国会議員になってまだ4年弱ですが、この法案に関しては、まさしく「なし崩しにされる歴史」を体感しながら関わらせて頂いています。



「原子力損害賠償支援機構法」



私が当選し、国会に多少慣れ、少し落ち着いてきた矢先に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原発事故。



最初の1か月は、とにかく現地に赴き、物資を運んだり、被災者の話を聞いたりして回りました。



その活動を見て頂いたのか、復興のために設置された「復興特別委員会」の委員に選ばれ(みんなの党からは2名)、喫緊の課題であった東京電力の在り方について議論し、支援の有無を決める同法案の審議責任者をさせて頂きました。



最初に閣議決定された時、「援助には上限を設けず何度でも援助」する、「原子力事業者(東京電力)を債務超過にさせない」などと、資本主義のルールから逸脱したような事が書かれてあり、最後まで反対をさせて頂きました。
残念ながら、自民党・民主党が合作した法案は通ってしまいましたが、一つだけ拠り所となったのは、附則6条2項の「政府は、この法律の施行後早期に、・・・国民負担を最小化する観点から、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする」と、附帯11項の「本法はあくまでも被災者に対する迅速かつ適切な損害賠償を図るためのものであり、東京電力株式会社を救済することが目的ではない」という文面でした。



しかし、それから約3年経って、政府が出してきた法案が「賠償支援機構(本来は被害者に賠償だけをする専門機関)」に単純に機能を増やし「廃炉・汚染水部門」を追加するというものでした。
今でも、どこからどこまでが東電負担で、どこからどこまでが国の負担か分からない、あやふやな状態が続いている中で、今度は40年も50年もかかると言われている廃炉も請け負うとなれば、国の負担(=国民の税負担)が青天井で増え続けるということにもなりかねません。
(賢明な読者はもう気付いていると思いますが、これがいわゆる「焼け太り」です。今後、この機構は半永久的に、何人の天下りを受け入れることになるのでしょうか)



そもそも、東電が負担するということになっても、総括原価方式の下で、結局は国民が負担するということです。



であれば、国民にそうしようとしている経緯と原点を含め、しっかりと開示する必要があると思います。








よって、昨日の法案審議では、今回の機構を設置することの根拠になった「賠償法3条1項ただし書き」の解釈から確認をさせて頂きました。



賠償法の3条1項ただし書きとは、原子力損害が「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは」、原子力事業者(東電)は賠償責任を負わないというものです。



ここが、あやふやにされてきた結果が、今の「国の負担?東電の負担?」が明確でない根本的な理由になっていると思うからです。



実際、当時の民主党政権下では、どのようなプロセスを経て「今回の事故は、異常に巨大な天災地変によるものではない」という結論に達したのでしょうか?



機構法を共同して作った自民党内ではどのような議論があったのでしょうか?



自民党と民主党の与野党間では、これについて、どのような話し合いがあったのでしょうか?



(後編は明日アップします)



● 昨日の経済産業委員会の様子は参議院インターネット審議中継 でご覧いただけます。
※検索画面から、会議名:経済産業委員会、開会日:2014年4月22日、発言者:松田公太をお選びください。