「川越style」

webマガジン川越styleは、「小江戸川越」のお店や人、イベント、行事、風景、文化、川越の熱い動きを伝える情報発信サイトです。過去記事もぜひどうぞ。川越の一大叙事詩、川越を深く伝え尽くす。


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「にっこり笑顔のフルーツタルト」。

見ているだけで笑顔になるような、楽しさ溢れるタルト。

食べるともっちりしていて、この食感もまたいい。

確かな美味しさと、思わず写真に収めたくなる楽しさ、夢宇らしいケーキがここにありました。


2015年4月にオープンした「和カフェ 夢宇(むう)」さん。
お店があるのは、本川越駅からだと連雀町交差点を右折し、

いちのやがある松江町交差点を越えて次の信号のところ、喜多院不動通りにあります。





店内は、手仕事の生活品や手作り焼き菓子を販売する空間と、

飲食スペースと二つに分かれていて、奥行きがあり広々としています。さらに外にはテラス席が。

飲食では、お店の看板でもある「夢宇の花籠御膳」が定番としてあり、

他のメニューは、季節を採り入れて週替わりで替わっていくので、行く度に楽しみがあります。


花籠御膳は小鉢がいくつも並び様々な味を楽しむことができ、その小鉢もまは季節により変わっていく。
五穀米と共にほっこりした気持ちになります。




週替わりは今の季節だと、涼しげなメニューが揃ってどれも和を感じられます。

麺類にご飯、3種類ほど用意されているので選ぶ楽しみがある。









そして、夢宇に来たら外せないのが、米粉を使ったロールケーキなどのスイーツ。

米粉を使ったロールケーキはもっちりしていて食べやすく、夢宇の藤澤さんの丁寧な仕事が感じられる。

抹茶ロールケーキに、チョコロールケーキも用意しています。


また、夢宇の一つのテーマでもある可愛らしい楽しさが添えられているのも見逃せません。

「いただきマウスのお芋タルト」。

タルト生地もカスタードクリームも、全て米粉で作っています。普通のタルトよりももっちり食感。


もともと藤澤さんは、和の素材を使ってケーキを作れないかというところから、

群馬製粉の特殊製法で製造された洋菓子用の米粉「リ・ファリーヌ」を使用しています。
「米粉を使ったケーキをもっと広めていきたいです」
と話し、今後、米粉のシュークリームやワッフルも提供できたらと話していました。

ケーキはここで日々手作りされ、店内で食べたり、もちろん持ち帰りにも対応しています。

予約すればホールでの購入も可能。贈り物に喜ばれそうです。
さらに、米粉のデコレーションケーキも作ってくれるそうなので、小麦粉を食べられない子どもに最適。
ケーキの上には、子どもの写真などあればマジパンを乗せることもできるし、
それは花嫁花婿さん、お父さんお母さん、

おじいちゃんおばあちゃん、ペットでも似せて作ることができます。


場所柄お客さんの和の要望も多く、あんみつを求める方が多いことから

お店のメニューに加えたりと柔軟に対応しつつも、
「そこに私らしさをプラスしたいと思って、

上にウサギのクッキーを乗せたりして可愛らしくしているんです」

パフェにもウサギのクッキーが乗っていて可愛い。
これからかき氷も提供していくとのことで、そこにも、夢宇らしいこだわりがあります。
「イチゴから作ったピューレをシロップに使ったり」
クッキーを乗せてウサギの耳にしたり、といろいろ試作していると笑顔で話す藤澤さん。
可愛いかき氷を楽しみにしていてください。


店内では焼き菓子も販売していて、もちろんこれも全て藤澤さんの手作り。
クッキー、フィナンシェ、マドレーヌなどのお菓子が並びます。







(和柄のふろしきで包まれた焼き菓子セット)


特に力を入れているのが、七つの素材を使って作っている

「小江戸川越 七福神」と名のフロランタン。
お芋、黒胡麻、白胡麻、生姜、かぼちゃの種、胡桃、アーモンドという素材を使い、

他では味わえないフロランタンに仕上げました。


(小江戸川越七福神巡りでは、喜多院が第三番の大黒天で、

成田さんが第四番の恵比寿天になっています)


また、生活を豊かに、楽しくなるような和雑貨も扱っていて、

ガーゼのハンカチ、手拭い、ミニトートバック、きんちゃく袋、

がま口ペンケース、がま口コスメポーチ、レトロお手玉、などなど。







ケーキは藤澤さんが担当、お料理はお母さんが担当、と親子で運営している夢宇。

もともとパティシエとして働いていた藤澤さんは、

夢宇を開く時に確固とした気持ちを持っていた。


「パティシエが作った美味しいケーキが食べられる空間を作りたい」


藤澤さんは、製菓の専門学校を卒業後、
横浜の大倉山駅前にある「パティスリー ピオン」で4年間修行しました。
ピオンは地域で親しまれている人気店。
塩坂シェフには厳しくも温かく鍛えられ、家族の一員のように見守られていた。
技術はもちろんのこと、人としての心の部分を学んだと振り返ります。
夢宇オープンの時もピオンの塩坂シェフは気にかけてくれ、連絡くれていたのだそう。


「ピオンでの経験が自分のパティシエとしての血となり肉となりました」


夢宇の可愛らしいマジパン、藤澤さんのマジパン作りは、ピオンに入った時から始まっていた。
「可愛らしさ、柔らかさ、楽しさを表現できるマジパンがずっと好きなんです」
藤澤さんはマジパンをつきつめようと、

毎年神奈川県のコンクールに出場し、ジャパンケーキショーにも何度も出場していました。
神奈川県のコンクールではマジパン部門で銅賞に輝いたことがあります。
その後練馬のパティスリーでも一年半働いたのち、川越にやって来てお店を開いた。

(練馬時代にジャパンケーキショーに出品した藤澤さんのマジパン作品)


川越には美味しいケーキが食べられるカフェはたくさんありますが、

パティシエが作るケーキが食べられるカフェとなると少ない、というかほとんどない。

そもそも、活躍する女性パティシエの存在自体が街に少ないし、

それはパティスリーを見てもそう。

川越のパティスリーはやはり男性パティシエが多いし、

それは川越に限ったことではないといいます。


「製菓の学校は生徒の8割くらいが女性という状況なんですが、

学校を出て働いても、多くの女性は途中で辞めてしまうんです」

生活の変化でパティシエとしての仕事を続けられなくなるケースは多く、
そのような女性を周りで身近に見ているからこそ、

藤澤さんは自分がここで新たなモデルケースになりたい、とも密かに思っている。


「結婚して子どもを産んでもパティシエとして働き続ける。

それができることを夢宇で証明して、他の女性を勇気付けたい」と。


子どもは負担ではなく、心の支えとしてパティシエを続ける、

我が子の笑顔をモチベーションに、夢宇でケーキを作り続けると決意しています。

藤澤さんのような、まだ小さなお子さんを育てながらの女性パティシエの挑戦は、

街として温かく見守りたい挑戦でもあります。
自身共感できる部分はたくさんあるので、

「赤ちゃん、子ども連れの方の来店は温かく受け入れています」と話します。
お店には段差がないので、ベビーカーや車椅子の方もスムーズに入ることができます。




川越の久保町はその昔、川越城の土塁を築くために

この辺りの土をさらったという云われのある地域で、

確かに今見ると土地はなだらかに窪んでいて、窪→久保という説に頷きたくなります。
喜多院と共に栄えた喜多院不動通りは、
昭和になると様々な商店が建ち並ぶようになり、
昭和初期の風情をそのまま今に伝えている貴重な通りです。


夢宇のテラス席からは、喜多院へ訪れる方が通りを歩くのが見え、着物姿の方も通り過ぎていく。

昔も今も変わらない川越と喜多院の風景。
今は毎月28日に成田山川越別院で「蚤の市」が開催されているので、
この日は通りも周辺地域も人で大賑わいになります。

日本人だけでなく、外国人も多く訪れ和の文化を楽しみ、

蚤の市の日は夢宇も外国人客がたくさんやって来ては、

お店の空間の雰囲気やお店で出される一つ一つに感動の声を上げるのだといいます。
椅子に座ると提供されるお茶にまず驚き、「グリーンティーが無料で出てくるなんて!」
その湯飲みに「蚤の市にあるような作品だ!」、
花籠御膳の小鉢やご飯の器にも素敵だと歓声を上げる。
さらにお茶請けのお菓子に、「ワンダフル!」と。
そのような外国人の反応から、この地域の和の香りを改めて再認識するようなところがあって、
喜多院、成田山が醸す悠久の雰囲気はやはり落ち着く。


喜多院不動通りは、かつては参拝客向けの店、昭和になると商店街、と変遷してきて、

そのミックスが今見られるだけでなく、
最近になって新しいお店が出来始めてきて面白い地域。
もともと、喜多院、成田山まで続くこの通りの雰囲気が好き、という方は多いし、
落ち着きたいけどゆっくりできる場所が今までなかった中、
かつてお参りに来られた方が通りにあるお団子や和菓子を楽しんだ風景が甦ったように、

今、夢宇のようなカフェが心和む時間と空間を提供しています。


ふと、
店内のあちらこちらに竹細工の作品が展示されているのを発見しました。

もしかしたら・・・見覚えのある方もいるかもしれません。
夢宇が出来る前に、ここにあったお店が、竹製品を扱う「待月」。
当時待月にあった竹製品を「こんなに素晴らしい製品は見てもらわないともったいない」と、

夢宇の店内に展示しているのだそう。
待月は質の高い竹製品で根強いファンがいましたが、

今でもこうしてあの竹製品にここで出会えることが嬉しい。




成田山の蚤の市に来るのは毎月通うようなリピーターが多いので、

もちろん以前の待月のことは知っている方ばかり。
そして、お店が夢宇になって店内にやって来ると、

懐かしいあの竹製品があちこちに展示されているのを見つけ、

また、店内の内装もかつての趣を留めている姿に、
「よく残してくれました。嬉しいです」
と声をかけられることがあるのだそう。

全く新しいものを作り上げるよりも、

昔のいいものを取り入れながら新しくするところが川越らしい文化だとしたら、

夢宇も川越らしさを意識して新しいお店を作りました。

(花籠御膳の真ん中に使われている小鉢は、待月の竹細工の入れ物を使用しています)


外のテラス席も、覚えている方にとっては馴染みの場所で、

待月の時からあったテラス席を今に活かしています。



見上げると天井にも竹が使われていたりして、造りは本当に立派。
テラス席は人気で、ここ目当ての方も多く、
犬好きの方の間ではすでに、犬連れで行けるお店として話題となっているよう。
この時もまた、「外の席いいですか?」と二匹のワンちゃんを連れた方がやって来ました。

開放的で気持ちいい席です。
藤澤さんもボストンテリアとフレンチブルドックを飼っているので、犬好きの方の気持ちは分かる、
テラス席にはリードリングを設置し、さらにこれからテラス席には

ミストシャワーを設置する予定なんだそう。暑い季節には人も犬も喜びそうなシャワーとなりそうです。


夢宇、

耳に残りやすい響きのこの店名は、ある場所からヒントを得たのだといいます。

それが、

長野県の八ヶ岳山麓にある、夢宇谷(ムウダニ)。
夢宇谷、そこは自然溢れる中に小川が流れ、

レストランや雑貨店、などが集まっている知る人ぞ知る場所。
そこに、藤澤さん親子が大好きだというギャラリー夢宇があり、
自身の名前の一文字と同じこともあって、川越で開くお店の名前を夢宇にした。
「大好きなあのような素敵な空間を、川越で作れたら」と願いを込めました。


夢宇は、「カフェ」と一言で言うと簡単ですが、

その本質はパティスリー併設のご飯屋さん、といえばいいでしょうか。

八ヶ岳の夢宇のように、落ち着ける場所として、

そして楽しさをプラスされて、
和の雰囲気の中でほっこりできる場所ができたことは、これから注目されていくと思います♪


「いただきます」。

その言葉には、食べ物を頂くという感謝の気持ちと、

食べる楽しさ、ワクワクが込められていることを思い出させてくれるような、ケーキでした。

にっこり笑顔のフルーツタルト、

いただきます。


「和カフェ 夢宇」
川越市久保町2-19
TEL 049-227-3497
http://koedo-mu-u.com/index.html
営業時間 10:00~17:00
ランチ 11:00~14:00
定休日 毎週木曜日、第2第4水曜日





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