『くまさん くまさん なに みてるの?』 | 手当たり次第の本棚

『くまさん くまさん なに みてるの?』

これは、ほんと~ぅに小さい子供のための絵本。
基本、「なにみてるの?」と問いかけながら、動物と色をくみあわせて追いかけていくという仕組み。

しかし、それは、常識が身に付いた大人が、一般的に考えるような組み合わせとはちょっと違うものもある。
たとえば、むらさきのねこ、とかね。
もちろん、全部が全部そうというのではなく、しろいいぬ とか、くろいひつじ のように、実際にある組み合わせのものも、多いけど。

ともあれ、絵本であるからには、その組み合わせごとに、見開きで絵が描かれてる。表紙にあるように、なんともやわらかいラインの絵だ。

ところで、この絵本の良いところは、そうやって動物を追いかけながら、さいごには、動物たちが、「おかあさん」を見ているところ。
それだけでなく、「おかあさん」が、みんなを見ているところ。

別に、これといったストーリーはないんだけれど、この不思議な連鎖が、ほんわかと、
「人も動物も、実はつながっているのだ。お母さんと子供のように。人と人のように」
というようなことを、さりげな~く語っているかのようだ。


エリック=カール, ビル=マーチン, 偕成社編集部
くまさん くまさん なにみてるの?