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2009-09-30 20:16:31

『ヴィンランド・サガ (8) 』

テーマ:冒険・アクション

トルフィンの少年時代は思いがけぬ時に、凄絶な終わり方を遂げる。
ある意味ではあっけない幕切れとも言えるし、所詮、復讐というのはそういうものなのだ、とも言えるだろう。
しかし、アシェラッドが苦笑したとおり、復讐のあとに人はどうするのか、それが難しい事だ。

肉親がただならぬ暴力で命を落とした場合、残された人間の悲しみや苦悩ははかりしれない。
場合によっては、生きる術や生きるよすがを失う事にもつながる。
そういう時に即効性の薬となるのが「復讐」というやつで、それは生きる原動力を与えてくれるが、反面、それに頼り切ってしまった時、「復讐のそのあと」が問題となるわけだ。
まさしく、トルフィンが、それにあたる。

それにつけても、アシェラッドは面白い男だった。
彼自身が複雑な背景を持ち、単なる「ヴァイキング」ではない、とんでもない男だったのだが、こうしてみると、彼はトルフィンにとって、ダークサイドの父親のようなものだったのかもしれないな。
物語が、そのアシェラッドと訣別した事が、残念でならない。
まあ、ストーリー上の必然であった、とは思うのだが。


ヴィンランド・サガ 8 (アフタヌーンKC)/幸村 誠
2009年9月23日初版
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2009-09-29 23:00:59

『刑務所のすべて』

テーマ:人文・社会・ノンフィクション

刑務所というと、あたりまえだが、犯罪者が集められた場所。
どことなく(いや、濃厚に?)漂う、ノアールの香り。
怖いと思うか、嫌悪感を感じるか、ある種の浪漫を思うかは、人と状況次第だろうが、漠然と、
「しかし、自分とはなんら関係がない」
と思っていないだろうか。

しかし、よくよく考えてみれば、
あまり意識せずに犯罪を犯してしまうかもしれないし(極端な話、職場の備品を私物化したら横領罪に問われる……かも?)
かつては交通刑務所に送られたケースでも今は刑務所に収監されるかもしれないし
自分は罪に問われるような事がなかったとしても、何かのひょうしに親類縁者友人知人の誰かが、という事があるかもしれず
それでなくとも、世の中には、「冤罪」というものだってあるのだし、
今では、もしかして裁判員になってしまう事もあり得るわけで、
もしそうなれば、自分が「有罪」と判断した人が刑務所に送られる事になるわけだな。

しかし、日本の刑務所って実際のところどうなってるのか?
人権運動家(とくに、外国の人権団体)が非難するような行為は行われているのか?
マスコミが「暴いた」塀の中の生活は、真実その通りか?

さて、本書はタイトルに「元刑務官が明かす」と添えられている。
つまり、刑務官という、「刑務所という政府の施設で働く職員」の視点で、刑務所という施設やそれに関する制度、内部ではどのような事が行われており、どういう風に一般の人が刑務所に関わってくるかという事を、書き表した本なのだ。

たとえば、「面会日だからといって、必ず会えるとは限らない」という事は、知っていた?
しかも、事前に会えるのかどうかを刑務所側に電話確認する事は、できないそうなのだ。
どんなものが(無事に)差し入れできるか知っている?
相手の手に届くまで時間がかかったり、事実上届ける事ができなかったりするものがあるのだが、それはなに。
(答。たとえば、洋服や布団)。

普通接するチャンスがないものだけに、「これは意外」と思う事が、いろいろと含まれていて、興味深い。
まあ、できることなら、ずっと「他人事」ですませておきたいものだけれどね。


刑務所のすべて―元刑務官が明かす (文春文庫)/坂本 敏夫
2009年9月10日初版
ニチブンMOOK『刑務官しか知らない 刑務所のルール』文庫化(加筆訂正あり)
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2009-09-28 21:43:40

『ペスト』(ダニエル・デフォー)

テーマ:古典・文学

ダニエル・デフォーとは何を書いた人か?
言わずと知れた、『ロビンソン・クルーソー』だ。
勿論、これは、小説なのだが、デフォー自身はむしろジャーナリストであり、その障害にあまりにも多くの著述をしていたため、いまだに全集を編纂するのが困難な作家だ、と訳者があとがきで述べている。

うぅ~ん、そんなに凄かったのか。
イメージはやっぱり『ロビンソン・クルーソー』だからなあ!

さて、そのデフォーが、ロンドン大火の前年に発生したペストの大流行について書いたのが本作だ。
一応、小説という事になっていはいるが、どちらかといえば、語り手のみを架空の人物にした、ドキュメンタリーに近いと思う。
なるほど、確かに、こうしてみると、デフォーってジャーナリスt的なんだな。

淡々と、随所に、各時期のペストによる死者の統計などが引用されているのが、淡々としているだけに迫力だったりする。
実際、それぞれの現象について、デフォー自身が思うところを述べてはいるものの、態度はおおむね中立的、第三者的な視点を保っており、たとえば、ペスト対策などについて対立する論がある場合は、どちらかに与したり、どちらかをけなしたり、あるいは論破しようとする事がない。

このデフォーの筆によって、いろいろなフィクションにおいて、グロテスクでおそろしく、あたかも地獄絵図のように描かれているロンドンのペスト禍が、実際には、かなり市当局によって厳しいルールのもとに置かれていたり、現代人の目から見てナンセンスなものがあるとはいえ、それなりに筋の通った対策が行われている事が、手に取るようにわかる。

21世紀にしたところで、SARSとか鳥インフルなどの騒ぎがあるように、疫病というやつは怖ろしく、人は肝っ玉を縮み上がらせてしまうものかと思う。
事実、本作の中でも、状況に耐えきれずにロンドンから逃げ出したり、病気のキャリアになっている事を知らず歩き回って、頓死する人々がいたり、あるいはロンドンを脱出したものの、近郊の町や村に受け容れてもらえず、野山で死んでいった人の事などが語られているけれども、
その一方、原始的ながら、ある程度隔離政策が行われていたり、消毒や、害獣駆除の試みがなされていたり、生活に必要な最低限のもの(たとえば、パン屋はパンを毎日焼かなくてはならないという条例)の発令など、ロンドン市長頑張ってたんだなっ という「イギリス的冷静さ」がうかがえて、大変興味深い。

また、終盤の方では、この災害によって、イギリス経済そのものがこうむった深甚な打撃についても触れられていて、これなどは、そのまんま、現代でも発生しそうな事かと考えさせられもする。


ペスト (中公文庫)/ダニエル デフォー
1973年12月10日初版
2009年7月25日改版
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2009-09-27 20:04:31

『天冥の標 1 メニー・メニー・シープ (下)』

テーマ:日本SF・ファンタジイ

本作、小川一水作品としても、どんでん返しにつぐどんでん返しとなっている。
下巻を読み進めれば、「えっ」と声を漏らす箇所がいくつもあるかもしれない。
もちろん、その回数は人によるだろうけれども、一度もなかったという人は、たぶん、よほど冷静か、よほど懐疑的か、よほどヒネクレた人だと思うぞ……!(笑)

しかも、この1巻(上下巻で2冊)だけで、あるわあるわ、雨後の竹の子そこのけに、謎が噴出しているのだ。
風呂敷の広げ方が凄いのだ。
いいのか、ここまでやっちゃって!

男たちは哀しく、
女たちも哀しく、
植民地メニーメニー・シープは、あたかも羊飼いを失った羊の群れに似て、
この先どうなるか、先行きまったく不透明なのだ。

う~ん、どんでん返し続きのため、ネタバレしないようにするのが本作は異様に大変なのだが、
とにもかくにも、この惑星は「普通ではありません」。
それを示唆するとんでもない出来事が、下巻のラスト近くに登場する。
この時点で、「この惑星はたぶん、ああいうものかな~」、と推察するSFファンは、私を含めているのだろうけど、「なぜ、どうやって?」という部分は、現時点では、推察する事すら、不可能だ。

いや、まあ、ともかく、驚きの連続である事は、保証する。
(もちろん、とら基準で)。

ところで、本作を読んでいる間、私はこんなイギリスのジョークを思い出した。

紳士淑女の一行が、列車に乗って旅をしていた。
車窓の外では、羊の群れが、ゆっくりと草を食んでいる。
なんと牧歌的で心あらわれるような風景だろう。
それを眺めていた淑女が言った。
「このあたりの羊は、白いですわね」
対面の紳士が言った。
「まあ、少なくとも、こちらに見えている側は白いですな」

普通裏も白いってば!
……だが、このメニーメニー・シープにあっては、見えていない側が黒い事も、充分あり得るかもしれない。


天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)/小川 一水
天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)/小川 一水
2009年9月25日初版
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2009-09-26 19:45:31

『天冥の標 1 メニー・メニー・シープ (上)』

テーマ:日本SF・ファンタジイ

その星は、植民時にちょっとしたトラブルに見舞われた。
つまり、入植してから利用されるべきハード/ソフトウェアである「植民船」が不時着したという事故だ。
このため、多くの資料や資財が失われただけでなく、植民者は事実上、そこに孤立するはめになった。

残された家畜は、羊のみ。、
ゆえに、この星での牧畜といえば、ひたすら、羊、羊、羊……。
植民地の名も、メニー・メニー・シープとなった。
せめて、残された羊が、殖えて栄えますように!

羊、たくさんの羊。
羊の群れは、聖書にあるように、しばしば、民衆のアナロジーとされる。
大人しく、有用で、群をなし、導く者(羊飼い)に従う羊たち。
有用な家畜としての羊は、搾取される人々の姿にも重なる。

そう、彼らが入植した星は、極度に石炭資源が乏しく、それゆえに、電気の生産が難しくて、植民地の発電は、そのほとんどを、かつての植民船に負っている。
だからこそ、その植民船の制御システムを掌握している「臨時総督」が絶大な権力を握っているのだ。

物語の背景は、ざっと説明すれば、そういう星を舞台としている。
ここに、植民した人間と、特殊なロボット(複数種)と、地勢的なエイリアン(複数種)が絡み、第28代臨時総督である少年が、突然の失政を始めた事によって、物語が動き出すのだ。

下巻のあとあきによれば、本作は、作者が編集部から、「やれる事は全て詰め込んで書いて欲しい」と示唆されたのだそうな。
しかも、予定は全10巻。
小川一水が、やりたい事ややれそうな事を全て詰め込んだ10巻本!
既に、物語はどんでん返しにつぐどんでん返しになりそうな、波乱に富んだスタートを切っている。


天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)/小川 一水
天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)/小川 一水
2009年9月25日初版
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2009-09-25 20:52:59

『EX! (9) 』

テーマ:冒険・アクション

変貌した由良の、あたかも小ガモにインプリンティングをほどこしたかのような、一哉追っかけ行動発動。
それはそれで、別人28号の由良がかわいいというか、面白いのだけれども、
誰がなんと言おうと、今回の目玉は、一哉の「女子寮生活」であるはずだ!

……む。
やましいところは、一哉にはひとつもない(たぶん)。
由良の状態が予断を許さないうえ、彼女が元に戻るきっかけが一哉にあるかもしれないというので、ほんとうにやむなく、一哉は由良と、女子寮に住む事になったというわけだ。

男子諸君!(年齢不問)
うらやましいかーっ?

とら、ちょっと微妙(しっぽゆら~ん)。
作中でも、一哉の父が、とっても微妙な表情を浮かべながら愛息を心配するのだが、まあ考えてもみるがいい。
まわりがぜ~んぶ妙齢の女性という中で、暮らしていけるのか?

たとえば、設備ひとつとっても、「女子寮」であるからには、男子用のスペースは、用意されていないと思わなくてはならない。
いろいろと、肩身が狭いはずだ。
それに、一哉とて「としごろ」である事を思うと、無用な刺激に満ちあふれているそういう空間というのは、むしろストレスになるのでは?

なんといっても、女子の集団ってパワフルだからな。

まあ、天国ととるか、拷問ととるか、それは人それぞれだが、「それぞれ」なだけに、この状況には興味津々となる。
「いやあ~、もし、これが俺だったなら」
……とらだったら、女の子たちにもふられまくるんだと思うけど……(ちょっと、いいかもしんない)。

あ、いやいや。
ちょっとレトロな縁日風景もプラスして、いつもとはちょっと違った面白さだ。


EX! 9 (GA文庫)/織田 兄第
2009年9月30日初版(発売中)
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2009-09-24 20:52:32

『泥棒が1ダース』〈現代短篇の名手たち3〉

テーマ:ミステリ

ジョン・ドートマンダーは、泥棒である。
住まいはニューヨーク。
けっこう腕はいいらしいが、それなりに臭いメシを喰った事もあるし、第一、風采があがらず、ぱっと見は、どこにでもいる労働者のように見える。

ゆえに、ドートマンダーものは、一応、ピカレスクという事になるのかもしれないが、全く気取ったところがなく、どちらかというと、似合うのは「ペーソス」という言葉、いや、そこに到達しそうでありながら、足を踏み外して「スラップスティック気味」になることもある。

とてもうまく泥棒してのける事もあるし、笑うっきゃないような失敗に終わる事もあれば、実は、ぜんぜ~ん泥棒しない話まで含まれる。

いずれにせよ、そこには、ニューヨークという街があって、それは華やかな一方、ごみごみして汚くて、ともかく人がいっぱいいて、そこが魅力というわけなんだね。
つまり、読者は、ドートマンダーと一緒に、ニューヨークの一風変わった面白味を存分に味わう事ができるのだ。
(日の当たるところは、彼と一緒に、物陰から察するように。うんうん)。

私の好きなドートマンダーという男は、頭が切れるようでいて、みょうちくりんな愚鈍に見えるところもある、というやつだ。
たとえば、彼は、時々、とっさに偽名を名乗らなくてはならない時に……

「……えっと、ディダムズだ」
「ディダムズ?」
「ウェールズ系なんだ」
「へええ」

定番のギャグみたいだ。
ニューヨークにはアイルランド系は多いかもしれないが(とくに、警官に多いなんて話も聞くが)、
ウェールズ系はどうなんだろうねえ?
よくわかりません。
「へええ」にもそういうニュアンスがあるのかも。
しかも、ファーストネームは必ず、本名の(そしてありふれた)「ジョン」を使う。
そうすれば、呼ばれた時にミスる事がないから。
たぶん。

用心深いとも言えるし、見ようによっては、鈍いともとれる。
それが、いい味なんだよ(しっぽゆら~ん)。

洒脱といえば洒脱なところもあり、ともかくも、ドートマンダーものというのは、腹をかかえて笑うよりは、に~んまりしてしまう、そういう作品が多い。
もちろん、長編もいろいろ出ているが、短編は、気軽にいつでもすぐに好きなだけ読めるところが、なんとなくお得。


現代短篇の名手たち3 泥棒が1ダース (ハヤカワ・ミステリ文庫)/ドナルド・E・ウェストレイク
2009年8月25日初版
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2009-09-23 19:41:35

『D-魔性馬車』〈吸血鬼ハンター21〉

テーマ:日本SF・ファンタジイ

夢を見ない人はいない。
「いや、俺は夢は見ないよ」
と言う人は確かに多いけれど、それは、見た夢を忘れてしまっているからだ、と言われている。
まあ、要するに、人間は生理的に夢を見る生物だ、という事なんだろうな。

だからこそ、今回の敵は恐ろしい。
その夢に侵入し、人を操る存在だからだ。

そして、生理的に見るものならば、
「夢を拒否する術はない」
という事も、考えなくてはなるまい。

夢を見ないようにするには、寝ないでいる他はないし、そんな事は、そうそう続けられないからだ。

さて、その仕掛けがどんな舞台で動くかというと、「駅馬車」。
うん、タイトルからだいたいは想像がつくだろうけれど、遙か「西部」を旅した、あの駅馬車なのだ。

……と、作者は後書きで愛をこめて語っているのだが、う~ん、Dの読者であの古典的映画「駅馬車」をどれだけの人間が見ているというのか?
皆無ではないと思うが、名画すぎて、かなりレアな気が。
ゆえに、西部劇の事は考えずに、ただ、
「戻り人の青年を都へ護送するために、駅馬車が雇われた。貸し切りのはずが、強引に同行する乗客が2名。当然この一行は、青年を奪還しようとしているらしき、貴族の手先に襲われるが、そこに、途中からDがかかわる事となる……」
と、素直に、まんま受け取るのが良いのだろう。

Dは……。
変わらず、冷徹だ。
そして、変わらず、超人的に強い。
しかし、強いからこそ、内側にある種の「優しさ」があるのかもしれない。
だが、その真実は、読者を含めて誰にもわからないのかもしれない……。


吸血鬼ハンター 21 D-魔性馬車 (朝日文庫 き 18-33 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 21)/菊地 秀行
2009年9月30日初版(発売中)
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2009-09-22 20:51:27

『鋼の錬金術師 (23) 』

テーマ:日本SF・ファンタジイ

物語は、ほとんど進んでいない。
というのは、それだけ、帝都の決戦に時間がかかっているからだ。

それもそうだ。
セリムはアルたちと戦い、
ブリッグス兵は中央の兵と戦い、
アーンムストロング中将はブラッドレイ麾下の軍人達と対決して銃殺を宣告され、
しかしそこへ蘭悠したホムンクルスに、弟と二人で対抗し、かつ銃殺隊を強引に指揮下におさめ、
エドワードたちは例の秘密地下道へ進入し、
ちびさんはあの小さな体で中国拳法(っぽいもの)を駆使してエンヴィーから逃げ回り、
ロイとホークアイも地下道へ向かい、

よーするに、帝都のあちこちで、中央の兵とブリッグス兵とエドの仲間たちと、ホムンクルスたちが、
入り乱れて戦いまくっているのだ!

こういう状況では、テキストのみの小説よりもカメラで情景や人物を追いかける映画の方が、そしてそれよりも、各シーンをコマ割りして柄に描かなくてはならない漫画の方が、展開に時間がかかるものなのだ。
メディアの特性だから、仕方がないのだ!

だが、その中でも今回の要となるのは、「復讐」かもしれない。
ヒューズを失ってからこのかた、ロイ・マスタングはその下手人を追い続けていた。
まさしくその当人であるエンヴィーと、とうとう顔をつきあわせた時、ロイは、どうするのか。
いや、どうなるのか。
奇遇にもそこに居合わせるスカー、彼もまた、復讐に駆られてイシュヴァールから来た男なのだが、
ロイと、スカーと、エンヴィーの顔合わせは、いったいどう転がるのか?
そこには、人間とホムンクルスの違いがうかがえるのだが、
だとすれば、それは、帝都の地下中心にあってこの国を生み出したホムンクルスの「父」と、エドたちの「父」の対決にもつながっていくのかもしれない。


鋼の錬金術師 23 (ガンガンコミックス)/荒川 弘
2009年8月12日初版
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2009-09-21 22:48:29

『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS(5) 』

テーマ:冒険・アクション

例によって音楽関連の事項には、つっこみたいところが満載なのだが、
それを言っているとこのシリーズは読めないので、とりあえず全部、わきにどける。

今回は、怪獣大決戦なのだ!
(どこからともなく飛んできたっぽい、紅い精霊雷よけっ)

や、ほんと、始祖精霊が2柱に、上級精霊も入り乱れての大混戦。
これを、怪獣大決戦と言わずしてなんと言おう。
なんといっても、コーティが久々にもとの(大人の)姿になるのがいいですな。
しっかりとそれが口絵ピンナップになっているし。
うん、望むらくは、これを大判ポスターにして貼っておきたいものだ。
まあそういうわけで、「S」、このあたりがクライマックスのもよう。
まだこれからもクライマックスがあるのかもしれないけど。

そして、あっさりと出てきて、奪われてしまった4つの奏世楽器なのだが、比較的歴史の浅い鍵盤楽器が入っているのは、やはりいまいち納得ができかねる(笑)。
(む、やはり突っ込んでしまった)。
まあ、呼び方は物語中の「現代」の人がつけた、と考える事はできrぐあ、それにしても、鍵盤楽器につけた名前がイニフィニティ・ピアノとは……。
ピアノ、正式名称ピアノフォルテという楽器は、鍵盤楽器の中でも、エレキ系のものを除けば、最も新しいと言ってもいい。
そもそも鍵盤楽器というグループ名そのものが(ぶつぶつ)……。
あー、ともかく、簡単に言うと、鍵盤楽器と呼ばれるものはほとんど全てが、なんらかの複雑な機械的構造を必要とするので、畢竟、新しい時代のものなのだ。
だから、そゆもので世界が創世されたというと、な~んかちょっと違和感があるのですな。
そこらへん、いずれうまく辻褄があわせられるのであろうか。

いずれにせよ、4つの奏世楽器は、この鍵盤の他、打楽器と管楽器と弦楽器だそうな。
もの凄い歳月を閲してしまったせいか、いずれも、石のようなものに封じられているらしい(化石っ?)。
だが、気になる。
弦楽器はやっぱ、エターナル・ホワイト、のはず、だよなあ……?
石になったあれの姿はどうなっているのか、そしてブランカはどうなっているのかっ。
打楽器と管楽器は今回がまるっきりの初出だけれど、弦はすでにポリ白があるだけに、気になるところ。

まあ、フォロンたちが奪われた楽器を取り戻しに行くもようなので、続きを期待して待つ!


神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS 5 (GA文庫)/榊 一郎
2009年9月30日初版(発売中)
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