『タロット占いの秘密』 とりあえずタロットをやってみようというのなら | 手当たり次第の本棚

『タロット占いの秘密』 とりあえずタロットをやってみようというのなら

先日『トートの書』を紹介した時、
「占いかぁ試したこと無いです。一度試してみてもいいかも知れませんね。食わず嫌いはよくないし・・・」
というコメントをちょうだいしたのであった。
むむ。いや、だから『トートの書』から入ろうとするならば、(そうと決まったわけではないけど)、かなーり危険だ!
真面目な話、あれは、プロ用と思って間違いがない。
カード自体は大変美しいので、コレクション的に持っていようというのも、「あり」だとは思うのだが。
なんつっても、カードだけで、その意味も並べ方もわからなければ占えないし、意味を知るために『トートの書』を読むとなったら、情報量が膨大すぎて、頭がパンクすることは必至( ‥)/

おまけに、クロウリー版のタロットは、色彩豊かで象徴に溢れており、この事だけでも実際に占いに使用するのは大変なのだ。
どういうことかというと。
ある問題に対して、
「これもあるよ」
「あ、こっちもあるよ」
「これでもいいかもね」
「いやいや、これが決定版だよ」
「まて、こういう事も言えるぞ」
と、100人くらいの人が口々にヒントを出しているようなもので、選択肢が多すぎて道がわからなくなると、そういう結果になってしまうのだ。

じゃあ、どのカードを買ってどの本で見ればいいんだ。
これまた問題だ。
タロットカード単体には、たいてい、簡単な占い方と説明書がついているけど、これだけでは、ちょっと心許ない。
かといって、特定の版のために作られた解説書だと、それ以外の版のカードに対して、不備が出たりする可能性もある。
なので、実は、「カードとセットになった本」を買うのが一番安心。

しかし、ここでもまた、最近はけっこうひねったものとか、人気イラストレーターにカードを描かせたものとか、出ているのだよなあ。
コレクションする分にはこれまたかまわないのだけれど、実用性という点ではどうよ?

私が思うに、自信をもって、初めてタロットをやってみようという人に勧められるのは、これだ!



著者: 辛島 宜夫
タイトル: タロット占いの秘密―カバラの秘教術

発売された当初(昭和49年)には、「カバラの秘数術」なんて余分なものはついていなかったけど、そういう売り文句は、まあ、どうでもいいや(笑)。
書店の、占いの本のコーナーには、かなりの率で置いてあるんじゃないかと思う。カードと解説書のセットで1050円、値段も手頃。

解説書は、大アルカナ・小アルカナ全てについて、初心者でも扱えるくらいの「意味」が書いてあり、並べ方も複数出ており、さらにそれを使った実際の占いの例も幾つも出ているという、いたれりつくせりの構成だ。

カードの方は、エジプト風の絵柄で、モノトーン。
てか、なんなら、塗り絵してもいいようなデザインだ。
色も象徴として扱われるので、最初はない方がやりやすいんだよ。慣れてきたら自分で色を塗ってもいいし、その色を使ってもうちょっと詳細に占う事ができるよっていう、言うなればそんなカードだ。
それなりにアーティスティックだし、盛り込まれている象徴の数も、適度だと思う。(少なすぎても判断が難しくなってしまう)。

ちなみに、私も、最初このタロットカードで、タロット占いに挑戦してみた。
結果、
「私にはこういうものは向かない」
と納得できたのだが、そのために使ったのが1000円なら、安いというものだろう。少なくとも、高いカードや解説書、あるいはその道の通信コースなどにお金を捨てずにすんだわけだからな(笑)。

何かを始める場合は、やはり、入門キットを使うに限ります( ‥)/