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2011-02-28 19:55:07

『大魔導師の召喚』〈魔法プログラマー@ウィズ〉

テーマ:海外SF・ファンタジイ

魔法とコンピュータは実は相性がいい。
コンピュータで魔法をなんとかしてみようという発想は決して新しくはなく、たとえばゲームではそのはしりとなった〈女神転生〉シリーズなど、第一作はファミコン版。(ということは、80年代あたり?)
いやいや、その前に、コンピュータでこそないものの、その前身ともいえる、「論理式」をつかって魔法をなしとげたのが、ディ・キャンプ作〈ハロルド・シェイ〉シリーズで、こちらは論理学を用いて異世界間の移動と、異世界での魔法を行ってみせた。

本作は、いわばそういった流れの中にある物語だと言えるのだが、主人公がプログラマー(ちなみに本巻が書かれたのも80年代。訳者によると、Windows95が出るより5~6年前らしい)であるだけに、より強く、コンピュータ……というか、プログラミングと魔法の比較が濃厚になされている。

プログラミングというと、もはや古くさいジョークのように感じられるエピソードとして、「.(ピリオド)がひとつ落ちていたためにプログラムが動かなかった」なんていうのがある。
だが、実際の話、ピリオドとカンマを間違えてましたとか、コロンとセミコロンが間違っていて動かなかったなんてのは、冗談事ではなかったりするね。
(私のこのあたりの知識はすご~く古いのだが、今でも基本、変わっていないものかと思う)。

そして、儀式魔法というやつも、実はかなり、そういうところがある。
複雑な条件がひとつ満たされていなかったり、詠唱が少し違っているだけで、良くても何も発動しないし、悪ければ大惨事が起きてしまうと警告されているのだ。

考えようによっては両者はとても似ている。

さて、そういった類似を前提にして、本シリーズは、アメリカ合衆国に住む、有能ではあってもごく平凡なプログラマーであるウィズが、いきなり魔法の支配する世界に召喚されてしまうところから、話が始まる。
魔法をのぞく文化レベルは、中世~近世。
魔法は誰にでもある程度使えるけれど、基本的に危険なので、おいそれと悪態すらつく事ができない。
悪態というのは、呪いの一種だからね。
ところが、ウィズを召喚した魔導師は敵の攻撃によってその場で命を落としてしまい、召喚目的が全く不明になってしまったからたまらない。

一体俺はここで何をすりゃいいの?
元の世界には帰れるわけ>

しごくあたりまえのことながら、そういう疑問をいだきつつ、帰還する望みなどないまま、ウィズは孤軍奮闘し始めるというわけだ。
ふたつの魔法使い勢力がぶつかりあう混沌とした世界を背景に、魔法の世界で生き延びようとするプログラマーが、どのような結論にたどりつくのかというのが、本巻のおおまかなストーリー。

うん、なかなか、面白いよ。


大魔導師の召喚―魔法プログラマー@ウィズ (ハヤカワ文庫FT)/リック・クック
2011年2月25日初版
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2011-02-27 23:47:12

『共和国の戦士 2 星間大戦勃発』

テーマ:海外SF・ファンタジイ

クローン兵士がおり、転送ネットワークによる星間航行が行われている未来社会。
主人公ウェイソン・ハリスは、クローン兵士として生まれ育ったが、実は彼には出生の秘密があった。
すなわち、彼は単なるクローンではなく、特別な種類の(危険な)クローンだったのだ。

というのが、前巻のキモだった。
現在は禁止されている種類のクローン兵士であるがため、政治的なコマにされているハリスだが、本巻ではサブタイトルのとおり、いよいよその「政治」が「大戦」に発展してしまう。
昨今のアメリカのミリタリーSFは、政治と軍事をからめた作品が多いように思うのだが、その中で、本作の特徴はどうなのかといえば、異星人は出てこない、人類のなかで複数の勢力が登場し、からみあう、基本的な歴史などはおおむね米国史がベース、という事だろうか。

もちろん、日本人にとっては、からみあう勢力のひとつが日本人であることも、見逃せない。
(なぜ、ことさら日本人だけが、民族的にほぼ純粋を保ち、特殊なグループを作っているのか、興味深い)。

しかし、大戦という凄まじいパワーゲームのなか、主人公のハリスは軍人ではなく、フリーランスとして行動していくことになる。
実際、さまざまな理由で、ハリスと軍の関係は、切れていきつつある。
そして面白いことに、軍を離れる事で、ハリスはコントロールを受けている戦闘機械から、一個の人間として次第に目覚めていくようなのだ。

また、ハリスがフリーランスとなる事で、明確に彼のパートナーとなったフリーマンの個人的な背景も今回は大きく紹介されるので、そういう部分もなかなか面白い。


共和国の戦士〈2〉星間大戦勃発 (ハヤカワ文庫SF)/スティーヴン・L・ケント
2011年2月15日初版
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2011-02-26 23:17:43

『影に歌えば』

テーマ:海外SF・ファンタジイ
『ロミオとジュリエット』の翻案といえば、本作を忘れる事ができない。
〈平たい地球〉シリーズで日本では多くのファンを獲得したタニス・リーが、その、昏く耽美的な味わいを濃厚に醸し出しつつ、再話したのが本作だからだ。
タニス・リーの筆により、ヴェローナは、よりマジカルでダークな、混沌とした町となり、主役となる少年少女の恋愛さえもが、純愛というよりは、なにか頽廃的な、妖しく美しいものに変容していく。
それも当然のことで、タニス・リーの小説の本分が、登場人物の変容にあるからだ。

そう、成長ではなく、それは、あくまでも、変容。
また、その魔術によって、本家『ロミオとジュリエット』そのものも、混沌と妖美なものへとタニス・リーは変容させているというわけ。

いささか分厚い文庫本ではあるし、残念ながら現在新刊書店では入手不可能な品だが、ファンタジイ好きのみならず、『ロミオとジュリエット』が好き、あるいは単なる恋愛ものや青春群像としてのロミジュリでは飽き足りないという人に、一度手にしてみてもらいたい、そういう作品だ。


影に歌えば (ハヤカワ文庫 FT (83))/タニス・リー
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2011-02-25 10:36:07

『ロミオとジュリエット』

テーマ:古典・文学

シェイクスピアの戯曲でこれほど人気のあるものも、ないだろう。
二つのバレエが作られ、その他に音楽も作られ、映画にもなり、多数の翻案作品が作られ……。
戯曲を読んだり舞台を見たりした事がないという人でも、おおまかなストーリーは知っている、そういう名作だ。

舞台はイタリアの町ヴェローナ。
対立するふたつの名門のそれぞれに生まれた少年と少女(14歳!)が、数奇な運命のめぐりあわせで恋に落ち、両家の争いの中で犠牲になり、若い命を散らすという物語だ。
つまり、悲恋の物語だ。

しかし、この物語には、若者群像を描いているという側面もある。
そして、私にとっては、むしろこちらが魅力的だ。
性急で、ある意味何事にも積極的な、しかし優柔不断さも内包しているかのようなロミオ。
道化者と言いたくなるほど破天荒なマーキューシオ。
いかにも良家の子息的なパリス。
いささか乱暴かもしれないが、おそらくその世界観の中では優等生でもあるティボルト。
いずれも個性的であり、モンタギューとキャピュレットの争いの中で、実にいきいきと動いている若者たちなのだ。

人間の性格については、古今、さほどかわるところはないので(言動は背景となる文化によって変わってくるとしても)、ロミオとジュリエットの悲恋に格別の興味がない場合も、あるいはこの若者達の誰かに、とても共感をおぼえる事はあるんじゃないかと思う。
キャラクターの性格付けを追っていくだけでも、非常に楽しい。


ロミオとジュリエット (新潮文庫)/シェイクスピア
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2011-02-24 22:15:28

『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー I 』

テーマ:ゲーム

煉獄、前篇……。
煉獄というのは、地獄へ落ちるほどでもないが、天国へすんなり入る事ができない魂が、浄化される場所だといわれている。
浄化の過程には苦痛が伴うが、それによって、罪が浄められるという考え方だ。

さて……。
本作の世界は、地球であるともどこであるともしれぬ廃墟の世界で、生まれ変わりながら「ニルヴァーナ」をめざし、戦い続けるものたちがいる世界だ。
太陽も月も星も見えない。
昼はマゼンタの空か、銀色の雨が降る曇り空。
生まれた時から(といっても、赤ん坊として生まれるのではないが)、ただひたすら、戦う事がかれらの存在意義となっている。

この世界が、ある日何者かの意図によって、ウィルスに汚染される。
このウィルスに感染した者たちは、ある種のモンスターに変身する力を得る。
それは、とてつもなく高い戦闘力を誇るが、そのかわり……同類を食わねば生きていけない。
つまり、銃器や刀剣で戦うよりすぐれた戦闘能力を持つかわり、負かした相手を食らわなければならないのだ。

もしも、君であれば、そういう世界に耐えられるか?

物語は、感情といったものをとりたてて持たなかった者たちが、ウィルス感染とともに、不思議な記憶を徐々に蘇らせたり、感情を得たりしていきながら、その世界の謎に迫るという展開をしていく。
いわば、自分たちがおそろしい世界にいるのだと認識した時から、彼らの煉獄が始まるのだと言って良いだろう。

タイトルから、何年も前にPS2のゲームソフトとしてアトラスから発売されたゲームに思い至る人は沢山いると思うけれど、これはノヴェライズではなく、あくまでも、この世界観を創り上げるにあたってメイカーのひとりに名を連ねた本書の作者が、契約の一部として、小説を書く事を引き受けた、そこから生まれた作品だ。
従って、おおむねゲームのストーリーと同じように展開していくけれど、厳密に一緒というわけではない。
(少なくとも、本巻では)。

この、最初からの救いのなさ、そして救いを求めるために模索しなければならないキャラクターたちの葛藤や苦悩は、まさしく名作『女神転生』を生み出したアトラスらしい世界観だが、そこに、仲間同士、共食いをしなければならないというカルマを課すことにより、更に業の深い世界を創り上げている。
実に魅力的だ。

ゲームも良かったけれど、この小説は面白いぞ!


クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅠ (ハヤカワ文庫JA)/五代ゆう
2011年2月25日初版
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2011-02-23 11:02:21

『世界怪奇実話集』

テーマ:ホラー
怪奇実話ってなんだろうといえば、そうだな。
日本でいうなら、「お岩さん」にまつわる話だろうか。
お参りしないと芝居などを上演した時にたたりがある。実際、役者の誰それがこれこれいう目にあった、と実名入りで紹介される、ほんとにあった怖い話というやつね。
本書は、その海外版といっていい。

海外で幽霊屋敷といえば、やはりイギリスがなんといっても有名だし、幽霊船の話というのもいろいろあるそうだ。
といっても、あまり日本語でその実例を読む事がない。
海外ホラーのファンなどで、そういう不満をもし抱いている人がいるなら、本書はおすすめといえるだろう。
(出版社がもうないので、古書店で探さないといけないけれど)。

幽霊屋敷や幽霊船、そして初期の飛行機に出没した幽霊、また、しばしば幽霊となって出現することで有名な、支配者たちの幽霊まで、ほぼ網羅しているからだ。

日本のものとはどこらへんが共通で、また、どこらへんが違うのか、比較するのも面白いかもしれない。


世界怪奇実話集 (現代教養文庫―ワールド・グレーティスト・シリーズ)/N. ブランデル
1988年11月30日初版
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2011-02-22 11:04:19

『新編世界むかし話集 10 アメリカ・オセアニア編』

テーマ:神話・伝説・民話
正直に言うと、この最終巻は、「残りを全部入れたのかなー」という気がしてしまう。
南北アメリカからオーストラリア、ニュージーランドまでとは、あまりにも地域が広い。
しかし、この広大な地域には、ひとつの共通点がある。
それは、ヨーロッパ人によって植民地化され、多数の白人が入植し、白人によって多数の黒人も連れてこられた。
そしてもちろん、もともとそこに住んでいた人々もある。
人種的にも、文化的にも、大変複合した地域だという事なのだ。

さて、一般に、南北アメリカやオーストラリアなどの民話、というと、最近では自動的に「原住民の伝えた民話」がぱっと思い浮かぶものかと思う。
アメリカだと、かつて奴隷として連れてこられた「黒人の民話」というカテゴリが別にある。
しかし、白人とて入植してすでに年数がたっており、その中にはかつての故国からもってきたものではない、現地で育てた民話が伝わっていたりするわけだ。
そうそう、有名なところでは、北アメリカにはポール・バニヤンという木こりの物語があるよね。
だいたい、トールテール(ほら話)なのだけど、これも、キャンプなどで語られた物語だとすると、わかる気がする。

本巻のおもしろいところは、原住民の民話のほか、そういった外来の人たちの民話も、人種グループごとにわけて採択しているということだ。

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《北アメリカ》

インディアン

世界のはじまりとお爺さん
どうやってコヨーテは人間を助けたか
海の人間と結婚した娘
雲のところへ行った娘
トウモロコシおばさん
太陽と月
年とった栗毛のウマ
最初の人間と世界の秩序
死んだ恋人を訪ねた娘
ヒューロン湖の魔術師
クマ祭りの起こり

エスキモー

カラスの話二つ
白鳥の話
クジラの魂と燃える心臓
一角クジラはどうしてできたか

白人系

口まがり一族
口をきく卵
大男のジョン・ボーリング

黒人系

タールの人形
しっぽ

ハワイ

カネの宮の生き水
月にのぼったヒナ
プニア少年とサメの王さま

《南アメリカ》

インディオ

カメと天のお祭り
カメと人間
森の精と三人の娘
死人の花嫁
ワルラウ族の起こり
アマオ
なぜイェルバの茂みは枯れないか
七つ星
虹の鳥
マニオカの始まり
貧しい母親と三人の娘
太陽とエーデルワイスと赤い実
なぜボアは人間を食べないか
死んだ太陽
大洪水
動物のお祭り

ヨーロッパ系

天への道
魚の子供たち
どくろの復讐

《オーストラリア》

南太平洋諸島

ワニの穴
月の中の乙女
ハエとミツバチ
人間とカ
太陽の子
白人の起源
鳥と魚の戦争
なぜ火食い鳥には翼がないか
なぜわれわれは死なねばならないのか
アロイェラと彼の娘

オーストラリア

太陽の誕生
ツルとカラス
スバルとオリオン
花々がまた世界にもどってきたわけ
マウイ
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新編世界むかし話集〈10〉アメリカ・オセアニア編 (1977年) (現代教養文庫)/著者不明
1977年4月15日初版
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2011-02-21 23:34:11

『新編世界むかし話集 7 インド・中近東編』

テーマ:神話・伝説・民話
この地域は、昔話の宝庫だと言われている。
たとえば、『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)が、この地域のものだ。
コーヒー店などでは、こういった物語が専門家によって語られていたというし、隊商が旅をする時は、野営地で物語が語られたともバートンなどが記している。
インドには、これまた有名な『ジャータカ』をはじめ、さまざまな物語集が伝わっている。
いずれも多数の物語を含むわけだが、海外でも訳出され、日本でもメジャーといっていいだろう。
そもそも、この地域の人は、「たとえばなし」が好きなのかもしれない。
『千夜一夜物語』のなかでも、しばしば、登場人物は、たとえばなしをもって誰かを説得しようとしたり、誰かの教訓になるだろうという前置きのもとに自分に関するエピソードを語り始める。
そういえば、『聖書』をみても、イエス・キリストはしばしばたとえばなしを用いていたように思うが、これまた地域的にはこのあたりのものになるわけだね。

編者山室静は、この地域の民話集を編纂するにあたり、あえて、『千夜一夜物語』と『ジャータカ』に含まれるものを排したと述べている。
このふたつがあまりにも名高いため、なかなかの苦労ではなかったかと推察される。
イスラム圏では愛されている道化者、ナスレッディン・ホジャの無数の話からも、1つしか採られていないのは、杉尾(おそらく同様の理由で1つしか採らなかったのではないかと推察する)。

従って、この地域の物語にある程度なじみがあっても、「え、こんな話があったんだ!」と思うような物語が中心であり、かつ、いずれもメジャーなものに劣らぬ面白い民話だと思う。

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インド

青い山犬
三人のいたずら者
年とった母親と娘
罰する前にしらべよ
王子と飢えたトラ
おしゃべりのカメ
ハリシャルマン
ルビーのできるわけ
玉ねぎどろぼうのうけた罰
胃袋の使者
おべっかと真実
サヴィトリ姫と死神
床屋のおかみ
どろぼうの親子

イラン

お百姓と三人のいたずら者
アリ・ムハメッドのお母さん
医者の親子
金の燭台
ムハメッドと妖精のお姫さま
三人の先生
ミツバチ娘セネマーの話

アラビア

ダマスクスの商人カシムの話
二人のごろつき
貧乏人と卵
なまけ者のボンシーナ
上等なふろ屋の話
女の智恵と男の智恵

トルコ

笑いリンゴと泣きリンゴ
どろぼうの名人
ナスル・エド・ディンの晴着
子ジカの王子
掃除夫とカディ
親指小僧
毛皮むすめ
荷かつぎ人足の話

イスラエル

巡礼と彼のロバ
なまけ者の国
けちんぼの金持ちと恵み深い靴屋
だれが姫の病気をなおしたか
正しい問いと正しい答え
モスルの干魃
正義の人ノアのただ一人の娘
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新編世界むかし話集〈7〉インド・中近東編 (1977年) (現代教養文庫)/著者不明
1977年 3月30日初版
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2011-02-20 23:43:20

『現代民話集 12 写真の怪・文明開化』

テーマ:神話・伝説・民話

写真の怪といえば、ぶっちゃけたはなし、心霊写真。
なぜか、カメラというものには人間の目には見えないものが写るとされているらしい。
松谷みよ子による現代民話シリーズは、もうそれなりに前のものとなるから、ここに集められたものは、ほとんどがフィルムを用いた写真になるわけだけれど、ヴィデオカメラにも写ることは、夏のテレビの怪奇特番などにも出てくるとおりで、今改めて募集したら、写真については、デジカメのデータが多くなってくるのかとふと想像した。

しかし、心霊写真を文章で見て見ると、ちょっと面白い事に気がついた。
その写真にからむ人物が亡くなっている時、水辺であること、水面に「なにか」(しばしば、手だけ)が待ち受けていることがとても多いことだ。
確かに、心霊写真としてはある意味定番、かもしれない。
だが、よくよく考えてみると、だ。

水の怪といえば、特に海では、舟幽霊が有名だよね。
これは、「たくさんの手」が出現して、ひしゃくなどを借りると、水をくみこんで船を沈める(人を殺す)と言われている。
また、西日本などにいるらしい「ミサキ」という海の幽霊は、一人取り殺すたびに、メンバーのうち一人が成仏するらしい(つまり、成仏するためには一人取り殺さないといけない)。
(もともと、中国の水死した人の霊に、そういう性格があるようだ)。

これね、水辺の心霊写真の特徴と、とてもよく似ていないだろうか?

後半、文明開化の章は、20世紀以降の新技術がテーマだけれど、これも、今なら携帯電話、インターネットなどが入ってこなければならないだろう。
しかし、ここ20年のうちに、こういうメディアはどんどんうつりかわっている。
はたしてどれだけ、「現代民話」となり得る話ができているのか、ちと興味が湧く。


現代民話考 12 写真の怪・文明開化/松谷 みよ子
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2011-02-19 23:28:51

『新編世界むかし話集 9 アフリカ編』

テーマ:神話・伝説・民話
アフリカといっても、かなーり広い。
だから、ほんとは薄手のこの本一巻では、とうていカヴァーしたとは言い切れないのだろうけれど、滅多に紹介されることのないアフリカの民話の雰囲気が、やはり概観できて良いなあ、と思うのだ。

北アフリカは地中海に面しており、エジプトとかチュニスとか、古くから栄えた土地柄だけれど、それ以外の、かつて「暗黒大陸」と言われたような部分は、やはりなにかこう、魔法というか、呪術でむっと息詰まるような、暑い雰囲気が伝わってくるような気がする。

また、こういう土壌は、トリックスターが活躍しやすい風土だと思うのだけれど、北アメリカのコヨーテのように、アフリカに特徴的なトリックスターは、どうやら、蜘蛛であるらしい。
蜘蛛が活躍する物語がたくさん登場するが、なぜそういった蜘蛛話が多いのかという由来話があるところなど、とても面白いと思う。

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北アフリカ

フリージアと二人の娘
あるサルタンの話
アズビンの馬
麦つぶ小僧イレッド
ロバの数
最初の争いと民族の成立
お姫さまと七人の兄弟
泥棒の話

東アフリカ

かしこい医者
いなくなった妹
ネズミとカエルとトカゲ
二人の友
人食い鬼と少年
ライオンと九ひきのハイエナ
野鴨とキツネとカラス
神々のお気に入りのサブラナ
魔法の角
ハチとサソリの毒くらべ

西アフリカ

動物の恩がえし
なぜ人間は生きいあけれないか
クモの話二つ
どうして戦争がこの世におこったか
ムカデ
どうして夜ができたか
なぜカバは水の中にすむか
ウァガド王国史
チンパンジーがもう人間といっしょに暮らさないわけ
どうしてクモ話が生じたか
象とクモ
月と太陽
カニにはなぜ頭がないか
思いあがった娘
双子の兄弟

中・南アフリカ

父親とどろぼうの息子
怪物コーロモドモ
イマナ神とうまず女
陸ガメとカバとゾウ
タバコのおこり
家づくり
だれが一番大食いか
二人の兄弟

マダガスカル

カッコウ
野ブタろカメレオンのかけくらべ
タンガリイとドソ
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新編世界むかし話集〈9〉アフリカ編 (1976年) (現代教養文庫)/著者不明
1976年12月30日初版
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