先日,セキュリティ・キャンプ2017の募集が開始されました.現在,絶賛募集中です.

https://www.ipa.go.jp/jinzai/camp/2017/zenkoku2017.html

 

知らないかたのために説明すると,全国からU-22の学生を集めてセキュリティやその他IT分野の講義や演習を行う合宿演習です.お盆の時期に,4泊5日で行われます.

演習の内容は非常に高度で面白いのと,あと選考に通って参加できるようになれば,交通費・宿泊費・食費・教材費などの負担無く,無料で参加できるというのが嬉しいところです.講師はいろんな有名人が多く,とっても豪華な顔ぶれです.

 

私は集中コースの「言語やOSを自作しよう」というトラックで,組込みOS自作ゼミ」を担当します.

集中コースがどのようなものか,このトラックがどのようなものか,詳しくは以下に書きました.

http://kozos.jp/group/seccamp2017/

 

集中コースがどのようなものかというと,一言でいうと「ハッカソンによるものづくり」です.

セキュリティ・キャンプでは5日間のうち,専門講義は3日間あります.

「集中コース」ではこの3日間を通して,主に「ものづくり」をテーマとして,各自で開発テーマを決めて,ハッカソン形式で開発を行います. 

3日間,どっぷりとものづくりにひたることができるという,ものづくり好きには夢のような時間・環境を提供します. 

ものづくりが好きなひとは,ぜひ応募してほしいです.

youtubeに私のインタビューが出ているので,そっちも参考にしてください.応募についての話もあります.

https://www.youtube.com/watch?v=1cyWNT-3Aog

 

机上で議論するだけでなく実際にものづくりをすることで,コンピュータの動作原理を地に足ついた形で知り,脆弱性の根本原理を理解し本質的な対策を考えられ,そして実際に対策物を自分で作ることができるという素養を養う,というのが目的です.

 

ちなみに名前は「セキュリティ・キャンプ」ですが,セキュリティやっていないと参加できないかというと,そういうわけでもありません.個人的には,「もともと他の分野をやっていてセキュリティは興味無かった人が,セキュリティ・キャンプに参加することでセキュリティにも興味を持つようになった」というような「きっかけ」を作ることができればいいなと思っています.そういう卒業生も過去にいっぱいいます.

私自身も,もともとは組込み分野が専門でセキュリティにはあまり興味ありませんでしたが,セキュリティ・キャンプの講師をやるようになって,セキュリティにも興味を持つようになりました.

なので,「ものづくり大好きだけどセキュリティはやったことがありません」という人はむしろ大歓迎です!

 

応募ですが,今回は「選択コース」と「集中コース」の2つのコースがあります.

選択コースは5つのトラックがあります.選択コースに応募いただいた場合,選考に通ると,その5つのトラックから受講したい講義を,講義ごとに選んでいただくことになります.選ぶのは参加決定した後です.

集中コースは3つのトラックがあります.集中コースに応募いただく場合には,どのトラックを受講したいか応募の段階で決めて,そのトラックに対して応募していただくことになります.

ちなみに「選択コースと集中コース」や「集中コースのあるトラックと別のトラック」のようにして,重複して応募することはできません.(重複ある場合,どちらかが無効になります)

なのでセキュリティ・キャンプ2017では,選択コースにするか,集中コースのどのトラックにするかを選んだ上で,応募していただくことになります.

さらに集中コースでは,トラックによってはその中がゼミとして細分化されていて,どのゼミに入りたいかを選んで応募していただくことになります.

 

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SecHack365に参加します

テーマ:

「SecHack365」という,若手セキュリティ人材育成プログラムが今年度よりスタートします.

主催はNICT(情報通信研究機構)です.

 

https://sechack365.nict.go.jp/


年間かけて,オンラインでハッカソンを行うのですが,2ヵ月に1箇所くらいのペースで各地を巡業し,見学会などのイベントなども行われます.

 

対象はU-25です.学生は無料で参加できます.

(社会人でも参加可能ですが,交通費や宿泊費などの実費が必要)

 

ハッカソンの際には,実行委員の大人たちが開発やアイディア出しなどをサポートします.

で,私もその実行委員として参加します.

またNICTの"NONSTOP"というクラウド開発環境が,オンラインで使えます.NONSTOP上の膨大な蓄積データを使って,研究や開発を行うことができます.

まあ詳しいことは,リンク先を見てみてください.

 

応募は課題ファイル申込期限が4月25日(火), 課題ファイル提出期限が4月28日(金) 17時必着です.
我こそはと思うひとはぜひ応募を!

 

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久々の告知です.

3月のオープンソースカンファレンス2017Tokyo/Spring内で,コミュニティオリジナル企画として,今岡通博さんといっしょにいくつかのセミナーを実施します.

オープンソースカンファレンス2017Tokyo/Spring
https://www.ospn.jp/osc2017-spring/

コミュニティ オリジナル企画
https://www.ospn.jp/osc2017-spring/modules/article/article.php?articleid=5

ひとりプロジェクトの会
http://kozos.jp/group/hitori-prj-meeting/index.html

通常のセミナー枠でなく,長めの時間をとってコアな内容のセミナーを実施します.
要するに,マニアックな内容で参加者数とかをあまり考えずにやってみるという感じです.
日程・プログラムは以下です.
参加登録などはとくにありませんので,ご自由にご参加ください.

 

  • 日時 3月10日(金) 11:00-17:00
  • 場所 明星大学 日野キャンパス 26号館 510教室 (5F)
 
  • 11:00~12:50 「パケット大運動会ハンズオン」
    • 【担当】 坂井弘亮
    • 【概要】
      「パケット大運動会」は,指示されたネットワーク・パケットをいち早く作成 してサーバに送れば得点という競技です.時間中はサーバを立ち上げておきます ので,自由に参加して挑戦することができます.
      最初にバイナリエディタによるパケット作成の方法を説明します. パケットの作成方法について知りたいかたは,最初から参加してください.
      手作業によるパケット作成により,ネットワークの仕組みやパケットの構造を 実践的に知ることができます.
 
  • 13:00~14:50 「LANケーブル改造によるノード間のパケットモニタリング」
    • 【担当】 今岡通博
    • 【概要】
      LAN内のパケットをモニタリングすることはネットワークの理解を深めるるうえで 非常に有効な手段のひとつである。しかしスイッチングハブが一般的に なったためセキュリティ面では強化された一方、LAN内の他のノード間の パケットモニタリングすることが困難となった。 リピータハブを用いる方法もあるがスイッチングハブと比較し希少かつかなり 高価となった。 そこで容易かつ安価な方法でLAN内のパケットをモニタリングする手法を 紹介する。
      • リピーターHUBを使う方法
      • スプリッターを使う方法
      • LANケーブルを改造する方法
      • ミノムシクリップと改造ケーブルで活線LANから行う方法
 
  • 15:00~16:50 「SECCON2016決勝大会 マルチアーキ・デバッグプロトコル問題解説」
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wikiと掲示板を閉鎖します

テーマ:
サーバ見直しを行っているのですが,以下のページがほとんど利用されていないので閉鎖しようかと思っています.
1週間くらいで閉鎖しますので,必要コンテンツなどあるかたはダウンロードしておいてください.

KOZOSのwikiのページ
http://wiki.kozos.jp/

「熱血!アセンブラ入門」の掲示板
http://bbs.kozos.jp/

今年はずいぶん本を出すことができたなーと思う.技術書を10冊書くことがとりあえずの目標だったのだけど,今年になんとか達成できた.

とはいっても共著もあるし(共著者のかたがた,ありがとうございました),たまっていたものが一気に出たというところもあるので,まあそれほど山のように書いた,というわけでも無い.いや書いたか.笑

とくに今年出した本は,ちょっと斜め上を行っている内容のものというか,自分ならではの内容のものを出せたなーとも思うところがあって,まあよかったかなあと.

僕自身は面白い技術書をもっと書きたいと思っていて,これは誰も書かないだろうと自分が思えるような技術書を書きたい.せっかく書くならば,似たような本を増やしてもつまんないし,今までに無いような本を書きたい,という感じだ.

「面白い技術書」(笑いとして面白い,というのではなく,興味深く読める,という意味で)というのがもっとあったほうがいいし,ぜひそういう「他に類がない,面白い技術書」がもっと増えるといいと思う.(なので,自分も書く)

例えば熱血!アセンブラ入門とかは,アセンブラの本は他にもあるけれど,あのような「データシートとか無視して,とにかく手を動かして有りものベースでパッと読んでみる」という方向性で書いてある本は少ないだろう.

アセンブラの本ってたいていは,命令一覧やCPUのデータシートとにらめっこするような方向性になるし,アセンブラ学ぶならきちんとデータシート読むべきであって,それをやらずにアセンブラ読むなんて信じられん!という人もいることだろう.

でも別にそれでいいと思うんです.それが良いのか悪いのかは読者のかたが判断して選ぶことであって僕が決めることではないし,勉強のしかたなんて人それぞれで押しつけるようなものではないので,「良いか悪いか」ではなく「その人に向くか向かないか」の問題だ.少なくともああいう方向性のアセンブラ本があれば,それはそれで学習しやすいという人もいることだろう.
(少なくとも10年前にあの本があれば自分はとびついていたし,10年前の自分が喉から手が出るほど切望していた本を書くというのが,自分が本を書くときのひとつの基準ではある)

なのでいろんな方向性の本が増えることは,読者の選択肢が広がるという点で有益かなあと思う.本屋の書棚が似たような本ばっかりになってもしょうがないようにも思うし.

バイナリで遊ぼう!やアセンブラ短歌とかも,そんな感じだ.

まーこういうちょっとズレた感じの本(笑)は賛否両論あることだろうけど,それが自分に向かないならばそれは読まなければいいだけであって,どんな本でも「本が有る」というだけで,それは非常に有益なことだと個人的には思っている.

新しいことを勉強しようとしたときに,「そもそもその分野の本が無い」ということはよくあることだ.だから自分的には,本が有るだけでもありがたいと痛切に思うことがよくある.とくにその分野に関して唯一の本とかであればなおさらで,たとえその本が読みづらいものだとしても,有るだけでもありがたいものだ.

まーそんな感じで今年はバイナリ系の本を多く出したわけなのだけど,なんでぼく自身が最近こんなにバイナリ系の本ばっかし出しているかというと,自分が勉強したいから,というのが大きい.本を出すことで,実は一番勉強になるのは,筆者自身だ.

まあ勉強っていうのは,技術者である限り一生続くものだよね.(別に技術者に限らないかもしれないけど)

「すぐに役に立つ勉強は何か?」的な話を聞くことがあるが,今後技術者としてずっとやっていくことを考えるならば,自分でやる勉強というのは,1年とか3年とかいう短いレンジではなく,10年とか20年とかいうレンジで考えたほうがいいように思う.
(仕事としてやる勉強は短いレンジでいいと思うが,逆に言えばそういう勉強は仕事としてやればいいので,自分でやる勉強は違ったレンジで考えたほうがいい)

なので「10年,20年後に役に立つ知識は何か?」という視点で考えたほうがいいと思っているのだが,ところが経験上,「10年後にはこれが来る」と広く言われている技術が実際には全然来ない,ということはよくある(笑).

なのでぼく自身は,そういう「この先はこれが来る」という話はあまり意識していなくて,それよりも基礎技術としてのコンピュータ・アーキテクチャとか,そういうのに興味が有る.解析とかも,便利なツールに頼らずにバイナリエディタ開いて自力で手を動かしての解析とか,そういうのに興味が有るわけだ.

いまさらアセンブラやコンピュータ・アーキテクチャを勉強したって意味は無い,と言われることはよくあるが,自分でやる勉強が役に立つかどうかを1年とかの短いレンジで考えるのは,ちょっと危険かなあとも思う.技術者人生は何十年も続くわけなのに,1年とかで結果を求めるような勉強方法になってしまうからだ.
(でもまあそれをべつに否定するわけではないです.勉強はモチベーションが一番大切と思うので,本人がそれを勉強したいならばそれをやるのが一番いいと思うので)

そんなわけで僕自身はそういう「10年後にはこれが来る」とか言われている流行りモノをことを勉強するのではなく,やっぱり基礎技術をきちんと学んでおくことが一番つぶしが効いて10年後にも役立つことだと思っている.10年後に何が流行ってるかなんてわからないから,結局のところ基礎知識があって地力があるのが一番強い,ということだ.
アセンブラ短歌本とかバイナリで遊ぼうとか熱血アセンブラとかは,そんな考えで書きました.

まーとはいってもこれは僕自身はそう思うからそうしているというだけで,別にそうしたほうがいいよとかおすすめするようなわけではないです.

しかし,書きたい本はまだ山ほどあるんだよなあ.書く速度よりも,こんな本書きたいなーと思って書きたい本のストックが増える速度のほうが速いのが悩みどころではある.

来年も可能な限り書いて,書きたい本のストックを極力減らしていきたいところだ.