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個人版私的整理ガイドラインによる債務整理の受付が本日より開始されました。
とはいっても、現時点においても不明な部分が多く、「とりあえずスタートさせてしまえ」という感の強い制度です。
重要な部分について、わからないことが多いのです。
まず、ポイント1。
http://www.kgl.or.jp/ このページに申立書式が載っています。
既存の個人再生の手続に似た書式が記載されており、集める資料もほぼ同じです。
つまり、そんなに簡単に申立できる制度ではないと言うことです。
もちろん、自己破産の申立を自分でやってしまう人もいますので、自分で申立をすることは不可能ではありません。
でも、「借金を免除して欲しい」と簡単に申し出れば良いというわけではないので、ハードルはかなり高いといえます。現実的には、弁護士等の専門家に依頼しないと申立ができない人が圧倒的に多いでしょう。
ポイント2
◎自己破産や個人再生と比較して、何が違うのか?
・自己破産とは、裁判所を通して、借金をチャラにしてもらう手続。
・個人再生は、チャラにはならないけど、最高で借金の8割を免除してもらう手続。
これらの手続と現時点において、明確に違うといえるのは、いわゆるブラックリストに載るかどうか、
という点です。
もう一つ。借金に保証人がついていた場合、主債務者が自己破産や個人再生をした場合には、保証人はその債務について責任を負うのが基本ですが、この私的整理では、一定の範囲で保証人に対して、請求をしないという運用がなされるようです。
この「一定の範囲」というのは現時点で不明確なので、裁判所を利用する手続とどれだけ違う結果となるかは不明です。
それから、破産や個人再生は「裁判所」が判断しますが、私的整理では弁護士等の第三者委員会が判断するという点も違います。
ポイント3
この私的整理は、二重ローン対策の一つとしてなされるものです。
しかし、二重ローンというのは、今までのローンの他に「新たに借り入れること」が前提ですが、
言うまでもなく、新たに貸すかどうかは、それぞれの金融機関等が決めることで、この手続を利用して債務整理したら、また借りることができるわけではありません。
ポイント4
現時点では、大きな問題2つについて、不明です。
一つは、対象となる人は誰か?ということ。安定収入のある人はダメという話も聞きます。
安定して収入のある人が対象外だとすると、被災者が自立する上で、非常に問題です。
自己破産や個人再生は、安定収入があっても申立ができます。
もう一つは、この私的整理においては、「債権者の同意」が必要と言うこと。
いろいろがんばって手続を進めてきたけど、最後の最後で債権者の一つが「ダメ」と言ったら、終了。ということです。
(ここは、第三者委員会が相当と認めた場合は、債権者は反対できないという運用も考えられますが、現時点ではまだまだわかりません。)
このように見てくると、この私的整理という制度がどこまで意味があるのか、わかりません。
裁判所を通した自己破産や個人再生の方が、確実に借金を整理できる可能性もあります。
どのような手続を選択するかというのは、非常に悩ましいところですね。
私的整理が裁判所の手続と比較して迅速に、容易に進むという事情もないようです。
どのような人に向けて、この手続を作ったのかはいまいちわかりません。
もちろん、津波で3年前に建てた家が流されて、住宅ローンがそっくり残っていると言う人や、個人事業主で数ヶ月間仕事がなくて、支払えないと言う人には、支援は必要だと思います。
その必要な支援がこの私的整理で得られるのかは難しいところがあります。
いずれにしても、今後の進み方を見ていくことが大事です。
なお、裁判所を通した個人再生手続は、使い勝手の良い制度です。特に、住宅ローンを抱えながら、他にも借金がある、住宅ローンは払えるけど、他の借金は払えないと言う人にとっては非常に利用価値のある制度です。
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