2006-04-21 22:33:26

『キッド・ピストルズの慢心』 英国でパンクでそしてミステリ

テーマ:ミステリ
まずは表題の通りなのだが、
英国で、
パンクで、
ミステリである。
にもかかわらず、執筆しているのは、日本人である!(笑)。

ほんとかよ。
いやーこれがほんとなんだな。
しかも、ミステリ短編集である本巻。
全てが、(こnシリーズのお約束で)マザーグース仕立てとなっているのだ。

さて、世界設定がふるっている。
これは、全ての探偵が、法律によって、「シャーロック・ホームズのように」ふるまう事を保証されている、並行世界の英国なのだ。
といっても、シェイクスピアが、悲劇であるはずの作品を喜劇として残している、という程度の微細な違いしかない。
直接関係のあるところでいうと、
「探偵(ここでは、探偵士、という)が、警察官よりもえらい
その一点だけが違う、と考えれば良い。

そんな中、主人公のキッド・ピストルズとその女性の相棒ピンク・ベラドンナは、頭の先からつま先まで、みごとにパンクであり、
かつ、スコットランドヤードの刑事でもある。
刑事であるからには、この世界にあって、どんな事件でも、その場を仕切る「探偵士」の助手として働かなくてはいけないのだが……。

もちろん、キッド自身が、実際には、名探偵で、事件を解決する役割を負うというわけだ(笑)。

なかなか楽しそうだろう?
しかも、本巻は短編で構成されているため、非常に気軽に読めるという利点がある。

おまけに、これだけキッチュな仕立てであるにもかかわらず、なかなか、ミステリとしては「本格」なのだから、ますます面白い。

なお、マザーグース仕立てだと、ネタの歌を知らないから……という心配もあろうが、ご安心を。
各短編の冒頭に、ネタとなってる歌が対訳つきで載っているだけでなく、その歌の解説まで掲載されているという親切丁寧さ。
なんだか、パンクっぽいから不良だろうと思ってたら、なかなか真面目でマナー正しい青年だった、みたいな意外性。

いやあ、ミステリってそもそも、意外性に満ちているから面白いんだけれどね(笑)。


山口 雅也
キッド・ピストルズの慢心
講談社文庫
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