神との対話16(期待した自分がバカだった編) | 西澤ロイ(コトバの宇宙探検家)

神との対話16(期待した自分がバカだった編)

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西澤ロイ(コトバの宇宙探検家)-神との対話16(期待した自分がバカだった編)




神さま、期待した私がバカだったんでしょうか?



「なんだね、やぶから棒に。」



彼に・・・また浮気されたんです。

2ヶ月前になんか怪しいと思って、問い正したら浮気をしたって

白状して、土下座して「もう二度としない」って誓ったのに、

またですよ!!

それもたったの2ヶ月で!

期待した私がバカだったんでしょうか?



「そうかもしれないね。」



でも、悪いのは彼じゃないですか!

私は彼にチャンスをあげたんですよ。

そんな私がバカなんですか!?

それって世の中、間違ってないですか?



「そう思いたいなら、そう思うがよい。」



そ、そんな・・・

神さま、何とかしてくださいよ。



「私はあなたがたに自由を与えた。

好きに考え、好きに判断し、好きに行動する自由をだ。

だから、あなたがどう思おうと自由だ。

自分がバカだと思いたいなら、そう思えばいい。

世の中が間違っていると思いたいなら、そう思えばいい。

全ては自由なのだよ。」



でも神さま。

じゃあ、浮気をするのも自由ってことですか?



「そうだよ。」



えーっ!

じゃあ、人殺しも?



「うん。」



し・・・信じられない・・・

あなた、本当に神さまなんですか?

あなたの言うことが急に信じられなくなりました。



「そう思うのも自由だが、なんでだね?」



だって、浮気はまずいじゃないですか。

人殺しだって良くないし。



「うん、そう思うのも自由だよ。」



えっ、なんか混乱してきました。



「あなたたちの今の常識では、この世の真実は捉えきれない。

だから混乱するのが普通だよ。

ただ、そこで『信じられない』と言うのは単なる拒絶だ。

もちろん、あなたが信じるかどうかも自由なのだが、

そもそもあなたが信じようと信じまいと、この世はずっと

同じように存在する。

いままでも存在してきたし、これからも存在し続ける。

そういう事実を受け入れないことは、あまり賢明な対応とは

言えないな。

それと私は、浮気も人殺しも行なうのは『自由だ』と言っては

いるが、別に『推奨』はしていないよ。」



なるほど。

じゃあ神さま、ひとつ教えて下さい。



「さっき、私のことが信じられないと言っていたんじゃ

なかったかな?」



それはー、さっきの話ですって^^

こんな一瞬で信頼を回復なさるなんて、さすがです。

いよっ、大統領!

・・・もとい、神さま!



「まったく調子がいいな。意味がよく分からないが、

あなたのそういう所、嫌いじゃないよ。

で、何が聞きたいのかな?」



彼の浮気に対する、賢明な対応方法を教えて下さい。



「それは素晴らしい質問だね。」



わーい、ホメられちゃった。



「あなたにしては珍しい。」



えへ。



「では、素晴らしい質問に対して、素晴らしい答えを

返してあげよう。

あなたは、彼が浮気をしたことが問題だと思っているね。」



はい、当然じゃないですか。



「あなたは自由な存在であり、何を問題だと思うのも自由だ。」



えっ?

・・・ということはつまり、浮気を問題だと思う私が悪い

ということですか?



「そうではない。この世の中には何もないのだよ。

全てがあるのだが何もない。

あなたはその全てについて、全てを決める自由を持っているのだ。」



あのー・・・神さま、全然意味が分かりません。



「今は分からないかもしれないが、3ヶ月後か、1年後か、

はたまた10年後には分かるようになるかもしれない。

だから、今の言葉をたまに見返してみるといい。」



はい。



「さて、『問題』というものについて1つ知っておくといい。

問題を作っているのは、あなたたち1人1人の考えだ。

その考えの結果、あなたたち1人1人の心の中に

問題が生まれる。だから、誰かにとって問題なことが、

他の人にとっては問題ではないかもしれない。

今回、浮気はあなたにとっては問題だが、

彼氏にとっては全く問題ではないように。」



そっか…、彼にとっては問題じゃないんですね。



「そう。だから、問題が起こったと思った時には、

次のように質問するのが賢明だ。

“私のどんな考え方がこの問題を生み出したのだろう?”」



なるほど。

で、私のどんな考え方がこの問題を生み出したのですか?



「え、丸投げ…?

ちょっとは自分で考えたらどうかね?(汗)」



分かりました。


・・・・・・・・・・


で、神さま、私のどんな考え方がこの問題を生み出したのですか?



「ずいぶん早いね。。。」



私の中で“ちょっと”というのは3秒なんです。



「まあいいだろう。

あなたは『期待した私がバカだったんでしょうか?』と言ったね。」



はい。



「そこだ。」



えっ、どういうことですか?



「そもそも『期待をしていない』のに『期待をしている』と

思っている、あなたのその考えが問題を生み出しているのだよ。」



え、私は彼に期待してたんですよ。



「いやいや、だから、あなたはそもそも期待をしていない。

あなたがしているのは要求だよ。」



え、相手に浮気をしないで欲しいと思ってはダメなんですか?



「どう思おうがあなたの自由だよ。

でも、期待と要求は全く別物だ。

そして、相手にできないことを求めるのは要求だ。

浮気をする相手に、浮気しないことを求めるのは単なる要求だよ。」



じゃあ、浮気しないで欲しいって期待しちゃいけないんですか?



「そうは言っていない。あなたがしているのは要求であって、

期待ではないのだ。」



一体、何が違うんですか?



「『期待』という字をよく見てみることだ。

『期を待つ』と書くね。」



はい、私も待ちました。



「1回だけね。」



それではダメなんですか?



「それでは『期待』とは呼べないということだ。

私がやっていることが本当の期待だよ。

相手ができるようになることを永遠に待つのが期待なのだ。」



永遠って、人間は死んじゃうじゃないですか。

ムリですよ!



「別に、期待したまま亡くなることもできるがね。」



でもそんな、できるかどうか分からないことを、

ずっと待ち続けるなんて大変じゃないですか!



「それは、期待の素晴らしさを分かっていないだけだよ。

あなたは赤ん坊や子どもを見て、その子の将来にワクワク

したことはないかい?」



ありますよ。



「それこそが、期待がもたらす素晴らしい感情だよ。

それを感じていたら、大変だなんて全く思わないだろう。

でも残念なことに、多くの人は期待し続けることができていない。

いつの間にか、期待を要求にすり替え、どうしてできないんだ

と腹を立てはじめる。

でも、今できないことは、要求したところで当然できない。

つまり、できるようになることを待つしかないのだ。

だから、期待をするのが賢明な態度なのだ。」



なるほどー。



「あなたは、浮気をした彼にチャンスを与えたね。

その時にどんなことを思った?」



彼と今まで以上に理解し合えた気がして嬉しかったです。


・・・でも、それも勘違いだったんですね。。。

結局、裏切られるし。



「いや、それは違う。

あなたと彼が、それまで以上に理解し合えたのは事実だよ。

ただ、残念ながら、あまり深くなかっただけだ。

その結果、また浮気事件が起こり、あなたは無意識に

期待することをやめて要求に切り替えた。

つまり、あなたが裏切ったと言うこともできる。」



いえいえいえいえ、とんでもない。

私は裏切ってません。彼に裏切られたんですよ。



「彼は最初から浮気を繰り返しているだけだ。

その彼に対して、あなたが勝手に期待をし、期待をやめたのだ。

『裏切り』は言い過ぎかもしれないが、『諦めた』のはあなただ。」



確かにそうかもしれません。。。



「多くの人たちが『期待』と『要求』を混同している。

『期待』のつもりで『要求』をするから『諦め』が生まれるのだ。

もしくは、他人に『期待するな』とか言い出すのだ。

でも全ては『期待』という素晴らしい行為ができていないだけなのだ。


さっきあなたは『期待した私がバカだったのか』と言ったね。

正しくは『できないことを要求した私がバカだったのか』

だろうね。確かに賢明なことではないね。」



そっか、、、バカ丸出しですね。。。



「私はそうは思わないよ。できないことを要求していた

ことに気づいていなかっただけなのだから。」



それってバカじゃないんですか?



「『事実』と『判断』を分けて考えてみようか。

あなたが気づいていなかったという事実があるだけだ。

それをバカだと判断するのはあなたの自由だよ。」



なるほど。

バカだと思う必要はないんですね。



「そう、全くない。」



で、私は彼に対してどうすればいいんでしょうか?



「参考までに、神である私がどうやって『期待』するかを

教えてあげよう。

あなたは1回だけチャンスを与えたね。

私はその人が望むだけ、永遠に無限にチャンスを与える。」



そんなこと、私には無理です。



「だから言ったではないか。

私はあなたたちに自由を与えたのだ。

何回許して、何回期待しようと、それも自由だ。

無理だと思うのも、許せなくなるのも、それも自由だ。

その人と一緒にいたいなら許せばいい。

もっと期待したいなら、そうすればいい。

この人とはムリだと思ったなら、離れればいい。

それだけのことなのだ。

それが、私があなた方に与えた『自由』なのだ。


だから、『良い』『悪い』で判断するのはやめなさい。

そもそもあなたが出会っているのは、今のあなたに

ふさわしい人なのだから。」



(※これはあくまでもパロディーです)