今年はいっぱい本を書いたなあ

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今年はずいぶん本を出すことができたなーと思う.技術書を10冊書くことがとりあえずの目標だったのだけど,今年になんとか達成できた.

とはいっても共著もあるし(共著者のかたがた,ありがとうございました),たまっていたものが一気に出たというところもあるので,まあそれほど山のように書いた,というわけでも無い.いや書いたか.笑

とくに今年出した本は,ちょっと斜め上を行っている内容のものというか,自分ならではの内容のものを出せたなーとも思うところがあって,まあよかったかなあと.

僕自身は面白い技術書をもっと書きたいと思っていて,これは誰も書かないだろうと自分が思えるような技術書を書きたい.せっかく書くならば,似たような本を増やしてもつまんないし,今までに無いような本を書きたい,という感じだ.

「面白い技術書」(笑いとして面白い,というのではなく,興味深く読める,という意味で)というのがもっとあったほうがいいし,ぜひそういう「他に類がない,面白い技術書」がもっと増えるといいと思う.(なので,自分も書く)

例えば熱血!アセンブラ入門とかは,アセンブラの本は他にもあるけれど,あのような「データシートとか無視して,とにかく手を動かして有りものベースでパッと読んでみる」という方向性で書いてある本は少ないだろう.

アセンブラの本ってたいていは,命令一覧やCPUのデータシートとにらめっこするような方向性になるし,アセンブラ学ぶならきちんとデータシート読むべきであって,それをやらずにアセンブラ読むなんて信じられん!という人もいることだろう.

でも別にそれでいいと思うんです.それが良いのか悪いのかは読者のかたが判断して選ぶことであって僕が決めることではないし,勉強のしかたなんて人それぞれで押しつけるようなものではないので,「良いか悪いか」ではなく「その人に向くか向かないか」の問題だ.少なくともああいう方向性のアセンブラ本があれば,それはそれで学習しやすいという人もいることだろう.
(少なくとも10年前にあの本があれば自分はとびついていたし,10年前の自分が喉から手が出るほど切望していた本を書くというのが,自分が本を書くときのひとつの基準ではある)

なのでいろんな方向性の本が増えることは,読者の選択肢が広がるという点で有益かなあと思う.本屋の書棚が似たような本ばっかりになってもしょうがないようにも思うし.

バイナリで遊ぼう!やアセンブラ短歌とかも,そんな感じだ.

まーこういうちょっとズレた感じの本(笑)は賛否両論あることだろうけど,それが自分に向かないならばそれは読まなければいいだけであって,どんな本でも「本が有る」というだけで,それは非常に有益なことだと個人的には思っている.

新しいことを勉強しようとしたときに,「そもそもその分野の本が無い」ということはよくあることだ.だから自分的には,本が有るだけでもありがたいと痛切に思うことがよくある.とくにその分野に関して唯一の本とかであればなおさらで,たとえその本が読みづらいものだとしても,有るだけでもありがたいものだ.

まーそんな感じで今年はバイナリ系の本を多く出したわけなのだけど,なんでぼく自身が最近こんなにバイナリ系の本ばっかし出しているかというと,自分が勉強したいから,というのが大きい.本を出すことで,実は一番勉強になるのは,筆者自身だ.

まあ勉強っていうのは,技術者である限り一生続くものだよね.(別に技術者に限らないかもしれないけど)

「すぐに役に立つ勉強は何か?」的な話を聞くことがあるが,今後技術者としてずっとやっていくことを考えるならば,自分でやる勉強というのは,1年とか3年とかいう短いレンジではなく,10年とか20年とかいうレンジで考えたほうがいいように思う.
(仕事としてやる勉強は短いレンジでいいと思うが,逆に言えばそういう勉強は仕事としてやればいいので,自分でやる勉強は違ったレンジで考えたほうがいい)

なので「10年,20年後に役に立つ知識は何か?」という視点で考えたほうがいいと思っているのだが,ところが経験上,「10年後にはこれが来る」と広く言われている技術が実際には全然来ない,ということはよくある(笑).

なのでぼく自身は,そういう「この先はこれが来る」という話はあまり意識していなくて,それよりも基礎技術としてのコンピュータ・アーキテクチャとか,そういうのに興味が有る.解析とかも,便利なツールに頼らずにバイナリエディタ開いて自力で手を動かしての解析とか,そういうのに興味が有るわけだ.

いまさらアセンブラやコンピュータ・アーキテクチャを勉強したって意味は無い,と言われることはよくあるが,自分でやる勉強が役に立つかどうかを1年とかの短いレンジで考えるのは,ちょっと危険かなあとも思う.技術者人生は何十年も続くわけなのに,1年とかで結果を求めるような勉強方法になってしまうからだ.
(でもまあそれをべつに否定するわけではないです.勉強はモチベーションが一番大切と思うので,本人がそれを勉強したいならばそれをやるのが一番いいと思うので)

そんなわけで僕自身はそういう「10年後にはこれが来る」とか言われている流行りモノをことを勉強するのではなく,やっぱり基礎技術をきちんと学んでおくことが一番つぶしが効いて10年後にも役立つことだと思っている.10年後に何が流行ってるかなんてわからないから,結局のところ基礎知識があって地力があるのが一番強い,ということだ.
アセンブラ短歌本とかバイナリで遊ぼうとか熱血アセンブラとかは,そんな考えで書きました.

まーとはいってもこれは僕自身はそう思うからそうしているというだけで,別にそうしたほうがいいよとかおすすめするようなわけではないです.

しかし,書きたい本はまだ山ほどあるんだよなあ.書く速度よりも,こんな本書きたいなーと思って書きたい本のストックが増える速度のほうが速いのが悩みどころではある.

来年も可能な限り書いて,書きたい本のストックを極力減らしていきたいところだ.

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