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2017年06月17日

鉋がけばっかり

テーマ:工房

梅雨の晴れ間の工房より、こんにちは!

 

ただいま工房は建具の鉋仕上げ真っ盛り。

こちらはキッチンカウンターです。

 

定規を置いて表面の凸凹を見ています。

 

こまめに刃を研ぎ直しながら、刃の出具合を調整しながら、ていねいに仕上げられてゆきます。

 

木肌が削られるごとにピッカピッカつるっつるに磨きあがっていくこの爽快感ときたら!!

 

そんな兄弟子の仕事に追いつこうと、妹弟子も必死に鉋がけの修行中。

研ぎ石がずらり。

 

慎重に刃を調整し、

 

丁寧に曳いてゆきます。

 

うまくゆかずに凹んでいる図ではありません(笑)。削れ具合をみているところ!

 

作業場の一角に奇妙な光景を発見!

 

周囲をマスキングした節(ふし)の上から樹脂系ボンドを流し込み、

固まらないうちに気泡を抜いて隙間を埋めています。

 

節は、木材の幹が太くなる過程の中で枝の元の部分が幹の中に包みこまれてできたもの。
板目木取り(丸太材の直径方向と直角にノコを入れて製材)をした場合に、

円形の節が木材の表面に出やすくなります。
節の部分の組織は周りの板にくらべて高密度で硬く、

乾燥による縮みやひび割れなどでこぼれ落ちやすいので、それを防ぐための処置。

 

最近はこの接着剤を使用しているとか。粘土があるので、空気を抜きやすいそうです。

 

乾いてマスキングをはがすと、ボンド部分はキレイな琥珀色に。

この状態から鉋仕上げをしてゆきます。

こうすることで、ひび割れ部分に鉋の刃が引っかかるのを防ぐ効果も。

節あり材にはこんなひと手間も必要なんですね。

 

はがされた方の琥珀です。じゃじゃん。

さてさて、節(ふし)には「生節(いきぶし)」と「死節(しにぶし)」があるそうです!

生死が名称になるなんてっ!

耕木杜の中庭テラスの板材をサンプルにして見てみましょう。

 

これは生節。

生節は枝の元の部分が生きている間に幹の中に枝が取り込まれた時にできたもので、

幹の組織と、枝の組織が繋がっています。

(これはひびが入ってしまっった状態。)

 

これが死節。

枝が枯れた状態の時に幹に取り込まれたもので、幹の組織と枝の組織が繋がっていないので、
節が抜けてしまうことがあります。
別の木材が幹の中に閉じ込められたようなイメージ。

 

ちなみに木質部から浮いた死節などがこぼれ落ちてしまったり、

材を貫通して穴が開くように抜けてしまったものを抜け節と言います。

 

と、ここまでは仕事のレポートでしたが、

工房では今、もうひとつ、静かに盛り上がっている「コト」があります。

それはこれ↓

何をしているかわかりますか?

ビニールシートを敷かれた木箱に何かが詰められていて、上から重しまで。

 

実はこれ、加工済みの檜板が蒸されている状態。

 

明日、静岡で「けずろう会」という、手道具や伝統技術の追求を目的として、

極限まで薄い鉋屑を出すこと競いあう大会が開催されるのですが、

その本番で削る板の下ごしらえ中なのであります!

 

水の張られた流し台にも何やら塊が。

 

本日のリハーサル用の材だそうです。

このところ連日、仕事が終わった後の工房で、遅くまで稽古が積まれていた模様。

本番直前の最終稽古の様子は、のちほどまたレポートいたします。

 

それにしても、排水溝を塞いでいるドラえもんが気になる・・・・

 

(OKAME)

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2017年06月10日

世田谷M邸上棟

テーマ:世田谷M邸

5/22(月)世田谷M邸の建前が行われました。
都心の閑静な住宅街とあって、ご覧のとおりの密集具合。
材料を積んだクレーントラックが今回も大活躍です。

 

操作はやっぱり親方の仕事です。
(そしていつもちょっと楽しそうです。)

 

雲一つないお見事な青空の下、ご家族そろってまずはお清め。

 

今回は三階建てです。

 

朝からじりじりと照り付ける日差しにひるむことなく
早いペースでトントンと組みあがってゆきます。

 

が、足元はこのとおり。
作業スペースが限られているので、材料の置きどころにも工夫してゆかねばなりません!
 

 

まるでそう、テトリスのよう・・・・。

 

梁がいつもよりドーンと大きいのは、
三階建ての木造軸組構造をしっかりと築く為。
 

大きな梁を支えるために、柱の数も増すというわけです。

 

ちょっとわかりづらいのですが、通し柱を少し浮かせて梁を組み…
 

梁と一緒に下に落とす。
こういう段取りがいくつもあり、一つ一つしっかりおさめていくのがとても重要!

 

ワルイ後輩が先輩の頭を狙った、決定的瞬間をとらえました!!
油断も隙もあったもんじゃない!!
 

冗談はさておき、敷地ぎりぎり一杯建物が建つので、とにかく足場が狭い。
足元の安全にもとにかく気を使います。

 

時には肩にも担いで持ち上げます。
ひょいっと持ち上げているように見えますが、ものすごく重いですからね!
下から支える人とのチームワークとバランス感が大事です。
 

確認に余念がない事務所側の現場担当・セーラー久間さん。
大工さんだけでは家は建ちません。
いやそんなことより、注目すべきはお隣とのこの距離感。これが都会の現場です。

 

情熱的な紫外線の洗礼に屈することなく、
むしろスピードアップしてゆく作業の美しいシンクロ。

 

上から

 

下から
 

リズミカルに収まってゆく材料たち。

 

上の人と下の人。
 

「建前で納めない!!」

 

入社したてで早くも二度目の建前を経験したニューフェイスは
二ヶ月の間にぐっと大工らしい体になっておりました。
と書いておきながら、お尻の写真ですみません。

 

細い足場の上でこんな重作業を・・・。見ている方がドキドキします。
彼がこの建物の大工の責任者。全体の工事の大半を占め、
ほかの業者さんとの絡みも多い木工事。
墨付けからはじまり、耕木杜では作る事の多い造作家具まで
木工事の全てを、責任もって進めていきます。

 

危険はいつもすぐそばにあるの図。頭の上にも気を付けて!
スペースが限られているので、いつも以上に細心の注意が必要です。

 

家の様子が見えてきました。

 

かゆいところに手が届く、縁の下の力持ちは建築士の植松さん。

 

もくもくと養生シートを広げている事務所側の現場担当・セーラー久間さん。
いやそんなことはより、注目すべきは足場板の距離感!密度の高い都会の現場。
とっても隣が近いのです。
迷惑をかけないように、養生シートもかかせません。

 

一階部分が組みあがりました。
そしてご覧ください。憎らしいほどの青空。日差しが益々強くなってきました。
 

二階部分の組み上げに取り掛かります。

 

一通り柱が立ったところで…

 

基礎工事を担当してもらった頭(かしら)が上棟のお祝いにかけつけてくれました。
東京で三代目のとびの親方です。
建主さんに準備いただいたお赤飯を一緒にいただきました。
ようやく日陰ができて、ほっと一息。

 

一階の梁の上に足場用の合板を敷き、足元の安全を確保します。
さすがの猛暑にだいぶ消耗されているはず。
気持ちを入れ替えて、安全運転で午後の作業再開です。

 

大工さんたちが朝より黒くなったような気がします。

 

しつこいですが(笑)この足場板の細さ。
撮っていても足がすくみます。よくぴょんぴょん動けるなあ!

 

二階の梁は、一階部分の梁よりも少し細くなりました。
見比べてみてください。

 

足の踏み場もないというのはこういうことをいうのでしょうか。

 

パズルのように材料が積まれ、パズルのように組みあがってゆきます。

 

安全運転と言えども、テンポよく進んでゆく仕事。

 

掛け矢のリズムも気持ちよく。
二階の梁全体がわかってきましたが、三階建てなので作業はまだ中盤。

 

まるで迷路のようです。それも落とし穴だらけの。

 

二階部分が組みあがりました。

 

床から見上げるとこんな具合。

 

今日の作業はここまでです。お日様も西に傾きました。
働きづめだったクレーンもようやくお役目を解かれてほっとした様子(笑)
 

ここは三階です!

 

棟はまだ上がりませんが、建主さんに三階へ上ってもらい、上棟式を無事執り行いました。
おめでとうございます!
 

賑やかな直会の様子。
みなさん炎天下、本当にご苦労さまでした!

 

さて翌朝、三階部分が立ち上がるのを見届けようと勇んで来たら…

 

とっくに棟が上がっていました。

 

屋根になる箇所を裏側から眺めた図。日陰に置かれているのは給水クーラーです。
水分補給とっても大事!

 

ご覧ください、屋根のこの急勾配!
垂木が渡ったら、もはや巨大な滑り台。

 

想像しただけで足が震えます。

 

ここはさしずめジャングルジム(違)。

 

屋根の傾きもきついので、上に登ってって作業するときは、命綱をつけないと、
と担当大工が言っておりました。

 

二階三階部分を見上げた図。
とんがり屋根の家、これからどんな姿になるのかを楽しみに、
またレポートしてゆきます。


(OKAME)

 

 

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2017年06月09日

かんな削り体験教室

テーマ:お知らせ

はじめまして。遠矢といいます。

大工見習い2年目のくのいちです。

 

今日は、耕木杜のブログでも紹介されている、6月4日(日)に東京で行われた第10回江東区環境フェアにて

子どもたちのかんな削り体験教室に実演講師の依頼を受けた親方に同行してきましたので、ご紹介させていただきます。

 

会場はこんな感じです。

 

うまと呼ばれる2つの台に、堅木の削り台を乗せて固定。

削り材はあぶらの乗った青森ヒバ!

使ったのは寸八と寸四のかんなです。刃の大きさで呼び方が変わってきます。

私の仕込んだ寸八も一丁忍ばせていましたが......あとはすべて親方が砥いで仕込んだかんなが20丁あまり!

 

前日親方が刃を砥いで台直しをしていましたが一つの台をなおすのに長くて2,3分?!

無垢でかなりくるっている台もあったでしょうに......親方に聞くと、だって見るところこことここしかないじゃない。なんで難しいかなぁ......と逆に頭を悩ませてしまいました。

親方......親方の簡単はなかなか簡単にはいかないのです......!

 

こんな小さな子も。

 

女の子もたくさんいました。

将来のくのいち大工がこの中に?!

 

親子で参加された方もいました。

お父さんさすがです!

 

はじめて見たかんなくずに目が真ん丸!

くずとは言えどもかんなのくずは、これで花を作る人がいるほどきれいなものです。

もちろんきれいなかんなくずを出すのには、きちんと調整されたかんな台と砥ぎ上がった刃、ちょっとしたコツが必要ではあります。

 

朝の10時から夕方の4時まで、5回に分けて行われたのですが

毎回たくさんの子どもたちが遊びに来てくれ、総勢150人以上の子どもたちと一緒にかんな削りをすることができました。

 

 

 

休憩の時、調整していたかんなでおもむろにかんなくずを薄くし始める親方。

刃が切れないなぁと言いながらも10ミクロンは切っているきれいなかんなくずを出すものですから

通りすがりの方々から「おおおっ」と声が上がり、子どもたちはかんなくずの取り合いに......

あの透き通ったかんなくずはいつ見ても美しいものです。

 

 

無垢の木に触れ自分で削り、木のいい香りのするかんなくずとつるつるになった木の表面を触って

子どもたちは目をキラキラとさせ嬉しそうにしていました。

親方の透き通ったかんなくずを袋に集めて、ぼくこれ一万で売る!と言い出すお茶目な子も......(笑)

 

子どもたちの、目の前のものに一生懸命で無邪気な笑顔と素直さに

わたしも親方と初めてお会いした時の感動と情熱を忘れてはいけないなぁと

たくさんの学びとエネルギーをもらうことができました。

 

 

 

たまにお父さんとお母さんからもやってみたいと声をかけられ、お子さんと一緒にかんなをひいた方もいました。

かんなは簡単に言うと、右手で台を押さえて、左手で体重移動をかんなに伝えて後ろに引くというものなのですが

このお二人は素敵なコンビネーション技を披露してくれました!

お子さんの小さな手からぎゅっと安定した圧と、お母さんの丁寧な引きできれいなかんなくずが!

 

大人になってもこの木のぬくもりを覚えていてほしいものですね。

 

 

無垢の木はたとえ表面が汚れたり傷ついたりても、かんなで削ればまたきれいによみがえります。

長い時間がたっても、人が気持ちを込めて手入れをしていけば、良いものは味わいをのせながらより長く生き続けることができるのです。

 

たくさんの物が生産され消費されている身の回りで、つい使い捨ての便利なものを買ってしまうこともありますが

親方や耕木杜の方々と出会い、毎日無垢の木と格闘しながら自分の手で仕事をするということを学んでいるうちに

良いものを長く使おうと自分の買い物を見直し始めた今日この頃です。

 

 

これからも親方のもとで日々精進します!

 

tooya

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2017年06月01日

ある日のBBQ

テーマ:工房

あっという間に(って毎回書いている気が・・・)6月です!

今朝はモミジが一カ所だけ鮮やかに赤く色づいていました。

親方曰く、この枝はなんらかの理由でもう枯れそうな枝なのだそうです。

栄養を届けなくなると光合成がとまって赤くなるのだとか。

人の身体と同じで、木にも日々色々なことが起こっているのですね。

 

さて、話はまるまる一ヶ月遡って(笑)、GW前の5/1、

工房に珍しく大工さんが揃っていたので、お昼にテラスでBBQをやりました!

何やら神妙な顔つきで肉の塊を焼く人たち。

 

ただの肉ではありません。

上質な猪肉です!ジビエです!

 

王道の塩コショウの他にもこんなバリエーションもあったり。

とにかく美味しい肉がお腹いっぱい食べられるとあって、

 

そりゃあテンションも上がるというもんです。

建前並みの手際のよさ。

 

美味しい塊肉のほかにも、じっくり煮込んだカレーやスープも!

 

そしてこのロケーション。

これを贅沢と言わずして、何を贅沢といいましょう。

 

顔より大きな肉にかぶりつく耕木杜のクノイチ。

男顔負けのよい食べっぷりでした(笑)

 

さてこの日は5/22の建前の追い込みで全員勢ぞろいしていたわけですが、

建前の様子は数日後に!

 

(OKAME)

 

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2017年05月03日

今森光彦写真展 ~琵琶湖の便り、里山からの贈り物~

テーマ:お知らせ

5月になりました。

皆さまどうお過ごしでしょうか?

五月晴れ 意外に強い 向かい風

どうも、続きまして僕です。

 

今回は皆さまにおすすめしたい展覧会がありますので、紹介させていただきます。

東京都江東区東陽町にあります竹中工務店東京本店1階のギャラリーA4(エークワッド)にて5月18日(木)まで開催されている展覧会です。

今森光彦写真展 ~琵琶湖の便り、里山からの贈り物~

http://www.a-quad.jp/exhibition/082/p01.html

 

 

「里山」」という言葉を意識し始めたのは数年前、1冊の本がきっかけでした。それからも里山には常に興味を持っていましたが、特別調べたり勉強したりするわけでもなく日々を過ごしてきました。

今年の初めにギャラリーA4(エークワッド)から今森光彦写真展とシンポジウム「里山の力」の案内状が事務所に届いた時、これは是非行きたいとすぐに宣言し、4月中旬に開催されたシンポジウム「里山の力」に参加し、今森光彦さんと生物学者の福岡伸一さんの対談を聞いてきました。

 

ところで皆さま、里山という言葉を普段から使いますか?

里山という言葉を今森さんは、「人と生きものが共存する、日本古来の農業環境のことを言う」と定義されています。そして福岡さんは、「里山とは、場所というよりは”状態”であり、もっといえば”行為”なのである」とおっしゃっています。

そもそも里山に興味を持った理由の一つは、里山という環境が自然に人の手が加わって初めて成立するということを知ったからです。人間の行為と自然というものは対極のもので人の手が加わればもう自然ではない、という先入観がどこかにあったのだと思います。

里山について対談を聞いて理解を深めることができました。自然と人間の行為というものは絶妙にバランスをとりながら共存することができるのです。このバランスは絶えず変化していて、それが福岡さんのおっしゃる”動的平衡”というものだと思います。そしてバランスの取れた”状態”やバランスを取っているまさにその”行為”を福岡さんは里山と定義されているのだと思います。対談では「生態系を邪魔しないように入っていって、何かをもらう」という表現をされていました。

建築産業は環境を最も破壊している産業です。これは建築に携わる全ての人が考えるべき問題です。そのことを考えると人間の行為と自然とがバランスを取りながら共存している里山というものは、これからの建築のあり方を考える上でとても重要なヒントになるのではないかと思います。

対談の中で最も印象的だった言葉の一つが「見えないあらゆるものがつながっている」というものです。

このことを今森さんは土門拳の仏像写真を例に出して語っていらっしゃいました。土門拳は仏像の顔のアップの写真を撮るときに、まず何時間もかけて仏像の裏にも何度もまわって隅から隅まで見てから撮影していたそうです。「写真は理解、認識能力の産物」と今森さんはおっしゃっていました。対象物の全体を理解して初めて、写真を通して何かを伝えることができるのです。今森さんは里山の写真をたくさん撮っていらっしゃいますが、里山全体は1枚の写真に収めることはできませんので1枚1枚の写真は里山の断片です。それでも今森さんの里山の写真が魅力的な理由は、今森さんが里山という環境を深く理解していて何を伝えたいかがはっきりしているからなのでしょう。

見えないあらゆるものがつながっているということを考えると必然的に長いスパンでものごとを考える必要が出てくると思います。近代以降の建築というものは、生産性をあげるために効率化や合理性を追求してきました。その副産物と言えるものが環境問題です。短いスパンでものごとを考え目先の利益を追求するあまり、見えていなかった部分が環境だったのではないでしょうか。人間の行為である建築産業は常に自然環境と繋がっていたのです。この問題を根本から解決するためには、里山のように人間の行為と自然環境のバランスがとれる建築を目指すべきではないでしょうか。短いスパンで表面的にものごとを捉えていては何も解決しないと思います。長いスパンで考えて、生態系の邪魔をしないように、自然のサイクルの中に建築という人間の行為を入れ込んでバランスをとることは不可能ではないはずです。

そのヒントとなりえる言葉を耕木杜のトップページに掲載しています。

是非読んでみてください。

「生産しない建築」 http://koubokusha.co.jp/

 

長くなってしまいましたが、最後にもう一つシンポジウムで印象に残った言葉を紹介したいと思います。

それは、「感性の栄養」という言葉です。

今森さんは子ども時代に自然からたくさん感性の栄養をもらったことが、今の仕事につながっているとおっしゃっていました。福岡さんはレイチェル・カーソンのセンスオブワンダーという言葉を例に感動することの大切さをおっしゃっていました。

これらの経験はやはり子ども時代に経験することが大切だと思われますが、大人になってからでも感性の栄養を摂取し続けることは大切だと思います。

耕木杜では大工さんが木を扱う工房や作業場があり、常に木のにおいがし、木を加工する音がしています。庭には魅力的な植物が植えられ、鳥や虫がたくさんやってきます。つい先日も、いただいた美味しいジビエを使ってバーベキューをしました。そして事務所は耕木杜の理念を形にした居心地の良い、雰囲気をもった空間の建物です。このような恵まれた環境で感性の栄養を摂取し続けながら、これからの建築について考え、その考えを形にしていければと思います。

 

 

(KYUMA)

 

 

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2017年05月01日

新緑の庭

テーマ:事務所

あっという間に五月!

五月は別名五色月(いろいろづき)というだけあって、

耕木杜の庭も色々な花が咲き誇っています。

 

触れると飛んでいきそうな繊細な花を咲かせるのはアオダモ。

 

ブルーベリーの花には大きなハチや…

 

アゲハ蝶が強風に負けじとしがみつきながら、ぐびぐび甘い蜜を吸っています。

 

個人的にとても気に入っているのが、この「悪魔の手」。

 

と、紹介したい花は大小様々たっくさんあるのですが、

せっかくの新緑、今回は葉っぱに注目してみたいと思います!

 

新葉はどれもしっとり艶やかで美しく、そんな美男美女たちには

虫たちがぞろぞろ寄って来るので身が持ちませんね。

黄色い粒はアブラムシです。要注意!

 

五月になると昼間の日差しはさすがに暑く、照葉を日よけに憩うコたちも。

 

キラキラ輝くカエデの若葉、よく見てみるとこのキラキラはどうやら蜜のようです。

触ってみるとトロ~リ。こ、これはシロップなのでは!?

と舐めてみたい衝動にかられました。

 

こんな産毛のかわいらしい若葉も。葉の上の水滴はやはり蜜です。

 

かたい殻を破って…

 

出て来たばかりの瑞々しさと言ったら!!!

 

針葉樹の若葉も元気いっぱい、尖ってます。

 

モミジの葉は、こんなに小さくてもちゃんと赤いんですね。

まさに赤子の手のようでかわいいです。

 

こんなところに顔が!(わかりますか?)

 

晴れた日のおやつタイムは、大工さんたちがこのとおりピクニック仕様。

よい季節です。

 

(OKAME)

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2017年05月01日

「生産しない建築」

テーマ:ごあいさつ

カタチあるものには、必ずその終わりを迎える時、寿命がやってきます。
我々が一生懸命作った家にも、人が住み、暮らしが育まれ、

様々な人生に寄り添った末には、必ず朽ちて壊される時がやってきます。
その最期に、いかに地球に負荷をかけることなく自然に還していけるのか―
これが、「木を耕し、杜にかえる」耕木杜の基本理念です。

 

建築というカタチと生産性をやみくもに追い求めるあまり、

いずれ地球のゴミとなるようなモノを作るべきではありません。
本来、建築とはカタチではなく、自然のサイクルの中に存在させる営み、そのものです。

 

自然のすぐそばで景観を創造し、豊かに暮らしを紡ぎ、

また土に還るまでのプランニングと素材選びの大切さを、

次の世代へ伝えていきたいと思います。

 

耕木杜代表 阿保昭則

 

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2017年04月17日

八千代市I邸 建前(二日目)

テーマ:八千代市I邸

ご無沙汰しております。

入杜22週目、噂の僕です。

 

おかめさんからのバトンを落としてしまい、遅れてしまいました。

順位なんて気にしません。時には立ち止まることがあろうとも、進み続けます。

 

 

さて、八千代市I邸の建前二日目のレポートです。

前日にクレーン付きトラックで材料をどんどんどんどん2階に上げるなど、できることはやっておいたため2日目は真冬のような寒さと雨にもかかわらず順調に作業を進めることができました。

できることはその日のうちにやっておく。とても大切です。実践できるようになりたいです。(泣)

 

 

シートの中から姿を現したのは梁、束、母屋、棟などの材料です。

組む順番などを考えながら作業しやすいようにそれぞれの場所に配置していきます。

 

 

大工さんたちは構造とその組まれ方を熟知しています。

自分がこれから勉強していかなければならない部分です。

 

 

耕木杜のゴッドマザーも作業しておりますが、自分の任務は監視でありますので監視を続けさせていただきます。

 

 

屋根の勾配に合わせて小屋梁も柱の間で高さを変えて組まれています。

ところで、写真下部に見えます鋸が置かれている板が図板(ずいた)というものです。

建築家がせっせと平面図、立面図、断面図などを描いて建物の全体を把握しようとするのに対して、大工さんが描くのが図板というものです。構造のための平面図のようなものです。I邸の場合は土台で1枚、1階と2階で1枚の計2枚の図板があります。

この2枚の図板を作成する段階で頭の中で構造を立体的に組み立てるシュミレーションを行いながら継手、仕口などを決めて行きます。図板に継手や仕口などの情報を書き込んで、それをもとに土台、柱、桁、梁、束、母屋、棟などを手刻みで加工していきます。

経験のある大工さんであれば図板を見ればその建物の構造がどのように作られているかを頭の中で立体的に組み立てることができるのです。

素晴らしい能力だと思います。自分は勉強しなければいけないことばかりです。

 

 

だから経験のある大工さんであれば他の大工さんたちが作業をしている中、次に何をするべきかを考えて動くことができるのです。

弟弟子たちはわからないのに勝手に動く、もしくは何もせずに立っているくらいなら兄弟子に次に何をするべきか聞くべきなのだそうです。自分も前回建前を手伝ったときに足を引っ張ってしまいました。これも勉強です。

 

 

2人以上で掛矢をふるときはお互い呼吸を合わせるのが大切です。

そのためには常に掛け声をかけます。重い柱や梁などを複数人で持つときなども一緒です。

掛矢で木をたたく音や掛け声など、音も建前の醍醐味の一つです。

掛矢をふる最中でも経験のある大工さんは顔をあげて周りを見ることもできます。

 

 

一人でできるところは一人でもやります。

でも一人でやっていても誰かが支えに来てくれます。

耕木杜はそんな会社です。

 

 

ある程度梁が組まれると上に乗ってどんどん梁を入れていきます。

高いところに乗って自分の足元の部材を掛矢をふって叩くのは大変な作業です。

サービスショットです。

 

 

梁が組まれると母屋を上げるための束を入れていきます。

比較的経験の浅い大工さん達も上にのぼって作業しております。

 

 

束を立てている間に2階の柱が真っすぐ立っていることを確認しながら仮の筋交いを入れていきます。

 

 

束が立つと今度は母屋を入れていきます。

 

 

雨が強くなってきたのでカッパを着用しての作業です。

 

 

母屋が入ってくると屋根の形が見えてきます。

 

 

いよいよ棟を残すのみとなりました。

 

 

お昼をはさんでいよいよ棟上げです。

 

 

これで棟が上がりました。

おめでとうございます!

 

 

小屋裏にお施主様に上がっていただき、親方、現場責任者と共に上棟の儀式を執り行いました。

小屋裏からの景色は家が出来上がってしまうともう見ることができない景色です。

 

 

お客様がこれからの人生を送るのにふさわしい建築を提案させていただき、お客様と一緒につくりあげていく手作りの家が、耕木杜のつくる家です。

大工さんがつくりかたを考えながら木を手で刻んでつくっていく家です。

ですので、出来上がった建物はお客様の人格、風格を思わせるような佇まいをしています。

同じような想いを共有できる方々のためにこれからもお仕事をさせていただければと思います。

 

(KYUMA)

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2017年03月31日

八千代市I邸 建前(一日目)

テーマ:八千代市I邸

3/25(土)・26(日)と二日間かけて、八千代市I邸の建前を行いました。
二日間かかるほどの家、ということで材料も多く、

今回はクレーン付きトラックを借りての大移動となりました。

 

まずはお清め。
突き抜けるような青空のもと、晴れがましいスタート、

誠におめでとうございます!

 

耕木杜のくノ一(女性大工)も張り切って掛矢を振っていました。
耕木杜は割と小柄な大工も多いですが、道具使いは体使い、

筋肉ではなく体の構造の使い方こそがミソなのであります。
まさに家づくりと同じ!

 

大きな家なので、ひとつひとつの梁も桁もやはり大きい=重い。
息を合わせて持ち上げてゆきます。

 

それにても、作業場ではラスボスのような存在感でドドーンと居構えていた材料が
この敷地のなかでは小さく見えてしまう不思議―。

 


早くも一階部分が見えてきました。
俯瞰してみると、広さが伝わるでしょうか!

 

折角クレーンがあるので、運びにくいところはマシンの腕を借りて。
右腕のようにクレーン操作をしているのは、親方です。

 

 
この晴天ですが、実は冬のような寒さ、ものすごく乾燥していたので、
縮みはじめた材木の結合部分たちがピキピキと音をたてはじめました。

 

ホゾの組み合わせは何百回見ても飽きません。
サイズを再確認しながら慎重に組まれてゆきます。

 

2階の床部分が見えてきました。よい眺めです。

 

通し柱に桁と梁を組み込んでいるところ。
このとき、まだ通し柱は完全に土台に打ち込まれてはおらず、少し浮いたような状態。

 

桁と梁を組み込んだら、そこの構造ごと一気に下へ打ち込みます。

 

桁と梁、この順番がとても重要!
一歩間違うとすべて引き抜いてやり直しなんてことになりかねません。

 

この一連の動作が時々もぐら叩きのように見えてしまうのは私だけでしょうか。
因みに奥で腰に手を当てて監視している(ように見える)のが噂の久間氏です。
 

この建前の三日前(!)に、高校卒業ほやほやの10代の新大工が入社しました。
だれよりも声を出して、体を動かして奮闘しております。

 

だいぶ家の形が見えてきました。

 

(とにかく寒いけれど)日の光がとてもいいので、コントラストが美しいです。

 

親方の厳しい声も飛びます!

 

 
フレッシャーズもてきぱき動きます。
姉弟子のアドバイスを受ける弟弟子たちの図。

 

柱と柱の間に、中に浮いたような一本。
さて問題です。ここは家のどの部分(部屋)になるでしょう?

 

というわけでお昼ごはんです。
手作りの温かい豚汁が、本当に本当に沁みました(涙)。

 

午前中に二階の床部分まで仕上がりました。

 

じゃーん!美しい迷路のようです。

 

足場を作るために板を敷いています。

 

二階の柱が建ち始めました。

 

と同時に資材も どんどん…

 

 
どんどん、どんどん…

 

所狭しと積み上げられてゆきます。

 

文字通り足の踏み場もなさそうな中を、器用に展開してゆきます。

 

申し遅れましたが、こちらが今回の棟梁です!!

 

翌日の天気予報が雨とあって、今日は行けるところまでいくぞ!
という気迫がビシビシ伝わってきます。

 

午後になって寒さが増してきて、さすがの大工達も上着を羽織りました。
 

ストレッチをしているわけではありません。
木を押さえているんです!

 

ぶら下がっているわけではありません。

 

木を押さえているんです!

 

いよいよ夕日が差してきたので、ここまでで一日目は終了。

 

帰る前のもう一仕事。
二階に積まれている材料たちが、濡れたり飛ばされたりしないように、
シートで覆っていかねばなりません。

 

まずはお疲れ様でした!
真冬の寒さと冷たい雨に打たれながらの二日目レポートは、
久間さんにバトンタッチです!

 

ではまた!

(OKAME)

 

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2017年03月16日

月報 M邸

テーマ:茂原M邸

まだまだ肌寒い日が続く3月ですが皆様いかがお過ごしですか?
先月は仮の窓がついて寒さをしのいでいたM邸ですが、

近頃は千葉の空っ風が吹き込んで凍えながら仕事をしているとか。

なぜだ!どこから風が吹き込んでいるのだ!

と偵察にやってきてみれば…

 

なにやらニヤニヤと中を覗き込むTOKANO氏の姿が。


見れば仮の窓枠が外された窓。

なるほどここから風が吹き込んでいたわけ。

ということは、建具屋さんが来ているのかな…

 

やはり中では建具屋さんが作業の真っただ中・・・って

えっ???

 


建具屋さ・・・ん????

 

と思いきや、この背中・・・

 

お・や・か・た、じゃないですかっ!!!

 

なんと今回は建具を親方が自ら作っておりました。

建具とは窓枠や扉、など、開閉して部屋をしきるもの。

ああ、要するに四角い枠のことね、と侮るなかれ。、

家一棟がひとつの星だとしたら、建具は小宇宙。

 

金具やローラーを仕込んだり、外枠との繊細な調整が必要だったり、

非常に細やかな手仕事と技術がぎゅっと詰まった、

奥の深い世界なのであります。

「改めて建具屋さんの大変さがわかる」といいながら

淡々と仕上げていました。

 

今回の建具も杉ですが、杉は杉でも地元産、千葉の杉だそうです。

北国の杉と比べて千葉の空っ風に耐え抜いた杉は乾いていて硬い。

表情はもちろんですが、触るととてもよくわかります。

同じ杉でも生まれ育った環境で個性が全く違うんですね。

 

早くも建具は全部仕込み終わり、後はガラスを待つばかりだそうです。

中々味わい深い仮窓の景色も見納めです。

 

それにしても本当に、家づくりは細かい仕事が多い!

今日の棟梁は天井と格闘していました。

 

今日の親方のキーワードは

「手仕事のゆらぎ」「土に還る」

 

なかなか更新されないと話題の(苦笑)親方コラム、新号準備中です。

もうまもなく・・・・(略)
 

ではまた!

 

OKAME

 

 

 

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