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2011-03-03 23:23:10

『100万回生きたねこ』

テーマ:絵本・児童文学



もうひとつ、かわいくない系(!)の猫の絵本といえば、こちらだろうか。
見ての通り、かなりふてぶてしい面構え。
しかし、これもまた、味わい深い物語で、ファンが多い。
(できることなら、これも文庫になってほしいところだ。絵本としても、これ、かなりでかいのだ)。

猫には九つの命がある、などというのだけれど、それにしたって100万回とはなにごと?
何をするにしても、経験するにしても、はんぱな数ではない。
いったいなぜ、100万回なのか。
この猫はいったい、そこまでして何をする必要があったのか。
タイトルだけでも、すでにそんな想像ができてしまう。

そういえば、ふてぶてしい猫ってどこか哲学的なおもかげのあるものだが、この物語も、おりおりに読み返すと、そのたびに繰り返し訴えかけてくるものがある。


100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))/佐野 洋子
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2011-03-02 23:45:20

『ポテトスープが大好きな猫』

テーマ:絵本・児童文学

大人向けの(ふてぶてしい)猫の絵本といえば、こちらも忘れてはいけない。
『ポテトスープが大好きな猫』。
猫は、犬のようになれなれしくしない、そこがいいという猫好きには何人もお目にかかっているが、本作の猫はまさしくそういうタイプ。
人も、猫も、お互い孤独なのだけれど、つかずはなれずに見える。
おじいさんは、なでなでもふもふ猫をかわいがったりはしないし、猫の側も、すりすりしたりはしない。
あたかも、長年連れ添った老夫婦のごとく、干渉せずに一緒に暮らしているという風なのだ。

ところが、ある日ふたりははなればなれになってしまう。
ほんのちょっとした、でも、充分あり得るトラブルがもとなのだが……。
離れて味わう、なんともいえぬ寂寥感。
もちろん、再びめぐりあうんだけれども、その時ふたりはどのような関係になっただろうか?

映画のように、お互い走り寄ってきて、ひしぃっっっっっ?
いやいや、それはない。
では、全くそれまで通りの関係>

読んでのお楽しみだ。
絵本だから短い物語ではあるが、大変文学的な味わいのあるストーリーだ。
村上春樹訳。
絵を楽しむならもとの絵本が良いが、コンパクトな文庫版も出ているのがありがたい。


ポテト・スープが大好きな猫 (講談社文庫)/テリー・ファリッシュ
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2011-03-01 23:07:36

『ヨーヨーのちょこっと猫つまみ』

テーマ:絵本・児童文学

猫というと、やはりまず仔猫が人気。
そうでなくとも、かわいい表情とかポーズのものが人気であって、カレンダーやステーショナリーにデザインされる猫の写真って、たいていそういうものだよね。
しかし、猫にはもうひとつ、「ふてぶてしい猫」というカテゴリがあると思うのだ。
おおむね、体格はでかい。でっぷりとしてりう。
目は、じと目である。
みだりに鳴かない。
みだりに動かない。
イメージ台詞は、「ふふん」というところ。

全ての猫好きが、こういう猫を好むとまでは言わないが、実はかなり愛されているんじゃないかと思う。
実際、大人向けの絵本で猫が出てくるものには、けっこう、このタイプの猫が登場するようだ。

池田あきこの絵本といえば、断然、ダヤンが主人公のわちふぃーるどが有名だけれど、もうひとつ、ヨーヨーの物語というのがあって、じつはこのヨーヨーも、ふてぶてしいタイプの猫に分類されるんじゃないかと思う。
ふてぶてしいからといって意地が悪いとか性格が悪いわけではない。
いわば渋い魅力があるのだ。
しかも、舞台は、地中海のどこかの架空の島。

春の冷え込む日、地中海の日だまりを夢想しつつ、ヨーヨーの物語のページをめくるのは悪くない。
文庫で出ていて手軽でもある。


ヨーヨーのちょこっと猫つまみ (中公文庫―てのひら絵本)/池田 あきこ
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2011-01-01 20:30:40

『しろいうさぎとくろいうさぎ』

テーマ:絵本・児童文学

あけましておめでとう!
今年は卯年なので、まずはうさぎが登場する本の紹介を。
これ、人気絵本だと思うのだが、絵本ではあっても子供向けとはあまり言えないように思う。
少なくとも、小さい子供向けではない。
実際、幼かりしみぎりに読んだ時は、いまいちピンとこなかったものだ。
もっとも、絵の美しさは印象に残っていたんだけれどもね。

これは、二匹のうさぎの物語。
ひとりだとなんとなく感じる寂しさ、楽しくなさというのが、じんわりと伝わってきて、だからこそラストにほんわりとなる、そういうストーリーだ。

ひとりでいるのは、心にとってはあまりよくない事なのだろう。
好意というのはひとりでいると、成立しない。
この物語では、ふたりのうさぎだけれど、まあ、2名というのが、社会の最小単位だそうだ。
だから、まずはふたりからでOK。
好意の上に好意を交換していって、だんだんと幸せが増幅されていったら、理屈の上では、いつか世界中が幸福になるはずだ。

2011年が、そんな年になると良いね。
それでは、本年も、とらと、手当たり次第の本棚をどうぞよろしく。


しろいうさぎとくろいうさぎ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)/ガース・ウイリアムズ
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2010-12-04 21:35:02

[『ぐりとぐらのおおそうじ』

テーマ:絵本・児童文学

12月になると、社会人としてはいきおい忙しくなってしまうし、その一方、家のこともある。
クリスマスは町中きらきらしていて楽しいけれども、頭のすみで、
「今年は大掃除とかできるんだろうか。うーんめんどくさいけどなあ……」
とか、ちょこっとよぎったりする。

めんどくさいよねえ。大掃除。
しなきゃと思うからよけいにそうなのだろうと思うのだが、さてさて。

〈ぐりとぐら〉のシリーズって、圧倒的に、一番最初の、フライパンでカステラを作る話が有名だし、人気が高いと思うのだが、今のこういう季節にどうしても思い出すのが、これだ。
表題通り、ぐりとぐらが大掃除をする話なのだけど、いやもう、方法が楽しいのだ。
もしも、ぐりとぐらみたいに大掃除ができたならば、これほど楽しい掃除はないだろうと思う。
見ているだけで楽しいので、それだけでも一見の価値あり。

正直、もしもリアルに同じ事をやっても、まともな掃除にはならないように思うけれど、「大掃除めんどくさい」というウツな気分が軽減されるのは間違いないと思うんだよ。


ぐりとぐらのおおそうじ (日本傑作絵本シリーズ)/中川 李枝子
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2010-11-05 19:45:04

『100万回生きたねこ』 そして天国へ

テーマ:絵本・児童文学


猫と絵本というキーワードで、本作を思い出す人はどれくらいいるだろうか。
きっと、たくさんいる事だろう。
それほどロングセラーの絵本であり、子供が読んでも、大人が読んでも、それぞれ思うことのあるストーリーで、絵にも一種土臭いような味わいがある。

そう、決して端正な猫ではない。
100万回生きるということは、100万回、死ぬということでもある。
飼い主の元で猫は生き、猫は死ぬ。

猫は、どうがんばっても人間より寿命が短いものなのだということを、シビアに描いているようにも見えるが、単位それだけではない「なにか」がみつかる絵本でまおる。

その作者の訃報が本日飛び込んできた。
猫より何倍も長い寿命をもっていても、やはり、人間だっていつかは死ぬ。
作者の訃報は、改めて絵本にそういうメッセージを載せているようにも思える。

今は、天国で、猫とともに安らかでありますように。


100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))/佐野 洋子
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2010-10-18 23:35:12

『ダヤンと銀の道』

テーマ:絵本・児童文学
秋はことのほか、月が美しい。
月見の宴などもあることだし、そのはず、なのだが、
しかし、今年はどうにも気候がおかしく、せっかく秋になったというのになかなか名月を見る事ができないんだよな。
かなり残念だ。

ならば、せめて本でお月見をしようではないか。
月が出てくる物語に、好きなものはけっこうあって、洋物でいうと、『ブルジンガメンの魔法の宝石』に登場する月の道などもすばらしいイメージだが、同じく月の道を遣いながら、より幻想的なのがこの絵本だ。

仔猫がたどる月の道は、誰が作ったものなのか。
何に使うものなのか?
不思議な物語で、、味わいとしては、英国の児童向けファンタジイに近い気がするが、日本が舞台の物語ではないにもかかわらず、どことなく和的な雰囲気も感じられる。


ダヤンと銀の道/池田 あきこ
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2010-07-25 19:12:26

『ヨーヨーのちょこっと猫つまみ』

テーマ:絵本・児童文学

池田あきことちうと、断然、ダヤンが主人公のわちふぃーるどが有名なのだが、こちら、ヨーヨーの物語もなかなか味があって良いのだ。
この1冊が文庫になっているので、手頃でもある。
もちろん、同じ作者による猫のキャラクターなので、造形はわちふぃーるどの面々とかわりないのだが……。
こちらは地中海の港町という雰囲気の舞台で、夏になると、ちょっと読みたくなる絵本。
ところどころに見開きの絵があるが、私が最もすきなのが、本のまんなかあたりに位置する、ひまわり畑の絵だ。
いきいきとしたたくさんのひまわりは、絵で見ても、実物も、ほんとにいいものだ。
夏だよねえ……!

ミニレシピがついているあたりは、わちふぃーるどの絵本と似た構成だが、料理もやはり地中海っぽい。
アサリのパエリアが実にうまそう。
ヨーヨー見てると、まあちょっと挑戦してみようかという気に、なることも、ならないことも。(暑いのでだいたい後者)。

彼らの住む島はイルガット島と書かれているが、つまるところ Il Gatto 、つまり猫の島。
島の形も猫の顔の形なのだ。
ちょっと住んでみたい。


ヨーヨーのちょこっと猫つまみ (中公文庫―てのひら絵本)/池田 あきこ
2003年7月15日初版
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2010-07-11 18:55:35

『ダヤンと夢の約束』

テーマ:絵本・児童文学

夏といえば海!
もちろん、「山」という選択もあるのだが、どうしても海の方がイメージが強い。
それはきっと、山はいつの季節も登れる山があるけれど、海は夏にしか泳ぐことができないという季節性があるからだろうと思う。

しかし、海の楽しみは泳ぐだけではないよね。
「ああ、ナンパだよね!」
というオトナはともかくとして、砂浜なら砂遊び、磯辺なら磯遊びをするのも楽しいものだし、昼はみんなでバーベキュー、夜ともなれば花火も、海ならではの風情があるものだと思う。

この浜辺での遊びには、「貝殻をひろう」というやつが含まれている。
お土産用に売っているセットの貝殻というのは、どうもいまいち風情がない(そのかわり珍しいやつが入っている)のだが、自分で拾ったのには、違う思い入れがあるものだ。
巻き貝とかあったら絶対に嬉しい。

さて、ダヤンがやっているように、巻き貝を耳にあてると、「海の音が聞こえる」という現象。
実際には、自分の体内の血流の音がというコラムを以前読んだ事があって、ちょっとがっかりしたのだけれど、考えてみrつお、人間の体内も、ある意味海とつながっているという話もある。
だから、あれはやっぱり、海の音なのだよ。

たまには童心に返って、ふっかふかのベビー・ダヤンのように、巻き貝を耳にあててみるというのはどうだろう。
もしかすると、ダヤンと同様、海の向こうの、トロピカルな夢を見る事ができるかもしれない。


ダヤンと夢の約束/池田 あきこ
2007年7月25日初版
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2010-07-10 15:37:43

『ダヤンと銀の道』

テーマ:絵本・児童文学

私が幼い頃は、梅雨時となると、紫陽花の葉陰などに、カタツムリをよくみつけて遊んでいたと記憶している。
遊ぶといっても、殻をつまんで別の場所にうつしてみるとか、そういうたわいもない事だ。
虫取りをするように持ち帰ったりはしなかった。
まあ、かたつむり……でんでん虫の面白味というのは、やっぱり、あの形と、這ったあとにできる、銀色の筋なのだと思う。
大人にとっては気持ちのいいものではなく、アメリカのものだったか、ホラーに使われていたりもするが、子供にとってはやっぱり面白いんだよねえ。

さて、ダヤンも仔猫の頃はそれに魅せられたひとりだったようで、まだお母さんのおなかにくっついて寝ているような仔猫のころ、月の出ている夜に、カタツムリが這ったあとを辿って冒険に出るというのがこの物語。
うん、あの銀色の筋には、月光がよく似合うと思う。
現実には、私は夜にかっつむりも、その這ったあとも見た事はないけれど、容易に想像がつくくらい、ぴったりだ。

元来、つきが異界の入口になるというのは、ファンタジイでは定番であって、アラン・ガーナーのような英国の児童文学作家も書いていれば、「ドラゴンクエスト」にも出てきたりする。
そもそも、ヨーロッパでは、月の女神=魔法の女神であるし、極東では不死の薬を飲んだ女性が月に住んでいるという伝説があったりして、月ほど魔法とか、それに類したものに親和性のあるものはないのだ。

とはいえ、ここでのダヤンは、冒険を完遂する事がない。
それほど、幼かったという事なんだけど、そのダヤンの幼さが、物語の一番の魅力だと思えるのは、読者が大人である場合なのだろうか。

正直いうと、かたつむりがのぼっていった、月の向こう側の世界を、ちょっと見てみたい気がするのだが。


ダヤンと銀の道/池田 あきこ
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