みなさんこんにちは
あっという間に1月も終わってしまいましたね。昨日は司法書士の先輩と学芸大学で美味しい刺身と鍋を食べ、飲みすぎてしまった司法書士小山です。
2月も頑張っていきます
今日は、賃貸借関係のお話。
退去時の日割計算と違約金のことについて、事例をとおしてお話していきます。
事例
急に仕事の都合で、アパートの部屋を引き払うことになりました。急だったので、大家さんには11月15日に解約を予告して、5日後の20日には部屋から退去しました。11月分の家賃はすでに支払っていましたが、日割で精算してもらうことができず、逆に大家さんから家賃一カ月分相当の違約金を請求されています。賃貸借契約書には、「退去の月は日割計算しない」とあり、さらに「賃借人が契約を中途で解約するときは一カ月前までに予告し、これに反するときは、家賃一カ月分相当の違約金を支払う」となっているのですが、このとおり払わなければいけないのでしょうか
結論
大家さんに家賃の一カ月分相当の金額を支払わなければなりません。
まず、退去の月の家賃は日割計算しないとする契約は有効ですので、11月分の一部を払い戻してもらうことはできません。
また、解約を一カ月前までに予告しなかったことに伴う家賃一カ月分相当の違約金は、損害賠償額の予定にあたりますので、そのとおり払わなければならないのです。
以下細かく解説していきます。
日割計算特約の有効性
(1) 法定果実の取扱いの原則
家賃のような、物の使用の対価として受領する金銭その他の物を法定果実といいます。法定果実は、収取しうる権利の存続期間について日割で取得するものとされているので、家賃は、月にいくらと決められていても、日割計算で精算されるのが原則です。
(2) 特約の効力
当事者は、合意によって自由に契約の内容を定めることができますので、特に法律とは違った処理を定めた場合は、その特約に従わなければなりません。ただし、その特約の内容が暴利行為に相当するような場合には、公序良俗に反するものとして無効とされます。
(3) 日割計算特約
それでは、退去の月は日割計算しないという日割計算特約は有効でしょうか。
この点、日割計算特約も、(2)で述べたように暴利行為にあたらない限り有効であることになります。そして、日割計算特約は、一カ月の家賃の一部の問題ですからその額が金額的に不当に高くなるものではありませんし、一カ月単位の精算にも合理性がありますから、暴利行為とはいえません。したがって、日割計算特約は有効です。
そうすると、本問の場合11月分の家賃は全額支払わなければならず、払戻しは受けられないことになります。
解約予告義務違反に伴う違約金の定め
(1) 解約予告義務
民法では、当事者間で賃貸期間を定めても期間内に解約ができる権利を保留した場合は、建物については解約申入れ後3カ月を経過すれば契約を終了させることができることを定めています。しかし、前記の期間の定めも任意規定をと考えられていますので、当事者間の特約で賃借人側からは一カ月前の予告で解約できる、とすることは特約として有効です。
この場合、一カ月前の予告は、賃貸人に次の賃借人を探す等の準備期間を与えて退去に伴う損害を防ぐための、賃貸借契約上の賃借人の義務と考えられます。したがって、これに違反することは債務不履行にあたります。
(2) 家賃一カ月分相当の違約金の定め
債務不履行があった場合の違約金の定めは、損害賠償額の予定に相当しますので、定めたとおりに支払わなければなりません。
もっとも、金額が不当に高くて暴利行為になるような場合には、無効ですが、本問のように家賃一カ月分相当の金額は、通常即座に次の賃借人を見つけることはむずかしいことから考えても、相当な金額といえ、無効とすることはできません。(ちなみに、私の現在の住まいは、2か月前の予告となっています。結構きついですね・・・。)
したがって、そのとおり支払わなければならないことになります。
急な転勤等やむを得ない場合は、どうしようもないですが、ある程度計画を立てて引越準備をするのがベストでしょう。
それと、賃貸借契約書中、解約予告時期については、確認しておいた方がいいですね
相続に強い司法書士事務所
小山毅司法書士事務所
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