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2011-08-01 21:51:16

『神曲奏界ポリフォニカ ルックバック・クリムゾン』

テーマ:冒険・アクション

ポリフォニカという物語は、音楽というメディアにより、人間と精霊が絆を結ぶ物語なのだが、なりたいの違う両者のこと、そうそううまくいくはずもない。
いや、似ているだけに、うまくいくところもあれば、似て非なるものであるために、うまくいかないこともあるし、あるいは、似てるがためにかえってうまくいかない部分もある、そこに生じる葛藤をドラマにしているわけだ。

人間だけをとっても、主義主張の違いから、極端な行為に走る者がいるわけだから、ポリフォニカの世界においておや。
おそらく、周期的に、人間が精霊を排除しようとする動きはあったものだろう。
(あくまでも、精霊が人間の社会に立ち混じるという図式のため、逆はほぼ、ないと思われる)。
実際、このところポリ赤とポリ白がすごくリンクしているのだが、それは両者ともに、人間と精霊の関係が最悪の状態となった時代を描いているからではないか。
シリーズの幹であるポリ赤は、他シリーズのキャラクターがいろいろな形で登場するが、このため、本巻でもポリ白でおなじみの「あの人この人」が顔を出している。
(但し、ポリ白読者からすると、一部ネタバレじみた状態になっていることも否めない)。
まあ、逆に、エリュトロンことフラメルがようやく「しあわせを取り戻す」ような状態となっている光景を見るのは、ほっとするところもある。

こちらもあと少しで物語が決着しそうだが、それまでにもう一波乱くらいはあるだろうか。


神曲奏界ポリフォニカ ルックバック・クリムゾン (GA文庫)/榊 一郎
2011年7月31日初版
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2011-07-30 20:14:46

『神曲奏界ポリフォニカ ウィズアウト・ホワイト』

テーマ:冒険・アクション

我々の(あるいは、我々のと酷似した)世界と、ポリフォニカの世界。
二つの世界の大きな違いは、もちろん、精霊が人間の手の届くところにいるかどうかということだ。
そして、こn二つの世界が最も関わりあい、かつ、そこにある関連性が示唆されているのがポリ白ということになるのだろう。

かつて、ミナギ・クロードという人物がポリフォニカの世界を訪れた時に、我々の世界(と便宜上呼んでおこう)から持ち込んだ楽曲を、神曲として演奏した事件があった。
その時には、あくまでも、ミナギのしたこととされたけれども、実は、もっと根深いものがあるようで、興味深い。
なにゆえ、精霊とかかわりのない世界からもたらされたものが、より強い神曲となり得るのだろうか。
あるいは、精霊が介在することで、ポリフォニカの世界における音楽は、歪められた部分もあるのではないだろうか。

まあ、ポリフォニカにある音楽が全て精霊のために演奏される神曲というわけではないから、一概に言う事はできないかと思うが、いくら、演奏者の「魂の形」を音楽として表現するから精霊が来るとはいっても、その先には、「精霊になにかをしてもらうために、楽士が音楽を演奏する」という方向へ行き着くわけで、音楽という藝術が本来もつ方向性とは、そこで違ってしまうわけだ。
むしろ神曲とは、精霊を主旋律とする伴奏のポジションにあると言える。、
実際、神曲楽士の演奏の心得は、「伴奏法」で学ぶ事とかなり重なる。

それは、良い事なのかどうか?
おそらく、この世界における人間と精霊との関わりの是非は、そこに重なるのだと思うのだ。

さて、そういった背景の事はおくとして、本作の学園ラブコメものとしての側面だが、者がtりの集結を前に、どのカップル(?)も、落ち着く場所へ落ち着きそうだ。
スノウもジョッシュもそういう意味では、おめでとう。
デイジーもそこに含めるべきだろうけど、彼女の場合、父親と母親のロマンスがインパクトが強くて、まだちょっとかすんでいるのが残念。


神曲奏界ポリフォニカ ウィズアウト・ホワイト (GA文庫)/高殿 円
2011年5月31日初版
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2011-07-13 19:18:03

『EX! 13』

テーマ:冒険・アクション

私は恋愛音痴であるから、本巻における量子の行動は、あまりにも謎めいているというか理不尽というか、はっきり言って、全くわからない。
恋愛というのは、人を惑乱させ、無分別にさせるところがあるのだろうけど、そうとわかっても、そういう行動がわかるわけではないからなあ。
突出した量子の行動を含め、本巻ではとうとう、十季子、由良、量子が主人公を中心に一瞬三つどもえになるかに見えて、恋愛面がかなりスリリングだ。
たぶん、そういう方面に興味のある人には……(笑)。

しかしもちろん、それだけではない、
またしてもNyxが暗躍してくれるんだけど、そこには第一世代のエクスターたちが苦しんでいるあの病の影響が、もろに前面に出て来ているようだ。
そして、主人公のSOMの謎も深まってきた。
明らかに、他のエクスターとは違うSOM、そこにはいったいどんな秘密が隠されているのか非常に興味がわく。

また、敵方として登場する黒田という男の正体が今回は判明し、これがまた、いかにも、昭和の特撮ドラマ風な展開で、燃える。
シリーズ自体は、15巻構想なのだそうで、次巻ではまた大きく話が動きそうな気がするが、そこを勘案するに、やはり今回は嵐の前のなんとやらなのだろう。
その分、人間関係はいろいろと動きがあって、たとえば朝倉の心境の変化などもなかなか面白いといえる。


EX!13 (GA文庫)/織田兄第
2011年6月30日初版
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2011-07-06 21:37:09

『スケバン刑事』と『ピグマリオ』 和田慎二の女性像

テーマ:冒険・アクション


和田慎二作品といって、最初に思い浮かべるのが、たくましく、そして優しい女性像ではないだろうか。
代表格は、やはり『スケバン刑事』の麻宮サキだろう。
ドラマも少女アクションものとして3作作られたこの代表作、重い過去を背負った女子高校生麻宮サキが、その宿命に負ける事なくスジの通った生をつらぬく。
ごく簡単にいうと、そういうストーリーだ。

他に、『銀色の髪の亜里沙』や『超少女明日香』、あるいは『少女鮫』などなど、和田慎二のヒロインは、本来がごく普通の、いやむしろ引っ込み思案ですらあるおとなしい少女でありながら、めざましい芯の強さとたくましさを見せ、かつどこか心のもろさをもあわせもつところで、強い輝きを放っているようにみえる。

しかし、実を言うと、この「少女」のイメージは、「母性」に大きく裏打ちをされている。
それが最も複雑な形で織り込まれているのが『スケバン刑事』だ。
ドラマでは切り捨てられた部分だが、サキは、強いマザーコンプレックスを持っていて、それが原動力のひとつとなっている。
「げ、マザコンかよ」
と言うなかれ。
母に溺愛される妹を持ったサキは、なぜか母に愛されない子供だったという過去がある。
サキが高校生となって、いまだ、いやむしろ、より強く母親はサキを憎悪しているように見える。
ほとんど虐待されたにもかかわらず、また、ある意味、裏切られ続けたにもかかわらず、サキは母親を思慕する事から逃れられない。
実に、サキの宿命とは、根本がここにあるのだということが、漫画の方では中盤以降、強く語られている。

こういう背景画あるため、『スケバン刑事』の人間関係は非常に複雑であり、また、心理ドラマとしても非常に興味深いものになっているのだが、「母親」に関する部分は、理解しにくい部分でもあると思うのだ。

ところが、それは、珍しくも少年を主人公にした『ピグマリオ』を読む事で、ほぼ氷解する。
主人公ピグマリオは、石にかえられてしまった母を持つ少年だが、彼の長い旅で終始敵としてたちふさがるのは、魔女神メデューサだ。
ギリシア神話でいうところの、蛇の髪を持つ怖ろしい女怪は、非常にわかりやすい敵役だと言えるだろう。
しかし、ラストに至って、このメデューサの存在こそが、少年を強く成長させる、裏返しの母性を象徴した存在だと判明するのだ。

また、ピグマリオには、水晶占いの少女オリエというパートナーがあらわれる。
不思議な力を持つこの少女は、神聖な力を持つものとして登場するが、引っ込み思案に見えながら芯の強い、和田慎二の典型的ヒロインなのだ。

つまり、ピグマリオの周辺には、少女-(豊穣の、つまり正統の)母-(死の面をあらわす)女怪という、三相を象徴する女性がいるのであり、これはまさしく、古代の女神が持つ三相と相似するのだ。
すなわち、三人のキャラクターを用いる事によって、「母なるもの」を余すところなく描いたのが、『ピグマリオ』なのだ。

そこから『スケバン刑事』に戻ってみると、母性の怖ろしい面と、慈愛深い面を表裏一体であわせもつサキの母、そして強いが引っ込み思案な部分をも持つヒロイン、サキ(さらに、もろい部分を補完する意味でのサキの妹)を結んでいくことで、女神の三相が実はここでも、いくつかのヴァリエーションやアレンジメントを伴って、用いられている事に気付く。

自分にとっての異性である女性キャラクターを典型化、理想化するのは、男性作家にありがちなことだろうが、和田慎二は、単に理想化するだけでなく、「残酷でおそろしい面」もきちんと取り入れる事で、そこに複雑さと奥深さを与え、しかもそれを主人公ではなく、あくまでも主人公の背景として置く事で、ヒロインの「よりリアルな理想化」に成功しているのだと思う。
だからこそ、なんど再読しても、和田慎二作品は新鮮なのであり、古さを感じさせないのではなかろうか。

たまたま、先月あたりから和田慎二作品をいくつか再読していたのだが、なんたることか、今朝、作者の訃報に接した。
死因は、虚血性心疾患 だそうだ。享年61歳……現代の基準でいうと、あまりにも早すぎる死だ。
魅力的なキャラクター(主人公に限らず)を多数世に送り出してきた和田慎二の死が惜しまれてならない。
ただ、今は、ご冥福を祈るばかりだ。


スケバン刑事 (1) (MFコミックス)/和田 慎二
ピグマリオ (1) (MFコミックス)/和田 慎二
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2011-03-10 13:13:38

『潜入捜査』〈潜入捜査1〉

テーマ:冒険・アクション

日本の警察官は、潜入捜査と囮捜査が認められていないのだそうだ。
しかし、合衆国ではどちらも場面によって利用されるらしく、テレビドラマや小説を問わず、そういった状況が時々登場しているようだ。
そのせいというのでもないだろうが、本作は、なんとなく、日本の刑事物より、アメリカ製刑事ドラマに雰囲気が近いように思う。
まあ、違うといえば、射撃の達人ではなく、武術の達人というところだろうか。
また、シリーズ1作目にあたる本巻ではあまりクローズアップされていないが、キャラクターの背景にある、古代から連綿と続く「あるもの」が存在するというのも違いといえば、違い。

舞台は、ちょっとばかりレトロだ。
というのも、本作、初版が天山出版から出たのが1991年なんだね。
90年代といえば、今とは大きく違う。
ケータイはなくて、ポケベルの時代。
おそらく、公衆電話の数が最も多かった時代。
そのほとんどがテレカ対応で、公衆電話といっても、赤電話は姿を消しつつあった。
インターネットはなかった。
ごくごく一部の好き者(!)が、パソコン通信をやっていたくらい。
公衆電話といえば、ごくごく一部にISDN電話があったけれど、そこにモジュラジャックをさしこんだりしてると、奇異な目出見られる、そんな時代。

本作では、「環境犯罪」という言葉が出てくるが、今、かなりかる~く「エコ」と呼ばれる、そういう意識は芽生え始めたばかりだったかと思う。
今の再生紙は使用にさしたる不都合がないと思うんだけど、本巻では、「再生紙はミスフィードなどが多発するので、実はゴミがより多く出やすい」なんて話がちらりと出てくる。
思えば環境問題なども、この時代と今ではだいぶ違っているのかもしれない。

それでも、CS放送の専門チャンネルなどで、昔の刑事ドラマが繰り返し放送されてたりするのを見れば、そも、刑事ドラマというジャンルが最も隆盛したのだが、90年代くらいまでだったのかなあ、と感じる。
(但し、かの有名な『太陽にほえろ』や『西武警察』は、もうちょっと時代的に手前かな?)
そういった、テレビの人気シリーズの血脈をそれなりに受けつつ、全く新しい刑事ドラマをめざしたのがこのシリーズじゃないかと思っている。


潜入捜査 (実業之日本社文庫)/今野 敏
2011年2月15日初版(文庫新装版)
1991年5月初版(天山出版)『聖王獣拳伝』
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2011-02-05 10:20:54

『EX! 12』

テーマ:冒険・アクション

今回は戦闘、戦闘、戦闘のオンパレードで、作者自身も、あとがきで、90%が戦闘と断言しているほどだ。
冒頭からエクスター・ブレイズ(伝説である、主人公の父)が活躍し、新たなエクスターが出現し、主人公一哉と十季子は協力して善戦し、その前にドクターグレイと洗脳された由真が立ちはだかる。

さて、戦闘シーンというのは、実に巧拙が分かれる部分で、上手な人でも、続けば続くほど、マンネリになったり単調になったりする。
漫画はまだしも、小説では、文章表現のみに頼るわけなので、更に難しい。
幸い、本作のような作品では、リアルに人間が使えるものではない、改造人間などの、ハイパーテクノロジーにいよる多彩な演出が可能ではあるが、それにしたって、「いかに架空の技術をリアリスティックに、かつ華やかにみせるか」というのは、文章表現が問われるところだ。

結論から言おう。
本巻の戦闘シーン(連続)に飽きる事はない。
アクションが好きな人は、存分に楽しめるだろう。
リズムもいいし、会話にからんだ字の文章まで軽快でリズミカルである。

物語的には、前巻の学園祭の後半にあたるため、前巻を再読してからのぞむのがいいかもしれないけど、なにせい戦闘、戦闘であるため、再読しなくてもとりあえずはOK。

そして相変わらず、女の子がいい味出している。
(但し今回のヒロインは断然十季子だと思う)。

一方、由真と由良は更に謎が深まった感じで、今後の展開も、姉妹にからむものとなっていくのは間違いなさそう。


EX! 12 (GA文庫)/織田兄第
2011年1月31日初版
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2011-01-20 17:22:57

『波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊』

テーマ:冒険・アクション


海上保安庁 とは、何をしているところであろうか?
もし、不意にそう問われたら、即座に答える事ができる人って、どれくらいいるのだろうか。
日本は島国だけれど、どうも、江戸時代に鎖国をして以来、「海洋国」とは言えない体質ができているように思う。
本州を中心とする北海道、九州、四国を別にすると、いまいち、海域や島嶼に関する感心が薄いように感じるのだが、どうだろうか。

まあ端的に言ってしまえば、海上保安庁は日本の海の安全を守ってくれるところ。
仕事は多岐にわたるようだが、昨今、ドラマや漫画のおかげで注目を浴びているのは、海難救助については専門家だよ、という事かも。

本作もまさしくその海難救助のプロが活躍する物語なのだが、単なる海難救助ストーリーではない。
まず、台風が迫る海で、あてにげされた漁船の救難を行うところから。
うん、これだけなら、普通に救助の物語になるのだけど、
「あてにげした船にはハングルが書いてあった。北朝鮮の船かもしれない」
という情報があって、がぜん様相が変わってくるのだ。

ここで誰もが考えるのは、そりゃスパイ船じゃないの?
というところ。
なんといっても仕方のないくらい、かの国はそういう行動が目立っているからね。
しかし、物事はそう一筋縄ではいかないのだ。
漁船を助けたのと同じチームが、今度は当て逃げした船の救難信号を受けてしまうからだ。
たとえ相手がどこの船であろうと、遭難した者は助ける。
うむ!
海の男だよなーっ 、と、まずここで燃えるよな?

相手が北朝鮮人であろうがなんだろうが、命をもった人間であることに変わりはないし、その命が危険にさらされているのならば、助けなければならない。
しかし、なかなか物語はそう進んではくれないだろうことも、作者の名前を見れば推察されるはず。

さて、そもそも、海の物語というのは冒険と浪漫に満ちあふれたものが多い。
だいたいが、海の上というのは、危険と隣り合わせだからだ。
海洋国を自負するイギリスには、そりゃもうたくさんの海洋冒険小説があり、有名なシリーズにも作家にもことかかない。
そのうちのほとんどは、戦争がらみになってしまうのだけれど、そういうタイプの小説を日本でやるならどうなるのだろうか?
うぅぅぅ~ん。
これが、実にないのだ。
江戸時代初期以前、わずかな期間、東南アジアなどへ貿易に出た冒険商人の物語にするか、江戸時代を飛び越して、明治~昭和の海軍の物語にするかの、いずれかしかない。
戦後の日本は、どっと、海のものは地味に目立たなくなってしまう。
そこを、うまいこと今野敏はひねったな! そう思う。

実際、戦争こそないが、海上でのこぜりあいというか、緊張したシーンは、前世紀からずっと続いているわけなんだよね。
だからこそ、日本の船にあてにげした船にはハングルが、というところで、「北朝鮮の」というフレーズが素直に出ちゃうわけだ。

一方、今野敏というと、まあ、書くジャンルが多岐にわたる作家ではあるけれども、やはり、「警察小説の」と右肩につけておきたくなる作家だ。
本作も、「海上保安庁は海の警察だ」という決めぜりふが出てくる。
単なる救難隊ではない。
そして、警察であるということは、「公安でも自衛隊でもないぞ!」という事でもある。
救難隊のドラマはいっぱいあっても、ここに注目したものは案外少ないように思う。
そんななかで、海の警察官だ、という自負にあふれた男たちの物語、それが本作。


【新装版】波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊 (ハルキ文庫)/今野敏
2011年1月18日文庫新装版初版

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2011-01-07 19:40:44

『BLEACH (48) GOD IS DEAD』

テーマ:冒険・アクション

BLEACH : 神は死せり

物語はここで一区切りつき、人間の時間感覚でいうと、非常に長きにわたった藍染の叛逆は、ここに一応の終わりを見たことになる。
しかし、あくまでも一応としか言えない。
それというのも、藍染が去ったのち、虚圏がどうなったかは全くわからないし(そのままであるはずがない)、一護の親父がなぜ地上におりたのかも理由は明確でなく、そして最大の謎、崩玉とはいったい「なんであるのか」というところが、実際には全く不明のままだからだ。
断片的な情報こそ出ているものの、全ての謎は解かれていないと言っても良い。
そして、あまりにもいろいろな事が曖昧なまま残ってしまっているために、本当に一区切りがついたのかと問いたくなる。

あえて言ってしまえば、あまりにも、中途半端なのだ。

本来、物語のダイナミズムを考えれば、ここはもっと盛り上がってもいいと思うのだけど、全ては「あとに引いている」という形すらついていないがため、漫然としていて、冗長な、つまらないものになっているようだ。


BLEACH―ブリーチ― 48 (ジャンプコミックス)/久保 帯人
2010年12月8日初版
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2011-01-03 19:51:55

『エロイカより愛をこめて (37)』 聖ヨハネの帰還

テーマ:冒険・アクション

35巻の末尾からスタートした『聖ヨハネの帰還』、今回はPart.3となる(まだ完結していない)。
キリスト教美術というのは、いろいろな約束事があるのだそうで、今回は、その約束事に関する謎と、ロシアから流出した大量の武器の行方が絡み合うという筋立てになっている。
さらに、謎めいた宗教結社プネウマまで登場しているが、やはり今回の目玉はこのプネウマではないかと思う。

歴史的に見て、カトリックより迫害された時代が長い正教(ロシア正教とかギリシア正教とかいろいろある)。それだけに、迫害に対抗する秘密結社があるというのは、納得できるし、それが非常に草の根的であるというのもわかる。
わかるのだが、そこを面白く描くのが作者の腕の見せ所であって、街角にいるごく普通の人々が構成員として働く様子が凄く面白いのだ。
一般市民として疑われないモバイル端末、つまり携帯から、彼らは一種の掲示板で情報のやりとりをしているらしく、そのやりとりの様子が、ターゲットとなる伯爵なり、少佐なりの背景に、横書き1行ずつ、パッチワークされていく。
そうだな、チャットボードを1行ずつ切り貼りしていった感じ。
少佐も伯爵も(それでいうならターゲットになっていないミーシャも)、彼らとしてはごくごく普通の行動をしているが、そこにこのボードチャットが入るのが、目新しく面白いうえ、プネウマの本質をよく表していると思う。

一方、ヨハネ像を追う伯爵に、流出武器を追うのが宿敵である少佐とミーシャ(待ってました!)。
やはり、スパイ合戦はこの二人が最高。
両方の部下たちのへなへなぶりも懐かしい。
そして、これも忘れてはならないジェイムズ君は、異常性にますます磨きがかかって、すごいことになっている!
このあたりは、『イブの息子たち』当時からのハチャメチャなシュールさが出ているんだろうなあ。


エロイカより愛をこめて 37 (プリンセスコミックス)/青池 保子
2010年12月30日初版
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2010-11-24 22:21:55

『神曲奏界ポリフォニカ インタルード・ブラック』

テーマ:冒険・アクション

さる五月に作者が天へ召されてしまったため、もはや新作を読む望みは絶たれたと思っていたポリ黒が、どうして新刊を?
答は短編集。
ポリフォニカの短編というと、アンソロジー「まあぶる」に収録されたものが思い浮かぶが、他に未発表のものもあった由。本巻には、その未発表分を含め、5編が収録されている。
(但し、レオンを主人公とする話1編を含む)。

長いシリーズに属する短編は、長い物語では省かれがちな、日常の一こまや、設定の細かい部分が投入される事がしばしばあり、ここでも、マナガの持つ巨大な銃のいわれや、マナガとマティアのコンビがいつも着用しているあの服装のいわれについて語られている。
とくに、服装の方は何ともほほえましく、ハートウォーミングな物語で、ともするとシビアでハードな展開になる大迫純一作品の中で、ほっと一息できる、いい雰囲気を醸し出している。
(もちろん、それは、本来的にハードボイルドであるからこそ、生きてくるわけだ)。

銃の方、これが未発表作品なのだが、もうひとつ銃にまつわる話となっている別の短編と、本巻同時収録であわせ読む事ができるので、なにやらこう、「戦う男と、その相棒たる女」という図式を、作者がどのようにとらえているのかというのが、とてもわかりやすいように思う。

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えくすとら・ぶらっく(未発表作品)
ぶれっしんぐ・ぶらっく(神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる)
みすていく・ぶらっく(神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる2)
さじぇすてぃぶ・ぶらっく(2010年1月刊 GAマガジンVlo.3付録 神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる すぺさる)
れおん・ざ・りたーなー(神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる2)
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そうそう、本巻の口絵は、ミニピンナップのスタイルになっているのだが、GA文庫における大迫純一作品のオールスターキャストとなっているようだ。
これもまた、いろいろと感慨深い。


神曲奏界ポリフォニカ インタルード・ブラック (GA文庫)/大迫 純一
2010年10月31日初版
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