前回の「災厄の紳士」に続いてディヴァインの「悪魔はすぐそこに」を読んでみました。三人称多視点の叙述形式が採られており・・・つまり章ごとに語り手が替わるわけです。巧妙なミスディレクション(レッドへリング)も健在です本作は二度読むのが正しい楽しみ方なのだろう・・・と解説で法月綸太郎が言っています。真相がわかってから読みなおすと作者の仕掛けたミスディレクションや犯罪者心理の妙味が存分に味わえる、そうするとタイトルの「悪魔がすぐそこに」という意味が十二分に理解され、あらためて背筋が寒くなるということなのだそうです。

今回ももちろん探偵は出てきません。語り手が何人もいるわけですが、フーダニット?及び誰が謎を解くのか・・・。それから、ラウドン教授と事務員カレンの恋の行方も気になります。

ただ今回は登場人物が多くて、それが何学科の教授だとか財務局長、事務局長などなどあまり馴染みがなくてちょっと頭に入りにくいのが難点でしたが、お薦めのクラシックミステリーです。

ハードゲート大学の数学講師ピーターは、横領容疑で免職の危機にある亡父の友人ハクストンに助力を乞われた。だが審問の場でハクストンは、教授たちに脅迫めいた言葉を吐いたのち変死する。次いで図書館で殺人が起き、名誉学長暗殺を仄めかす手紙が舞い込む。相次ぐ事件は、ピーターの父を死に追いやった八年前の醜聞が原因なのか。クリスティが絶賛した技巧派が贈る傑作。

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