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2009-11-30 22:20:02

『わちふぃーるど 12の月の物語』

テーマ:絵本・児童文学

明日からいよいよ12月。
こうなると、気に名手くるのが来年のカレンダー。
アイドルだの映画スターがいいという人もいるだろうし、好きな漫画家やアニメのカレンダーなんてものは子供時代にははずせなく、定番の景色のカレンダーは絶対にばかにはならず、デスクの上に立てるやつから壁にかけたりはりつけたり、毎年365日目までちゃんと毎日めくれるのか、とっても気になる日めくりなんてものもあったりして……。
もちろん、企業がお得意様に年末のご挨拶にするのにも好適な品物だから、たいてい、リキを入れて作られるらしい。中には市販品よりスゴイものまであって、競馬ファンならJRAが非売品として出すカレンダーがすご~く欲しいだろうし、車好きなら、トヨタや日産のカレンダーはたまらないね。

わちふぃーるどでも毎年何種類かのカレンダーが出ていて、私はそれを楽しみにしているわけだが、四季折々の風景や、年中行事に住民がこぞって参加するわちふぃーるどのこと、カレンダー以外にも、毎月のことを描いた作品が当然あるのだ。

え?
四季の物語だのカントリーものとどこが違うのかって?
レシピは出てきません!
中身の絵はフルカラー!
どうだ文句あるか!

あ。まあ……季節感のある物語っていうコンセプトは同じかもな。
いいじゃないか。
それがわちふぃーるどなのだ。

そうそう、レシピはなくとも、毎月の、わちふぃーるどの年中行事についてコメントが書かれているぞ。
また、随所に、マザーグースっぽい短詞が入っていたりもする。
気の向いた時に、適当なページをあけてみても楽しいし、せっかく12ヶ月分あるのだから、自分の誕生月をまず見てみるのも、いいかも。
とらの場合は、4月生まれなので、桜の花見をしているダヤンたちが見られるのだ。
(しっぽゆら~ん)

さて、本書によれば、今日で終わる11月は、カシガリ山の収穫祭と、マージョリーノエルの到来がある月だそうだ。
そしてもちろん、来月はヨールカ。
わちふぃーるどでもクリスマス。
カレンダーも大切だけど、そういえば、クリスマスの準備なんかは、もう始めてるかなー?


わちふぃーるど 12の月の物語 (中公文庫)/池田 あきこ
2001年6月25日初版
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2009-11-29 20:26:57

『四季の絵ばなし』〈わちふぃーるど〉

テーマ:絵本・児童文学

わちふぃーるどの素敵な自然に彩られた四季おりおりの物語……、そう、物語のコンセプトは『カントリー・ダイアリー』と同じだ。
しかし、実を言うと、こちらの方が再読率がどうしても低い。
なぜかというと、中がカラーじゃないからなのだ!(どーん!)

うん、やっぱり、基本が絵本だから、カラーの絵が嬉しいわけだ。
また、シリーズの他の本は、ほとんど、オールカラーなわけですから(しっぽゆら~ん)。

しかし、絵そのものは、たくさん入っている。
毎ページ入っている。
ただ、全て、モノクロのカットなだけなのだ。

しかもこれは短編集で、1つの絵本となった物語の縮小版みたいな内容でもある。

そうだなー。
絵本と漫画の中間みたいな感じだと思えば、いいのかも?

それもそのはずであって、物語に入る前にこのような注意書きがある。

この本はわちふぃーるどから発売された
Birthday book 「12の月の物語」 1987年5月刊行
Birthday book vol.2 「扉の向こう側」 1988年5月刊行
Birthday book vol.3 「風が東にかわるとき」 1989年5月刊行
Birthday book vol.4 「不思議な国の12の話」 1991年12月刊行
より、再編集し、加筆したものです。

*執筆期間が長期にわたったため、
イラストのタッチや画材が変化しています。

えええ、再編集ぅ~?
と、がっかりすることはない。
むしろ、それだけたくさんの物語がいちどに読めるという、お得な絵本、しかも文庫なのだ。
その数、なんと16本。
いずれも、味わい深い。


わちふぃーるど 四季の絵ばなし (中公文庫―てのひら絵本)/池田 あきこ
2003年1月15日初版
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2009-11-28 23:24:54

『魔王とひとしずくの涙』〈魔法の国ザンス20〉

テーマ:海外SF・ファンタジイ

ドラゴン。
そう、ドラゴンといえば、輝く鱗、まがまがしい眼差し、ファンタジイ世界でも最強の怪物……!

しか~し。
もしもそのドラゴンの頭がロバの頭で、体の方も(汚らしい)緑色とピンクのしましまだったらどうだろう?
長い耳がぴくんぴくんと動いたりしちゃうのだ。

……どうだ?
(しっぽゆら~ん)

人間というものは、神話の時代から、さまざまなキメラを空想してきたが、これほどみっともないというか、マヌケな怪物はいなかったかもしれない。
頭、ロバだよ。
体はしましまドラゴン。
緑とピンク。

しかし、このドラゴン、とある理由で、非常にけなげだし、人間の感情にうといため、とっても純情なのだ。

そうだな、ある意味、ガーゴイルが主人公だった時と同様に、怪物の視点で物語が語られたりするため、その怪物にとても愛着がわいてしまうという事は、あるのかもしれない。
だがこれは、とってもザンス的な「カエル王子」の物語なのだ。

とはいえ、物語そのものは、マンダニアから来た平凡な家族が進める事になる。
キャンピングカーで休暇に来ていた物理学教授とその妻、二人の息子と一人の娘、かれらのペットたち。
すごーいハリケーンのせいで、ノーネームキーの破れ目からザンスに放り込まれてしまった彼らが、最初は、マンダニアに戻るため、次は、ザンスそのものを救うために、大活躍しちゃうのだ。

考えてもみてほしい。
ザンスを縦横に走るRV車。
これだけでもとっても楽しい。

さらに、途中で登場するルーグナ城では王女たちと、その子供たちのオンパレード。
これはもしかすると、ファンサーヴィスというやつなのだろうか!(笑)
これらの子供たちはまだまだ幼いのだが、きっと、次の巻以降で活躍する事になるのだろう。

とはいえ、今回のラスト、やや曖昧になっているので、ザンス版カエル王子がちゃんと救われたのかどうか、すご~く気になる。


魔王とひとしずくの涙 (魔法の国ザンス20) (ハヤカワ文庫 FT ア 1-20) (ハヤカワ文庫FT)/ピアズ・アンソニイ
2009年11月25日初版
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2009-11-27 22:27:41

『ダヤンのカントリー・ダイアリー』

テーマ:絵本・児童文学
ダヤンが暮らすわちふぃーるどは、自然に恵まれた土地だ。
というより、環境汚染をするような科学技術の産物がない、と言った方が良いのかもしれないけれども。

ともあれ、わちふぃーるどは、「古き良きカントリー」といった雰囲気が濃厚で、それはイギリスやアイルランドに、日本をちょっと入れて、フュージョンしたような感じと言えるだろうか。

そんな素敵な田舎生活を、というより、ほとんど田舎のアウトドアを、楽しむための本がこれだ。
絵本なので、わちふぃーるどの野山がたくさん登場する。
そしてもちろん、1年を通じて、季節を追っていくので、春、夏、秋、冬……とわちふぃーるどの1年が楽しめるのだ。

しかし、なかでも私の好みとしては、これ、秋が一番素敵なのだ。
椎の実、どんぐり、くぬぎの実、そして手に入れやすい茸のたぐい。
葉は紅葉し、そのなかをダヤンやマーシィが歩いていく。

レシピブックではないが、本作も、野山で手に入るものをどんな風に利用するかとか、簡単なアウトドア料理が載っているので、そういうものを見ていても別の楽しみがある。


ダヤンのカントリーダイアリー/塩野 米松
(中公文庫版も有)
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2009-11-26 21:32:24

『神曲奏界ポリフォニカ アドヴェント・ブラック』

テーマ:冒険・アクション

ポリ黒は、ここでひとまず、完結する。
シリーズが終わるというのではなく、マティアとマナガの関係が、一度完結するのだ。
もちろん、それは、マティアの肺炎が一日にして治ってしまったり、黒い涙を流したりという、だいぶ前からの伏線が全て解決される、という意味でもある。
しかも、そのキーとなるのが、こういう宣告だ。
「マティアさん、あなたの神曲は、神曲ではありません」
なとニクい演出なのだろう。

神曲というものが(この世界の定義では)、演奏者の魂の形である、という事を、物語はしだいにシェリカの目を通して語るようになってきたが、それについても、一応の意味が付与されている。
マティアの神曲は、なぜ神曲ではないと非難されるのか。
なぜ、精霊と人間の関係、そして神曲の意味がシェリカの側から語られるのか?

マティアとマナガの魂は、あまりにもぴったりとあわさっており、それはむしろ、異常なほどなのだ、と作者は示唆する。

ところで、ポリフォニカの世界には、キリスト教やイスラム教に該当するような宗教が存在しないようだ。
なんといっても、女神ですら実は精霊と同じモノであって、ある意味、人間の身近なところにいるのだから、無理もないのかもしれないが、まあそれはともかく。
そういう世界にあって、人々の罪までおのが背にしょいこもうとする存在とは、いったいなんなのだろう?
非常にイレギュラーな存在と言うしかない。

我々の世界では、それは、イエス・キリストだけれどもな。

(だからこそ、今回のサブタイトルなのだとも思うが……)

まあ、ともあれ、罪をあがなう者に幸いあれ。
来年からは、ポリ黒第2シーズンということになりそうだ。


神曲奏界ポリフォニカ アドヴェント・ブラック (GA文庫)/大迫 純一
2009年11月30日初版(発売中)
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2009-11-25 21:08:49

『鹿鼎記 (5) 経典争奪』

テーマ:冒険・アクション

日本のヤクザに仁義という独特の倫理観があるように、江湖の好漢、すなわち侠客たちにも、独自の倫理観のあることが、金庸の物語から読み取れる。(少なくとも、金庸描くところの武侠世界は、そういうものなのだ)。
たとえば、武芸を身につけるためにある人を師と仰いだ場合、その許しを得ずして勝手に別の師につく事は許されないし、もとより、師の言うことは絶対だ。

裏切りというのは最も卑劣な行為のひとつであるとか、気っぷの良さが尊ばれるとか、まあ、他にもいろいろあるけれど、「武侠」という呼び方がある以上、この「武芸の師匠」については、とても重要だろう。

この点、ちゃらんぽらんな小宝は、まさしく希有なキャラであって、師匠を次々にとりかえる……というより、行く先々で、いろいろな人が、いろいろな経緯で、少しずついろいろな技を教えてくれたり、弟子入りをさせてくれるのだ。もっとも、小宝が心からそれを望んだわけではないけれども。(望んだ場合にはもちろん、別の意図があるのだ)。

本来許される事ではない、むとんちゃくに多数の師匠を持つこと、そして敵対勢力であろうと、内側に入り込むと、いつのまにかそこで大切にされてしまうことなど、普通に見れば、八方美人の裏切り者だし、物語中しばしば描写されるとおり、小宝は武芸が使えないだけに、非常に汚い手や小狡い手をたくさん使う。
しかし、憎めない!

もしかすると、関羽のように廉直な武将や、九紋竜史進のように義侠心溢れた好漢を理想としながらも、中国人は、実のところ、そういう理想に近づく事ができない等身大の自分を、この小宝のようなキャラクターにあてはめて、彼の活躍を痛快に感じているのかもしれない。


鹿鼎記〈5〉経典争奪 (徳間文庫)/金 庸
2009年4圧15日初版
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2009-11-24 21:45:50

『ダヤンのミステリー・クッキング』

テーマ:絵本・児童文学

レシピ本というなら、おかしな国の物語よりこちらの方がずっとレシピ本に近い。
といっても、やはり、ミニストーリーがあって、そこにレシピがくっついているという形式なんだけれども。
こちらは、それぞれのミニストーリーが独立しているので、気分的にぐったり、集中力があがらないような時にも、気楽にページをめくる事ができる(そして気が向いたら読めばいいのだ)。
文庫版なら寝転がっていてもOK。

おやつ的な食べ物のレシピもわりにあるけれど、こちらの主役はむしろ軽い食べ物だ。
シリーズのファンなら、きっと作って食べてみたくなる、リーマちゃんがわちふぃーるどへ行くのに使ったソーダパンから始まって、マスのムニエルとかミートパイとか。
ふふふふん、どのキャラがどの料理とくっついているかは、見てのお楽しみだ。

物語の方はというと、なんといっても、ダヤンが友人であるねずみのウィリーを食べずにがまんするために、きつねいろに焼き上げるねずみのパンの話。
それに、郵便配達のギヴがお弁当の幽霊と出会う話が忘れがたい。
おいしいお弁当は大切にしなくちゃね。

しかし、単に料理をとるならば、豆の王様が登場する、チキンスープがうまそうかな。
豆をはじめ、野菜もたっぷり入ったチキンスープ。
寒い時には、きっと、こたえられないはず……!
(チキンスープといえば、イギリスなどでは病気や体の弱った人むけの料理でもあるね)。
それに、シーフードリゾットあたりも、棄てがたいかなあ。


ダヤンのミステリークッキング (中公文庫)/池田 あきこ
2001年4月15日初版
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2009-11-23 19:53:53

『ダヤンのおかしな国のお菓子の本』

テーマ:絵本・児童文学

ダヤンの物語の中でも、これはとても楽しい一編だ。
なんといっても、この物語の中で、ダヤンは、ほとんど世界一周旅行をしてしまう。
もちろん、その中にアルスは含まれないが、おなじみタシルの町からカシガリ山、魔王の城に浮島バルバーニャ島、ほほえましい恐竜たちのいるドラゴン・ベイなどを経て、ジャングルを通り、サウスの町から南の島まで。
そして、その全ての行程に、おいしそうなものがついてまわるというわけ。

絵本の好きな人、猫の好きな人、おいしいものがすきな人、みんな楽しめる。
このうちどれか2つ以上がすきならば、2度(または3度)おいしいという仕掛け。
いいねえ!

魔女が景気を占うためにケーキ占いをするという、冒頭のシーンにも思わず笑ってしまうし、全員で歯磨きしている恐竜の絵はなんともおかしく、面妖な白黒戦争。
しかし、私がなんといっても好きなのは、3頭のトロピカルなライオンたちだ。
なんとものんきでいい加減。
のんびりとしたライオンたちがダヤンにごちそうしてくれるトロピカルジュースも実にうまそう。

そして巻末には、登場するおいしそうなもののレシピもしっかり載っていて、どれもそれほど難しくなさそうだ。
フライパンでできちゃう、おいしそうなケーキもあれば、寒い冬には絶品になりそうな焼き林檎の作り方もある。
最低限、ジュースなら誰でも作れるはず。
たぶん……。
2~3種類の飲物をまぜて、何か飾るくらいなんだから。

え? 甘いのはちょっと?
ビールのつまみにもなりそうな、サモサの作り方なんてのも載っていますぜ。


ダヤンのおかしな国のお菓子の本 (中公文庫―てのひら絵本)/池田 あきこ
2000年11月10日初版
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2009-11-22 20:35:07

『インド・ネパール・スリランカの民話』

テーマ:神話・伝説・民話

インドと簡単に一口でいうけれど、世界地理を勉強したなら、インドの公用語が、めっちゃたくさんある事を知っているはずだ。
公用語がたくさんあるということは、その数だけ違う文化があるということだ。
まあぶっちゃけて言うと、インドという国は、アメリカ合衆国なんて目じゃないほど、凄い多民族国家なのだ。
しかも、それらが渾然一体となっているのではなく、おおざっぱに言うと、地方によって全く違う。
いやいや、インドを旅行した人に聞いた話では、極端な事を言うと、隣町までいうと、もう違う言語と違う文化なんてこともけっこうあるそうだ。

とはいえ、インドは古くから文明のあった土地柄であり、さらに口承文芸が盛んな土地柄でもあり、文字も古くから発達していて、世界でも類を見ないほど、多数の説話集が残されている。

そんなインド一帯で採取された民話を、ジャンルごとに、幾つかの地方のものを並べて編纂してあるのがこの本。

そもそもインドは北と南でも全然違う、というのは、ほら、北側は高地で、山がちで、南側は海沿いで島嶼もある、そういう国だからだね。
暑いところは亜熱帯なみ、寒いところは、うん、まあ、ヒマラヤがあるからね!
口にするまでもないだろう(しっぽしゅっ)。

多様な土地柄に多様な民族が多様な言語(そして文字)を持って住んでいる、
確かに、本書に紹介されている民話は、実に豊かだ。

全く馴染みのないようなものもあれば、別の国の民話で読んだ事があるようなものもある。

しかし、いずれの民話にもおおむね共通しているのは、「憎悪や復讐は何も生み出さない、慈悲を忘れてはならない」という思想が背景にある事だろう。
うん、さすがは仏教を生み出した国。
神々を大切にし、誓いを守り、親に孝養を尽くし、そしてなにより、仁慈ということを大切にするのが、亜大陸と言われるほど広大なインドに住む人々に共通であるようだ。


インド・ネパール・スリランカの民話
1998年7月31日初版
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2009-11-21 19:04:58

『桃太郎伝説殺人ファイル』〈ST警視庁科学特捜班〉

テーマ:ミステリ

ST第3シーズン、伝説シリーズの2巻目は、桃太郎。
絵本や童謡でおなじみのあの桃太郎さん、1巻の為朝伝説とはうってかわってメジャーどころが来たわけだが、実はこの桃太郎、卑弥呼と邪馬台国ばりに、日本全国、「うちが桃太郎の本場!」と主張するところがある、らしい。

考えてみると、これはちょっと不思議だ。
だって卑弥呼朝のような、史書に登場する、歴史上実在した人物ではないよな。
桃太郎は、あくまでも、御伽噺の登場人物のはず。
だから、桃太郎ゆかりの地なんて、あるはずがない……。

では、なんの根拠で桃太郎はうちが、となるのか?
桃太郎だから、桃が名物の。うーん、桃の名産地っていつ頃から?
黍団子を使うから、吉備の国。
むむ。しかし、黍って吉備の国以外でも作っていたのでは?

しかし、もう一つ大きな根拠がある、と「吉備の国」は主張する。
それは、鬼に由来する史蹟が残っている事だ。
桃太郎とか鬼に興味のある人なら、比較的知ってる確率が高いんじゃないかと思うが、ここには、温羅という名前の鬼に関する伝説があって、この鬼が、桃太郎と対決したあのの医だと言われているのだ。

さて、エキセントリックなSTのメンバーがアプローチするのだから、切り口はいろいろな「科学的」見地から、という事になるのだが、謎解きそのものは、伝説の正体に大きく絡んでいく形となっている。
舞台が今回は吉備の国、すなわち岡山県なので、あくまでも岡山県での桃太郎という事になるが、
桃太郎とはいったい何者なのか?
温羅とは何者だったのか?

うん、温羅が「桃太郎の鬼」であるなら、当然、温羅を征伐した人が桃太郎。
ちょっと逆算っぽいけど、そうなる寸法だ。
温羅が渡来人であるという話、朝廷と地方との対立、その大きな原因である採鉱権。
「伝説」についてそう解き明かしながら、それがどのように、現代に発生した犯罪とつなげるのかは、作者の腕の見せ所だろうが、STというシリーズが、どういう性質を持っているかを考えると、こういった「伝説」に絡んだ時、彼らの特技はあくまでも小道具になってしまい、いまひとつクローズアップされにくいような気がする。
もちろん、物語としては面白いし、一気に読めてしまうのだが、その点は、シリーズを通して読んだ時、ちょっと残念だ。


ST桃太郎伝説殺人ファイル (講談社ノベルス)/今野 敏
2007年12月6日初版
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