【夜と霧 フランクル】 どんな夢も、最悪の悪夢も、この現実に較べたらマシだ | 本好き精神科医の死生学日記 ~ 言葉の力と生きる意味

本好き精神科医の死生学日記 ~ 言葉の力と生きる意味

「こんな苦しみに耐え、なぜ生きるのか…」必死で生きる人の悲しい眼と向き合うためには、何をどう学べばいいんだろう。言葉にできない悩みに寄りそうためにも、哲学、文学、死生学、仏教、心理学などを学び、自分自身の死生観を育んでいきます。

もう8月。
夏休み恒例の、朝のラジオ体操の季節ですね。

「新しい朝が来た、希望の朝が」

このフレーズしか覚えてませんが(^^;)




■被収容者の夢
―――――――

とにかくあれは忘れられない。
或る夜、隣で眠っていた仲間が何か恐ろしい悪夢にうなされて、
声をあげてうめき、身をよじっているので目を覚ました。

以前からわたしは、
恐ろしい妄想や夢に苦しめられている人を見るに見かねるたちだった。
そこで近づいて、悪夢に苦しんでいる哀れな仲間を起こそうとした。

その瞬間、自分がしようとしたことに愕然として、
揺り起そうとさしのべた手を即座に引っ込めた。

そのとき思い知ったのだ、どんな夢も、最悪の夢でさえ、
すんでのところで仲間の目を覚まして引き戻そうとした、
収容所で私たちを取り巻いているこの現実に較べたらまだマシだ、と・・・。



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夢か現実か。

悪夢のような現実は、実際に身の回りで起きている。

夢なら覚めてほしい、と願いたくなるような現実が。


夢と現実、どちらが恐ろしいだろう。


夢を見ているときは、覚めてほしいと思い、

現実にいるときは、夢を見たくなる。




人生そのものも、夢のようだと述懐する人は少なくない。


 四十九年一睡夢、一期の栄華 一盃の酒 (上杉謙信)

 露と落ち露と消えにし我が身かな 浪速のことは夢のまた夢 (豊臣秀吉)



苦しい想いをするために生きるのではないはず。

夢を見るため、寝るために生れてきたのでもない。


ぼくは、どれくらい希望にみちた目覚めができているだろうか。






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