仕事は鍼灸とオステオパシーをしています。研究会で、按摩とマッサージと鍼と灸を教えています。

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専門的なことが中心になりごめんなさい。一般の方にもお読みいただけるようにできるだけ優しく書くように努力します。治療の仕事とセミナーの日常の中からの一こま一こまを紹介します。


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2012年01月30日(月) 20時46分52秒

逆子の灸

テーマ:
よもや鍼灸師なら逆子の灸を知らない人はいまいと思っていたが、最近鍼灸師が急増するにつれ、知らないという人がいるのに気がついた。
驚嘆すべきことである。

仕方が無いので、逆子の灸について知らないという人に、少し教授。

据える経穴は、三陰交と至陰。三陰交が妊娠中に悪いという人がいるが、そんなことはない。安定期に入って据えると、かえって安産になる。4ヶ月以前でも少々据えても大丈夫。どうしても心配なら5ヶ月以降にすればいい。

温灸でもいいという人もいるが、ぼくの経験では温灸では効果はあまりない。やはり焼灼灸でないといけない。

鍼灸師たるもの、小灸をすえられなくては仕事にならないが、もしできないという人がいれば、普段から半米粒大の更に半分の大きさをすえられるように練習しておくこと。

各経穴には約5壮程度くらい。せめて10分以内に据えられるくらいの速さになるよう練習しよう。

大体だが、35週から38週くらいまでに行うのが効果的と言われる。あまり早すぎると、その後元に戻ることもある。元に戻ったら再度据える。

1回から数回で逆子は改善するが、経験的に言うと5回して効果がなければ、改善することはないと思う。
2012年01月28日(土) 19時50分52秒

按摩・マッサージ師のための治療法講座(3)

テーマ:按摩・マッサージ
頭痛は、按摩やマッサージでよく扱う症状である。

この頭痛には大きく分けて3つの種類がある。ひとつは、筋緊張型頭痛。頚部や頭部の筋が緊張することに起因する頭痛である。最も多い。二つめは、片頭痛。頭蓋内の血管が収縮し拡張したときに起こるとされているが、その要因はよくわかっていない。嘔気や羞明、音声過敏などを伴う。三つめは、群発性頭痛と言われるものである。きりで眼をえぐられるようなと表現されることもある鋭く強い頭痛が生じる。

按摩やマッサージで効果があがるのは、筋緊張型頭痛である。片頭痛も多少は効果があるが、多くはそれほど期待できない。群発性頭痛に関しては、私の経験では無力である。

しかし頭痛の患者さんがやってきた場合、一般的に次のような場合は、医師の診察を受けるように薦めている。重篤な原因が存在する可能性があるからである。

1,幼児の頭痛
2,その人にとって今までにはない頭痛
3,急に起こった頭痛
4,麻痺、痙攣、項部の強い緊張などを伴う頭痛

さて、筋緊張型頭痛の場合、肩背部、頚部を中心に圧迫を行う。その中でも項部の深層にある短い筋、小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の緊張を寛解させること、その前にそれらの緊張を発見することは重要である。これらの緊は、第1頚神経の後枝である後頭下神経が支配し、椎骨動脈の枝が栄養を送っている。したがって、これらを探り圧迫を加えて緊張寛解を図ると共に、後頭下神経と椎骨動脈の枝にアプローチすることが大切となる。これらは、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋で形成されるくぼみ、椎骨動脈三角にある。ちょうど完骨の斜め下方に当たる。ここに持続的圧迫を加えその後圧を抜くことにより、神経と血管に作用し、これらの短い項筋の緊張寛解を一層促す。
もちろん、その浅部にある頭半棘筋や外方の頭板状筋の緊張にも注目すべきなのは言うまでもない。

片頭痛の場合、これらの筋に対する方法だけでは効果が非常に少ない。最も効果が高いのは頚動脈に対する作用である。頚部全面、気管の左右の深部に頚動脈があるが、そこに圧迫を加える(もちろん片側ずつ)。また頚動脈の表層には頚長筋、頭長筋があるが、これらの緊張も片頭痛に関係することが多いようであるので同時に緊張寛解を図る。もちろん、先述の椎骨動脈三角への圧迫も、椎骨動脈への作用という意味で有効である。
また、嘔気を改善する目的で、迷走神経に対する圧迫も有効である。総頚動脈にそって迷走神経が走行するが、その浅層には前斜角筋がある。前斜角筋の緊張を寛解させ、更に迷走神経に物理的刺激を加えることにより、片頭痛に伴う嘔気などに対しての効果を期待できる。

東洋医学的な観点からは、前回の肩こりに準ずる。
2012年01月08日(日) 01時34分26秒

鍼灸治療にエビデンス(根拠)がなければ効果はないのか?

テーマ:
鍼灸など東洋医学には、現代医学的なエビデンス(根拠)がないから、治療効果がないという論を展開する人がいる。
一見、まともな論法に思えるが、よく考えると、おかしな事だ。
鍼灸は、本来現代医学的根拠を追求していない。それは、長年の経験医学だからだ。
エビデンスを求めるのは現代医学の方のみであり、それは危険性を防ぐ目的である。あるいは治療効果のない方法を防ぐ目的でもある。
しかし鍼灸は長年の経験の蓄積というものがある。それは現代的な統計とはなっていないであろうが、それがそのまま治療効果がないとは結果には結びつかない。治療効果がないのであれば、数千年も脈々と続いているはずがないからである。人間はそこまでバカではない。

最近は、鍼灸師自体もエビデンスがないから、医師の診察をお勧めしますというのがいる。ではその鍼灸師の経験はいかがなものか。自分自身の過小な経験のみを元にして、エビデンスがないから鍼灸の効果がわからないというのは、自分自身の鍼灸をも否定していることにならないのか。

鍼灸には膨大な数の古典がある。現代の出版物もある。その中に統計的エビデンスはないにしろ、個々人の治療努力の結晶というべきエビデンスがあるではないか。統計的エビデンスがないから医師の診察をまずという鍼灸師は、自身の不明と勉強不足を恥じるべきである。
2011年12月13日(火) 18時42分32秒

臨床伝統医療研究会・関東セミナー募集終了致しました

テーマ:セミナー
定員に達しましたので、募集を終了致しました。ありがとうございました。
もし、参加しようと思っていたのに~!という方がいらっしゃいましたら、欠員が出ましたときに、下記サイトにてお知らせいたしますので、お待ちください。欠員が出なかった場合は、申し訳ございませんが、再来年までお待ちください。
ただ、再来年の募集も、継続会員の方、来年度お試し参加の方を優先して募集いたしますので、その不足人員分の募集のみとなります。
よろしくご配慮ください。
詳しくは、以下をご覧ください。
http://www.sgtmca.com/seminar/h24-kanto.html
2011年12月10日(土) 19時39分07秒

按摩・マッサージ師のための治療法講座(2)

テーマ:按摩・マッサージ
肩こりというと多くの本には僧帽筋の緊張と書いているが、違うと思う。主要な筋は肩甲挙筋、斜角筋になる。僧帽筋よりも一層深部の筋。もちろん僧帽筋にも緊張の出る肩こりがないというわけではないが、頑固な肩こりは僧帽筋ではなく、肩甲挙筋と斜角筋である。

したがって、按摩やマッサージで対象とするのは、肩甲挙筋と斜角筋が主でなければならない。

肩甲挙筋は、頚椎1から4の横突起から出て肩甲骨上角に行く。斜角筋は、頚椎2から7の横突起から出て第1肋骨、あるいは第2肋骨、時には第3肋骨に行く(もちろん前・中・後斜角筋と3つあるが)。この走行をしっかり感じ取り、緊張を取るようにしなければならない。

肩が凝っているからといって、闇雲に肩を揉むのは上手な方法とは言えない。その患者の肩こりが一体どの筋に相当するのかを考え、治療を施さなくてはならない。そのためには、なぜ凝っているのかを考える必要がある

多くの場合は姿勢に起因する。背中を丸くした座り姿勢だ。このような姿勢になると、肩甲挙筋に常に力を入れる形となる。呼吸も浅くなり、呼吸筋である斜角筋にも負担が来る。

もちろんその他にもその人の肩こりの要因があるだろう。肩が凝っているからと肩を触るのではなく、その原因に対処しなければならない。姿勢不良ならいい姿勢を指導する必要がある。いい姿勢になりにくい状態になっているのであれば、例えば腰部や背部にも施術をする必要がある。拮抗している筋である大胸筋や、その他小胸筋、小円筋、大円筋などにも反応が出ることもよくある。それぞれに対処する。

次に考えなければならないのが、手技の選択である。肩こりに揉んでばかりしていないだろうか。もちろん揉捏は有効な手段である。しかし、こればかりに頼ると、筋膜や筋線維に不可をかけすぎて、組織が硬くなってしまう。圧迫や摩擦も十分使いこなして治すべきである

さて、では、肩こりを東洋医学的に見るとどうなるだろうか。

一つは、経脈の阻滞である。肩には足少陽胆経をはじめ、手太陽小腸経などが通っている。しかし、肩は「冷える」ところであり、また、「力の入る」ところでもある。そのため、気血が鬱滞しやすいのである。この場合の治療は局所的にまず行う。次にその経脈上の反応穴を選択し瀉法を行う事により、気血を流してやれば良い。もし寒邪が原因ならば、肩がこったところによく摩擦を行い温めるというのも効果的である。

肝気欝滞(肝気鬱結)でもよく肩がこる。肝気が停滞し、そのために筋に緊張が出る。肩、上背部などの緊張が出る、のぼせる、怒りっぽい、いらいらする、不眠などが主な病症である。これは実証なので、曲泉などの瀉法を加え、肝気を流してやると良い。

肝陽上亢は虚証である。肝陰虚により肝陽が遊走し、上亢することにより肩付近に肝気が溜まる。そのために肩がこる。肩こりのほか、のぼせ、足の冷え、いらいら、不眠、喉が渇くなどの病症が出る。肝陽は部分的に瀉法を行うのでよいが、基本は虚証なので、補法も忘れてはならない。ぼくの場合、曲泉に瀉法を少し行った後に補法を行う。すなわち、曲泉に反時計回りで輪状揉捏を少し行い、緊張が緩んだら、持続圧迫を行う。加えて、肝陰虚には腎を補わなくてはならない。したがって、太谿穴に補法の圧迫を行う。もちろん、肩にも施術するが、圧迫と摩擦を中心とする。その他下腿の足厥陰肝経と足少陰腎経に経にそって摩擦を加える。

肝の病症から脾胃に病症が及ぶことがある。血が少ないために脾胃に必要な血が回らず、疲弊するのである。そのため、消化器症状が出る。すなわち、上腹部膨満、食欲不振、下痢または便秘(陰虚により熱が生じると便秘になる)が、肝虚の病症に加わって出る。この場合、肝、腎、脾を補う必要がある。筆者の場合、太衝、太谿、大白、脾兪、胃兪、期門に補法を行う。

肝が関係なく脾胃の病症のみでも肩こりが出ることがある。この場合、肩が凝っていると訴えるが、肩自体は比較的柔らかい。しかしよく調べると、缺盆が緊張し圧痛がある。言うまでもなく缺盆には足陽明胃経が通っている。足陽明胃経の滞りにより缺盆がつまり、それが肩こりとして感じているのである。この際は缺盆に持続的な瀉法の圧迫を行うと共に、腹部の足陽明胃経の瀉法を行う。これは解剖学的な要素となるのだが、斜角筋と腹部諸筋は胸郭を動かす拮抗筋だからである。加えて、足三里、脾兪、胃兪、中脘などに補法を行う。

手太陽小腸経や手少陽三焦経が問題の時もある。手太陽小腸経は手少陰心経と表裏の関係、手少陽三焦経は手厥陰心包経と表裏の関係である。心虚になると、表裏の関係にある手太陽小腸経や手少陽三焦経が相対的に実し、肩こりとなる。この場合の肩こりは、小円筋や棘下筋、小菱形筋に現れる。局所的に瀉法を行うと共に、前腕の手太陽小腸経もしくは手少陽三焦経に瀉法、すなわち揉捏を行い流れを促進させる。摩擦を経にそって行わなければならないのは言うまでもない。加えて、心や心包を補うために大陵や神門に補法の圧迫を加える。

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