本日は日本精神神経学会があったので休みを頂いて幕張メッセまで出向いた。
シンポジウムの中で【大学生の発達障害の現状と対策】という非常に興味深いものがあったからだ。
五人のパネリストの中に東京大学学生相談ネットワーク本部 渡邊慶一郎氏  文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 田中裕一氏 がいらっしゃった。
(他の三人のパネリストは一橋の先生と厚労省の方とUFJ銀行の方だった)
内容は概ね、ASD等発達障害の特徴がみられる学生は大学生活で学業や就職活動、対人関係に於いて困難に直面することが多いため大学としてはそれに対してどのような対策を講じているかとのこと、また行政としてその法的整備はどうなってるかの説明であった。
で、最後の質疑応答の時に『大学が発達障害のある学生に対して支援体制を強化しつつあることは了解したが、その一方で入試に於いてペーパー試験よりも人物重視を名目に面接重視のAO入試に傾きつつある現状は、上記の方針と相反するものではないか?
特に秋田大学医学部の入試にあったように発達障害があると思われる受験生を如何に試験の成績が優秀であっても面接のみで不合格にすることは大学の本音としては、ASD等の可能性がある学生は入口の段階で撥ねてしまいたいということではないか?』と質問してみた。
東大の渡邊氏は『うーん、東大上層部の考えは正直解りませんが、面接重視のAO導入が入り口で撥ねることに今後繋がっていくことは無いと思いたい。。。』とかなり受け答えに困窮していた。
結局のところ東大内部でもASD等、発達障害の学生にどう対処するか意思統一が出来ていないということであろう。
文科省の田中氏は秋田大の問題について『今やったら100%アウトです。面接での対応に(例えばASD等で普通に受け答えが出来ない等)問題があったからといってそれを理由に面接で不合格にすることは絶対にあってはならない。大学側が志望理由などを聞きたければPCで文章作成させるなど代替方法を考えるべきである。』とのことでした。
まぁ現実には医学部の面接では『総合的に、、』とか全く合理性の無いまともに言語化すらできない曖昧な理由で不合格にすることが罷り通っていたわけですけどね。
今後は田中氏の仰る通り文科省から各大学を厳しく監督指導し、大学教官による恣意的な選抜は根絶するようにして頂きたいものです。



入試面接0点、なぜ 今年医学部不合格「採点基準は」
http://www.asahi.com/edu/center-exam/TKY201212230769.html