

知らない世界

映画「Munich」の公開を共に心待ちにしている友人からお借りしたこの本。


「モサド情報員の告白」ビクター・オストロフスキー/クレア・ホイ-著 中山善之-訳 TBSブリタニカ


彼女はイスラエルに住んでいた事があるので、映画に対する思いもまたひとしお。

色々話すうち、「もっと知りたいなら」と

映画の中心となる組織「モサド」の実情を描いたと言われるこの本を貸してくれたのでした。


モサドは”諜報と特殊工作の機関”です。

世界中で情報を集め、

イスラエルの利益のためあらゆる手段を尽くし

他国の目的は失敗するよう様々な工作を行います。


著者のオストロフスキーは

モサドの暗殺部隊の要因候補として選抜試験をクリアしていきますが、

家族と長期間離れるのを嫌い一旦辞退、

が適性を評価され更なるテストに合格した後、

オフィサー(組織のために働く協力者・エージェントの勧誘とその管理を行う)候補生として

3年にわたる訓練を受け合格します。


本の中では、

適性審査や候補生として受けた講義や実習内容、

オフィサーとして関わった工作、

組織内部の軋轢・問題点などが書かれています。


この審査の過程からして面白いのです。

街中に出て様々な指令を受け実行しなければなりません。

それは例えば

「6分以内にあのビル3階のバルコニーに家主と並んで立ち、片手に水の入ったコップを持つ」

「銀行に行き、支店長と面談を取り付け、彼自身の個人情報を出来るだけ引き出す」

「ホテルフロントにある機密事項の宿泊客リストの上から3番目の名前を知る」

これらを、相手に怪しまれることなくごく自然に

身分証明書不携帯が違法のイスラエルで偽装身分でやり遂げる事が求められます。

仮に警察の尋問+暴行を受けても「モサドの訓練の一環で」などと種明かしした時点で失格。

著者自身が述べているようにまるでゲームです。


合格するとアカデミーに入り諜報部員となるべく教育を受けます。


報告書の作り方に始まって尾行法、兵器訓練、軍事・社会全般についての座学、

偽装身分の作り込みに至っては

どのような種類の旅券でも用意できる技術を持ち

その身分を名乗って矛盾が生じないよう細部にわたって情報管理&確認。

どのようなカバーストーリーでも対応できるようダミー会社も多数設立され

実際のオフィスから名刺・レターヘッドまで丸ごと用意されています。


情報収集(とその報告)を支えるのは強大な組織力。
イスラエルのすごいところは、

世界中にいる何百万というユダヤ人ネットワークを活用している点。

サヤンと呼ばれる一般市民が

大儀のために、工作の部分部分で必要に応じて協力をしてくれるのです。

どこかの街でアパートが必要となれば、その街の不動産サヤンが用意します。

家具屋を装う必要とあれば、たちまち店舗を用意し家具を搬入しカタログを刷り上げます。

彼らに払うのは実費のみ、

協力の要請を断る権利はあるものの裏切る心配は絶対にないのだとか。
少ない職員で実に効率よく仕事ができるしくみになっています。


著者は結局組織から疎んじられ、

工作の失敗の責任を押し付けられ、嵌められたような形でモサドを去ります。


彼が見聞きした工作に関する記述がまた驚き。

国家間の利害があまりに複雑に絡み合っていて、

それも「え?この国とこの国が取引してたの?」的話ばかりで頭が混乱します。


外交っていうのは結局狸の化かしあいで

武器&軍事訓練の売り買いと陣取り合戦、

そのバランス保つためだけのもの?

まるで「あがり」のないゲームに興じているよう・・。



彼はモサドのアカデミーを

「母国のために働く詐欺師になる方法を教える学校」と表現してます。

そのスケールの大きさに驚くと同時に

諸外国のやることがあまりに俗っぽく

傷ついた娘ぶるつもりもないけれど、

「なにやってるんだか」という白けというか可笑しな気持ちにも襲われました。


非常にエキサイティングな裏の世界を覗ける本です。




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テーマ:映画・TV
2006-02-28 20:32:09

”大奥”に想う

今更ですが「大奥」明治篇、見始めました。


去年見た松下由樹の「大奥 第一章」は個人的にも大ヒット。

こてこての話ながら、

腰の据わった女優陣の熱演と着物の美しさに参りました。

春日の局は、大勢の部下を従えた上級管理職そのもの。

将軍のご寵愛を得るが為の女の戦いや、

お子を成してお世継ぎにしようとする母の野望、

乳母と実母の確執、親子関係など様々な種類の愛憎劇ではあるものの
春日の局ののし上がったキャリアウーマンっぷりがとても魅力的でした。

仕事に生きた春日の局、かっこいいです。


大奥 」のほうは江戸末期のお話。

最初は随分地味だな~という印象を受けました。時代が時代ですものね。

篤子と家定のやりとりや、お子を成せないと診断された和宮を見ていると

今の天皇家を思い起こしてしまいます。


将軍というのは”手水の鉢の亀のようなものだ”と篤子に語る家定。

空を見上げてそこにいるだけでも意味がある、

それがさだめであり自分はそういう人生を生きるのだ、

いつかより良い世がくると信じて、と。

どんなに愚弄され陰口をたたかれても

さだめを生き抜く腹が据われば楽になる。


「自由に生き直せ」と臨終の家定に言われた篤子。

たとえ干からびようと自分は鉢から這い出ると言っていた彼女も

さだめを受け入れ大奥に残ることを選びます。


このシーン、とても深いです。

さだめに生きるというのは諦めや受身とも違う
どういう人生になるかも、なったかも、

決めるのはその人の心の在り様次第。


子を成せぬと知った和宮がどう生きていくのか、

続きが楽しみです。


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