【小説】IWGP7 - Gボーイズ冬戦争
Theme: 小説以前、IWGP6の感想 を書いた時は、文庫待ちしようと思ってたんですが、結局最新作のドラゴンティアーズ(IWGP9)まで買っちゃいました。
この巻全体での感想は一言で言ってしまうと「迷走」
個人的にこの人の魅力は、「キャラクター」と「テンポの良い文章」だと思ってます。
ジャンプでやってるブリーチみたいなもんですね。
後者に関しては、今までと比較して多少悪くなっている程度だとは思いますが、問題は前者
どうも、作者の悪い所であるあざとさが目立ってきました。特にキング。
友情を強調するあまり、クールさが薄れてきて結果キャラクターの魅力が損なわれている気がします。
悪い所も、ほんとブリーチと一緒です。
さて、各話の感想です。今回は全体的に時事ネタと言うか、現代犯罪が多く題材になっています。
「要町テレフォンマン」
オレオレ詐欺集団から抜けたい若者に協力する話。
なんでこんなに短いんだろう?と思いました。駆け足って言うレベルじゃないです。
丁寧に書いていればもっと気持ちの良い読後感を味わえたと思うんですが……
「詐欺師のヴィーナス」
今度の題材も詐欺。絵売り商法です。
テレフォンマンと違うのは、加害者ではなく被害者が依頼主。
ただし、「金を取り戻してくれ!」ではなく「あの子はかわいそうなんだ!救ってやってくれ!」
という依頼。
嫌いじゃないんですけど、やっぱりこれも駆け足。
確かにこの作者のテンポの良さは武器だとは思うんですが、ここまでパッパと進まなくても良いじゃないですか。
ただ、ちょっと強引に綺麗な終わり方にもっていくのは気持ち良いです。
「バーン・ダウン・ザ・ハウス」
次は放火です。
話の大筋と言うか流れが、前2話と似通ってて食傷気味。
前々からこういう話を挟んでくる作者ではありますが、3話連続はちょっと飽きます。
これまた強引な締め方。
「Gボーイズ冬戦争」
お次は表題作。
今回の巻の目玉です。
買う人はSS3つ+中編1話くらいの感覚でいないとダメですね。
GボーイズのNo2が独立したくて、キングと争うってお話。
そこに謎の強敵"影"やら"目出し帽の男"が絡んでぐちゃぐちゃになる。
これもやっぱりもうちょっとじっくり読みたかったです。
"影"の描写はカッコ良いなーと思いましたが、"目出し帽の男"が中途半端。むしろいらないんじゃないか?というくらい
どちらも「正体不明な強敵」ですが、実力から何から完全に"目出し帽の男"が劣っているのでかませ犬と取ったとしても微妙なキャラ。
中途半端な過去作品との繋がりもまた微妙。あんまり大きく印象に残っていないキャラとの繋がりなんで衝撃も何も一切ありません。
あとはタカシのキャラ付けもこのあたりから良く分からなくなってきました。
もしこれが何かの伏線ならこの作者を見直しますが、どうだろう…
友情に関してを変に強調するので、クールな印象から寂しがり屋な印象に変わっていきます。
人間としての弱さや、温かみの表現をするとしても、ここまで魅力的にえがかれてきたキャラの方向が変わってくると残念です。
今回の巻は全体的に駆け足+スケール不足でした。
物語の流れとしてはどれも良かっただけに残念です。
文藝春秋
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