『世界は密室でできている』 ちょっとシュールな青春小説
テーマ:ミステリ
一応、これは、ミステリという事になるのだと思う。だが、本質的には、青春小説だ。
かつて中学生男子だった読者であるならば、
「うーん」
「そうだなー」
「あー……そゆこと」
などと、かしこでうなずいてしまうんじゃなかろうか。
女の子のパンツに、いやおうなく興味があるというか、惹かれるというか。
いや、もちろん、その中身にはもっと興味があるし、ナニしたいな~などと夢想するのだが、そこまで踏ん切るには、かなりの勇気が必要な気もする。
同級生の女は、ある意味、身近すぎて、97%どうでもよかったりするが、近所のお姉さんは、みょ~にまぶしく感じたりとか(ただし、高校生くらいのお姉さんという意味だ)。
ある意味、そういう、赤裸々な男子中学生の二人組が主人公なのだ。
どういうわけか、彼らのまわりでは、奇妙な殺人事件が幾つも発生する。
そのひとつひとつを、深刻に解いていくというより、
事件そのものが、そもそも、なぜかシュールであって、
「いや、それはありえねーだろ?」
と思わせるようなシチュエーションを、あり得ん偶然と奇妙な人物(の行動)の重なり具合で、すごくヘンなものにできあがっているという方が、謎解きよりもインパクトが強い。
また、この謎解きが(主人公の相方が名探偵なのだけど)、
どうにもこうにも、
パズル的なんだよな~。
実際、ものによっては、パズルの本を開いたら出てきそうなやつまで、あったりする。
でもって、それらのヘンな事件が、全て、密室と関係があるのだ。
密室殺人事件の、コラージュ作品だ。
惜しげもなく次々と、密室殺人が起きてしまう!
主人公視点での時間の流れでみても、最初の事件から最後の事件まで、8年かそこら。
(といっても、いきなり3年ほどジャンプしているので、実質は5年くらいか)。
その間に、びしばしと、ヘンな密室殺人事件が起こってしまうのだ。
そのヘンさにのれない人には、きっと、本作は面白くない。
ありえねーような、ギャグ的かつシュールな状況が楽しめるならば、なかなかイケると感じるかも。
しかし、読後感としては、なんとなくやるせない、甘酸っぱい、熟しきれていない、青春のもどかしさみたいなものを、ひしひしと感じてしまうんだよな~。
「うん。こういう中学生の頃が、たしかに、あったね」、と。
舞城 王太郎
世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS
講談社文庫








1 ■なるほど青春小説
普段ミステリを読みつけない私は、この人の作品がミステリかどうか、余り気にしないで読んでたんですが、、、なるほど死体がいっぱい出てくるのを気にしなければ、青春小説なのかもしれませんね。
、、、ちょっと炭酸系?で好き(^ ^)