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2008-06-30 23:00:06

『チャリオンの影 (下) 』〈五神教シリーズ1〉

テーマ:海外SF・ファンタジイ
この物語は、素晴らしい結婚式と婚約式を含む、大団円で幕を閉じる。
表紙がその幸せなカップルの片方。
2組のカップルが誰だれであるかは、読んでない人は想像していただくとして……。

さて、1巻『チャリオンの影』と2巻『影の棲む城』を比べてみた時、
どちらも、神と魔、祝福と呪詛という神学的なテーマを扱っているし、またその前提となる五神教というのがうまくできていて、
読者としては、その点、夢見るようなファンタジイというより、
スタンスとしては、論理の積み重ねに偏重しがちな、SFとかミステリに近いと思う。

しかし、あくまでそれがSF臭の強いものにならないのは、
五神教の世界があくまでも我々の世界の物理法則などに左右されない、純粋に、「五神教」という独自の理論体系に依っているからだ。

勿論、そういう世界構築は、SFでもファンタジイでも、絶対必要なものなのだけれど、SFならSFなりに、ファンタジイならファンタジイなりに、「それらしい」世界を構築する事ができるというのは、ビジョルドがそもそも、異世界を創る事に長けた作家なのだと思われる。
彼女は勿論、キリスト教圏の作家なわけだけれど、そちらの作家にありがちな、
「どんなにどんなにがんばって異世界を創っても、基本的な発想がキリスト教的」
という特有の臭みが感じられないのは素晴らしい。

かといって、世界のあちこちに既存の他宗教を感じさせるところもない。
モデルのない、全くのオリジナルって事なんだよなあ。
……うまいっ(笑)。

しかし、その世界を存分に作家として使用しているのは、2巻の方。
1巻は、まだまだそれほどでもない。
神と魔ではなく、祝福か呪詛か、という、より低位の問題を扱っているからかもしれない。
ただ、物語の楽しさという視点からすると、1巻の方がよりカジュアルであり、エンタテイメント性が高いと思う。
また、1巻と2巻は、同じ国の人が主人公で、さらに、キャラも一部かぶっているので、これから手を出すのなら、1巻と2巻は続けて読むとより楽しいだろう。


チャリオンの影 下 (創元推理文庫)/ロイス・マクマスター・ビジョルド
2007年1月31日初版
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2008-06-29 21:37:32

『ヴィンランド・サガ (6) 』

テーマ:歴史・時代小説
一話完結式ではない、大河形式の漫画なので、これといって途中の巻を語るのは……というむきもあるかもしれないが、
今回はかなり重要なポイントが含まれている。
それは、あのなよっとした美形の王子が、とうとう、王としての意識にめざめるというところだ。

まあ、キャラが化けるというのは、どんなキャラでも面白いところなのだが、
「使用前」 ←→ 「使用後」
というのは、ダイエット広告を見るまでもなく、劇的であればあるほど、面白いわけだ。

もっとも、もとのキャラがキャラだけに、彼の開眼は、なかなかサイレントな感じで進行する。
(但し、その分、決闘騒ぎが華々しいので、漫画の進行が冗長な感じはしない)。

語られるトルフィンの父親の過去、
それと重なる「王の郭靖」、
決闘の経過とあいまって、今回は全体的にドラマティックな展開と言える。

また、ここまできてようやく、物語の中心となるキャラクターが集まり始めた雰囲気が濃厚となった。
や、そうすると……これ、どのくらい続く話になるのか?
やはり、相当な大河ドラマになる予感濃厚。
今のテンションが続く事を切に望む。

ところで、裏表紙おりかえしにある作者のあとがきに、次男誕生のおしらせ(おめでとうございます)に加え、この漫画が殺伐とした話なので子供には読ませられないというような事が書いてあった。
うーん、どうなのだろうなあ。
暴力といってもいろいろあるわけで、殺伐としているから一概にだめというのはいかがなものか、とも思うのだが。
そういや、小刀は危ないからだめ、と言われて子供に持たせなくなったあと、「最近の子供はナイフで鉛筆が削れない」と問題になったという話をかつて聞いた事がある。
要は正しい使い方を教える(または、その意味を考えさせる)というところが重要だと思うのな。
とすると、本作は、別に子供に読ませてもいいのでは……(笑)。
そんな風にも考えるのであった。


ヴィンランド・サガ 6 (6) (アフタヌーンKC)/幸村 誠
2008年6月23日初版
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2008-06-28 22:16:52

『チャリオンの影 (上) 』〈五神教シリーズ1〉

テーマ:海外SF・ファンタジイ
2巻目にあたる『影の棲む城』で活躍するフォイは、実際には1巻ですでに登場している。
とはいえ、主人公は、イスタ国太后が相談相手として信頼する宰相、カザリルであり、物語は国姫イセーレとその弟が、世継ぎとして王城へ迎えられるあたりから始まる。
カザリルはちょうどその直前に、奴隷としてとらわれていた国と、その時得た傷から回復の途上にあって、仕事を求めに、かつて自分が使えた藩主の城へ赴くのだ。
『影が棲む城』の方で触れられる、カザリルと、聖者の関連性も、この物語の中では当然、詳しく語られる。

さて、1巻と2巻を比べた時、物語として登場人物がいきいきしているのは、やはり2巻という事になるのだが、それでも、1巻には全く違う魅力がある。
1巻の主人公カザリル、
2巻の主人公イスタ。
どちらも、過去の事件によって、半ば壊れた人物として登場する。
そこは共通なのだけれども、カザリルは男で、イスタは女という大きな違いがあって、この場合、男である方がキャラクターの魅力が増すように感じられるのだ。

あえて性差別をするというのではなく、
中世的な舞台にあって、当然、男はまず強くある事を要求されているわけで、
(そして、女性は保護される、従属的な立場となるため、ある意味、壊れているという事実が男性ほどの「傷」に見えない)
ほんとは凄く有能(!)なのに、過去に受けた大きな傷がもとで、へたれになってる男というキャラができあがる。

これが、現代社会のストレスに悩まされる読者には、大いに共感できるのではないか。
疲れて壊れてへたれなキャラクター。
もう自分に自信が持てなくなっているような。
まあ、ここらへんで一気に共感して、その実、この人ほんとはこんなに凄いんですよ、とだんだんあかされていく。
最初が悲惨なだけに、その過程はちょっと快感だと思う。

一方、シリーズタイトルが「五神教」となっているだけに、このシリーズ、神と魔のかかわりがテーマにもなっているのだが、庶子神という、神と魔のハーフである存在が介在するため、キリスト教圏で書かれた物語としては珍しく、
「それ(その力、その魂、その現象)は、神のものなのか、それとも魔のものなのか」
という命題が、必ず登場する。
今回も、上巻で、神の力をその身に受ける事となるカザリルに、
「(神の)祝福と呪詛は、実は紙一重なのかもしれない」
という趣旨の言葉が投げられる。

それは、2巻でもっと発展するアイディアになるが、1巻ですでに、その芽は、芽と言えないくらい大きく顔をのぞかせているわけ。
また、その微妙な状況を、敵役である四神教の国、ロクナル出身の聖者が案内役となるという点も、なかなか面白い。
庶子神、そしてこの聖者の存在があるために、物語そのものが、「ボーダーラインの持つ面白さ」を存分に備えているんだね。

ビジョルドは、やっぱり、面白い。


チャリオンの影 上 (創元推理文庫)/ロイス・マクマスター・ビジョルド
2007年1月31日初版
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2008-06-27 21:45:08

『ゼンダ城の虜』

テーマ:冒険・アクション
NHKが英語テキストのコラムなどに使っているという、英語のエッセイみたいやつ(新書サイズ)が、なんだか売れているらしい。
「この1冊で洋書デビュー」みたいなキャッチコピーが、やっぱりなんか、まだひっかかるのだが(笑)。
うーん、自分の洋書デビュー(!)はなんだったかな。

厳密にいうと、英語の本は子供の頃に絵本から入ったし、
親父が『かもめのジョナサン』のペーパーバック版を持っていたし、
自分でペンギンとかパフィンとか買ってきたり……。
いろいろあったが、きっちり最初から最後まで読んだのは、これかな。
『ゼンダ城の虜』。
ごたぶんにもれず、英語の先生に読まされたんだけどね(笑)。

しかし、これは燃えた!
当時既に、この文庫本が出ていたのは知っていたのだが、意地で、全部英語で読み通した。
そう、意地で。
つか、頭が英語モードになってれば、やっぱ、台詞は原文の方がかっこよかったりするし。
後に訳文で読んでも、それはそれで、また、かっこいいと思ったけれどね。

簡単に言うと、これは、影武者の物語。
顔も形もそっくりの兄弟が、王位を狙ってすりかわりを企むというのは、デュマの『鉄仮面』だが、
こちらはもう、窮地にある「王」を助けるため、偶然その地を訪れた青年(もちろん、驚くほどそっくりの外見)が、影武者となって活躍するというものなのだ。

日本で影武者といえば、領主の替え玉として危地に立ち、艱難辛苦を耐え忍ぶ……みたいなパターンになりがちだが、こちらは、もう、義侠心からその役目に奮闘するので、妙に清々しく、かつ、華々しいのだ。
そこらへん、系統としては、『鉄仮面』のデュマじ通じるところもあり。
これまた後に読んだ『スカラムーシュ』などとも比べてみると、要するに、本作、西洋チャンバラのある種典型的作品だと言えそうな気がする。
まあ、日本のチャンバラでもそうかもしれないが、そこにあるのは、騎士道だけでなく、あくまでも「義侠心」。
(それ言ったら中国にも武侠小説なんてのがあって人気だ)。

人間、侠気は大切なんだな。

で、そういうものが好きなら、はまっちゃう小説というわけか。

まあ、一度でも
「そんな事では男がすたる」
とか思った事があるならば、読むのをお奨めする。


ゼンダ城の虜 (創元推理文庫 F ホ 4-1 Sogen Classics)/アンソニー・ホープ
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2008-06-26 21:28:05

『影の棲む城 (下) 』〈五神教シリーズ2〉

テーマ:海外SF・ファンタジイ
前半にあたる上巻では、いまいち話が動かないように思えたのだが、さすが、下巻ともなるとどんどんと物語が進む。
一応、攻城戦などもあるのだが、基本、ヒロインが「神の器」という設定もあって、神と魔の戦いがメイン、と言えるだろう。

ヒロインであるイスタは、神の器だ。
一度神の器となったため、なんかそういう回路が開いちゃってるのか、彼女のもとには、いろいろな神が訪れる。

そもそも、五神教という設定が面白い。
父神、母神、姫神、御子神、という風に、要するに理想的な家族を構成しているわけで、この正統な家族構成のみを「神々」としているのが、敵となる四神教。
で、五神教は、ここに、庶子神という五番目の神がいるわけだ。
神と魔のハーフみたいな存在である庶子神は、今回イスタを突き動かす、いわばドライヴァーとなるのだが、その「出自」のためか、端役的に登場する父神などより、全然「神」らしくないし、
いやまあ、この神は、同性愛者の守護者だったり、それだけでなくえっちぃところのある性格らしく、イスタへの接し方が、どうも、イヤらしい(笑)。

しかし、そのイヤらしさが、なんとも憎めないというか、ちゃんと神としての尊厳があるにもかかわらずという、微妙にうまいカラーを持っていて、魅力的なキャラになってるのだ。
ヒロインや、その恋人になっていくある人物を含め、ヒロインのまわりを固める人々も、みな、それなりに魅力的だが、この庶子神にはかなうまい。

そういえば、カティラーラ摩郡妃のすごいジコチューぶりや、
哀れな下男として登場しているゴラムの前身が終盤あかされるところなど、
どちらかというと、アメリカのテレビドラマで活躍しそうな美男美女より、ちょっと壊れたキャラの方が魅力的に感じられるのは面白い事だ。

そうすると、イスタを裏返したような、古き魔の器、ジョコナや、その息子である大公は、あくまでも敵役的な登場しかしないのだけれど、もうちょっと描写してもらえていたら、さらに魅力的なキャラが増えていたようにも思う。

大団円はなかなかそそる内容で、イスタを主人公とする続編があるんじゃないかと期待させるが、あとがきによれば、残念ながら第3巻は、全く違うキャラクター群が、全く違う国で動くらしい。
チャリオン周辺の物語はこれで終わりという事なんだが、やっぱ残念、イスタの話はもうちょっと先を読みたい気がする。


影の棲む城 下 (3) (創元推理文庫 F ヒ 5-5)/ロイス・マクマスター・ビジョルド
2008年1月11日初版
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2008-06-25 20:32:49

『SIBERIA』/『シベリア動物誌』

テーマ:自然と科学
シベリア、なのだ。
そう、シベリア。
どういうイメージがあるだろう?

日本人は、わりかしロシア文学を好むせいか、そして、抑留されていた人たちの記憶があるせいか、シベリアというと、「流刑地」とイメージする事が多いように思う。

しかし、北方四島を見るまでもなく、実はシベリアというのは、日本のすぐ隣に位置するわけで、海をちょっといけば、そこはもうシベリア。

さて、写真家の福田俊司は、そんなシベリアの写真を多数撮影してきた人だ。
私の手元にあるのは、昨年のクリスマスにプレゼントしてもらった、『SIBERIA』という写真集なのだが(朝日新聞社刊)、こちらは今現在、入手が激困難、な模様。
(探し出してプレゼントしてくれた、かの人に、最大の感謝)。

シベリアに住む生き物の写真を、その著書や写真集でたくさん見る事ができる。

あのあたりにいる動物というと、すぐに思い浮かぶのが、熊とかシベリア虎とかだと思うがどうだろう?
まあ実際、私も、あのあたりの動物で興味があるのは、シベリア虎とアムール豹とアムール山猫とホッキョクグマあたりだが……!
……そういうイメージが強いわけだし。
北方系のネコ科の猛獣って、そりゃもう魅力的だし。
とくに、虎。
次に豹。
寒いところにいるだけに、毛皮がもふもふなのだ。
表情も凄くいい。
(また、この写真家の撮った写真が、イイ)。

しかし、それ以外の動物に目を向けた時に、驚くのは、
たとえば、日本鹿がいたりすること。
ヒグマが、北海道にもシベリアにもいたとして、それは不思議はないだろうけど、日本鹿だぞ。
エゾジカではありません。
まあね、沿海州などは、考えてみると、日本海破産で本州と対面してるわけで……。
ロシアって、ほんと、思い切り隣国なんだなあ、と思う。
地理的には、中国や朝鮮半島より近いのだ。

今、中国の公害がいろいろな理由でクローズアップされているが、当然、地理条件から、シベリアは、中国と日本と、両方の国に影響する。
たとえば、中国の化学工場の事故で、川が汚染された結果、下流にあるロシアの町が大きな被害を受けたというニュース、確か去年の話だったと思うのだが、この時、流域の野生動物も大きな被害を受けた。
ただでさえ絶滅危惧種の虎や豹が、さらに打撃を受けたと、保護団体でもリポートされていた。

もちろん、中国の問題だけではなくて、
旧ソ連からロシアになってから、シベリアの乱開発が進んでおり、それによる環境破壊が著しいという話も、本の中で触れられている。
そして、中国の汚染が日本に影響するなら、当然、シベリアの環境破壊も影響があるはず。

いやまあそれを言うなら、地球はどこかでグローバルにつながっているはず、ではあるのだが。
しかし、そういうのを実感するには、やはり、ビジュアルが一番。

ん?
ああ、小難しく考えなくても、写真が美麗なのでそれを楽しむだけでもOK。
虎と豹がいいし(‥
なんつっても、見るからに美麗でもふもふ……(以下略)。

こほん。
図書館などで見かけた際には、ぜひページをめくってみよう。
お奨めする。


シベリア動物誌 (岩波新書)/福田 俊司
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2008-06-24 21:16:29

『トッキュー!! (19) 』

テーマ:冒険・アクション
ダムっていうとなんか凄く「男の世界」を感じるのだが、どうだろう。
そういや子供の頃、黒部ダムの話とか、かなり夢中で読んだ記憶がある。
学校の図書室で。

そういうわけで、今回は、なんとダムの話だ。
内陸部の町に、洪水被害からの住民救出へ向かうトッキュー。
後半は、ダムそのものからの救助も絡み、1巻全体、スリリングだ。
正直、冒頭にくる、メグルと女の子の話は、ちとうざかったのだが、それをふっとばすくらい、スリリングで面白い。

水中の救助と一口にいっても、まあ、いろいろあるわけだな。
濁流となった川の中なんてのは、そりゃ全然、海とは違うだろうし。
実を言えば、その差が、前半、それほど伝わってこなかったのは残念だが、それもダムに入ると俄然かわるので、前巻の、船火災同様、いつもとはちょっと違った救助を見る事ができるわけだ。

もうひとつ、今回だけのスペシャルドラマというのがあり、第6隊の副隊長が、他へ転出する事となり、その後釜を、メグルと兵悟が争う事になってるのだ。
どちらもまだ若手、とはいえ、そういう話が振られるくらいのポジションにはなってたんだな。
……成長してるなあ……!
最後の最後までこの話がどう転ぶかわからず、さらにはメグルと兵悟の違いもいろいろ明らかになり、
(もちろん、今までとは違うところで)、
まあ、全体的に、二つのドラマがからみあい、本巻は非常に面白くなっていると言えるだろう。

それにしてもやっぱライバルがいるというのは良いものだよなあ……。
たまに、めんどくさいけど。


トッキュー!! 19 (19) (少年マガジンコミックス)/小森 陽一
2008年6月17日初版
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2008-06-23 20:32:56

『影の棲む城 (上) 』〈五神教シリーズ2〉

テーマ:海外SF・ファンタジイ
ご注目。
この表紙画像の人が、本巻の女主人公である、国太后イスタ。
めちゃ美人で私の好みに描かれているのだが、これでも40歳になろうという一児の母。
ところどころで、自分の年齢や、美貌の衰えを嘆くのだが、いいじゃないですか。
登場する男は、たいてい、彼女の美しさを認めている。
うーん、いいよね、美しく年齢を重ねた婦人って。

さて、彼女はかつて「神に触れられた」事があるという、不幸な体験の持ち主だ。
ありがちな話だが、そういう不幸な目に遭うと、たいてい、あとからも目をつけられちゃうのだ。
神々というやつに。
で、神々というのは、ふつー、人間の都合は一切聞いてくれないため、彼女は不本意ながら冒険に乗り出す事になり、
なんと、彼女が若かりし頃、やむなくおかした致命的なミスも手伝って、神と魔との、人間には迷惑な駆け引きに巻き込まれるのだ。

上巻は、まさしく、彼女がある神に導かれて、とある城にたどりつき、魔とめぐりあうところまでを語っている。
上下巻だから、話の前半とはいえ、ここではまだ話は劇的な動きを見せず、じわり、じわりと、魔の出現についていろいろな角度から述べられているだけだ。

これがほんとに「じわり」であって、
まずは神官がとらえて運んでいる途中の、イタチにとりついた弱い魔から始まり、
熊に取り憑いていた魔を経由し、
複数の人に乗り移った強い魔が登場する。
こいつがどうやら、主人公の敵となるようだが、なんとこれが、ヒロインが罪の意識を抱える家系の男子(美男らしい)と、その若い妻(かわいい美人らしい)と、庶出の弟(いい男らしい)、3人を複雑怪奇に結びつけており、そのあやとりをうまくこなす事が、主人公に求められているようなのだ。

なかなか、人間関係、複雑であります。

美男美女が揃っているわりに、ロマンスが絡み合うかどうかは、なんとも微妙なのだが、
とりあえず、神と魔は、この4人を介して複雑に絡み合っている、ように見えなくもない。
そう、はっきりと言い切れないほど、上巻では話が進んでいないのだ。
シーンは動いているんだけどね。


影の棲む城 上 (1) (創元推理文庫 F ヒ 5-4)/ロイス・マクマスター・ビジョルド
2008年1月11日初版
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2008-06-22 21:10:29

『ダーリンは外国人』

テーマ:その他
最近、コミックエッセイという言葉を聞く。
どういうのかというと……。
漫画にしては大きめの版形(A5くらいか)で、
内容はわりかし、作者の日常を描いたようなもので、
絵は劇画より、むしろ4コマとかに近い感じ。

ブームなのか、いろいろなのが雨後の竹の子のように出ているようだが、
その中で面白いと思ったのが、これ。

漫画家である作者(主人公)が、
外国人(イタリア系)である男性とつきあいはじめ、
結婚し、最新巻では赤ちゃんまで生まれて……。

まさしくその日常を、漫画形式で書いてあるわけ。

日記形式のブログが人気であるように、いや、そもそも平安時代の日記文学流行りがあるように、
そもそも日本人ってそういうのが好きであるらしい。
ゴシップというのではなく、ほんとに、日常を見るのが好きなわけな。

従って、このジャンルとしては、いかに、平凡なようでいてちょっとユニークなものを打ち出していくのか、というのがポイントであるように思う。

その点、二人で部屋を探すあたりも、
・片方が外国人
・もう片方が漫画家
という、アパート探しづらい二重苦が、とストレートに語っているあたりが、なかなか赤裸々で面白い。

ある意味、架空要素が非常に少ないものなので、読書の楽しみという点では薄いと思うが、軽いエンタテイメントとしてはいけると思うのだ。
や……まあ、それだけの事ではあるんだけれども。


ダーリンは外国人―外国人の彼と結婚したら、どーなるの?ルポ。/小栗 左多里
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2008-06-21 22:00:08

『EX! (5) 』

テーマ:冒険・アクション
先月の新刊として、5巻が発売になった『EX!(エクス)』。
なぜか5巻の画像やデータが出てこないので、やむなく手前の4巻のものを貼っておくが……
5巻、今までとちょっと雰囲気が変わっている。
いちおう、後の展開につながっていくこととは思うのだが、
章ごとに違うキャラに焦点をあわせつつ、
今までは表に出る事のなかったそれぞれの日常、
つか私生活、
いや、私生活のちょっとした秘密というやつを、
ある意味赤裸々につづっているのだ。

まるで同人誌のように!(笑)。

勿論、作者自身が作る、次作の二次創作的同人誌というのは、今時珍しくもなんともないが、
それそのものが、まんま、GA文庫で出るというのは、このレーベルならではだろう。
ある意味ちょっとぜいたくかもしれない。

主人公はもとより、ゆらっちにリョーコ、十季子に美尋、
それどころか、「あの」ストームまで登場するのだ。
しかもほほえましい。
いや、ほんとうだって(ぷぷ)。
ここらへんも、同人誌的醍醐味なので、ファンは読むべし。
絶対に楽しめる。

惜しむらくは、主人公の良心が出てきていないという事なのだが、どうもそれは次巻に……という事らしいので、実は本巻でのドタバタの、続きも期待できそうなのだ。

シリアスな展開もいいんだけど、こういうのもいいね。


EX! 4 (GA文庫 お 1-5)/織田兄第
2008年5月31日初版 (但し、5巻)
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