『敵は海賊 正義の眼』 | 手当たり次第の本棚

『敵は海賊 正義の眼』

なんと、10年ぶりのシリーズ7作目、なのだそうだ。うおー!
しかし、相変わらずのアプロで、
相変わらずのラテルで、
相変わらずのヨウメイなのだった。

うん、雰囲気的には、まさしくそうだ。
しかし、内容はあちこち、微妙に、時代(書かれた時代/作品内での時間の流れ)を反映しているところもある。
どこがどうとは言えないほど、些末な枝葉の部分だが(笑)。

しかしそれが気にならないのは、今回、物語が、事件の発生したタイタンの警察官の目から、語られるからかもしれない。
広域宇宙警察から来ている実習生を指導するという役どころで、この人物と、当の実習生ペアが話の中心になっているのだが、その凸凹ぶりが、うまいこと「敵は海賊」世界にはまりながら、かつ新鮮なので、微妙な差異がそこに隠れてしまい、違和感なく読めるのだと思う。

もっとも、もうちょっとアプロに活躍してもらいたかったというのは、本音だけれどもな。



神林 長平
敵は海賊・正義の眼
ハヤカワ文庫JA
2007年6月25日初版