『星界の紋章II ささやかな戦い』 | 手当たり次第の本棚

『星界の紋章II ささやかな戦い』

「君ってほんとに人の気持ちを明るくさせるのに長けてるなあ」とは、ジントの決め台詞。
君とはラフィールの事で、セリフは当然、反語的表現だったりする。
でも、2巻になると、その立場がなんと逆転してしまう!
なぜなら、ジントとラフィールは、やむなくとある惑星に降り、人類統合体の手を逃れて逃避行をしなければならなくなっちゃったからなんだ。

さて、立場が逆転したからには、当然、ジントがアーヴの文化に目を白黒させていたごとく、ラフィールが地上世界のものごとについて目を白黒させる番。
トンチンカンぶりが、なかなかほほえましい(笑)。

まあ、彼らが降りた惑星は、しょせん地球人が植民した世界なわけだから、事情が特殊なアーヴのように、異文化~な感じにはなっていない。
ジントとラフィールのやりとりは相変わらずなので面白いけど、ストーリーは「中継ぎ」的な感じがちょっとする。

男爵領からの脱出はなかなか盛り上がって楽しいんだけど、その後、地上におりてからがいまいちなんだよな~。
やはり、アーヴの物語(なんたって、ジントも一応アーヴなのだから)は、宇宙を舞台にしている方が、映えるのかもしれない!

というわけで第3巻に続く……(笑)。

著者: 森岡 浩之
タイトル: 星界の紋章〈2〉ささやかな戦い